概要
後ろから相手の首に腕をまわし、肘が喉の前に来る状態で首を左右から挟むようにして頸動脈を締め上げる技。
完全に極まると、脳に十分に血液が回らなくなるため相手は気絶してしまう。
この状態を「落ちる」と俗称される。
当然、やり過ぎると生命に関わるため格闘技でも落ちたらそこで決着となる。
その前に、大抵の場合極まればタップ(降参の合図)せざるを得ないため落ちることはあまりないが。
よく混同されるが肘から先が喉の前にくる状態で喉を締め上げるのは「気管を潰す」チョークスリーパー(リア・ネイキッド・チョーク)という別の技でこちらはプロレスでは反則技(首を締めるのと同じなので)。柔道では「裸絞」。
総合格闘技では容易にギブアップを奪えるためかチョークスリーパーも多くみられる。
有名な使い手として鈴木みのる、飯塚高史やアントニオ猪木(どちらも「魔性のスリーパー」と呼ばれた)、スタン・ハンセン(ヘッドロック式)、マーク・ルーイン(別名「アナコンダ殺法」)等。また「AWAの帝王」バーン・ガニアはフィニッシュホールドとしていた(プロレスでは本来こうした絞め技は「陰湿なイメージのヒールレスラーの使用技」だとされ、アマレス出身の純然たる正統派テクニシャンだったガニアが使うのは異色だった)。
同じくヘッドロックやフェイスロックも見た目は似ているが、首を直接絞める技ではないので注意したい。
なお、脳に血液が行かなくなる理由は血管が塞がれるためではない。
実は首の血管には脳に適切な血圧で血を送るための圧力センサーがある。そこを圧迫すると異常な高血圧で脳に大量の血液が送られようとしていると誤認してしまう。
そのため、急速に血圧を落とし...実際には気絶するほど低血圧になってしまう。
また、喧嘩で使用すると相手を泣かせることにも繋がるため、中学校などではこの技を方々で多用されて泣いている中学生たちがよく見られた。
スリーパーホールドとは、人体の防衛システムを逆手に取った技なのだ。