クレクレタコラ
くれくれたこら
1973年~1974年までに放送された人形劇。全260話。
一見すると教育テレビで放送していそうなほのぼのしたような作品という印象を受けるが、内容はとても児童向けとは思えない暴力的かつ過激、不条理でブラックな内容である。そのマジキチな内容から第二のチャージマン研!とも呼ばれている。
特に第220話は「気違い真似して気が触れたの巻」というサブタイトルが示す通りの内容で2000年の再放送では音声のほとんどがカットされてしまった。
このほか2002年に発売されたDVDではフィルムが現存しないとして計3話が未収録となっていたが、2000年の再放送では普通に放送されていた。後の2016年に発売された「クレクレタコラ コンプリート・コレクション」で全話が収録された。
当時テレビドラマが1時間1話800万円だった中で30分6話120万円(1話分にして20万円)という超低予算で制作され、制作期間はわずか3ヵ月。成城の撮影所に森のセットを作り、背景を変えながら四方を撮影した。
そのためセットはまるで学校の学芸会。
それを主題歌担当の石川進と人気声優二人(後述)が完成度を上げている。
内容は怪獣のタコラと不思議な森の住人達の日常を描いているが、ナレーションが七五調の活動弁士的だったりとストーリーに独特のリズムを与えている。
チャールズ・チャップリンの無声映画をヒントにし、あえてスローで撮影して放送で早送りにすることでコミカルな動きを表現している。
キャラクターデザインは村瀬継雄が手掛けた。
登場キャラクターの着ぐるみは1984年頃まで残存していたが、倉庫の整理に伴い処分されたと樋口真嗣が証言している。
タコラ
主人公。公害によって怪獣化し陸に上がったフテクサレタコ(その設定はあまり生かされていない)。
変身タコラの術で何にでも変身することができる。望遠鏡で見た欲しいものを相棒のチョンボと共に奪おうとしては報復を喰らう。赤い理由は日焼け。
チョンボ
ラッカセイの実のような姿の黄色い怪獣。気のいいタコラの相棒で、タコラの策略の足を引っ張ったり、逆に引っ掻き回されたりと、いつも「チョンボ」な役回り。
体型に似合わずでんぐり返りが得意。気のいいタコラの相棒というポジション上酷い目に遭う事が多い。
モンロ
ピンク色のセイウチ風の怪獣。森の住民のヒロインで、森の人気者。いつも「ウッフン」とお色気を振り回している。
タコラも片思いしており、何度もプロポーズしているが断られてばかり。デブラと共同してタコラとチョンボを懲らしめるなど、森の住民達の中では良識派でもある。
トリオ怪獣
常に三匹で行動しているタコラのライバル達。森の住人達の中でもグロテスクな風貌をしている。気の良い奴らだがタコラの被害に遭う事が多い。
- イカリー
- トリオの中ではリーダー的存在。短気でいつも怒っている怪獣だが、案外人が良い所もある。
- ヘララ
- 笑い上戸の憎めない怪獣。泣く際も笑い泣きをする。
- シクシク
- 泣き虫怪獣。笑う際も泣き笑いをする。
企画・原案・製作:磯野理
脚本:坪島孝、長野洋、柏原寛司、木下祐子、篠崎好、渡辺由自、まつしまとしあき、上原正志、鶴川五六
音楽:菊池俊輔
特殊美術造型:ツエニー
制作:磯野脩
広告代理店:読売広告社
製作:東宝企画
主題歌:「クレクレタコラ」
挿入歌:「不思議な不思議な森の中」
作詞:鶴川五六 作曲・編曲:菊池俊輔 歌:石川進
作詞の鶴川五六は企画・原案の磯野理のペンネーム。歌詞を見た菊池は「ド素人はおっかない」と笑ってしまったという。