概要
かつて1000年前、世界を平定した英雄イスカンダールと共に戦った大魔道士。イスカンダールの活動に大きな影響を与えたばかりか、共に1000年前の存在のはずであるイスカンダールが今日活動しているのは彼のおかげである。
彼が生きていた時代、世界はモンスターたちに席巻されていた。中でも龍とアンデッドが最も強力だったのだが、そのうち龍の勢力を大きく削いだのは、彼が始祖龍ドラコ・アルケイオスを倒したからである。心臓「ドラゴンハート」は分割され封印、長らく全てが同じ場所に集まることはなかった。
そして、今日の術士が使用している術の系統も、彼が体系立てたものである。かつて世界を飲み込みかけた混沌の力である「禁呪」の力に近づかないよう、そして誰もが学べるようにした。術に関して特筆すべきは、イスカンダールに施した秘術「アンリミテッド」である。
- これは、別の次元にワープする能力を得られるものだが、故郷以外の世界に行った場合はさらに付加能力が付く。しかしその付加能力というものがとんでもない物で、「完全無敵・不死身」という文字通りの完全無欠な存在になるというもの。しかしこれを施術する前に、イスカンダールに規約を守らせている。それは、「異世界ではその無敵の力を振るうことなく、大人しく傍観者としてただの旅人であれ」というものだった。そして、その誓いは——破られなかった。
- こういう力を与えた時、最初は約束を守っていても、いつしか約束が風化して結局は約束を破ったりして、災厄を招く物語は多い。しかしながら彼とイスカンダールについては、そういうエピソードは皆無。つまり、彼はイスカンダールを信用したのであり、その信用した彼の人を見る目そのものが正確無比だったということ。力は強いほど使い方を間違えれば一大事になるが、彼はその使い方をどこも間違えておらず、超人的な物事の分別を持っている事がわかる。彼らと行動を共にしたかつての古代文明で過ちを犯した種族の末裔から世界の荒廃の真相を知り、自分たちも一歩間違えば彼らの二の舞となってしまうと知ったことも大きかった。
このように、神をも超えるであろう力を使用した彼だったが、彼本人は人間の危うい部分も知っている洞察力を持ち自制できたためか自身にそのような術を使うことは無く、人間としての天寿を全うした。そうした人柄からイスカンダールが最も頼みとし重要な秘密を共有したのもうなずける。
また、ゲーム本編の時代でルビィたちに啓蒙・協力した時のイスカンダールは、リースが自分にアンリミテッドの術をかけたのは遠い未来に訪れる新たな脅威に対抗するためだろうと考察しており自分の立場をかつてのリースに置き換えていたらしい。このエピソードも含め、さまざまな意味でイスカンダールの人生を支えた人でもある。
なお、本来の名前は「リース」。「トーレス」の意味は出身地のトーレ村を意味し、リース・トーレスとは「トーレ村のリース」という意味である。この極寒の地は近くに数多の氷が漂う氷盤群海があり、そこに落ちて溺れかけていたところをイスカンダールが救い上げたころから縁ができたそうだ。