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概要編集

愚連隊シリーズ第6作、作戦シリーズ第4作として制作。

関沢新一日活で手掛けた未制作作品『囚人部隊』のシナリオをもとに小川英と共作。『独立愚連隊』でオファーがあったものの出演が叶わなかった仲代達矢が主演を務めたまさに愚連隊シリーズの集大成。

監督はクレージー作戦シリーズでおなじみの坪島孝で、クレージーキャッツから谷啓も出演している。


同時上映はゴジラシリーズの『モスラ対ゴジラ』。


あらすじ編集

昭和20年の北支戦線。最前線の東平橋守備隊が八路軍の奇襲攻撃を受け全滅した。

このままでは八路軍の強力な援軍が東平橋を渡って進軍してくる恐れがある。開鎮に駐屯する蟻兵団和地部隊は東平橋守備隊に赴任する予定だった一色中尉と、脱走の常習犯栗山軍曹、新米の工兵天道二等兵、上官殺しで営倉に入れられていた西上等兵、「しのびの六」の異名を持つ女好きの女木原二等兵で編成された決死隊を東平橋に向かわせる。

一色は正体不明の軍属・佐野鉄山を道案内に東平橋に進む。道中で匪賊の梁大馬と遭遇し武器を取り上げられてしまうが、道中の村で襲い掛かって来たゲリラから機関銃を手に入れた。

村長らしき老人に歓迎され村で一泊することになった一行。しかし夜になると村の人々は姿を消していた。

襲い掛かって来たゲリラを退けた一行は、ゲリラを率いていた老人呉白明を捕らえる。彼は国府軍に協力しており、八路軍の進軍を阻止するために一行に協力する。

しかしゲリラに撃たれた鉄山の怪我の手当てをしなければならない。栗山たちは白明とともに八路軍の基地に潜入、医者の王先生と看護婦の朱美を捕らえることに成功する。

王は西部劇で見たという荒療治で鉄山から弾丸を摘出し治療を終えるが、爆破作戦を決行しようとした日に逃亡。さらに爆弾の雷管も何者かに盗まれてしまう。

もはや絶体絶命の蟻地獄。一色たちは大馬から手に入れた導火線を利用し東平橋の爆破を試みる。


スタッフ編集

製作:田中友幸角田健一郎

脚本:関沢新一小川英

音楽:広瀬健次郎

助監督:浅野正雄高野昭二

監督:坪島孝


キャスト編集

一色中尉:仲代達矢

栗山軍曹:佐藤允

天道二等兵:夏木陽介

朱美:水野久美

玲羊:中川ゆき

佐野鉄山:中丸忠雄

西上等兵:平田昭彦

和地大尉:田崎潤

呉白明:柳谷寛

女木原二等兵:堺左千夫

沢本参謀:沢村いき雄

副官:伊藤久哉

後藤見習士官:加藤春哉

劉隊長:草川直也

陳将軍:遠藤辰雄

匪賊:黒木順福山博寿

江並隆

中田光彦

守備隊隊長:飯沼慧

吉川雅恵

双葉京子

森明子

楠義孝

当番兵:早崎文司

農民風ゲリラ:若月輝夫

伍長:牧野児朗


王先生:谷啓

梁大馬:三橋達也


余談編集

本作の原点となったとされる日活の『囚人部隊』は小林旭主演で、北支戦線に送られた囚人だらけの部隊が敵襲で壊滅状態に陥ったどさくさに紛れて脱走、上官に反抗して営倉に入れられていた風早軍曹と行動を共にすることになり、最後は八路軍が迫る橋を爆破するとほぼ『蟻地獄作戦』と共通するストーリーである。しかし悪天候で撮影が延期になっている間に第2作となるはずだった『俺は地獄の部隊長』が完成し、いつの間にか制作も中止になってしまったという。


当初は三橋達也が主演で、佐藤允夏木陽介のほか黒部進の出演も予定されていた。当時三橋は8本の映画出演が決まっており多忙だったことから、スケジュールに余裕のあった仲代達矢に交代したのではないかと言われている。仲代は本作が5ヵ月ぶりの映画出演だった。


東宝傍系の宝塚映画制作であるためか、荒野のシーンはおなじみの御殿場だが、和地部隊本部のセットは有馬温泉に作られ、さらにクライマックスの東平橋は京都府嵐山の落合橋で撮影された。山を切り開いて村落を作り、コンクリート製の岩を並べて河原を作るという大掛かりなオープンセットが組まれ、橋の欄干にも中国風の装飾が施された。


上記にも触れたようにクレージーから谷が単独出演しているが、「おいコラ。クレージーやれ」と要請された坪島監督は先に撮った『クレージー作戦 くたばれ無責任』で気になる存在だったのか敢えて起用したようだ。出たら出たで中国語オンリーだったためカンニングペーパーで台詞を読み上げるも、仲代と差し向えの会話でも服にカンペを貼ってしまい仲代も笑いを堪えていたという。

その後「おいコラ。クレージーまたやれ」と、坪島監督は『(クレージーの)無責任清水港』にて谷を森の石松に抜擢。そして『クレージーだよ奇想天外』の成功で、谷と坪島監督は独自のコンビを組んでいく。

また古澤憲吾監督と共に東宝クレージー映画の職人監督として名をはせた坪島監督は、『国際秘密警察 火薬の樽』・『クレージーの怪盗ジバコ』・『ルパン三世 念力珍作戦』といったアクション映画でも独自の手腕を発揮した。


作戦シリーズの脚本は岡本喜八が監修しており、脚本に問題なしとみればゴーサインを出していたが、本作については参謀役が沢村いき雄だったことに対し「あれには呆れた。オレなら藤田進さんだよ」と苦言を呈したという。


関連タグ編集

東宝 戦争映画

独立愚連隊


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