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独立愚連隊

どくりつぐれんたい

1959年公開の戦争アクション映画。転じて同作に登場するようなはみ出し者集団の通称。
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曖昧さ回避

  1. 1959年公開の東宝の戦争アクション映画。本項で解説。
  2. 1.から派生した映画シリーズ「独立愚連隊シリーズ/愚連隊シリーズ」。本項で解説。
  3. プロレスラー鶴見五郎が1980年に結成したヒールレスラー軍団。
  4. 組織のはみ出し者などが寄せ集められたチームの通称。

愚連隊」は明治後期から関東を中心に活動していた不良集団の総称で、現代の暴力団の原点となった集団である。1970年代からは暴走族カラーギャングが「○○愚連隊」と自称することもある。

しかし映画「独立愚連隊」の影響もあってか創作ものでは組織のはみ出し者が寄せ集められたチームの通称として用いられることが多い。


概要

1959年公開。岡本喜八が監督昇進をかけたシナリオ選考で提出したシナリオの一つが原型。

当時の(あるいは現代も)日本の戦争映画は大作映画か反戦を過剰なまでに前面に押し出したものが主流だったが、西部劇へのオマージュにあふれ、戦中派である岡本が戦争のバカバカしさをテンポよく表現した。

しかし終盤の戦闘シーンは当時の左派メディアから「中国共産党軍がまるで西部劇のインディアンのような扱いであり反中国的だ」と批判を受け、岡本はリベンジとして『独立愚連隊西へ』を制作した。


あらすじ

昭和19年の中国大陸・北支戦線。将軍廟という町に従軍記者の荒木と名乗る男がやってきた。彼はこの先の最前線に展開する独立第90小哨・通称独立愚連隊に興味を抱いていた。小哨で不可解な死を遂げた見習士官大久保。彼の死の真相を探るべく荒木は最前線に飛び込む。


スタッフ

製作:田中友幸

音楽:佐藤勝

助監督:竹林進

脚本・監督:岡本喜八

キャスト

荒木:佐藤允

トミ:雪村いづみ

藤岡中尉:中丸忠雄

丹羽少尉:夏木陽介

ヤン小紅:上原美佐

中村兵長:江原達怡

酒井曹長:南道郎

石井軍曹:中谷一郎

運転兵:ミッキー・カーチス

花子:中北千枝子

あけみ:横山道代

梅子:塩沢とき

山岡少尉:瀬良明

錫九:沢村いき雄

立花:谷晃

細川一等兵:山本廉

“万年一等兵”:堺左千夫

白井一等兵:中山豊

神田一等兵:桐野洋雄

杉本一等兵:笠原健司

大久保見習士官:上村幸之

ヤン亜東:鶴田浩二

児玉大尉:三船敏郎


余談

主演の荒木役は当初仲代達矢が演じる予定だった。しかし当時仲代は小林正樹監督の『人間の条件』に出演しており、方向性が異なる2作品で同時に軍人役を演じるわけにはいかないと断ってしまった。そこで俳優座養成所の同期だった佐藤の起用に至った。


愚連隊シリーズ

『独立愚連隊』の反響を受けた岡本喜八は、極力死者を出さない方向性で戦争批判の精神を打ち出した第2作『独立愚連隊西へ』を翌1960年に公開した。こちらも好評となったことから、2作品のような軍規違反の不良兵士たちが大陸を駆ける戦争アクション映画がシリーズ化されることとなった。

1962年公開の『どぶ鼠作戦』以降はタイトルが「○○作戦」で統一されていることから、以後の4作品のみを「作戦シリーズ」として分割することもある。クレージー作戦シリーズが「クレージー作戦シリーズ」と呼称されるのはこちらの作戦シリーズとの差別化によるものである。


公開年月タイトル監督
1959年10月独立愚連隊岡本喜八
1960年10月独立愚連隊西へ岡本喜八
1962年6月どぶ鼠作戦岡本喜八
1962年10月やま猫作戦谷口千吉
1963年9月のら犬作戦福田純
1964年4月蟻地獄作戦坪島孝

派生作品

同じくタイトルに「独立○○隊」とつく戦争映画として『独立機関銃隊未だ射撃中(1963年・谷口千吉監督)」がある。

また岡本喜八監督の『血と砂(1965年)』も岡本が「『独立愚連隊』の集大成」として制作したことからシリーズの枠組みに入れられることがある。

1966年には岡本喜八監修・佐藤允主演のテレビドラマ『遊撃戦(日本テレビ系列)』が放送された。昭和19年の中国大陸という舞台設定が共通し、出演者はレギュラー・ゲスト問わず愚連隊シリーズの出演者が多数を占めていることから、シリーズの派生作品とみる向きもある。

真っ向から戦った戦友たち

これらと並行して、東宝は古澤憲吾監督の手により『独立愚連隊』調の特撮戦争アクションものとして『青島(チンタオ)要塞爆撃命令』という派生作が1963年に作られた。

また『独立愚連隊』シリーズの影響から旧・大映から『兵隊やくざ』も製作されヒットしてシリーズ化し、本シリーズや同社の『陸軍中野学校』シリーズと共に異色戦争アクションものの双璧な存在となった。

また本シリーズの大ヒットもあって別の他社でも日活の『俺は地獄の部隊長(1963年・古川卓己監督)』、『逃亡列車(1966年・江崎実生監督)』、東映の『いれずみ突撃隊(1964年・石井輝男監督)』、松竹の『阿片大地 地獄部隊突撃せよ(1966年・加藤泰監督)』など類似した不良兵士の冒険活劇が製作された。


関連タグ

東宝 戦争映画

岡本喜八 佐藤允

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