概要
社会現象アニメとは、経済効果やフォロワー作品の続出など世間に大きな影響を及ぼしたアニメ作品のこと。覇権アニメの「同時期の映像ディスク売り上げ1位」のような確立した基準はなく、視聴率や観客動員数、メディアミックスやタイアップの売上、テレビ、ラジオ、新聞といったマスメディアに頻繁に取り上げられた回数など、基準は様々ありうる。
以下、日本のテレビアニメを中心に、社会現象を巻き起こした作品を独断と偏見でリストアップしていく。また作品を追加する際は、具体的にどのような社会現象を巻き起こしたのか記述をお願いします。
テレビアニメ
テレビアニメを追う事で、制作技術の進展や社会的な時代背景も知ることができる。特に作画の変化は一目瞭然である(→80年代風、90年代風)。
1960年代
初めてテレビアニメと言うジャンルが成立した時代。また、このころからアニメ番組の時間は30分と言う尺で放送されるという基本形が成立しており、そのほかにもグッズ展開をはじめとするアニメ産業の興隆など、現代のアニメ業界に残した影響は大きい。
特に最初にテレビアニメを制作した手塚治虫の影響は大きく、アニメによる社会現象や、漫画連載からアニメ化などの夢のある偉業だけでなく、アニメーターの低賃金問題などの負の遺産もこのころからある。
アニメ作品全体の流れとして言えば、小学生をターゲットとした荒唐無稽な作品や、模範的なヒーローによるストーリーが多い。また、最初の社会現象アニメである『鉄腕アトム』は、平成・令和期のようにアニメ制作のノウハウが確立しておらず、アトムの顔が違うなどの作画崩壊をところどころで起こしている一方で、アトムの顔が違うのは当時アニメ制作現場で働いていたトキワ荘世代の若手漫画家が描いていたためと言う一面もあり、単なる作画崩壊ではないお宝映像でもあったりする。
- 漫画の神様が生んだ、未来世界で平和のために戦う少年型ロボットヒーローによるSFドラマ。1963年から1966年にかけて、日本初の国産テレビアニメとして放送され、最高視聴率は40.3%に達するなど社会現象にまでなった。
- この作品を機に、劇場アニメからテレビアニメへとシフトしていく作品が増え続ける。わずか2年間で民放キー局のゴールデンタイムをアニメが占拠するようになった現象からも分かるように、この『鉄腕アトム』をきっかけにアニメ産業は大躍進を遂げた。
- 「謎の存在がある日突然に住み着き、日常を賑やかにする」という、ホームコメディーアニメの嚆矢といえる作品。『鉄腕アトム』以来、それまで主流だったSFヒーローものが飽きられ視聴率が低下した中で、日本初のギャグアニメとして放送開始。初回から視聴率30%以上の人気を得て、アニメ主題歌の『オバケのQ太郎』はミリオンセラーを記録し、1966年第8回日本レコード大賞童謡賞を受賞。
- また声優の曽我町子が歌う『オバQ音頭』はレコード200万枚、ソノシート400万枚の大ヒットとなり、累計だと日本で最も売れたシングル曲である「およげ!たいやきくん」の約450万枚を遥かに上回る記録を持つ事となる。
- オバQブームと呼ばれるほどの人気を経た本作のヒットから培ったキャラクタービジネスのノウハウは、後年の『ドラえもん』や『ポケットモンスター』でも生かされている。そもそも漫画の連載が始まった翌年にはアニメ化されたことや、原作者が藤子・F・不二雄ということもあり、社会現象アニメというよりは社会現象マンガとしてのイメージの方が強くなってしまっている。
1970年代
漫画が『子供の読み物』から、『大人でも読める芸術』に変化し始めた時代。このころから、中高生以上をターゲットとした作品が作られるようになり、いわゆるオタク的な人間が出現し始めるようになる。
アニメの描写や演出にもリアリティを求め始めるようになり、『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』などは、SF的な設定を詳細に作りこみ、ストーリーもヒーローの超人的な活躍よりも、人間ドラマに面白さを求めるようになる。特にガンダムは、リアルロボットと言う新たなジャンルを築いた。
また、タツノコプロや東京ムービー・Aプロダクションなどが新進気鋭クリエイターによるアニメを送り出し、マニアは作画にも一定のクオリティを求め始めるようになる。
この時期の特徴として再放送で人気になったものが非常に多い。70年代後半からは家庭用ビデオが徐々に普及していった。
- 連載当時、絶大な人気を誇ったジャンル「スポ根漫画」として一大バレーボールブームを起こした。
- よみうりテレビの土曜日19時枠における『巨人の星』で、視聴率的にも成功を収めていた広告代理店や、提供スポンサー等が、今回は『週刊マーガレット』に連載中であった原作漫画を題材にすることで、フジテレビの日曜日19時枠を新たに獲得した。『巨人の星』と同様に成功を収めたアニメ番組でもあった。
- 平均視聴率19.9%、最高27.1%を記録した。大杉久美子が歌う主題歌『アタックNo.1』のレコードは70万枚を売り、その中のワンフレーズである「だけど涙が出ちゃう 女の子だもん」が流行語となった。
- 2005年には、上戸彩主演でテレ朝制作の実写版が放送されたことはあまり知られていない。
- 風来坊である矢吹丈が偶然出会った元プロボクサーの丹下段平に見込まれ、ボクサーの道を歩むアニメ。ホセ・メンドーサとの戦いの後、ジョーが「燃え尽きたぜ…真っ白にな…」と放つシーンなどは非常に有名。最高視聴率31.6%。
