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概要編集

週刊少年サンデーの2019年第36・37合併号から連載が開始し、2021年第20号にて完結した。エピソードは『第~夜』で表記され、全76話。単行本は全8巻だが、後述のアフターストーリーを加えると全9巻になる。


後述のアニメ化に伴いサンデーうぇぶりにて、本編のアフターストーリーにも相当する『ノケモノたちの夜 フレイムナイト』が2023年1月4日から同年の3月5日にかけてWEB掲載され、約2週間の3月16日に単行本が発売された。


あらすじ編集

『崩国の十三災』の1柱と呼ばれる大悪魔・マルバスはふとした切っ掛けで、悪魔が視える孤児の少女・ウィステリアと出会った。

その日を境にウィステリアとマルバスは午前0時毎に、細やかな遣り取りを楽しむようになるが、その数日後にウィステリアが人身売買に懸けられると判明した。

その当日の夜にウィステリアは連れて行かれそうになるも、土壇場で彼女への執着心を自覚したマルバスが乱入、ウィステリアは咄嗟に自らの異能を代価に、マルバスと契約し難を逃れたのだった。

そして、寄る辺のないウィステリアは得られた自由を、半ば不死の存在故に生きるのに飽いていたマルバスは久々の悦楽を甘受すべく、両者は当て所もない旅をするのだった……。


登場人物編集

本編編集

契約者と悪魔編集


剣十字騎士団編集


敵対勢力編集


民間人(?)編集


????編集


フレイムナイト編集

過去の契約者編集

  • オフェーリア・グレイ

敵対勢力編集

  • デモリリス
  • ゼファール

専門用語編集

悪魔

おおむねは世間一般の悪魔像が通用する。

ただし、この作品独自の性質として“封印環(後述)によって自己の存在を維持しているが、拘束されてもいる” “契約者の望みを叶える場合、相応の代価を払わなければ願いが叶えられない(=それもなしに叶えると悪魔側にペナルティが発生する)” “悪魔自身の望みを叶えられない”が挙げられる他、フレイムナイトでは新たに壊す』『奪う』『殺す』等の『損ねる』方向に特化していると捕捉された。

そのような性質からか、悪魔が上記以外の行いを実行しようとすれば、悪魔の生命の危機に直結する程にリスクが大きく、時に正当な行為ですら吐血する程のダメージに繋がる。

また、願いの上限値があるらしく、それを超過するような契約は実行できないが……。


崩国の十三災

この作品における強大な大悪魔の総称。

本編では

  • 『炎災』マルバス
  • 『地災』ナベリウス
  • 『風災』アスタロト
  • 『戦災』ダンタリオン
  • 『幻災』シトリ

以上の5柱が、更に『フレイムナイト』の本編では

  • 『飢災』デモリリス
  • 『病災(※)』ゼファール

扉絵では

  • 『凍災』(扉絵での登場のため、名前を含めた詳細が不明)
  • 『雷災』(同上)

が登場した。


設定上では残りは以下の通り。

  • 『人災』(構想上では剣十字騎士団の団長がこれに化生するとされ、フレイムナイトにて正式に確定した)
  • 『水災』
  • 『緑災』
  • 『?災』(敢えて秘されている)

(※無印版・単行本8巻では『災』であったが、フレイムナイトの連載・単行本化にて変更された。もしかしたらだが、劇中で同じ造語を用いたこちらと何かがあったのか?……)


封印環

悪魔の力の顕現にして枷。

これによって悪魔は自らの存在を顕現・維持しているが、強大な悪魔程これによって自らの力も封印されている(崩国の十三災に至っては9割もの力を抑えられている)。

ただし、契約した悪魔と契約者の意識を同調する、もしくは尽きぬ怒りや絶望に心が支配され、自らを含むあらゆる存在を破壊したい衝動のままに自ら破壊するなどによって、枷を解放するのも可能。

この状態は『限定解臨』または『厄災解臨』と呼ばれ、悪魔本来の権能をほぼ自由に行使出来るが、前述の破壊衝動によるものの場合は自殺行為にも等しく、放置にすれば衝動のままに暴れた果てに滅んでしまう。

剣十字騎士団の団員からは『エビデンス(恐らくコレに掛けていると推測)』とも呼ばれ、給料査定にも関わっているらしい。


三ツ目の悪魔

劇中で暗躍する謎多き存在。

上記の通りこの作品の悪魔は多数の独自の性質=枷を備えるが、三ツ目の悪魔はその性質を無視した行動を見せる唯一の存在である。

ただし、三ツ目の悪魔が最も厄介なのは上記の性質無視ではなく、自己の周囲にいる人間のほんの些細な望みを聞けば、それを『契約』と見なし実行する強制力と見境のなさである。


剣十字騎士団

いわゆるエクソシスト集団。

悪魔が視える人材は実働部隊、視えない人物は後方支援を勤める。

一応は教会に与する組織だが、純然な信仰心だけで属する人間は極めて少なく、構成員の中には良くて性差別がない完全実力主義社会』だから、悪いと悪魔への憎悪』だけで属する、果てはまともな社会生活を送れるか疑わしい狂人共までも……(そんな人事だからか、自分達から悪魔にケンカを売っておきながら、ヤバくなったら悪魔の契約者を人質に逃げる構成員も……)。

基本的に実働部隊に配属される人間は希少な為、一部の人員は自分にとって有利な雇用体制を取っている。


アニメ編集

アニメ化が決定し、2023年1月よりTOKYOMX読売テレビBSフジにて放送され、同年の3月に完結。


全体的にディテールアップが施されており、特に第1話の目玉たるウィステリアとマルバスの間で交わされた契約は、原作にないバトルシーンを交えたドラマティックな仕上がりになっている他、一部複数のエピソードを1つのエピソードとして再構築し、キャラクターを前倒しで登場させてもいる。

ただし、制約から一部の過激な描写は控え目(※)に修正されていたり、キャラクターの装飾品が簡素化されている。

また(原作自体が設定の全てが消化されていない状態で完結している、1クールによる放送枠などの都合が重ねって)、終盤の決戦パートはバトルの順序が前後する、一部キャラクター間の遣り取りが簡素になるなどの弊害も生じてしまい、一部の視聴者からは消化不良感もある。


(※逆にディテールアップしているシーンもある


制作スタッフ編集

監督:山本靖貴

シリーズ構成:山下憲一

脚本:山下憲一、ハラダサヤカ、山本靖貴

キャラクターデザイン:大沢美奈

モンスターデザイン:鈴木勘太

総作画監督:大沢美奈、鈴木光

音楽:堤博明、橋口佳奈

音楽制作:ポニーキャニオン

音響制作:スタジオマウス

アニメーション制作:葦プロダクション


主題歌編集

  • オープニング:「明日のカタチ」竹達彩奈
  • エンディング:「Rewrite」Hakubi

余談編集

悪魔の名前はソロモン72柱から拝借されているが、肝心の姿や権能は伝承とはほぼ無関係である

これは作者曰く「名前は『響き』と『語感』」「まずキャラクターを作り上げた後、そのキャラクターに似合った響きを最優先に選んだ」(いずれも要約)と答えている。


『フレイムナイト』では、遂に作者自らが創作した(と思われる)名前の悪魔が登場した。


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