概要
本作の主人公を務める皇帝が代々治める国家。
最盛期は東方を除く世界のほぼ全土を所領としていたが徐々に衰退し、レオン皇帝の代では所領が北バレンヌ地方のみと、かなり弱体化している。
レオン、ヴィクトール、ジェラールといったフランス系の名前が皇族を担っているので帝国そのものはフランスがモデルといえる(実際にジェラールのマントに百合の紋章があしらわれている)が、軽装歩兵がイギリス王族系の名前だったり、帝国内には様々な民族がモデルとなっているキャラクターが存在する。
七英雄クジンシーによる帝都アバロン襲撃と謎の女魔術師オアイーブより齎された伝承法の会得により、全世界の統一と七英雄の打倒という長きに渡る戦いの歴史を歩む事になる。
EDでは、七英雄との戦いに終止符を打った最終皇帝の退位に伴い、帝政が廃止され共和制国家となった。
これに関しては帝国大学で軍師が「皇帝が七英雄打倒という役目を終えた後は我々の手で国を治めなければならない」と言っており、大学建設をスルーしなければ皇帝の活動の裏で共和制移行の準備を着々と進めていたことが窺える。
実際、皇帝の根拠が血筋から伝承法に代わってしまい、伝承法による継承が終わってしまったら政体の変革は必定なので理に適った共和制移行といえる。
バレンヌ帝国に属する・関連する人物
皇族
バレンヌ帝国の30代目の現皇帝。
"皇帝"という帝国でトップの立場ながら、民の平和の為にモンスター退治に自ら前線に乗り出している。
後に帝国で建造されるレオンブリッジは恐らく彼の名前から取ったものと思われる。
レオンの長男である第1皇子。
レオンにて武勇に優れ、流し斬りをはじめとする大剣の剣技を得意とする。
ちなみに「ヴィクトール運河」という地名があるが、恐らくはバレンヌ帝国のかつての皇帝の名前がヴィクトールだったことに由来し、彼とは関係ないと思われる。逆にいえば彼の名前は運河の名前にもなった偉大な皇帝の名前から名付けられた可能性が高いともいえる。
レオンの次男である第2皇子。
父や兄と違って武ではなく学問に才能がある。
そして、架空現実双方における皇族(父である皇帝・長男である第一皇子・次男である第二皇子)と言えばかなり多くの物語や史実では意見の食い違いなどから一部で対立していたりウマが合わなかったりということがザラだが、本作におけるこの三人に関してはお互いに信頼し合っており、関係は極めて良好であり、その点も珍しい。
七英雄
モンスターを率いて帝都アバロンに襲撃をかけたかつての英雄。
ソウルスティールによってヴィクトールを殺害したことで、クジンシーどころか七英雄そのものがバレンヌ帝国と長きに渡って敵対するきっかけを作った。
その他
レオンにクジンシーの危険性について進言した謎の女魔導士。
レオンがヴィクトールの弔い合戦に向かう前に、彼にジェラール及びそれ以降の皇帝に深く関連する秘術《伝承法》を伝授した。
伝承法によってレオンから代々続いてきた《力と記憶の継承》の果てに行きついた最後の皇帝。公式イラストでも初期からイケメンと美女に描かれており、「リベンジオブザセブン」までそれは一貫して変わらない。
彼(彼女)によって七英雄が倒された後は、詩人の歌で語られる時の人となった。
巨大なシロアリのモンスター。
遥かな昔から七英雄をはじめとする古代人をも恐れさせた存在で、最終皇帝の代においても(プレイヤーのプレイングにもよるが)帝都アバロンにて民衆や家臣(仲間)の体内を背中から食い破ってあちこちで大量発生するという地獄絵図が発生する事になる。
余談
スクウェア作品に限らず、当時の創作全般において「帝国=敵サイド、皇帝=悪の親玉」とする世界観が多かった中で、味方側が「帝国」というのはかなり珍しい。…まぁ、悪人プレイもできるし作中人物から侵略者扱いされる場面もあるにはあるのだが。
また、レオン、ヴィクトール、ジェラールの三人全員の一人称が「私」であり、在位中であっても変わることはない。帝国であれば「朕」や「余」、「我」、「わし」、「俺様」などが多そうなものだが、このあたりもバレンヌ帝国の手本である謙虚な姿勢というものが伝わってくる。
SFC・リマスター版ではバレンヌという表記が地方名でしか出てこなかったこともありアバロン帝国と勘違いしているプレイヤーも少なくなかった(アバロンは帝都)のか、リメイク作品のリベンジオブザセブンではバレンヌ帝国と作中で強調して表示されるシーンが出てくるようになった。