- 『週刊少年マガジン』連載中から社会的反響は大きく、ジョーのライバルである力石徹が作中で死んだ時には、架空の人物であるにもかかわらず、葬儀が講談社講堂で執り行われた。
- 1970年3月31日に発生したよど号ハイジャック事件では、ハイジャック犯が「われわれは明日のジョーである」と声明を残したり、辰吉丈一郎をはじめ現実のボクシング界にも大きな影響を与えたりなど、「戦後最大のヒットマンガ」の1つに数えられ、劇画路線にシフトした『週刊少年マガジン』を『巨人の星』とともに支えた。本作以降のボクシング漫画は、全て本作の影響下にあると言われている。
- 巨大ロボットに主人公が乗り込み操縦する「巨大ロボットアニメ」の最初の作品。平均視聴率22.1%(最高視聴率は、第68話の30.4%)という歴史的大ヒット番組となり、続編の『グレートマジンガー』『UFOロボグレンダイザー』と合わせると4年を越える長期シリーズとなった。
- 日本以外でも放映され、ヨーロッパを初めとして世界各国で人気を博した。中でもスペインでは驚異の視聴率80%を記録した。放送話数全92話という記録は、ロボットアニメ史において未だに破られていない。
- マジンガーZの大ヒットによって「超合金」や「ジャンボマシンダー」などの関連玩具が爆発的に売れた。雑誌での記事展開なども含めた商業的な面でのシステムを確立したという点でもマジンガーZは画期的であり、日本アニメ及びそのキャラクタービジネスにとって重要なターニングポイントになったとされる。
- 水木一郎の歌う主題歌レコードは、日本で70万枚を超える当時の大ヒットとなった。
- 日本発の本格スペースオペラであり、その後の宇宙アニメブームの嚆矢となった。また「人類vs侵略者」の図式を、ヒロイックな筋書きではなく両者の存亡を賭けた一大決戦として描くことで、これまでにない手に汗握るドラマの演出に成功している。
- 初放送時は「アルプスの少女ハイジ」「フランダースの犬」といった名作が見事にバッティングしたこともあり視聴率が振るわなかったが、再放送などによって改めて注目され、高視聴率を記録する。これをきっかけに全国各地でファンクラブが結成され、最盛期には全国で851団体、15万人を数えた。再編集した劇場映画が公開される頃までには、子供のものと思われていたアニメ作品に中・高校生から青年層までの幅広い視聴者を獲得し、劇場版は、225万2000人の観客を動員。9億円の配給収入、21億円の興行収入をあげて、1977年の日本映画では9位の興行成績を記録したヒット作品となった。
- 余談だが、それまで軍艦といえば戦艦長門と空母赤城の二大巨頭だったものを、このアニメ以降は「軍艦≒戦艦≒戦艦大和」というほどに、日本人の認識を塗り替えてしまってもいる。
- 大人向けアニメを目指した1971年のPART1(旧ルパン)は低視聴率に悩まされ、後半からは宮崎駿・高畑勲を投入して路線変更を図るも打ち切りに終わる。しかし再放送で人気に火が付き、再放送で視聴率32.5%を記録した。
- 1977年、満を持して続編のルパン三世PART2(新ルパン)が登場し大ヒット、新作映画も2作(ルパンVS複製人間、カリオストロの城)作られた。3年間の長期作品となり、本作のルパン三世のイメージが以降定着する。現在のルパン三世のイメージはもっぱらPART2のものだが、PART1のルパン像が好きという声も根強く、緑ルパンか赤ルパンかはよく話題になる。
- PART2でアニメ脚本デビューした浦沢義雄や杉村升が後の東映特撮にも大きな影響を与えている。
- 鉄郎少年の成長を、ファンタジックなSF作品として描いた冒険ドラマ。少年キングにて連載中にテレビアニメ化、劇場アニメ化されて大ヒット。『宇宙戦艦ヤマト』とともに昭和50年代の松本零士ブームをも巻き起こした。主に、銀河鉄道999ブームは劇場版が大きく健闘しており、中高生を対象にして配給収入の目標を10億円としていたが、結果はそれを上回る16億5000万円。1979年度の邦画の第1位で、これはアニメ映画史上初の快挙だった。
- 当時人気絶頂だったロックバンド・ゴダイゴによる主題歌『銀河鉄道999』もオリコンシングルチャート最高位2位・ザ・ベストテン最高位1位を獲得し、当時のアニメ主題歌として歴代最高売上枚数を記録し、シングル売上は120万枚に達した。
- そして「少年の成長を優しく見守るミステリアスな美女」というインパクトで、当時多くの少年たちに図らずも性癖を植え付けてしまい、アニメ史上における「理想のヒロイン像」の一つを作り上げている。
- 人類が宇宙に進出した未来の戦争を舞台に描かれる、正義と人間の価値を問うロボットアニメの革命児。
- 玩具メーカーのクローバーをメインスポンサーとして企画・制作され、超合金ガンダムやGアーマー等評価される玩具を販売していたが、当初は主たる視聴者層と噛み合わず売上も振るわなかった。その後、アニメ雑誌がたびたび熱意ある特集記事を組むなど、女子中高生を中心に口コミで徐々に評判が高まり、放送終了後には「ガンプラ」が爆発的な人気を集めることになった。
