概要
バダン帝国の支配者であるバダン総統にして、ショッカー~ジンドグマまでの暗黒組織を陰で操っていた大首領その人。自らを「全ての生命の長」と称している。
作中、彼の台詞は初期はヲシテで表記されていたが、現在は普通の表記になっている。
仮面ライダーZXの姿を鏡映しにした姿をしているが、これは元々ZXの身体は、彼の姿を模して製作された為である。
その正体は地球に何らかの目的で(おそらくB26暗黒星雲から)2人の同胞を引き連れてやって来た異星人。その目的は未だに不明だが、その手段の一環として最初に降臨した日本列島から猿をベースとして人類を創造した、言うなれば人類の創造主「神」そのものである。
元々は固有名詞を持たない種族だが、人類に恐怖と畏怖を与えるためには固有の名称が必要と感じたことからJUDO(ジュドー)を名乗っているが、かつて目的達成のために拠点としていた日本においては、古代日本人に日本神話を作らせた際はスサノオと名乗っていた。
邪馬台国政権時代に日本神話でツクヨミと名乗っていた同胞が、道具として使役していた人間たちと触れ合っているうちに命の尊さを知り、彼ら生命体の進化を目の当たりにして感銘を受けて情を持つようになり、自らを裏切り、彼らを解放するために反乱を起こし、アマテラスと名乗っていた同胞を破壊、自身もツクヨミが自らの肉体と引き換えに月面に作った「虚無の牢獄」と呼ばれる異空間に幽閉(封印)されてしまった。
その後は現世への復活を目論み、ショッカー~ジンドグマ、果てはアドルフ・ヒットラーを介してナチス・ドイツすらも陰で操り、歴代組織より練り上げた技術の結集で素材・質量、精密さから歪みまで全く同じ、もう一つのJUDOの肉体を牢獄の外に生み出し、同物質同士の干渉による人格の交代で牢獄から脱出するために暗躍していた。
つまり、この作品においてライダーマンを除く歴代昭和仮面ライダーはJUDOを現世に復活させる器であるZXボディ製作の過程での試作品である。
その目的のためなら、非人道的な行為ですら躊躇なく行う冷酷さを持つ。ZXのボディ製作のために行われた拉致や人体実験の為に途方も無い数の人間が犠牲になっている。
さらに「竜(時空破断システム)」を勝手に(本人はJUDOのためと思ってのこと)使い始めた暗闇大使に対し、増長し始めたと称し、制裁として顔面を割って恐怖を味わせるなど、部下に対してもただの手駒程度にしか思っていない節が垣間見える。
また、ツクヨミの思惑もどこか心地良さを感じており、ZXとの戦いでは、一度は自分を追い詰めたZXに対して初めて恐怖というものを感じたが、それさえも許容してみせる一面も併せ持つ。
現在は現世に復活を果たし、目的を達成することよりも、自分に恐怖を与えた唯一の者であるZXとの戦いと決着を何よりも望み、それこそが進化に至る道だと考えているようだ。
なお、JUDOに近い存在になった風見志郎の証言によれば、“その本質は命というもの感覚を持たず(感じない)、無邪気に押し寄せる破壊衝動に従って活動する者”だとされている。
主な戦力
VS仮面ライダーZXとの戦いにおいて、戯れで自身の進化を楽しむために、左腕の傷の再生中に本来の姿ではなく、吹き飛ばされた左腕を除いて、仮面ライダー旧1号と全く同じ姿に変身。さらにその状態から変身を繰り返し、ライダーマン以外の歴代ライダーの最初期の姿を取り、ZXと違い特定のポーズをとらなくても常に最大の攻撃力を維持できるという、「大首領」に相応しい能力の一端を読者に見せ付けてくれた(ZXの初期案であるスーパー1までの昭和ライダーにも変身出来るという案のリファインとも採れる)。
変身方法は全て初期改造時のもの(1号は旧1号と同じく、変身ポーズなし、Xライダーはマーキュリー回路を埋め込む前のセタップ、スーパー1は自力ではなく変身用の設備を使用しての変身)で、あくまでスペックに頼った戦い方をするため、ライダーが戦いの中で磨き上げた戦闘経験が無い分、実際の戦闘における実力は本家本元より劣るようで、ライダーマン以外にも、パワーアップ後の姿(新1号、新2号、マーキュリー回路装着後のXライダー、チャージアップしたストロンガー、パワーアップしたスカイライダー)や特訓の末に身に着けた技(梅花の型など)に反応できないという弱点がある。
