「――やっと、死にたくなったの、バルス」
概要
『Re:ゼロから始める異世界生活』のWeb版第二章28話から分岐したIFルートの物語。
2018年4月1日のエイプリルフール企画により、原作者自身の手によって執筆された。
あらすじ
謎の呪いで死亡したレムの殺害犯として疑われ、ラムとロズワールに追われる身となってしまったスバルが、ベアトリスの指示通りに自害せず逃亡してしまった場合のその後を描く。
命辛々逃げ出したスバルであったが、同時にレムから受けた拷問が原因で狂気的な人間不信に陥り、「嘘をつかないと縋りつける相手」以外が色褪せて見えるようになっていた。
現代知識を活かして商業的大成功を収めたスバルは、強大な財力を背景に犯罪組織を作り上げ、自らの心の平穏を保つというその一点のためだけに、暗躍を始めていく…。
主な登場人物
ナツキ・スバル
主人公。世界規模の影響力を持つ巨大犯罪結社「プレアデス」のボスで、文字通り裏社会のトップに君臨するドンの中のドン。レムの拷問が原因で「嘘をつかないと縋り付ける相手」以外が全て色褪せて見えるほどの狂気的な人間不信に陥り、常に見えない恐怖心に苛まれ、基本的には他者を「敵か味方」かでしか判断しない。敵に対してはどこまでも無情で容赦がないのは当然ながら、味方でさえ利用できる道具か否かを信頼基準とし、少しでも疑った相手は容赦なく処断する。その圧倒的な権力とカリスマ、徹底的に恐怖を以て臨む苛烈無比な手腕の数々から、「粛清王」の異名で恐れられている。実力の上ではスバルとは別次元の生物と言える後述の二人の側近さえ、スバルに本気で威圧されると恐怖を感じさせられてしまうほど。
ハリベル
スバル直属の護衛の一人で、和装に煙管を咥え、関西弁で喋る獣人の男性。「礼賛者」の異名を取るカララギ都市国家最強の武術家であり、ラインハルトと同格とされる世界最高峰の実力者の一角。とある理由からスバルを「スーさん」と呼んで慕っており、その命令にも忠実に従う。
セシルス・セグムント
スバル直属の護衛の一人で、和装に刀を腰に刺した、若い人間の男性。「青き雷光」の異名を取るヴォラキア帝国最強の剣士であり、ラインハルトと同格とされる世界最高峰の実力者の一人。本来は帝国軍トップの「九神将」の「壱」を授かり、密入国をしてでも他国に亡命した裏切り者の処罰に出向くほどの忠義者だが、何故か九神将の地位を捨ててスバルに従っている。
ラム
レムの仇としてスバルを追い続ける復讐に駆られた少女。