- また、それまで「熱血」「勧善懲悪」の人情劇に偏っていたアニメ界に、「軍事的なロボット」「戦争と人間」「複雑な人間ドラマ」というこれまで暗喩として忍ばせる程度だったテーマを前面に引きずり出し、今日に至る日本アニメ特有の多様性を育てることに大きな役割を果たしてもいる。その潮流は現在もなお「シリーズ化」というかたちで、本作を一大ジャンルに仕立てている。
1980年代
フジテレビ全盛期はアニメの分野でも同じだった。一方テレビ朝日・テレビ東京はリアルロボットアニメで応戦、後に日本テレビと深いつながりを持つスタジオジブリも活動を開始した。
家族で見れるファミリー層向けのアニメも多数制作されている一方で、このころから設定や作画、美少女や凝った世界観など、OVAを中心により明確にオタク向けとされる作品が多く作られるようになる。
- それまでのスポーツものの主流であったスポ根路線とは一線を画しサッカーの楽しみや魅力を伝えることに重点が置かれた爽やかな作風は後の様々なスポーツ作品に影響を与えた。
- 1983年から放送されたアニメ第1作ではテレビ東京開局以来のヒットと称され最高視聴率21.2%を記録し、当時サッカー冬の時代といわれていた日本国内にサッカーブームを起こした。その人気は少年層のみならず女性層にもおよびファン同人誌が多く作られてコミックマーケットの肥大化をもたらした。
- その影響は川口能活や中田英寿といった日本代表経験者はもとより、ジネディーヌ・ジダン、リオネル・メッシ、ハメス・ロドリゲスといった海外の代表クラスのトッププレイヤーにも及んでおり、2022年にカタールW杯で日本がドイツを破るという大番狂わせを演じた際は海外のサポーターからよくやったぞ翼との称賛の声があがるなど、大空翼の名は日本サッカーのアイコン的存在として世界中のサッカーファン・プレイヤーから認知されている。
- 21世紀に入るとFCバルセロナやコンサドーレ札幌に本作のキャラクターが正式な選手として加入するなど、二次元と三次元の垣根を超えた展開が行われている。
- Jリーグ初代チェアマンの川淵三郎氏も「日本サッカーの大功労者だよ、疑いようもなく。」「Jリーグも『キャプテン翼』がサッカー人気の土台を作っていたからこそできた。」と本作を評している。
- 浮気者の高校生・諸星あたると、彼を愛する一途な宇宙人美少女・ラムちゃんを中心に架空の町、友引町や宇宙や異次元などを舞台にしたドタバタラブコメディ。あだち充の『タッチ』と共に、当時の『少年サンデー』を支える二本柱となるほどの人気作品となったことからテレビアニメ化・映画化された。
- その内容の斬新さと魅力的なキャラクターは1980年代のみならず以降の漫画界とアニメ界に衝撃を与え、当時の若者たちの圧倒的支持を受けて一大ブームを引き起こし、若者文化にも影響を与えた。本作はアニメ界の異才をあまた輩出した伝説的な存在となっている。
- 序盤は視聴率こそ20%前後と好調だったが、常に半裸の少女が登場していることや、登場人物が下品なことを言うので子供がマネをするなどの理由でフジテレビのワースト番組上位の常連であった。にもかかわらず最高視聴率は27.4%を記録している。
- 双子の兄弟と幼馴染の少女、3人の恋と青春の日々を軸とした新感覚スポーツアニメ。
- 1985年12月22日放送で31.9%の視聴率を上げたのを始め、常に視聴率20%以上を稼ぐ人気番組となり、スポーツに詳しくない読者も多く獲得し、一大ブームを巻き起こす。また、第1期オープニングテーマ「タッチ」を筆頭に、岩崎良美が歌った主題歌がヒットした。更に、人気キャラクターであった上杉和也が交通事故によって亡くなった際には、実際に現実でも葬式が行われるといった事もあった。
- 漫画作品としてもスポーツ漫画に転換期をもたらした作品で、それまで「スポ根」一色で衰退気味だったスポーツ漫画に堂々と「恋愛」を主軸に据え、野球よりも恋と日常に重心を置いたホームドラマ仕立ての筋書きを展開。汗と根性ばかりクローズアップしがちだったスポーツ漫画に、爽やかで甘酸っぱい青春ドラマの色を加える雛形ともなった。
- 眼鏡を掛けた少女型ロボットが、田舎の村で無邪気に暴れ回る痛快SFコメディー。
- 原作漫画『Dr.スランプ』から人気に火がつき、平均視聴率22.7%を記録。これはジャンプアニメ歴代1位の視聴率であった。そして34話では、36.9%の最高視聴率を記録し、テレビアニメとしては「ちびまる子ちゃん」「サザエさん」に次ぐ歴代高視聴率第3位を獲得した。また「んちゃ」「ほよよ」「キーン」などの『アラレ語』が流行し、EDであった『アラレちゃん音頭』は全国の盆踊りで使用され大ヒットとなった。
- しかし、本作が終了した後に、同作者である鳥山明の『ドラゴンボール』がアラレちゃんを超える爆発的ヒットを記録し、当時アラレちゃんが社会現象となった出来事が霞むことがあったりなかったり。
- どんな願いでも叶う幻の秘宝と、それを巡る冒険と熱いバトルが展開されるアクション作品。
- ドタバタコメディーを挟みつつも、奇想天外かつ予測不能の白熱バトルが展開されるドラマ性から、多くの少年たちをテレビの前に釘付けにした。鳥山明の前作『Dr.スランプ』のヒットに続いて、『ドラゴンボール』が連載開始。当初の人気は低迷していたものの、「天下一武道会」から徐々にバトル漫画へとシフトチェンジしていき、現在の人気を獲得。
