「不届キ者ヲ……発見! 拙者ガ……アッ、斬リ申ス〜ッ!!」
DATA
概要
第22話「ラストゲーム」に登場。
イグニスが仕掛けた罠より出現する人型の巨大ロボット。
歌舞伎役者の顔をした鎧武者という出で立ちの純和風カラクリロボットで、巨大な和傘のような「ジャノメガッサー」の先端部から発射される火球や、日本刀のような刀「ムサシンソード」から斬撃波動を遠方に放つ「フジヤマ斬波」、髪を振り回して収束したエネルギー球体を放つ「おぼろ突き」(youtubeの英語字幕では「hazy moon=朧月」と表示されていたが、翻訳の問題で表記ゆれが起こったと推測)、炎を纏った大量のメカムサシンの顔で敵を絡め取る「ヒトダマ大車輪」、浮世絵のようなエネルギーフレームを展開して攻撃を防ぐ「ウキヨ防壁」等々の多彩かつ摩訶不思議な能力を持つ。
相応に高い人工知能を持っているのか、状況に合わせる形でよく喋る上、場合によっては「ケ~タケタケタ」と笑い声を上げたりと、妙に人間臭い言動が見られるのも特徴。ちなみに喋り方や発するSE等も歌舞伎が属する伝統芸能風である。
このように一見ふざけた姿や能力だが、過去のウルトラシリーズ出身のロボット怪獣の例に漏れず、(先のアボラス&バニラ戦からあまり時間が経っていない可能性もあるが)あのグリッタートリガーエタニティを足止め……どころか窮地に追い込む程の高い戦闘力を持つ強敵である(GUTS-SELECTの救援がなければ、そのままエネルギー切れで敗北していた可能性が高い)。
それもあってか、ファンからの人気が高い怪獣として扱われている。
活躍
イグニスが遺跡に仕掛けた罠=「ぜったいにおすな」と注意書きをされたボタンをケンゴがうっかり押してしまって起動。転がってきた「ジャノメガッサー」の陰から姿を見せる形で現れる。
そのままジャノメガッサーからの火球でケンゴ達を攻撃し、アキトを先に行かせたケンゴが変身したトリガーと激闘を繰り広げるが、前述の多彩な攻撃技でグリッタートリガーエタニティとなったトリガーをもグリッターブレードを弾き飛ばした上にカラータイマーが点滅するまで追い詰める。
「御覚悟ォ召サレヨ!……コレゾ、諸行無常!!」
「おぼろ突き」で大ダメージを与えたところを「ムサシンソード」でトドメを刺そうとするが、救援に駆け付けたナースデッセイ号の弾幕に怯み、ムサシンソードを取り落としてしまう。負けじと「ヒトダマ大車輪」をナースデッセイ号に向けて繰り出すも、テッシンの操縦によりギリギリで回避され、そこから放たれたマキシマナースキャノンを「ウキヨ防壁」で防いでいる隙を突かれて、落としていたムサシンソードでトリガーに片腕を切り落とされて防壁が消滅。そのままキャノンの直撃を受けて爆散した。
「ヌオォッ!?……アッ、アッパレナリ〜ッ!!」
ちなみに、遺されたムサシンソードはその後トリガーからイグニス=トリガーダークに渡されており、ヒュドラムとの死闘を演じる彼の助けとなった。死して尚も武士(?)として主君への忠義を貫いた……風にも見える(もっとも、後述の通り本来の製造者が別に存在している以上、イグニスが奪った可能性もあり、微妙な関係だが)。
本エピソードは因縁深い『イグニスVSヒュドラムの決着編』だっただけに、イグニスが仕掛けたお邪魔キャラクター(足止め要員)程度の存在にもかかわらず、あまりのインパクトの強さにSNSで話題になっていた程である。
余談
- 名前の由来は、「メカ」+日本が誇る大剣豪「宮本武蔵」+「武神」だと思われる。
