権藤吾郎
ごんどうごろう
演:峰岸徹
平成ゴジラシリーズ第2作目『ゴジラVSビオランテ』に登場する自衛官。
普段は物事を斜に構えて見るところがあり、事態を他人事のようにとらえた発言もするなど不謹慎で不真面目な態度も目立つが、実際は冷静な判断力と高い行動力を持つベテラン。所謂、やるときはやる男である。
自衛隊陸幕調査部から国土庁特殊災害研究会議(事実上の対ゴジラ組織)に出向しているが、ここ数年ゴジラが目立った活動を見せていないことから、本人は「体の良い左遷」と自嘲気味に語っていた。
しかし、1989年になってゴジラの活動が活発化し始めたため、ゴジラ対策に奔走することになる。
劇中では建造中であったスーパーX2の視察に赴いたほか、黒木特佐と共に白神源壱郎博士の研究所を訪れて抗核エネルギーバクテリアの研究参加を要請している。
G細胞がサラジア共和国のエージェントに奪われた際には、主人公の桐島一人と共にこれを奪還すべく奔走。見事G細胞を奪い返すことに成功する。
その後、大阪に上陸したゴジラに対し、小隊を率いて戦いを挑み、抗核エネルギーバクテリアを3発(うち1発は口内に命中)撃ち込むことに成功するが、直後、怒り狂ったゴジラが潜伏していたビルに攻撃を加え、そのまま倒壊に巻き込まれて殉職した。しかし、撃ち込まれた抗核エネルギーバクテリアは、その後自衛隊のサンダービーム作戦やビオランテとの戦いを経て遂に効果を発揮し、ゴジラを長きにわたって海底で眠りにつかせることに成功。ゴジラに対し、間接的に一矢報いることに成功している。
ちなみにノベライズ版では、抗核エネルギーバクテリアを撃ち込むのがスーパーX2の役目だったため死亡せず、最後まで無事生き残った。
漫画版のVSスペースゴジラでは、陸幕調査部付きの特殊部隊に所属しており、左遷の理由がG細胞回収失敗によるものとなっている。また殉職する直前に、抗核エネルギーバクテリアの3発目を撃とうとしている。映画では崩落シーンが撮影ミスで撮り直しとなったため、直前に無反動砲を構えている理由が不明瞭だった(再装填の時間が無いため、恐らく単純なミスか、権藤一佐の闘志を表現したかのどちらか)。
特殊戦略作戦室室長の黒木特佐とは長い付き合いらしく、黒木も権藤に対して敬意を払っている様子が見受けられた。黒木の階級である「特佐」は一佐よりも下(三等特佐)であるため、階級が上であったとしても黒木の方が年下だったから等の理由も考えられる。
妹に生物工学の権威である権藤千夏がおり、後に『VSスペースゴジラ』にて、国連G対策センターで対スペースゴジラのため奔走することになる。
漫画版では彼女も復讐のためにGフォースへ入隊し、パイロットとして登場している。因みに28歳(VSビオランテ当時は23歳)であるため、兄とは17も歳が離れているが、千夏曰く「相当なお兄ちゃん子だった」とのことであり、兄妹仲はとても良好だった模様。
また、同作で登場した結城晃は自衛隊時代に権藤吾郎と友人関係にあり、結城は友の仇を討とうと躍起になっていた(漫画版では、上記のG細胞回収任務や抗核エネルギーバクテリアを撃つ作戦に参加していた事になっている)。
Gフォース司令官の麻生孝昭はもともと自衛隊の出身であり、結城晃とも顔馴染みである。このため結城を通して権藤吾郎のことも知っていた可能性はあるが、劇中では特に権藤との関係については語られていない。
「クスリはやっぱり注射に限るぜ、怪獣サンよォ!!」
第4章の「反撃」において、欧州奪還作戦に従軍したダイチ・タニ一曹(アニメ版のメインヒロイン:ユウコ・タニ曹長の祖父)の当時の上官であった中隊長が、明らかにこの権藤一佐を意識したキャラ設定になっている(本名・国籍等は明確にされておらず、日本人だったかどうかは不明)。
原典の権藤一佐同様、皮肉屋で少々不謹慎な面も目立つが、軍人としての判断力・統率力は確かであり、ノルマンディー上陸時に突如ビオランテが出現した際には部下たちに的確な指示を出してビオランテを相手に善戦、最後は自らありったけの爆薬を積載した地底戦闘車モゲラを駆動させて地下の心臓部に突撃させ、これを撃破することに成功した(因みに、中隊長はすんでのところで脱出して無事であり、原典のように死亡することはなかった)。