CV:ファイルーズあい(リベンジオブザセブン)
概要
バレンヌ帝国現皇帝レオンに対し、七英雄のクジンシーが危険人物であると進言しに現れた謎の女魔道士。
クジンシーと戦おうとする彼に、一子相伝の技『伝承法』を身に付けさせた。
レオンによるとまだ若い容姿をしているらしいが、書籍『ロマンシングサガ2 冒険ガイドブック』によると年齢は公式で「不詳」。また「数千年の時を生きている」とも記述されている。
その正体は七英雄と同じ古代人であり、同じ古代人達が暮らすトーレンス地方の「忘れられた町」で再登場する。
書籍『ロマンシング サ・ガ大全集』には「七英雄を異次元に追放した首謀者の1人」と明記されている。
ゲーム中でも「強くなり過ぎた彼らの力が自分たちに向かい始めたので追放した。その責任を感じ、彼らがいつか戻ってくるのを予感し、この世界に留まっていた」と語る。この話を聞いた皇帝は「七英雄が怨むのも当然」と同情している。
「自分達に取って邪魔者の七英雄を帝国に始末させようとしたのか?」と詰め寄る皇帝に対し「私達は彼らに殺されても仕方ない。しかしあなた方(短命種)は何の罪もない。生きる権利がある。身を守るための手段として伝承法を教えた」と答える。
更にこれまで倒された七英雄は分身のような存在に過ぎず、世界のどこかに隠されている本体を破壊しない限り完全に殺すことは不可能であること、伝承法にも限界がありクジンシーが再び現れる時の伝承者が最後の1人になるであろうことなどを教えてくれる。
なお、この町で会話しないまま最終皇帝が登場すると、自らがアバロン宮殿に現れ「あなたが最後の伝承者であろう」と告げる。
そう考えると、歴代の皇帝たちもある意味オアイーブの手の上で踊らされていたと言えなくもない。とはいえクジンシーの侵略とオアイーブは無関係のため、伝承法がなければクジンシーを倒せずカンバーランドのように滅亡してしまった可能世界が高い。
少々ネタが入っているが大体こういう感じ。
コミカライズ版
他の古代人達は「(レオンに伝承法を教えたのは)オアイーブが勝手にやったこと」と冷たく言い放っている。
このことからオアイーブは、同族の中でもある程度の地位にはあるが、絶対的な存在というわけではないことがうかがえる。実際、忘れられた町の長としてアダーマという別の人物が存在している。
ちなみにこの際、七英雄に守ってもらいながら七英雄を驚異と見做して追放し、自分たちで怪物と成り果てた七英雄やその部下の怪物に対処するでもなく、ならばと立ち上がって自分たちの力で戦う皇帝一行(短命種)を七英雄の同類として汚物のような目で見る古代人たちの姿に、皇帝一行は何とも言えない表情を浮かべていた。
なお、彼女がレオンに伝承法を教えた理由として、「人にしては稀なる知力、胆力を持つ陛下(レオン)に賭けようと思う」と語り、「人間の幸せは人間の手でなくては掴めません。人間の英雄でなければ人間の世界は救えないのです」と述べている。
また、七英雄を倒して力尽きた最終皇帝一行に「七英雄を倒すというバレンヌ皇帝の一つの使命を果たしたに過ぎません」「あなたはこれから人々の平和な暮らしを築く礎にならなくてはならないのです」と伝えて回復、帰還の後押しをしていることから、大目的は「世界とそこに暮らす人々の平和と安寧」であり、七英雄の撃破はそのための過程に過ぎないと見なしていたようである。
リベンジオブザセブンでの追加設定
当時の王国を牛耳っていた大神官の一人娘。ノエル、サグザーとは幼馴染であり、ノエルの妹であるロックブーケが幼少の頃から付き合いがあった。
ノエルとサグザーの切磋琢磨し合う関係を羨ましいと思う反面、彼らの輪の中に上手く入れなかったことから少しだけ嫉妬していると語る。
劇中ではノエルに対する好意が窺え、タームとの戦いが激化する彼を心配していた。
幼少のオアイーブは山で迷子になったことがあり、ノエルが探しに来てくれると信じで恐怖に耐えていた。それは現実のものとなり、朝日と同時にノエルに助けられたのだった。ノエルのことは幼い時から想っていたようである。