- アニメは1986年から開始されピッコロ大魔王編終了後、1989年にタイトルをドラゴンボールZと改め、サイヤ人編からのスタートとなった。ここから冒険活劇からバトルメインへと変わっていき、舞台も地球から宇宙へと行きスケールアップしていった。
- そのど派手な戦闘や更なる強敵の登場、魅力あふれるキャラとその勢いは日本のみならず世界中に広がり今は世界を代表する作品へとなっている。
- 主題歌であった「CHA-LA HEAD-CHA-LA」は170万枚の売上をたたき出し、人気絶頂であった「フリーザ編」で行った少年ジャンプ1000票アンケートでは史上最大となる815票で圧倒的人気を証明した。
- アニメは1996年で終了しのべドラゴンボールを合わせると11年間放送され、視聴率も平均で20%以上を記録している。後にドラゴンボールGT、ドラゴンボール改、ドラゴンボール超、ドラゴンボール超 ブロリーとオリジナルストーリーやリメイクや新作と様々な展開を見せている。連載終了後も新シリーズが製作・放映されており、世界規模で高い人気を誇っている漫画をはじめとするカルチャーの一つの頂点に達していると言える。
- 大手新聞社に勤める料理の才能と高い教養を隠し持つ窓際社員山岡士郎が、新人社員栗田ゆう子とタッグを組み、本社の100周年記念事業「究極のメニュー」に挑むグルメ漫画の旗手。
- 単なるグルメ探訪に終わらず、士郎と海原雄山の複雑な親子関係、それを土台とした「究極vs至高」のグルメ対決、登場人物たちによる食を通じた人情劇、料理知識の普及と、単なる奇抜な飯テロ漫画に止まらない、リアリティーを追求したドラマ性も当作を一大作品に押し上げている。
- それまでに類似作品は幾つかあったが、当作はアニメ化・ドラマ化と多面的なメディア展開に成功。その後、多くの料理・グルメを題材にした漫画が続々と登場し、10年以上に亘る料理・グルメ漫画ブームの牽引者としての地位を盤石とした。
- また食文化を通じた教養普及にも一役買い、当作を通じて時代に応じた社会問題を提示している。大量消費と核家族化の進む日本社会で、ファーストフードと冷凍食品による「食の簡便化」の進行に警鐘を鳴らし、大量消費と飽食による食品廃棄をはじめとする環境問題を提起し、手作りの良さと親しい間柄で食事を囲む大切さを強く訴えた。
- 討論番組でも通例としてエピソードの幾つかが起用されるなど、社会派漫画の一面も持つようになる。
- しかし一方で、作品全体に「自然食品推進」と「うま味調味料の否定」、さらには料理を介した政治論の展開と、地位を高めるごとにより政治色を強めていった。
- さらに「離乳食に蜂蜜を勧める」という凡ミス(ボツリヌス菌による中毒死の危険性)を掲載して非難された件を筆頭に、下調べや取材体制の甘さが連載中から指摘されていた。また戦後の日中韓問題でも「日本悪玉論」の立場を譲らなかった。
- そしてこの体質が、2013年の東日本大震災に寄せたエピソードにて「致命的なやらかし」として露呈してしまったことで、漫画そのものが長期休載となり、事実上の打ち切りにまで追い込まれる結末を迎えた。
1990年代
バブルの訪れ、崩壊。宮崎事件によるバッシング、少年犯罪などによる自主規制の拡大、夕方ワイドショー枠の拡大などが暗い影を落とす。しかし大人たちの評価と裏腹に漫画やアニメの人気は根強く、一定の評価を得るようになり、世界的にも日本のアニメが人気になり始めるようになった時代でもある。
世界設定や考証のレベルがあがり、現在でも通用するレベルに完成度が高い物も多い。また、このころに発生したセカイ系と言うジャンルは、後年の日本のサブカルチャーに大きな影響を与えた。
このほかにも、深夜アニメや「ゲームのアニメ化」と言う新しいジャンルのメディアミックスが注目されるようになる。
- 作者の少女時代を基に描かれる、静岡に住む小学生の少女や周囲の人々の日常を描いたアットホームアニメ。
- 漫画時代からカルト的人気を誇っていたが、1990年のテレビアニメ化によって世間的に広く認知されていった。単行本の累計発行部数は17巻発売の時点で3200万部を突破しており、連載されていた漫画『りぼん』のコミックスの中では通巻最高発行部数を記録。最高視聴率は1990年10月28日に記録した39.9%で、これはテレビアニメの視聴率の中では歴代1位である。
- 1990年のキャラクター商品の売上額は年間100億円以上を記録、メディアで『平成のサザエさん』と紹介され、「人間キャラは売れない」という業界のジンクスを覆した。また、主題歌であった『おどるポンポコリン』は言わずと知れた大ヒット曲となった。
- そのあまりの人気に国民的アニメとして現在でも放送が続く長寿アニメとなっているため、社会現象を起こしたアニメとしてカウントされる事が少ない。
- 平凡な女子中学生が前世の因果に導かれ悪と戦う、少女向け変身アクションアニメのニューウェーブ。
- 凶悪な侵略者を相手に、セーラー服型の変身コスチュームに身を包んだ少女たちが、悪の心に囚われた人々をスーパーパワーで救っていく筋書きに、恋と友情の青春ドラマも盛り込んだ甘酸っぱいストーリーで、テレビの前の少女たちのハートを掴み取った。
