伊藤将司
いとうまさし
高校時代は2年春から名門・横浜高校のエースとして活躍。甲子園にも2度出場した。
国際武道大学進学後も2年次からエースとして活躍。3年春にはリーグMVPを含む4冠に輝いたり、3年夏には2年連続で大学日本代表に選ばれたりするなど順風満帆であったが、4年春に左肘を故障したこともあり同年秋のドラフト会議では指名漏れに終わった。
卒業後はJR東日本に入社。
入社2年目には都市対抗予選でNTT東日本相手に1安打完封を果たすなど、社会人でもエースとして活躍した。
2020年秋のドラフト会議で阪神タイガースに2位指名されプロ入り。背番号は27。
2021年シーズンはルーキーながら開幕ローテ入りを果たすと、4月7日の巨人戦でプロ初勝利、4月24日のDeNA戦でプロ初完投を達成した。
その後も先発ローテーションの一角に定着。10月24日の広島戦で2桁勝利を達成したが、これは球団新人左腕としては1967年の江夏豊以来の快挙であった。
10月は5試合で3勝1ホールド、防御率0.98という好成績を残したこともあり、10月・11月度の月間MVPにも選出。なお、同じくDeNAのルーキー牧秀悟も月間MVPに選ばれており、ルーキー2人で月間MVPに選ばれたことになる。
このような活躍にもかかわらず2021年は他球団含め新人が豊作だったこともあり、新人王こそ逃したものの、例年であれば新人王に値するほどの活躍であることが認められ、チームメイトの佐藤輝明、中野拓夢、ヤクルトの奧川恭伸、DeNAの牧秀悟らと共に新人特別賞を受賞した。
その後も先発ローテーションの一角として活躍。
2023年には自身初となる規定投球回に到達。日本シリーズ第7戦6回からリリーフとして登板し8回までの3イニングを無失点でしのぎ日本一に貢献、この試合の勝ち投手となった。
最速146km/hのストレートにツーシーム、カットボール、チェンジアップ、カーブなど多彩な変化球を投げ分ける技巧派。低めへの制球力も持ち味の一つ。
ストレートの平均球速は142km/h程度と決して速くないが、球の出所が見えずらいとされる独特なフォームも相まって、直球と変化球の見分けがつきにくい。
フィールディングの上手さにも定評があり、2022年にはリーグ最多の6完投を記録するなどゲームメイク能力にも長けている。
フォームの原型は横浜高校時代、成瀬善久を育て上げた、当時の渡辺元智監督に指導されてのもの。その後、球の速度等を追求するに従い、奇しくも先輩である成瀬と同じフォームの変遷をたどっていった。余談ながら渡辺監督の孫の渡邊佳明は高校の同期生。
愛称は「イトマサ」。老練で落ち着いたピッチングスタイルとは裏腹に、グラブに(単に面白かったからという理由で)島田珠代のギャグ「PANTY TEXX」を刺繍する等、性格は明るいを通り越してなかなかの変人。
かと思えばファッションにも一家言あり、あるテレビ番組の対談では、同期の佐藤輝明に「なんで(伊達)眼鏡かけないの?」とその工夫のないチームメイトにツッコミを入れたことも。(これに対し、佐藤は「目が悪くないからです」と返した)
名前の由来はジャンボ尾崎こと尾崎将司から。自身もゴルフが趣味でベストスコア80とかなりの実力者。2023年シーズンから監督に復帰した岡田彰布にも同じ趣味であったことから気に入られて試合中にもゴルフ用語が飛び交う程の関係となっている。