七英雄を別次元に追放することを画策したのは彼女の父である大神官であり、民の信奉を集める彼らが目障りとなっていた。オアイーブは物陰から大神官の「私が築く世界に英雄は必要ない」という独り言を聞いていたが、何も出来なかったため七英雄の追放を許してしまうこととなる。
ちなみに、七英雄を装置によって追放したのはサグザーである。そのサグザーも大神官の思惑を知らされたのは追放直前であるらしく、装置起動の際は憂鬱な表情を浮かべていた。
サグザーはオアイーブから責められても仕方ないと罪悪感に囚われていたが、それはオアイーブも同じで「大神官の娘として謝罪する」と口にしている。
オアイーブは「ノエルならきっと帰って来る」と信じて待つことを選んでいた。次元転移には参加しないつもりだったが、サグザーもそのつもりであり、オアイーブには生きる道を選んでほしいと告げた。
しかし数百年後、帰ってきた彼らは……。
こちらでは大神官の「七英雄は取り込んだ魔物に心を乗っ取られた」という虚言でしかなかったはずの言葉通りに、本当に身も心もモンスターと化してしまった幼馴染とその仲間たちに引導を渡すためにレオンに伝承法を教えたのだと思われる。
「忘れられた町」でオアイーブから七英雄の真実を聞くと、アビリティ「不老不死」を入手できる。
「戦闘不能になってもLPを消費しない」という効果で、LPの回復手段が貴重なため特に死亡するとゲームオーバーな最終皇帝やLPか1しかないイーストガードのソウジは非常に助かる。ただしLPを奪う「ソウルスティール」「ライフスティール」は防げない(あくまで「戦闘不能時に消費しない」ため)。
不老不死の入手方法は、はっきりしておらず、最終皇帝になってからだと手に入らない可能性があるので早めにオアイーブに会いに行くのが推奨される。
(ユウヤンの詩人イベントを進めてイーリスを仲間にすれば、その集落から外に出てオアイーブのところへ行ける)。
最終皇帝になるとオアイーブが訪ねて来るが、その前にこちらからオアイーブを訪ねれば七英雄にまつわる本音を聞ける。このイベントをこなすと「不老不死」のアビリティが手に入る。
台詞がオリジナル版と少し変わっており、「強くなり過ぎた七英雄の力が自分たちに向かうのを恐れた」という風になっている。
ちなみにオアイーブが血の誓いについて知っていた理由は不明。ノエルと再会して色々と話を聞いたのだろうか。ノエルの振る舞いからもう自分の知る彼ではないのだと判断したとすれば、レオンに伝承法を伝える動機付きにもなるか。
オリジナル版では忘れられた町もしくは最終皇帝登場後にアバロンを訪れるイベントを最後に登場しなくなるが、こちらではエンディングにも姿を見せるようになり、七英雄が倒されたことを予感して涙を流しているほか、スタッフロールのスチルではかつて七英雄が追放された処刑場の跡地と思われる場所にて祈りを捧げている場面が写されている。
帝国に伝承法を伝授し、七英雄討伐を間接的な形ながら託したオアイーブではあったが、やはり親しかった幼馴染みを失うことにもなった彼女には思うところがあるのだろう……。
余談
イギリスの作家タニス・リーの小説『冬物語』の主人公である巫女と同名であり、同作には「伝承の書」と呼ばれる物も登場している為、元ネタの可能性がある。
仮にそうだとすれば七英雄やサグザーと違い、駅名の逆読みではない事になる。
パーティに加わる予定があったのか、彼女の仲間キャラクターとしてのデータが没データとして存在する。
しかし早い段階で没が決まったのか、能力値はトーマや詩人と同一で、口調も男性のものである。
関連項目
エンペラーズサガ - 戦士カードとしても登場している。
エロール:前作に登場する人間勢力に邪神に対抗するための助力をする存在。本来の姿は神で別の姿で加勢する。
イスカンダール:シリーズ別作品における人類に味方する古からの存在。彼のほうは1000年前の英雄が盟友の助力を得て超人的な存在になった元人間でありしばしば人間の世界を見て回ってることもあり、オアイーブやエロールよりもより人間に近い目線で助力を与えている。また、彼もエロールと同様プレイアブルキャラとして主人公達に加勢する。