概要
生物の遺伝子は、発生および成長・生存の過程で、常に同じわけではない。多細胞生物の体細胞において細胞核に含まれる遺伝子の構成は基本的に生涯を通して同じものであるが、各細胞は必要に応じて発現させる遺伝子を切り替えて利用している。そのような後天的な遺伝子発現の制御の変化を一般にエピジェネティクスと呼び、DNAのメチル化修飾やヒストンタンパク質の化学修飾などによって制御されることが分かってきている。有性生殖での配偶子形成過程あるいは人為的な分化能の獲得過程でのエピジェネティック修飾の消去および再構成を、リプログラミング(再プログラム化・初期化)と呼ぶ。
世界で初めて人工的なリプログラミングに成功したのはイギリスの生物学者のジョン・ガードン。1962年に分化した体細胞は胚性の状態にすることができると、オタマジャクシの腸上皮細胞を徐核したカエルの卵に移植することで実証した。また日本の医学者の山中伸弥は、ガードンが発見した体細胞の核移植または卵母細胞に基づいたリプログラミングが起こる要因となる明確な遺伝子を特定。マウス線維芽細胞に複数の遺伝子を導入することで人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作成したことを報告した(2006年)。この研究成果により、ガードンと山中は2012年のノーベル生理学・医学賞を受賞することになった。
創作作品にて
・・・「医療」と「ゲーム」をモチーフとした特撮作品。劇中でも先進的な医療技術として紹介された他、リプログラミングが今作における戦士である「仮面ライダー」のシステムに適応されることで主人公達は強力な力を獲得した。
モチーフの「ゲーム」から、コンピュータのリプログラミングともダブルミーニングとなっている。