もしかして……
同じ名前の漫画作品が存在するので、そちらの詳細は以下のリンク先を参照
→GBAソフトファイアーエムブレム封印の剣の外伝コミカライズ覇者の剣
または……
概要
ロモス王国が所有する剣で、同じくロモス王国が所有する『覇者の冠』と同様に作中最強の硬度を誇る超金属『オリハルコン』で作られている剣。太古の時代に神々が人間に与えた希少なオリハルコンを用いて作られたものであり、『伝説の武具』の一つ。
作中での覇者の剣の行方
本編の主人公である少年ダイは魔王軍との戦いの中で、強敵バランを仲間達の助力もあって辛うじて退ける。
……だが、その中で自分がコントロールできるようになった自分に秘められていた竜の騎士の力である『竜闘気』は『その強大なパワー故に、普通の武器ではそれに耐えられず敵に攻撃を当てるよりも前に壊れてしまう』という致命的な欠点を抱えていた。(それに加えてダイの場合は、本気で攻撃する際は右手に竜闘気が一点集中されるため更にパワーが増しており、前述のバランとの戦闘の中でもパプニカのナイフを壊してしまっている)
そのため、ダイはバランとの戦闘が一段落したあとにパプニカ王国にて「自分の竜闘気に耐えられる武器はこの世にあるのだろうか……」と仲間のポップと一緒に頭を悩ませていたのだが、その場にいて、それを聞いていたレオナ姫に仕える老兵バダックが「伝説の覇者の剣なら大丈夫ではないか?」と口にしたことで、二人はそれに食いついてバタックから詳細を色々と聞き、その中で『覇者の剣はロモス王国で今日開催される武術大会の優勝賞品になっている』と知ると急遽、自分達が過去に魔王軍から救った国であるロモス王国にポップのルーラで急いで急行する。
……のだが、時すでに遅く武術大会に参加するための受付時間に間に合わなかったという残念な結果になってしまい二人は大いに落胆する。だが気持ちを切り替えた二人は「せめて武術大会だけでも見学していこう」ということになり、その中で修行目的で離脱した仲間『マァム』と再会を果たす。ダイ達はマァムに事情を全て話し『自分達に代わってマァムに武術大会で優勝してもらい覇者の剣をゲットしてもらう』という約束を取り付けることに成功する。
マァムは修行の成果もあって予選を突破し、本戦トーナメントまで勝ち進むのだが、その本戦のトーナメント表を決める最中、実は人間に化けてロモス王国に潜伏していた魔王軍の幹部の一人『ザボエラ』の息子である『ザムザ』が、マァムを含む本戦出場者達8人を『自分達妖魔士団が研究している超魔生物を造り出すための実験材料にする』という目的で捕らえてしまう。
それを目の当たりにしたダイ(とポップ)は、マァムを救出するため……そしてもう一度ロモス王国を魔王軍から救うためザムザと交戦する……
その中でザムザは超魔生物に変身するのだが、ダイは『自分が全力で戦えるような武器が手元にない』という事で超魔生物と化したザムザに苦戦してしまう。
しかし、戦闘中にダイは武術大会の優勝賞品である覇者の剣を見つけ、(戦いの中で消耗状態になって満足に動けない状態だったのもあり)マァムと共に武術大会に参加していた彼女の兄弟子『チウ』の助力もあって覇者の剣のところまでたどり着く。
そしてザムザとの戦いの中で見たマァムの『攻撃を直撃させるその瞬間だけパワーを集中させる』という戦闘技術を応用した全力の竜闘気を攻撃の瞬間だけ込めた渾身の一撃で見事、ザムザを撃破する。
だがその直後、かつてバランと戦った時に使用した鎧の魔剣の時の如く、覇者の剣は腐食するように壊れてしまったのである。
それを見たポップは「覇者の剣ですらダイの竜闘気には耐えられなかったのか!」と困惑するが、ロモス王は「覇者の剣は自分が以前にダイに授けた覇者の冠と同じくオリハルコンでできているからそんなことは絶対にない」と断言すると、ダイに倒されたザムザの口から『ダイが使った(武術大会の優勝賞品になっていた)覇者の剣は偽物で、本物の覇者の剣は既に魔王軍に届けた後である』という事実が語られるのだった……
そこから物語は進み、ダイは自分の求めていた『全力で竜闘気を使っても壊れる事のない剣』である『ダイの剣』を得て魔王軍と戦っていくのだが、その中でかつて自分が退けた師であるアバンの仇である因縁の相手ハドラーと再会する。ハドラーはザボエラによって改造されることでザムザと同じく超魔生物に生まれ変わっていたのである。そしてダイは超魔生物になっただけでなく魔王軍に奪われた覇者の剣が右腕に装備として備わっているハドラーと戦闘になり、お互いにオリハルコンでできた剣を使って激戦を繰り広げるのだが、結果は両者が戦闘不能になり引き分けという形になる。
↑のイラストが、覇者の剣を装備したハドラー。手に持つのではなく腕に固定する手甲剣のような使い方で使用している。