- 連載と同時期にテレビアニメ化され、少女を中心に大人の女性、男性の間にまで広く人気を博し、単なる少女漫画・アニメの域をはるかに超えたブーム・社会現象となった。日本国内外問わず知名度が非常に高い作品であり、普段アニメや漫画とは無縁の層の間にまで広く知られている。また「ムーンスティック」が大ヒット商品になり、放映時のキャラクター商品数は約1200種、キャラクター商品の売上はピーク時の1994年で年間約260億円、1992年から1997年までに1000億円となった。「萌え」や「推し」といったポップカルチャーやプリキュアシリーズを始めとする後継作品の誕生にも多大な影響を与える事となる。
- 原作はシリアスとロマンスに比重を置くも、アニメは丁々発止のギャグシーンを忌憚なく盛り込み、学園コメディーとしての色も強く打ち出し、軽すぎず重すぎもしない絶妙なバランスを実現。ただ原作寄りのファンからは、アニメスタッフの「キャラクターの解釈違い」が元で犬猿される個所もあり、アニメに反発するファンもいる。10年代には新たに原作の再現を重視した美少女戦士セーラームーンCrystalが製作される。
- 不良高校生がバスケットボールの楽しさに目覚め、やがて部員たちと友情を結んで全国大会を目指していく、リアルスポ根漫画の新世代作品。
- 意中の女子のハートを狙うという不純な動機が、やがてチーム内のライバルと鎬を削りながら上達する喜びに変わり、ついには強豪校との真剣に青春を賭ける爽快なストーリーへと発展。
- このアニメの流行によって、日本のバスケットボールブームの火付け役となる。あまりの人気によって、アニメ放送が開始された時期に発行された21-23巻は、単行本の初版発行部数250万部と、当時としての最高記録となる。1994年03月05日の第18話「ラスト2分! 仙道は俺が倒す」では最高視聴率は21.4%を記録、作中には数々の名言が登場し、「あきらめたらそこで試合終了ですよ」「安西先生…バスケがしたいです…」「左手は添えるだけ」のように、あまりに有名なセリフが多いため、しばしばネタとして用いられることある。
- 一方で魔球などの「荒唐無稽な必殺技」が横行しがちだったスポ根漫画に、限りなくリアルなバスケットボールの面白さを追求した作風は、スポーツを漫画で表現する上で新たな切り口を見せている。
- 人類滅亡の危機を迎えた世界で、巨大人造人間型兵器「EVA」に乗り込み宇宙からの侵略者との戦いに身を投じる少年少女の物語。
- 放送時の視聴率は低かったが、最終話『世界の中心でアイを叫んだけもの』で、これまでの伏線をすべて放り投げ、登場人物たちから一同に「おめでとう」と祝福され、シンジは「ありがとう」と微笑み、幕を閉じるという斬新なストーリーが、放送終了後に物議を醸し、賛否両論の議論を引き起こした。70年代の『宇宙戦艦ヤマト』、80年代の『機動戦士ガンダム』と並び、後のアニメへ影響を与えた第三世代のアニメ作品でもあり、爆発的なアニメブームのきっかけとなった。
- 「大人と世界の事情に巻き込まれる主人公」「複雑怪奇を極める設定群」「個人の感情と組織の謀略の凌ぎ合い」という作風が、一丸となって押し寄せる濃密さから、過去のロボットアニメとはまた違った切り口で日本アニメの在り方に変化をもたらしている。
- 未知の生物「ポケットモンスター」を旅の友に、世界一のポケモントレーナーを目指す少年の冒険アニメ。
- 1996年2月27日に発売されたゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター 赤・緑』が、小学生を中心に、口コミから火が点き大ヒットとなり、ゲームのみならず、アニメ化、キャラクター商品化、カードゲーム、アーケードゲームと様々なメディアミックス展開がなされ、日本国外でも人気を博す。アニメからゲームへの逆輸入も果たし、劇場版に合わせて新規限定ポケモンを発表・配信するなど、今やゲーム・アニメの両面が切っても切れない関係にある。
- ゲームを原作とするアニメとしては、史上初の社会現象アニメ。ゲーム内の流れを踏襲しつつ、アニメ独自の解釈と設定、低年齢層にも分かりやすい冒険活劇としての色を強めたシナリオ、カントー編終盤から本格化したポケモンバトルの展開への転向、稀に挟まる倫理観に問いかけるシリアスなストーリーなどの工夫で、今なお続く長寿アニメとなっている。
- 1998年には劇場版の第1作『ミュウツーの逆襲』を公開、同年に日本で公開された映画の興行成績第4位と興行収入72億4000万円を記録した。
2000年代
深夜アニメブームに対して全日帯アニメは激減した。特に地方ではアニメ難民(放送的な意味で)が増加するも、インターネットが一般化するようになり、より多くの人間にアニメが視聴され、今まで「オタクの趣味」とされてきたアニメが再発見される形で、社会一般的に認知される新たな文化や芸術として確立する。
このころになると、デジタル技術の導入もあってアニメの作画クオリティが高くなり、京都アニメーションをはじめとするアニメ制作会社にも強い関心が寄せられるようになる。
キャラクター産業だけでなく、アニメと企業とのタイアップやコラボ商品の開発など、従来以上にアニメと社会との繋がりが強く特に、インターネットの出現はアニメだけでなく、ゲーム、漫画、絵画など、様々な文化や芸術に大きく影響を与えており、単なる『オタクの趣味』だったものは社会的に強い影響力を与えるようになる。
- 現在ではすっかり定番となったファンタジー要素の一つ「錬金術」を世に広く流布し、『錬金術ブーム』の草分け的存在となった。また本作の緻密なストーリー性と、迫力ある作画で人気を呼び、様々なメディアに派生したダークファンタジー。
