インドボダイジュ
クワ科イチジク属の高木。熱帯性の樹木で、インドから東南アジアにかけて広く分布する。日本でよく見られるアオイ科シナノキ属のボダイジュ(中国原産)も「菩提樹」と表記されるが、別物である。
釈迦は菩提樹の下で覚りを開いたということはよく知られているが、仏典に登場する「菩提樹」は本種である。中国では熱帯産のインドボタイジュの生育には適さないため、葉の形が似ているシナノキ属の樹木を菩提樹としたと言われる。
インド発祥の仏教が北方の中国や日本などに広がるにつれて、耐寒性の強いボダイジュが本種の代用とされ寺院に植えられた経緯があるが、温暖化の進んだ近年は、南関東以西の温暖地の寺院ではボダイジュではなく本種を植えている場合もある。
なお、インドボダイジュの近縁種にベンガルボダイジュと呼ばれるものがあり、日本では盆栽風に仕立てたものが観葉植物として利用される。