概要
正式名称は『Pokémon Generations』。
ポケモンシリーズ20周年を記念して製作されたWEBアニメ。全18話。
第1世代から第6世代までの全てのゲーム作品の世界観を舞台に、ゲーム本編のイベント等を元にしたエピソードを描くショートアニメ(1話あたり3~5分)となっている。
ただし、ゲーム本編の出来事がそのままアニメ化されているわけではなく、本作オリジナルの展開も含まれる。
作画は従来のテレビアニメ版(アニポケ)とは大幅に違い、全体的に大人向け寄りになっている。
前述したようにゲーム準拠の作品の為、世界観もアニメ版ポケモンシリーズとは無関係である。
なお、制作自体はアニポケと同じくOLMである。
ゲーム版の男主人公にあたる人物(レッド・ヒビキ・ユウキ・トウヤ・カルム)も一部登場しているが、シルエット描写などで素顔を一切伏せられた演出を施されており台詞も一切話さない。
大半の話で原作のキーパーソンと言っても過言ではないハンサムが物語に関わる。
YouTubeで配信され日本でも視聴できたが、当初は英語版のみで日本語には対応していなかった。
日本語吹き替え版は2016年12月9日から2017年2月2日の間にポケモンYouTube公式チャンネルで順次配信され、現在も視聴可能である(ただしタイトルや字幕は英語のまま)。
登場キャラクター・声優陣
キャラクターの声優は全て本作オリジナルキャストとなっており、アニポケはじめ他の映像媒体とは異なっている。
※ハンサムは17話のみ藤原啓治から堀内賢雄に変更されているが、これは藤原氏が休養に入った2016年8月以降に収録されたからとみられる。
キャスト
マリ(アナウンサー):坂本真綾
ダイ(カメラマン):保村真
ソライシ博士:飛田展男
ちなみに、名無しのゲスト枠にも釘宮理恵や井上喜久子、故・有本欽隆等の顔ぶれがいたりする。
サブタイトルとあらすじ
Episode 1: The Adventure (冒険)
ポケットモンスター赤バージョンのオープニングから始まり、カントー地方からカロス地方まで世界中を駆け巡る主人公とピカチュウの冒険が描かれる。
主人公に台詞は一切なくダイジェスト形式の映像となっている。冒頭のゲーム画面からアニメに移行する演出は記念すべき1997年のアニメ第1話を彷彿とさせ、この手法は同じくゲームを元とした映像化作品である「ポケットモンスター THE ORIGIN」でも使われた。
前述のようにこのエピソードだけは台詞が存在しないため、吹き替え版ではピカチュウの声のみ新録となっている。
Episode 2: The Chase (追跡)
ロケット団のボスであるサカキの行方が遂に突き止められ、警察の機動隊がトキワジムへ突入する。
時系列はトキワジム戦終了後。原作には未登場であるハンサムの視点で語られる。
Episode 3: The Challenger (挑戦者)
カントー地方にある全てのバッジを集めた挑戦者がカントー四天王に挑む。
原作においてライバルが主人公よりも先にチャンピオンになるまでの過程が描かれる。
Episode 4: The Lake of Rage (いかりの湖)
赤いギャラドスに異変を感じたワタルが怪電波の発生源を突き止めロケット団残党のアジトに潜入する。
HGSSにおける怒りの湖イベントの映像化回。
ワタルの協力者として主人公、アジトの指揮官としてラムダが登場する。
Episode 5: The Legacy (継承)
3年の月日が流れるも未だサカキの行方が掴めないハンサム。サカキの息子を突き止め接触するも、彼もまた知らぬ存ぜぬで手掛かりは掴めず…。
サカキとその息子の確執を描いたウバメの祠イベントでの内容が回想として入っている。
Episode 6: The Reawakening (再生)
エンジュシティの焼けた塔に足を踏み入れ、ホウオウの言い伝えに思い耽る。150年前のエンジュシティにおける焼けた塔が出来るまでを映像化した回で、その都の様子は現実で言う江戸時代に近い。
Episode 7: The Vision(ビジョン)
マグマ団がカイナシティで奪った潜水艦を使って海底洞窟に向かうまでのイベントを、悪の組織であるマグマ団の視点で描いた回。
ORAS準拠であり、主人公がジュカインと共に登場。また、かの有名な「エンゲイジ」のシーンである。
Episode 8: The CavernDeep(海底洞窟)
7話とは違い、今回は悪の組織であるアクア団の視点で物語が進む。海底洞窟まで到達し、藍色の玉でカイオーガを呼び起こすまでのイベントを映像化した回。
Episode 9: The Scoop(スクープ)
テレビ局で働くマリとダイは、不自然な隕石破壊の真実を求めてトクサネ宇宙センターに潜入する。潜入して見つけた映像には、隕石破壊の衝撃的な真実が記録されていた。
