次はタッちゃんが、もう一つの南の夢をかなえてくれる番ね―――
CV:日髙のり子
概要
主人公の上杉達也・和也兄弟の隣家に住む幼馴染。一人称は「南」
明青学園在学時の公式データは身長159cm、B82・W57・H85
同校野球部のマネージャーとして所属、後に新体操部と兼任する。
喫茶店「南風」のマスターである父親と二人暮らし。一通りの家事をこなし喫茶店を手伝っていることもあって、料理は野球部員向けのオリジナルレシピを考案する腕前を持つ。
性格は快活で分け隔てなく優しく気丈だが、早くに母親を亡くしたためか周囲の空気を読んで本心を明かさない部分もある(当の達也も叶うと思っていなかったキスに応じられるまで、南が自分に思いを寄せていることに気づかなかった)。
中等部ではバレーボール部に在籍していたらしく運動神経もよく、飲み込みも早いので新体操部の依頼で代打出場した結果、3位入賞で期待の新星としてマスコミに取り上げられ、当初は大会出場までの約束だったが野球部のマネージャーとの兼任を続けることになる。しかし、3年時に監督代行となった柏葉英二郎には認められず、南は校長に直談判したが世間の注目度の高さを理由に退けられ、野球部も西村との対戦を条件に加勢したものの敗れたことで、野球部に籍を残したまま新体操に専念することになった。
原作版の最終回ではインターハイで個人優勝したことが明かされている。
達也の発言によると「昔から地震が苦手」
才色兼備の優等生であるため校内人気も高いのだが、悪気なく理想像を押し付けられてもいて、本命は達也であることを知る者はごく僅かであった。和也の死という形で三角関係に終止符が打たれたことにより、弟の遺志を継ぎ、また一人の男として南の夢を叶えるため、達也が生来の才能を発揮し注目されていくことで、南自身は以前から態度を変えていないにも拘らず「死んだ弟から双子の兄に乗り換えた」と口さがないことを言う者も現れたりした。
なお父親は気づいていた節があり、和也が存命の頃から「娘は妻に似ている」「妻は優秀なライバルよりも自分を選んだ」と達也に話している。
原田正平、西村勇、新田明男と様々なタイプの異性からモテるが、和也を除けば意中の達也以外に関心を持たず、逆に達也が自分以外の女の子といると普通にヤキモチを焼いている。
達也がもし自分がとてもかなわないような人を本気で好きになったら幼馴染として祝福するが、つまらない相手なら許さない、と達也本人にも伝えたことがある。
南を甲子園へ連れて行って
中等部の頃から南と同じく優等生で野球部エースの和也とはベストカップルとして周囲に認知され、和也もまたそう見られることにやぶさかではなく、幼い南の何気ないおねだりを実現すべく惜しみない努力を続けてきた。
南としては和也は恋心には至らなかったものの大事な幼馴染なのだが、結果的にこの作品の象徴ともいえるこのセリフは、和也と南、ひいては達也の呪縛になってしまったともいえるのかもしれない。
総じて、少年漫画のマドンナとして高嶺の花とチヤホヤされつつ一線引かれ、理想を期待される重圧や自身を理解されない苦悩や孤独を、主人公の幼馴染という近しい視点から詳細に描写された当時では画期的ヒロインといえるであろう。
アニメ
Miss Lonely Yesterday あれから君は…
アニメオリジナルの続編。
大学に進学後も新体操を続けていたが、様々な事情から新体操競技の引退を決意。達也との関係、本来やりたかったことに踏み切るために再出発に臨む。
新体操の大会では髪を上げてポニーテールにしていた。
CROSS ROAD~風のゆくえ~
Miss Lonely~の続編。
スポーツカメラマンの助手として登場し、渡米している達也に取材も兼ねて会いに行った。
タッチから30年後の明青学園を舞台とした作品。現時点で南の登場はないが、彼女の声を演じた日高のり子がナレーターを務める。
エピソード
- 彼女の人気を汲んでFNNスーパータイムで、「南ちゃんを探せ!」のタイトルでスポーツ少女をクローズアップするコーナーが作られた。
- 女の子の名前で「みなみ」とつく子は親がタッチのファンであるケースが多いという。
- 明石家さんま(マエバカジリムシ)の理想の女性は浅倉南である。明石家さんまは「もう、たっちゃんたら何にも分ってないんだから・・・」と言いながら両腕を背中で組んで小石を蹴るときの浅倉南が好きらしいが、そのような行動は作品中には存在していない。
- 『森田一義アワー 笑っていいとも!』で日高のり子が出演した時、志茂田景樹が浅倉南を知らず「あさくら なん」と読んだ。
- 芸人いとうあさこが「浅倉南○○歳です!」とネタを披露している。
- 彼女のイメ―ジガ―ルとして浅倉亜希が抜擢される。芸名の命名者はあだち充。
- 実写版では長澤まさみが南を演じたが、作者のあだち充の意向で、当初は長澤も新体操をやる予定だったという。 また、幼少時を演じたのが後にアイドルグループ・HKT48に加入することになる矢吹奈子である。
- 当時は山崎浩子が活躍するなど新体操ブームで、原作中盤より女子新体操の選手としても描かれた。「浅倉南を見て新体操を志した」という選手も少なからずおり、女子新体操を世間に広めたのは南の功績ともいえる。もっとも今の新体操はサンバダンスのような格好の似ても似つかない競技になっているため新体操のイメージ=タッチの時代ことも多い。
- あだち勉物語31話によると本来は「朝倉南」という名前だったのだが、連載初回に担当編集が誤植をかましたせいでこの名前になったという。