大首領閣下の主な活動歴
仮面ライダーSPIRITS第2部の初期、戦死したガモン=暗闇大使を復活させる。
暗闇大使が時空魔法陣により改造人間の素体となる人間達を世界各国から拉致する際には、彼から許可を得る支持を仰ぐようにサザングロスが月に向かって咆哮を上げると、不気味な髑髏の姿で現出。
暗闇大使がライダー達に魔法陣を破壊されたフィードバックで2度目の死へ落ちた際には、彼に更なる力を与えて再び復活させた。
暗闇大使の子ら3人(ジゴクロイド、カマキロイド、カニロイド)とZXとの戦いの最中、一時的にZXの体を乗っ取り現世への復活を果たす。
しかし、一条亨博士が今まで自分がおこなってきた行為と村雨良に対する罪の意識で密かに制作していた「メモリーキューブ」をルミによってはめ込まれてしまい、憑依が不安定になった所を村雨しずかの霊体に引きはがされ、再び虚無の牢獄へと封印される。
しかし、日本各地に多数の改造人間の素体が納められた「黒いピラミッド」と共に「黄金のドクロ」の姿で現れ、人類の神経に埋め込まれていた「人類は本能的にバダンに逆らえない」という恐怖と服従のプログラムを発動させるために「人類抹殺」を公言、人々の間にバダンシンドロームを誘発させた。
その後は、暗闇大使に1号~スーパー1までのライダー達に倒された歴代組織を復活させ、本格的に日本総攻撃を開始する。
四国編では、暗闇大使が立案したアマテラスの残骸であるサタンニウムを使用し虚無の牢獄を破壊して復活を果たすという作戦に意欲を見せるが、ツクヨミが一時的に牢獄の封印を解き、V3の命を賭けた26の秘密の1つ「火柱キック」を受けたアマテラスの誘爆により復活は阻止されてしまい、さらにアマテラスを捕らえようとした左腕も吹き飛ばされてしまう。
そしてツクヨミがZXの(JUDOの憑依をメモリーキューブなしで跳ね除けることが出来るようにするため)成長の願い再び彼の張り巡らせた虚無の牢獄内で遂にZXとの因縁の対面を果たす。
その戦いで最初はZXを圧倒するも、歴代ライダーとの出会いで本物の強さを知っている彼に次第に押され始め、ZXを肉体的には追い詰めたものの精神面においては初の敗北を味わい、ZXの成長を見届けたツクヨミによってZXを取り逃がす。
しかし、初めて「恐怖」という概念を与えたZXとの再戦を望みながら、再び牢獄でその時が訪れるのを待ち受けることにした。
その後、しばらく鳴りを潜めていたが、自身が今まで行ってきた邪悪な行いを止めるべく、時空破断システムを制御する「コントロールアーム」を使い虚無の牢獄へと突入して来た結城丈二/ライダーマンと対峙。
当初は歯牙にもかけなかったが、自在に自身の使う力の一部である「竜」の力を使いこなす彼に人間として村雨良に続き興味を抱き始め、戯れに彼との戦いに臨む。
更に結城丈二の使用したコントロールアームを依代として分体が現世に降臨する。
関連タグ
歴代の暗黒組織
ショッカー、ゲルショッカー、デストロン、ゲドン、ガランダー帝国、ブラックサタン、デルザー軍団、ネオショッカー、ドグマ、ジンドグマ、バダン
自立志向プログラム傀儡たち
チェン・マオ(平山亨氏による短編小説に登場。チベットの伝説的な魔法医で、ショッカー首領の仮の姿の1つとされる謎の老人男性)、ショッカー、ゲルショッカー首領、デストロン首領、ブラックサタン大首領
協力者たち
直属の先兵
デルザー軍団大首領(岩石大首領)、ネオショッカー大首領、帝王テラーマクロ(カイザーグロウ)、悪魔元帥(サタンスネーク)
登場作品
原作「仮面ライダーZX」での名称
他の関連
ディケイド:歴代ライダーに変身する能力を持ったライダー。こちらはショッカーの後継組織が作ったもの。
ダークザギ:ウルトラシリーズにおける似たポジションのキャラ。
オーマジオウ:主役ライダーの行き着く先と言えるボスキャラ繋がり。こちらもツクヨミの名を冠した人物と敵対していた。
仮面ライダーアークゼロ:他者の肉体を乗っ取って活動するダークライダー。こちらはJUDOとは逆に戦闘力が分身に依存しており、別の場所から分身を操っている本体は無力に等しい。
エボルト:後の仮面ライダー作品で多くの人々を弄んだり、戦乱を起こしたりして暗躍していた宇宙人。ある意味JUDOと同じと言える。