そしてそこから更に物語は進み、ダイは魔王軍の支配者である大魔王バーンの居城であるバーンパレスに仲間たちと共に辿り着き、その入り口でダイはハドラーと3度目の一騎打ちを繰り広げる。『真竜の闘い(バーン曰く『戦闘で発生して蓄積された超高熱エネルギーが、戦闘で負けた方へ流れて行き、敗者は確実な死を迎えるという恐ろしいもの』)』が発生する程の激戦の中、ダイは『バーンとの決戦に備えて編み出した必殺技』であるアバンストラッシュの発展形『アバンストラッシュX(クロス)』を炸裂させ、ハドラーの右腕の覇者の剣の刃を折り、ハドラーを倒す。
だが、『アバンストラッシュX(クロス)』と『真竜の闘い』の二つのダメージを受けて本来なら生きてはいないはずのハドラーは執念で立ち上がり、更には自らの生命を闘気に変換して作った刃を覇者の剣の新しい刃としたのである。
アバンストラッシュX(クロス)で竜闘気を殆ど消耗したダイは、ロン・ベルクの作ったダイの剣の鞘の助けもあり、立ち上がったハドラーとの勝負で自分の師であるアバンの技であるアバンストラッシュと、魔王軍との戦いの中で死に別れた自分の父『バラン』の力である『ギガブレイク』を掛け合わせたもう一つの必殺技『ギガストラッシュ』を土壇場で編み出してそれをハドラーに炸裂させ、ハドラーに装備されていた覇者の剣は刃以外の残った部分(柄)も全てバラバラに砕け散ったのだった……。
漫画版クロスブレイド
当初は2巻に登場した超魔生物ハドラー(別世界の存在)が所持していたが、超越魔王ダムドに苦戦する主人公ユウキに託して逆転勝利を引き起こさせた。ダムドの必殺技「次元破断掌」を弾き飛ばしてユウキたちを救うなど、かなりの業物として描写されている。
このため覇者の剣は砕かれることなく主人公専用の武器となった。またハドラーは仲間になったが剣がないため素手で戦っている。
しかし5巻終盤の屍騎軍王ゾルデとの戦いでは、彼が持つ妖刀(超越大魔王ロムドラドが授けた)に歯が立たず手放してしまう。以後は超越魔王ダムドが授けた絆の剣と盾に切り替えたため、覇者の剣は使用されなくなった。
余談
オリハルコンで作られているため、本来なら作中で登場する剣の中でも最上位クラスに位置するのだが、ダイの剣を作ったロン・ベルクによると人間の手で作られた剣らしく、彼は神々が作った真魔剛竜剣を自分の武器製作の目標にしていたのもあって『ダイ(とダイの剣)が覇者の剣(を使用したハドラー)に負けた』と知った時には覇者の剣を「何処の誰が作ったかも知れない(同じ材質の)ナマクラ刀」呼ばわりしていた。
ちなみに2020年版のアニメではセリフが変わって「(同じオリハルコンで出来てるからって)覇者の剣ごときに負けてノコノコ帰ってくるような奴には……」とこき下ろしていた。
とはいえ鬼岩城をも真っ二つにしたダイの剣の攻撃(しかも鬼岩城を斬った際は大地斬、ハドラーに放った際はアバンストラッシュ)を真っ向から受けても一切ダメージを負う事なく耐え、一度はダイの剣すらもへし折った光魔の杖との鍔迫り合いの際にも折れる事はなかった事(その際のバーンは魔法力を大量に消耗して光魔の杖の攻撃力が大幅に下がっていたとはいえ)を考慮すれば単なる『オリハルコン製の剣』というだけでは説明がつかない業物であり間違いなく作中最強クラスの武器の1つである事は疑いようがない。ロン・ベルクの酷評も実際の覇者の剣を見ていない故の憶測であり実際に目の当たりにすれば評価を覆す可能性は高かったのではないかと思われる(自分の作った剣が負けたという対抗意識から口が悪くなった可能性もある)。
2020年版のアニメOPでは、2ndOPアニメ内で、ダイがザムザと戦うシーンでダイが手にしているのを確認できる。
偽物の覇者の剣も拳の竜闘気を全開にしたダイのパワーに一撃は耐えられているため、武器としての性能は同様に一撃は耐えた鎧の魔剣と同程度にはあると推測できる(鎧の魔剣の時は雷撃呪文も更に上乗せしていたが)。
鎧の魔剣もヒュンケルによれば「真魔剛竜剣ほどではないが伝説の魔剣といわれた一刀」というほどの性能があり、このため偽物も並の人間が持つ武器としては十分に地上最強レベルといえ、実際に大会優勝者に贈られたとしても偽物と露見する可能性は低かっただろう。偽物の剣の材質ははっきりとは語られていないが、恐らくは魔剣と同じ金属と思われる。
関連タグ
覇者の冠:ロモス王国が覇者の剣と一緒に所有していた冠で、前述の通りオリハルコンで作られている。
ダイの剣:ダイの最終武器。覇者の冠を素材に作られているため、覇者の剣とはある意味で兄弟のような関係である。
真魔剛竜剣:バランが使用する剣。こちらも覇者の剣やダイの剣と同様にオリハルコンで作られており、それに加えてロン・ベルクに『神々が造り出した地上最強の剣』と称される竜の騎士専用の剣である。