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「無駄だな、一也。余は不死身じゃ」

CV:汐路章

概要

 度重なる仮面ライダースーパー1の妨害により全てのドグマ怪人を失った帝王テラーマクロが、本拠地に乗り込んできたスーパー1に対し自ら打って出るため、ドグマ王国の守護神「カイザークロウ」の力を得、それそのものになる神聖なる儀式「合体の義」でカイザーグロウの像に流れる白い血液を(一部を除き)全身に浴びることにより不死身の肉体を得て変身した、ドグマ超A級怪人にして帝王テラーマクロの正体とされるカラス型宇宙生命体。

鳴き声は「カアァァァ~ カアァァァ~」。

クチバシや脚の指先から放つ強力なロケット弾や鉤爪での攻撃が主な武器で、不死身の肉体を得ているが故に如何なる攻撃をも受け付けない恐るべき能力を持っている。

玄海老師弁慶、赤心寺の玄海流の門下生達を抹殺して赤心寺を壊滅させ、スーパー1ですらも一度は敗退させた。

しかし全身に血を浴びる際にどこからともなくやって来た1羽のカラスが右肩にとまっており、その部分だけが血を浴びられず、ここが唯一の弱点となっていたのである。

その弱点を玄海老師との交戦中に悟られてしまい、老師は始末したものの、彼の死ぬ間際にその事をスーパー1に伝えられてしまう。

玄海老師や弁慶を殺されて怒りに燃えるスーパー1との再戦時にはその弱点である右肩に集中放火され(肝心な時にカラスは逃げてしまっており、慌てたマクロは普段の冷静さを忘れて「どこじゃ、カラスはどこじゃ? 儂の右肩に止まれ、カラスよ!」と狼狽していた)弱った所へ怒りと悲しみを込めたスーパーライダー月面キックを食らい、「ドグマは永遠なり~~!」断末魔の叫びを上げて爆死した。

なお、右肩にとまっていたカラスは合体の義の際に親衛隊が排除しようとしたが、マクロが聖なる鳥(守護神カイザーグロウがカラスのため、カラスは神の使いとされているためと思われる)なので縁起が良いということで不問にしたり、血を浴びる際「余と共に永遠に生きるのか?」と呟くなど、えらく気に入っていたが、実はその正体はジンドグマの支配者悪魔元帥が放ったスパイ「クロウ」であり、彼らが台頭するため邪魔なドグマを壊滅させるため(あわよくばスーパー1と共倒れを狙ったのかも知れない)「合体の義」を邪魔することが目的であったということが物語の最後で明かされた。

ドグマの神の使いであるカラスが縁起が良いどころか、不吉な象徴で、ドグマ壊滅を暗示するとは皮肉なものである。

だが見方を変えればカイザーグロウの不死身能力が完全だった場合、スーパー1やジン・ドグマの上位幹部達はおろか悪魔元帥(サタンスネーク)ですら勝ち目が無く、それを恐れたからこそ悪魔元帥はわざわざスパイを送ってまでカイザーグロウの不死身能力を不完全にさせたのではないかと思われる。

完全な不死身となった場合のカイザーグロウは、悪魔元帥率いるジン・ドグマにとってスーパー1以上の脅威(つまりは『仮面ライダースーパー1』最強の怪人)になり得たのだろう。

派生作品

山田ゴロによるコミカライズではクロウが登場しないため、右肩の弱点も存在しない。

今作では口の中に手を突っ込んで体内メカを無理やり引きずり出すというあまりにもエグい方法で勝利している。そうでもしないと倒せないというのが大きいが……

仮面ライダーSPIRITS』では魂の無いただの傀儡として復活しており、さらに自身の死を演出した仇敵・悪魔元帥=サタンスネークと結託し、合体怪人「毒の牙と翼の融合」怪人(正式名所不明)として再びスーパー1との対決を開始することになった(その際、何故か死んでいないクロウまで再現されている)。詳細についてはサタンスネークの項目を参照。

ヒーロー戦記』ではドグマは既にスーパー1に滅ぼされているものの、カイザーグロウだけはバダンに移籍している。不死身の怪物を手にしたことで弱小組織のバダンが圧倒的に規模で勝るネオショッカーと渡り合い、硬直状態に持ち込んでいた。しかしながら知性はカラス並でライダーたちからは「ふじみの かいぶつ」と呼ばれ、会話すらしない。原作同様に不死身にもかかわらず、基地に落ちたミサイルの音に驚いて飛び去るなどの点からうかがえる。

最終的にはシャドームーンの手に落ちたようで、彼との戦いの前座として立ちはだかることになる。弱点を知っているライダーRX以外の攻撃は一切通用しないため、パーティ内での役割分担が必須になる。1度目は弱いが2度目は妙に強いステップパンチ(極めて稀だが状態を仕込むこともある)を仕掛けてきたり、終盤になると脅威の1ターン11回攻撃を行うのが特徴。

余談

「不死身になる為の血を浴びる際、『烏の止まった部分』だけが不死身では無くなった」という設定は、北欧神話関係の英雄であるジークフリートを想起させる。

ジークフリートもまた、ドラゴンの血を浴びた事で不死身の肉体を得るまでに至ったが、「偶々背中に張り付いていた菩提樹の葉の部分」のみが血を浴びていなかった事で、唯一の弱点となってしまい、最終的に命を落とす要因になったのである。

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