時系列はORASでの追加エピソード「エピソードデルタ」の後。
「エピソードデルタ」におけるメガレックウザのイベントを、マリとダイの視点から改めて見る回となっている。
Episode 10: The Old Chateau(森の洋館)
ハクタイの森を歩くモミとラッキー。歩いていると森の中で大きな洋館を見つけ、一晩そこに泊まる事になる。しかし、洋館の住人と思われる人物はどこか様子がおかしく…。
DPt屈指のホラー要素である森の洋館を題材に映像化。
ゲームに違わず、全体的にホラー風味で話が進む異色の回。
Episode 11: The New World(新しい世界)
赤い鎖を使いディアルガ・パルキアを喚び出し、新世界を作ろうとするギンガ団。
アカギが喚び出した2匹をあかいくさりで縛り操ろうとするが、そこに影から現れた謎のポケモンが襲いかかる。
Ptにおけるやりのはしらでのイベントを映像化した回。
ただし、原作では主人公が止めに来たところが、シンオウのチャンピオンであるシロナが影のポケモンの襲来前に駆けつけるという展開に変わっている。
Episode 12: The Magma Stone(火山のおき石)
ギンガ団の残党・プルートはハードマウンテンに眠るヒードランの封印を解くが、覚醒めたヒードランは暴走を始める。
そこに駆けつけたバクとハンサムは、ヒードランの暴走を食い止めるために協力する。
Ptにおけるハードマウンテンでのイベントを映像化した回。
ただしプルートの目的が置石でなくヒードランになっている等、細かく違う点がある。
Episode 13: The Uprising(反乱)
ポケモンリーグに突如として謎の城が姿を現した。単身プラズマ団に立ち向かうアイリスであったが、そこへイッシュ地方のジムリーダー達が応援に駆け付ける。
ブラック・ホワイトにおけるNの城でのジムリーダー集結シーンを映像化した回。原作通りサンヨウシティのジムリーダー達は残念ながら登場しない。
Episode 14: The Frozen World(凍える世界)
プラズマ団のヴィオは「いでんしのくさび」を奪うべくシャガに接触する。同じ頃、飛空艇プラズマフリゲートではアクロマの街一つ巻き込む壮大な実験が行われようとしていた。
ブラック2・ホワイト2でのソウリュウシティが氷に包まれるシーンを映像化した回。いでんしのくさびを奪い取る役がダークトリニティからヴィオに変わっている。
Episode 15: The King Returns(帰還)
キュレムを従えたゲーチスの野望を打ち砕くために現れたのは、かつてプラズマ団の王と呼ばれたNだった。しかし、いでんしのくさびを取り込んだキュレムの前にNのレシラムは歯が立たず逆に吸収されてしまう。ホワイト2でのホワイトキュレムへのフォルムチェンジの映像化。
基本的に原作を踏襲しているが、最後にゼクロムとBW主人公が駆け付けるシーンはオリジナルの展開。
Episode 16: The Beauty Eternal(永遠の美)
映像装置ホロキャスターをカロス地方中に広めたフラダリラボ。そのトップであるフラダリは、カロス地方が誇る大女優カルネに「いつまでも若い役を演じたくはないか」と持ち掛ける。
フラダリのカロス地方における実業家としての面や、ホロキャスターの開発・発売からカルネとの接触、そしてイベルタルと対峙するまでを描いた回。
Episode 17: The Investigation(操作)
ミアレシティの路地裏でポケモン泥棒エスプリを捕まえようとするハンサム。しかし、もこお(ニャスパー)のなつき具合に違和感を感じ、ポケモン泥棒はアシスタントのマチエールではないかと疑問を持ち始める。
XYクリア後のハンサム探偵イベント2・4・5話を映像化。ゲームでは主人公がフラダリラボに入りクセロシキが開発したスーツを着用したマチエールを止めようとするが、アニメではハンサムがフラダリカフェで犯人を追いつめるシーンと違う点がある。
Episode 18: The Redemption(贖い)
新しいポケモンリーグのチャンピオン誕生を祝しミアレシティで祝賀祭を行っている最中、AZが現れ「わたしと戦ってくれ。トレーナーとは何か知りたい」と勝負を挑む。
ポケモンリーグ制覇後のミアレシティでのイベントを映像化。また、フラダリラボで発生したAZの昔話も映像化されている。
余談だが、名無しの母親役の井上喜久子氏と娘役の井上ほの花氏は単なる同姓ではなく、実際に親子である。
関連動画
関連タグ
ポケットモンスターTHE_ORIGIN…2013年に制作された『赤・緑(FRLG)』準拠のアニメ作品
ポケモンエボリューションズ…2021年に制作された同様の系譜の25周年記念アニメーション作品