概要
1983年に当時遊撃手だった真弓明信をライトに追いやりレギュラーに定着した。
翌1984年から87年まではダイヤモンドグラブ賞・ゴールデングラブ賞を4年連続で獲得する等守備の名手として知られる。
非力で打撃成績は振るわなかったものの、犠打の日本記録(当時)を更新したこともあるバントの名手でもある他、1985年には50打点と満塁本塁打を記録している。
1988年、和田豊がレギュラーに定着すると次第に出番が減り、1994年に引退した。
引退後の1997年より一軍の守備コーチ(年によっては守備・走塁コーチ)に就任。その後大学の先輩である星野仙一監督の監督専属広報及び専属運転手を経て1軍ヘッドコーチ、2軍監督を歴任した。
本人としてはこの2軍監督が天職だったようで、2017年シーズン終了後に2軍監督に就任した矢野燿大に長年勤めた2軍監督の良さをアドバイスすると共に「ワシ、ホンマは2軍監督やりたいんや」と漏らしたとされる。その翌年、矢野が1軍監督に就任すると「2軍監督をやりたいと仰ってましたよね。(2軍監督に)もう一度なってもらえますか?」と誘われ、2軍監督に復帰した。
背番号
30(1982年 - 1994年):阪神タイガース
71(1997年 - 2001年):阪神タイガース
78(2004年 - 2010年):阪神タイガース
72(2013年 - 2014年):阪神タイガース
78(2015年 - ):阪神タイガース
人物
現役時代からとにかく明るくて外交的なムードメーカーであり、同じくムードメーカー的存在だった中西清起、木戸克彦と共に彼らの頭文字を取って3人でNHKトリオと呼ばれた。命名は一説によると川藤幸三だという。
コーチ時代より「厳しく明るく」をモットーとしており、2軍監督となった(2022年)現在でも選手想いの人物として知られる。
中でも著名なエピソードとして、自身初の2軍監督として就任していた2010年、坂克彦への一球を巡って球審の白井一行に猛抗議を行い、「選手は一生懸命やってるんやから(しっかりとしたジャッジをしてくれ)」と発言したことに彼の想いが現れていると言えるだろう。また、この時白井に対しても「なんやその不貞腐れた態度は」「勘違いしたらあかんよ」と激昂しながらではあるものの若い審判に教え諭すような言い方で抗議しており、ここからもその人柄が窺える。この白井球審への猛抗議は2022年4月24日に千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が投球後にマウンドから離れたことを「判定を不服とする侮辱行為」と白井球審が解釈し、佐々木投手に詰め寄った事件で再度注目されることとなった。
長崎県の生まれで大学も東京にある明治大学と阪神入団までは関西に縁はなかったが、長年の関西暮らしの為か現在は関西弁を主に使用している。
剽軽なキャラクターであることをフルに発揮した監督インタビューも独特で
「(2軍の安芸キャンプのテーマは)やっぱり進化。英語で進化は? 進化秋冬。エボリューション」
「(キャンプが終了して)仕込みが終わった。これから熟成というか、大吟醸になるか2級酒に終わるか。どういう発表会をしてくれるか楽しみだね」
「しっかり努力や準備をしないことには。夢ばかり語ったって無理。白馬の王子様来るか?来ないでしょ。馬に乗って誰が来るねん」
「(大阪市内にある舞洲球場でのロハスのホームランは)バックスクリーンボコーンね。風がなかったら和歌山まで行ってるんじゃない。風がなかったら関空まで行ってるよ。強烈なアゲインストやったから」「(ナゴヤ球場でのロハスのホームランは)名古屋城まで飛んでいくかと思ったよ。金のシャチホコまで行くんじゃないかと。びっくらこいたよ」 「(鳴尾浜球場での井上広大のホームランに)井上も見事なビッグフライだ。今日のは本当にビッグフライ。ビッグフライイノウエサンだよ。(打球は)どこまで行った? USJまで行ってるやろ。今日はUSJ(この日接近していた台風の影響で)休園でしょ? 休園でよかったよ。アトラクションのところまで十分飛んでいってるのでね」
「(大商大との練習試合で5失策8失点したことに対し)プロ野球の方が(アマチュアより)甘いのよ。エラーしようが何しようが(試合に)出られる。それにしても、お粗末、チョロ松、十四松。シェーだよ」
「マスコミが(ファーム連勝を)取り上げてくれるんだもん。俺はもう毎日プレッシャーで、1日8時間しか寝れないよ」
「おれはまだ(自分を)若手だと思っているから。君ら(若手記者)なんか赤ちゃんよ、赤ちゃん。おれは還暦過ぎているから、赤のちゃんちゃんこ着るっていうことは赤ちゃんにかえるっていうことでしょ?そういうことだよ。おれはまだちゃんちゃい(3歳)」
「(江越が1本塁打3四球)いやー江越は、ホームランより3つのフォアボール。江越の3つのフォアボールを今日は。ホームランはああやってね、打ちよんねんたまに。それを言うとまた調子に乗ってボンボンボンボン、馬鹿みたいに振り回して。俺は今日は3つのフォアボールよ。江越の素晴らしさは。これを、1番バッターとして、自分がどういうものを求められているか。昨日も特打してて、全部アッパーに入ってね。大谷(翔平)じゃないんだから。大谷のアッパースイングだと、全部空振りするでしょ。その辺は、勘違いしちゃダメなのよ。あれは、ベッケンバウアー、段違い平行棒。な!その辺を自分でちょっと修正せえよって言って、今日はホームランより3つのフォアボール。江越はこういうことを地道にやっていかなきゃダメ」
等の分かりやすく面白いものから、ちょっと何を言っているのか分からないといったものまで豊富で「カツオ語録」とも呼ばれる。
選手にも審判にも厳しくも温かい目を向ける彼はマスコミの記者に対しても同様で、「何やその質問は。もっと勉強せぇ」「君らも記事書かないとこう憂鬱にならない?なるでしょ?」と成長を促す言葉をかけるのだともいう。