- 連載開始から順調に人気を獲得して行ったが、テレビアニメ化を機に爆発的に人気が上昇。コミックスは7000万部以上を売り上げるなど、エニックスお家騒動により主要作品を次々と失って低迷していた月刊少年ガンガンの売り上げに大きく影響を及ぼした。これによってガンガンの発行部数が16万部から40万部と、2.5倍にまで跳ね上がった。
- 1期アニメの最高視聴率は8.4%、平均視聴率は前半で7%前後、後半で5%を記録し、土曜夕方6時枠の前番組『機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダムSEEDDESTINY』同様のヒット作となった。また国内外において数々の賞を受賞しており、高い人気を博した。
- 原作漫画の最終回が掲載されたガンガンの2010年7月号は、通常の2割り増しで発売したものの、全国の書店、コンビニで売り切れが続出してしまう事態となった。
- 原作は、ライトノベル小説である涼宮ハルヒシリーズ。
- 無気力な男子高校生の前に現れた完璧超人の女子高生が巻き起こす、日常と非日常の交錯する学園青春コメディーの新機軸。魅力的かつ曲者揃いのキャラクターたち、学園ドラマから逸脱した急展開の数々で、ライトノベル作品の新たなスタンダードを確立した。社会現象アニメとして特徴的な点は、原作がライトノベルと言う点。
- ライトノベルがアニメの原作として使用されるのは、銀河英雄伝説をはじめとして、スレイヤーズや魔術士オーフェンなど90年代以前からたびたびあったものの、漫画原作ほどには注目されるものではなかった。しかし、この作品以降はライトノベルと言う作品の形態もアニメ化することでより作品を堪能できるものであると改めて評価され、注目されるようになった。
- 放映当時のUHFアニメとしては異例のクオリティの高さが話題を呼び、2000年代を代表する話題作となり、深夜アニメ初の社会現象ともなった。また、原作小説、DVD、CDなど関連商品の売上げも軒並み高水準をマークした。制作を請け負った京都アニメーションにとっても、この作品のアニメ化が当社を全国区に知らしめるきっかけとなり、「らき☆すた」「けいおん!」といった京アニブームを確立する。
- 2006年ごろはインターネットも一般化し、YouTubeやニコニコ動画がサービスを開始。EDテーマの「ハレ晴レユカイ」に合わせてダンスを披露する、通称ハルヒダンスの踊ってみた動画が一大ムーブメントとなり、2000年代後半の動画サイト発深夜アニメブームの一翼を担った。
2010年代
オタク文化が若者間で完全に定着。有名人がアニメを見ていることを公言する時代になった。
- 願いを叶えた代償として「魔法少女」となり、人類の敵と戦うことになった少女たちに降りかかる過酷な運命を、優れた魔法少女となれる可能性を持ちながらも傍観者として関わることになった中学生・鹿目まどかを中心に描く。しかし、衝撃的な展開となった第3話が反響を呼び、魔法少女アニメとは思えないダークファンタジー要素から、ファンの間でも作品解釈、分析、考察などが日本国内外のインターネット上や、それ以外のコミュニティで盛んに交わされた。こうした視聴者の盛り上がりの様相を「社会現象」として語るメディアが多く現れた。
- 放送期間中には東日本大震災の影響により最終回の放送が1か月延期されるといった出来事があり、アニメオリジナルストーリーや先の読めない展開であったことから、結果的には「近年最大の話題性」と評された。この作品の最大の特徴は、かわいらしい絵柄で描かれるキャラクターに対して、陰惨で絶望するしかないようなストーリー展開と言う、重苦しい作風であるという点にある。
- 重苦しいストーリー自体はガンダムやエヴァンゲリオンで描かれていたが、キャラクターの絵柄はそのストーリーに合うようにデザインされていた。しかし、まどマギの場合は蒼樹うめのきらら系と呼ばれるシリアスさとは切り離されたデザインに、絶望的な展開を描くことに定評のある虚淵玄のストーリー、異端的アニメ集団新房シャフトと言う一見すればミスマッチにも見える組み合わせが、上記の作品とは違う切り口の衝撃を与えるようになった。
- 日本市場におけるテレビアニメのBD第1巻の初週売上は5万3000枚となり、当時の最高売上を記録した。さらにその記録は自身のBD第2巻によって塗り替えられ、2011年のテレビアニメのBD売上は第1巻~第3巻が歴代3位までを独占していた。BDとDVDの総売上は当時の深夜アニメとしては異例の60万枚を記録している。
- また『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』は深夜アニメ発の映画作品としては初めて20億円を突破する興行収入を記録。劇場版のBD完全生産限定版は初週で12万8千枚を売り上げ、アニメBDとしてはヱヴァンゲリヲンシリーズに次ぐ歴代3位の初週売上を記録した。
- 謎の「人喰い巨人」たちという絶望に反逆し、人類解放を目指すリアル系ファンタジー漫画。
- 絶望と窮地が絶え間なく主人公たちを蹂躙し、それを大きな犠牲と乾坤一擲の決断で道を切り開く、他に類を見ない重圧感、そして謎が謎を呼ぶ不可解な世界設定で、読む者を呑み込む分厚いストーリーを持ち味とする。
