概要
「ゴジラVSギガモス」とは、平成ゴジラシリーズの未映像化企画の一つである。
『ゴジラVSキングギドラ』の続編として、当時に特技監督を務めた川北紘一を中心に企画された。
その内容は、時間の経過とともに変更されていき、最終的には没の憂き目を見る事になる。
しかし、実際に製作され公開された各作品内に、その設定や内容は盛り込まれている。
内容の変更と経緯
その内容は、時間が経過するごとに変更されている。
「ミクロスーパーバトル ゴジラvsギガモス」
当初は、
:ゴジラと新怪獣ギガモスとの戦いと並行して、原子炉化したゴジラを止めるためミクロ化した主人公たちによる、ゴジラの体内での活躍が描かれる。
というものだった。舞台はアメリカで、全米での公開も見込まれていた。
ギガモスの他に、米軍の兵器としてメカニコングの登場も予定されていた。
当初はキングコングの登場を検討していたが、『vsキングギドラ』に登場したメカキングギドラが好評であったことから、同じメカ怪獣であるメカニコングに変更された。
「ゴジラVSギガモス」
プロットがまとめられた1か月後、東宝のプロデューサーサイドから「キングギドラの次に人気のあったモスラをメインとすることを決定」と告げられる。
このため、「メカニコング」および「ゴジラの体内での戦い」という要素を省き(下記も参照)、登場怪獣をモスラとギガモスとした『ゴジラvsギガモス』へと内容を変更する事に。
この段階でギガモスは名前だけ残し、
:モスラと同じ卵から生まれた「悪のモスラ」
という設定に変更される。
当初はモスラと敵対するも、ゴジラとの戦いを得て和解し、最後はモスラと融合してゴジラを倒す……という展開であった。
『vsモスラ』時のポスター画では、卵から誕生する2匹のモスラ幼虫が描かれている。これは当時、『モスラ対ゴジラ』のイメージと言われたこともあったが、実際には『VSギガモス』のプロットを元にしている。
「モスラVSバガン」から「ゴジラVSモスラ」に
そして、内容は再び変更。
最終的に大森一樹による『モスラVSバガン』をベースとした内容となり、タイトルも「ゴジラVSモスラ」に決定。
ギガモスの「悪のモスラ」の設定は、バトラの原型となった。
その他
- 『ミクロスーパーバトル』での海外上陸展開は、場所は異なるが(アメリカから香港に変更)後に『ゴジラvsデストロイア』において、海外の上陸には慎重な意見であった富山省吾を押し切って川北が実現させている。
- また、モスラが登場する事で省かれた「メカニコング」「ゴジラの体内での戦い」という要素は、「ゴジラ対メカニコング」「マイクロユニバース イン ゴジラ」といった別企画に流用された。
- メカニコングに関しては、国内外における権利問題の明確化という意図もあったが、後のトラブルを見越し中止。また、メカニコングに思い入れの強かった川北氏は、『幻星神ジャスティライザー』にて、これをモデルとしたメカ巨獣ブルガリオを登場させている。
- 「怪獣の体内での戦い」に関しては、後に『モスラ2 海底の大決戦』における、モスラとダガーラの戦いの中で実現させている。また、『ゴジラVSメカゴジラ』に登場した「Gクラッシャー」の設定も、「ゴジラを体内から攻撃する」という展開の名残である。