「ガイよ・・・新たなウルトラマンの絆が紡がれようとしている・・・」
CV:櫻井孝宏
概要
『ウルトラマンオーブ』第23話、および外伝作品『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』にて登場した青白く光るリング状の物体。「惑星O-50」にある戦士の頂の頂上に存在する。優れた資質を持つ者に「光の戦士」となる力を授ける。
また選ばれた者は光のメッセージ(白く光る巻物のようなもの)によって数々のミッションを与えられ遂行することになる(なお同行者がいた場合は、選ばれた者のサポートを任される模様)。
ただし、オーブの光は光の国やU40と異なり基本的に選出した戦士にそのままミッションを与えるだけの存在であり特に戦闘訓練も組織化も行わない(ただ、戦士の頂に挑む者は事前に歴代戦士について勉強する事になっている他、フーマのように独自の鍛錬を受けた者もいる)。そのため、選ばれた戦士は基本的に単独行動を強いられるので、戦闘経験が未熟な者が何のフォローもなしに危険なミッションに挑まなければならない事態になりかねない。
また、戦士の頂に直接行かなければ連絡を取れないため、ミッションで戦死者が出ても直接救援などは行わない上、離反者が出たり与えた力が別の存在の手に渡ったりする事があっても特に干渉しない(オーブの光から見れば「音信不通になって知る術がない」と言った方がいいか)。
加えて、ウルトラマンとしての力を与える上位存在でありながら、善の存在と言い切ることができない「非情な善人」とでもいうべき側面も持ち合わせている(詳しくは後述)。
このようにスパルタなことがしばしば話題になるオーブの光だが、厳しい下積み時代を乗り越えて来たこともあってかオーブやフーマといった叩き上げの実力者も多く、オーブに至っては『つなぐぜ!願い!!』や『R/B』でも別次元の宇宙人に名を知られている程である。
ウルトラマンオーブにて
『THE ORIGIN SAGA』第1話では、先に頂上にたどり着いたジャグラーが光に手を伸ばすが拒絶され、次にガイが光に手を伸ばすと、光はガイを選び聖剣オーブカリバーを授け彼をウルトラマンに変えた。
その後、オーブカリバーから投影された光のメッセージによって王立惑星カノンとサイキの間に起った諍いを止めるファーストミッションを与えられることとなる。
最終話ではファーストミッションを終えて戦士の頂に一人帰還したガイに、オーブカリバーに4つのエレメントを集めるミッションを与え、更にオーブの姿を変化させた。
完全超全集に掲載されている「ウルトラマンオーブクロニクル」では、第3章終盤にて戦士の頂に帰還したガイにオーブリング、そして魔王獣を撲滅するミッションを与えている。
そして第10章でもガイに様々なミッションを与えているようである。
『ウルトラマンオーブTHE_CHRONICLE』最終話では、戦士の頂に久しぶりに帰還したガイに、オーブリングから投影された光のメッセージ(形状は「オーブの光」のものである)が、新たに現れた二人の兄弟ウルトラマンのことを伝えている(先述の通り今回は明確に声という形で伝えているが、視聴者からすれば『オーブ』本編を含めて初めての出来事かつ、何週も前からガイによるPRを目にしていたため「お前が説明するのかよ!?」と驚愕の事態であった)。
なお、この時ロッソとブルの存在を知らされたためか、後年『ウルトラギャラクシーファイトニュージェネレーションヒーローズ』でロッソとブルと初めて対面した際には、既に彼らのことを知っているという設定になっていた。
力を授ける基準
オーブの光がウルトラマンの力を授けるのは、『自分を犠牲にしてでも他人を救おうとする心』と『闇堕ちしにくい魂』を持つ者だけ。
また、力を授かろうと意気込んでいた者ほど選ばれていないという描写から、『闇落ちしにくい魂』のことを考慮すると『力を渇望していない者』であることも条件に入っている可能性がある。
実際、選ばれるのはジャグラーだろうと思っていたガイは自分が選ばれた事に驚きを隠せずにいたし、力を手にする前のロッソとブルは「おとぎ話」としか思わず、戦士の頂に到達したのも偶然の要素が強かった。力を手にする前のフーマに至っては戦士の頂へ挑む事について「何者かもわかんない輩に頼むなんて神頼みみたいなもん」と口にしており、戦士の頂への挑戦と到達もゲルグに誘われたことがきっかけで、紆余曲折の末の成り行きに近い形でのものだった。
以上のような条件を満たしていない者には、到達してもウルトラマンの力は授けず、授けたとしても怪獣の力に変質してしまう。
ただし上述の基準は明示されているわけではないため、『自分が選ばれた理由は人間の姿をしているからではないか』と考え、人間態に戻ることを自ら禁じるようになったフーマのように、選ばれた側であっても選定の基準に疑念を持つ者もいる。
また、(兄達を亡くした影響とはいえ歪んでしまった)グリージョでさえグルジオボーンの力を与えられたのに、(後に自力で魔人態への変身能力に目覚めたとはいえ)何のフォローもなかったジャグラーに対する同情の声も視聴者から少なからずある。
もっとも、グリージョも一人だけ怪獣の姿を与えられたことが不満であった様子(こちらは力そのものより、怪獣に変身することで人々から怖がられたのが主な理由ではあるが)。グリージョの育ての親であるバクバーバはその理由を「お前の中の魔性がそうさせるから」と語っている。直後にバクバーバは激昂したグリージョに惨殺された事から、心に迷いを抱え不安定な部分のある者にウルトラマンの力を与えるのは危険とみなしているのかもしれない。
いずれにせよ、O-50は存在する宇宙からして世紀末状態である以上、自分本位な理由で力を欲する者を警戒するのは当然であり、何のフォローやバックもなしにただウルトラマンの力があるだけの者は必ず破滅すると見込んだうえで人選をしているのだろう。
その思想
上述したO-50の環境もあってか、オーブの光の人選は上述の条件を満たすならたとえ犯罪者であろうが経歴は問わず、選ばれた戦士の大半が過去に何らかの悪行に手を染めていた(あくまで「生きるために仕方なく」程度ではあるが)。そもそも関連人物からして奇人変人ばかりである。
そしてミッションを与えるにあたっても、この宇宙の平和が少数の犠牲の上に成り立っている事を認めているため、戦いで多少の犠牲を出してもやむなしと捉えている節がある(実際、光の力を授からなかったジャグラーやグリージョは、戦いの中で予期せぬ犠牲が出た事を納得できなかった事がきっかけで闇落ちしている)。それどころか、『自分を犠牲にしてでも他人を救おうとする心』を利用するように、住人ごと惑星ひとつを囮にするという選ばれた者をたぎらせるようなミッションを与える事さえあった(もっともそのミッションが出されたのはあるウルトラマンが暗躍した結果だったのだが)。