- 劇中や公式サイトでは「イグニスの所有物である」以外の詳細について触れられていないが、『マルっとナビ』での解説によると「『日本かぶれの宇宙人』が製作したもの」らしく、イグニスはそれを「ゴクジョーのお宝」として回収したものと思われる。
- Blu-ray BOXの解説書によれば当初のセリフでは「日本かぶれのテンプラー星人が作った」と解説させていたとのこと。
- 着ぐるみは『ウルトラマンオーブ』に登場した紅蓮騎の改造で、頭部以外をリペイントし、頭部は模様を入れたりして改造している。尚、紅蓮騎も元を辿るとメカザムのスーツを改造したもので、そのメカザムとは「古風な剣士型のメカ怪獣」の共通点がある。その為か、放送に合わせて発売されたソフビ人形「ウルトラ怪獣シリーズ」は、オーブ本放送当時に発売された紅蓮騎のソフビ人形の金型から、一部流用(両腕のみ)されている旨がタグにも記述されている。また、当初は頭部に2本の角が生えていたが、髪を振り回す際に邪魔になるだろうとの判断されたため、オミットされた。
- CVは本業の声優ではなく、本作の第16・17話を担当した越知靖監督(過去作では『ウルトラマンタイガ』第13話や『ウルトラマンZ』第16話等を担当)。辻本貴則監督曰く『カラクリっぽい違和感のある感じで甲高い声質の人……と探していたら、近くにぴったりの人物がいるじゃん!』と答えている。
- 過去にも日本や和風をモチーフにした怪獣・宇宙人は相応に登場したが、令和3年の現在でも類を見ない程に“誤った日本観”が全開・満載のウルトラ怪獣は、メカムサシンが初めてだと思われる。
- このイメージに合わせてか、トリガーがグリッタートリガーエタニティに変身した際、グリッターブレードを顔の前にかざして現れた後、まるでお面を外すかのように下ろして顔を見せると、今回限りの演出が取られた。
関連タグ
マノン星人:原典『ウルトラマンティガ』に登場した宇宙人で、こちらもモチーフが歌舞伎役者と言われている。
宿那鬼:同じく剣を使うティガ怪獣。両面宿儺を思わせる妖怪じみたデザインに加え、戦闘フィールドも廃寺や神社と、徹底した和風要素を集めた怪獣である。
機械人形ゴブニュ:『ティガ』に登場したロボット怪獣。ウルトラ戦士を大いに苦しめ、最終的に危機を脱した防衛チームの最高戦力から切り札の攻撃を受けて倒された点が共通する。
ザムシャー:通称が「宇宙剣豪」の宇宙人で、外見は剣豪のみならず侍や武者等がモチーフ。
戀鬼:上記の紅蓮騎の原型にして、落武者そのものな存在。奇しくも登場した作品の主人公の名前は「ムサシ」である。
ザンギル: 同じく侍がモチーフ。
メガロマン:同じく連獅子をイメージしたかのような容姿。おぼろ突きの動作がメガロマンの必殺技「メガロンファイヤー」に酷似している。
………つーかフィギュア王でのトリガー特集によると実際に元ネタのひとつであると明言されている。
ショーグン・ミフネ:勇者特急マイトガインに登場した「影の軍団」首領。誤った日本観に塗れたもの同士で、自分には日本を支配する権利があると思い込んでいるアメリカ人。
ダイコンワルド:約一ヶ月前に戦隊シリーズに登場した、メカムサシン同様、歌舞伎のような振る舞い方をするワルド。
シンケンオー/旋風神:同じく和風のロボット。歌舞伎要素もしっかりある。
カブキノイド:機動刑事ジバンに登場した「バイオノイド」の一体。
芝居がかった歌舞伎口調、歌舞伎の要素を加えた攻撃手段など、メカムサシンを彷彿させる歌舞伎演者モチーフの怪人。
メカムサシンと対照的に、とても弱い。