- 単行本発刊後から口コミで徐々に話題を集め始め、アニメの圧倒的な迫力・作画のクオリティなど、その完成度の高さからファンと原作未読視聴者の度肝を抜いたことで爆発的人気を得る。その後、13巻の初版発行部数が275万部を記録し、史上最速で累計1億部を突破。主題歌「紅蓮の弓矢」を担当したLinked Horizonが、NHK紅白歌合戦に初出場するなど、様々な媒体を通して普段アニメを見ない層にもその名が浸透した。
- 数年の空隙とキー局の移転を経てなお、第一線で話題を攫うヒット作の地位を保っている。アニメと言うより漫画として画期的だったのが、初回からそれに続く全ての物語が作者の頭の中で完成しており、後の伏線となる描写や展開がしっかりと構成されている点。基本的に漫画と言うのは、連載にこぎつけるまでが大変な為、連載後のストーリーは読者の人気や反応に合わせて調整していくと言うのが往々である。
- しかし、進撃の巨人は作者が頭の中に最初から最後に至るまでの話の流れを完成させていたと言う点が特殊で、言い換えるならば、作家性を重視した作品は面白いと言う事を再認識させた事が従来の社会現象アニメとは違う点。この事自体はワンピースを始めとして前例が無いわけでは無いが、分かりやすく夢のある要素を押し出した方が受けの良い少年漫画誌で、陰惨な展開を前面に押し出したこの手の漫画が大ヒットした事が特徴的な出来事。
- ゲームソフト『妖怪ウォッチシリーズ』の大ヒットを経て、テレビアニメが放送開始。
- 主題歌である「ゲラゲラポーのうた」や、「ようかい体操第一」のキャッチーなリズムと独特の振り付けが小学生を中心に人気となり、曲中にも登場する「妖怪のせい」というフレーズが流行語となる。『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』では、オープニング成績が史上最高記録を更新し、その後も勢いは止まらず、上映開始から15日間で興行収入は50億円を越え、興行収入は78億円を記録。『第二のポケモン』とまで呼ばれるようになっていったが、その人気はみるみる失速していき、気が付けばその名前を見ることは無くなってしまった。下記の『けものフレンズ』と並んで急激な昇降をした社会現象だった。
2020年代
インターネットを通じてのメガヒットと言う点では、平成中期の作品と共通するが、その最大の違いはインターネットテレビの有無。動画配信が単なる個人の趣味ではなく、企業がお金をかけてテレビ番組と同じクオリティの番組をネット配信するという態勢が完全に整ったことで、世界中の人間がリアルタイムで日本のアニメを楽しめるようになった。
- 「鬼と化した妹を人間に戻す」戦いに挑む兄と妹を描いた時代劇漫画。2010年代に幅を利かせていた「手早く最強になってヒーローになる主人公」の対極、「血の滲む努力と犠牲の道」を死ぬ気で駆け抜けるシリアスさに、どんなキャラクターでも容赦なく「死」が牙を剥く過酷な運命が待つシビアな作風、その隙間で差し込まれる「慈しみ」に溢れるエピソードで話題を攫った。
- インターネットによる動画配信を通じて、世界規模の社会現象を引き起こした。原作は当初、「知る人ぞ知る名作」・「面白いけど一般受けはしない」と言う評価であったが、アニメ化したことで人気に火が付き、爆発的に人気作品となった。
- 従来の社会現象アニメとの最大の違いは、漫画原作とアニメ化の相乗効果が発揮された点にある。原作は先述したように、独特の漫画表現や陰惨ながらも王道的ストーリーが高い評価を受けていたが、作者の画力やナレーションの多用と言う演出上の問題から、『人気はあるけれどもはねない』作品だった。
- そんな中、ufotableによるアニメ化によって、作画のクオリティが上がり、ナレーションをキャラクターの心の声にするなど、演出部分にも改善点を加えたことで、幅広い層受け入れられやすい作品となった。(ただしわかり易さ重視のためか演出が一部くどくなっており、敬遠するファンも少なからずいる)これはつまり、クオリティの高い作画とクオリティの高いストーリーが一致すれば、社会的な人気を獲得することができる。と言う、モデルケースになった作品とも言え、インターネットの発達によってその土壌が整ったともいえる。それが『鬼滅の刃』の社会現象化の大きなきっかけとなった。
- また、アニメ放送時期に原作漫画が最大の佳境を向かえており、アニメで興味を持った人がそのまま原作をリアルタイムで追いかける現象が多発し、連載終了まで盛り上がり続けた。結果、アニメ終了から映画公開まで一年以上期間があるにもかかわらず、ファンが大きく減らず人気が継続したことも社会現象を起こした要因の一つとも考えられる。
- 放送開始時に350万部であったコミックスの累計発行部数はわずか1年足らずで1億部を突破。主題歌である「紅蓮華」は音楽サブスクリプションサービスのストリーミング再生で1億回を突破。LiSA自身も初めて「紅白歌合戦」に出場するなど大きな躍進を遂げ、「平成最後の1位」と「令和最初の1位」を同時に達成した楽曲となった。
- また、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が、日本歴代1位の興行成績をたたき出すなど新型コロナウイルスとそれによる延期トラブルに揺れた2020年のアニメ業界の救世主となり、現在進行形で社会現象はまだまだ大きくなっている。
