概要
元々ゴジラはモスラ、ラドン、キングギドラ、大コンドルなど様々な飛行怪獣と戦ってきたが、それらを見て学習したのか、ヘドラとの戦いでなんと空を飛んだのである。
ヘドラは体を変形させ、空を飛ぶ怪獣であった。逃げようとするヘドラを見て、やおらゴジラは自分の尻尾の先を掴み、ナナメ下に向かって放射熱線を吐く。すると徐々にゴジラの身体が浮き上がり、その放射能火炎の反動でロケットのように飛んでいったのである。そしてヘドラに追いすがると、背びれで体当たり。かくしてヘドラは地面に叩き付けられ、ゴジラは着地し戦いを始めた。
この恐るべきシーンはゴジラ史上最もインパクトが強いと言われた『対ヘドラ』内でも異彩を放つ演出であり、公開当時、既に賛否両論であった。当然ながら同作プロデューサーの田中友幸氏は大反対したのだが、途中で田中氏が体調不良により降板した合間を縫って撮影されたという逸話がある。公開した後同氏は大激怒したそうだが、アメリカでは意外にも好評だったらしい。
流石にこのシリーズの後、ゴジラが飛んだことは無かった。当たり前である。ゴジばんではゴジラあんちゃんが似たような光景を想像し、「無理無理ww」「そのくらいで飛べてたら火を噴くたびにあっち行ったりこっち行ったりしてるしww」と爆笑していた。
ただし、体細胞から生まれたスペースゴジラには飛行形態があるほか、シン・ゴジラはあのまま進化を続けていれば羽根を生やして飛行していたかもしれないという設定である。
またちびゴジラもやったことがある(尻尾が短すぎて届かなかった)が、出力不足ですぐに落ちてしまった。しかし、「空のちび怪獣たち」にて本当に飛ぶことに成功する。が、熱戦を常に吐いている状態なためか話せないというデメリットが存在する模様。
なおPS3版では「バックタックル」としてヘドラに行った体当たりが採用されている。
余談
この描写は『トリビアの泉』でも紹介された。
『空想科学読本』でも検証されたことがあるのだが、当然ながら「この方法で飛ぶと間違いなく円運動を起こし、そのまま地獄車のように回っていく」「腹這いになって空に尻尾を向け地面目掛けて火炎を吐いた方が効率がいい」と言われている。
また、50年後の2021年のスーパー戦隊『機界戦隊ゼンカイジャー』でも、ジュランティラノが同様の技を披露している。
その翌年2022年、今度は(進化前も含めて)ゴジラに似た外見をした強力なポケモンであるセグレイブが「きょけんとつげき」という、どう見ても狙っているとしか言いようのない専用技を持って登場している。尚、こちらは凍った頭部を下にして地面で滑るように移動することで、上記の空想科学にある検証結果の対策をしている(この方法は方法で検証されそうだが)
関連イラスト
関連項目
以下、劇場最新作のネタバレを含みます。未視聴の方は速やかにブラウザバックを推奨致します。
ゴジラ、再び宙を舞う
ゴジラxコング:新たなる帝国の終盤、コング、モスラと共に地下空洞世界へ突入したゴジラは、シーモに跨ったスカーキングと遂に対峙。
両者駆け出し決戦の火蓋が切って落とされた次の瞬間、スカーキング軍団足止めの為にイーウィス族の仕掛けた罠が遅れて作動し、地下空洞世界は一瞬の内に無重力空間と化す。
その中をゴジラはなんと宙に浮かんだ岩を蹴りながらまるで泳ぐかのように宙を舞い、グレイト・エイプ軍団やシーモ相手に空中で大立ち回りを始めたのである。
当然ゴジラに単独飛行能力は無く、重力場の狂った空間と言う特殊な環境下でのみ実現した空中戦シーンだった為、厳密には「飛行」とは異なる。
だがゴジラ対ヘドラより50数年、最早見られないと思われていた空を舞うゴジラの姿であった事に変わりは無いだろう。