- 人間の負の感情から生まれる呪霊を呪術を使って祓う呪術師の物語。アニメ化されると瞬く間に「第二の鬼滅」と話題になり、2024年1月4日発売の第25巻の発売によって、デジタル版を含めたコミックス累計発行部数は9000万部を突破した。また、小説版の累計発行部数は2021年2月時点で50万部を突破している。
- 2021年12月24日に公開された『劇場版 呪術廻戦0』は、公開3日間で興行収入26億9000万円、観客動員数190万人を突破した。これは、2020年公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』に次いで歴代2位の記録となった。公開43日目で興行収入100億円に達した。
- 主題歌となったEveの『廻廻奇譚』(第1期第1クール オープニング・テーマ)、KingGnuの『一途』『逆夢』(劇場版主題歌/エンディング・テーマ)、キタニタツヤの『青のすみか』(第2期“懐玉・玉折”オープニング・テーマ)の4曲がストリーミング累計再生回数が1億回を突破している。
- 2024年4月16日には、「世界でもっとも需要の高いテレビアニメ番組」として2025年版のギネス世界記録に登録されることが発表された。
アニメ映画
映画は興行収入や動員数など人気が分かりやすい。中でも『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』で日本の興行収入記録を塗り替えたスタジオジブリ作品や、近年では『アナと雪の女王』や『君の名は。』といった作品が大きな社会現象となった。
また『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』以降、『『ONE PIECE FILM RED』』や『THE FIRST SLAM DUNK』『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』などの記録的なヒットが続いている。
検討中の作品
- 核戦争で文明と秩序が崩壊した世界を舞台に、伝説の暗殺拳「北斗神拳」の伝承者・ケンシロウの活躍を描いた世紀末救世主列伝。
- テンションがどんどん高くなる次回予告や悪ふざけ同然の断末魔によって人気を博す。
- 特に次回予告は、テンションが下がった途端、「戻さなければ漫画の不買運動を起こす」などの苦情が殺到するほど大好評だった。
- 別のSFロボットアニメでは、明らかに本作を意識したような部隊も登場している。
- 人と地球に優しい世界征服を目指す悪の秘密結社と正義なのかよく分からないヒーロー、デラックスファイターとの日々の物語を脱力系アニメ。
- 『菅井君と家族石』で人気を得た蛙男商会がDLEとタッグを組んで初めてテレビアニメ界へと本格進出したフラッシュアニメ作品。Flashで製作されたツールで2006年深夜の初回放送で人気を呼び、上記の「涼宮ハルヒの憂鬱」と同様、2000年代の深夜アニメを代表する話題作となり、翌2007年にはFlashアニメとしては初の長編映画として大出世して行き、企業や省庁とのコラボを数多く行い、2012年にはあの国営放送でもあるNHKで子供から大人まで親しまれるようになり、そして2017年にはあのハリウッド屈指の伝説のヒーロー「ジャスティスリーグ」ともコラボ映画『DCスーパーヒーローズVS鷹の爪団』が公開されている。
- 高校生であるかつて伝説の走り屋といわれた豆腐屋の店主の息子がAE86スプリンタートレノを駆り、豆腐を配達しているが走り屋とのバトル(レース)をきっかけにバトルに目覚めていくというカーレースアニメ。
- 古くて性能の低いクルマであるAE86トレノが当時最新の高性能車であるFD3S型RX-7やBNR32型スカイラインGT-R相手に勝利していく。
- ユーロビートとCGを多用した独特のアニメが有名。この影響でユーロビート=車というイメージがついた。アニメや原作の漫画のヒットもあり主人公が使用しているAE86トレノの中古価格が高騰するという現象もあり、2012年には後継車種に当たる86(2022年にGR86に車名変更)も生産されており、続編であるMFゴーストで主人公が使用する車種もその86である。
- しかし、同時に溝落としや劇場版で見せたいろは坂のインベタのさらにインをまねようとした読者・視聴者もいたためにいろは坂ではガードレールが延長されるという対策も行われた。また、状態の悪いAE86を高値で売る悪徳業者も現れている
- 学校を舞台に活動するスクールアイドルの普段の様子やストーリーを展開するメディアミックスで、主に音ノ木坂学院を舞台に活動するスクールアイドルグループ「μ's(ミューズ)」を主人公としたシリーズ第1作が有名で、ラブライブ!シリーズの人気を確立した作品である。
- 2011年7月15日に配信された「にこりんぱな」第3回で、ファンの呼称として「ラブライバー」が広まり、2015年の新語・流行語大賞のノミネート語50語にも選出された。
- 2015年6月13日には、続編となる劇場版アニメ『ラブライブ!The School Idol Movie』が公開される。同日公開された『海街diary』と比べて公開初週の上映館数が半分未満だったにもかかわらず、動員・興行収入ともにランキング1位を記録した。これは、深夜アニメの劇場版の初日2日間の興行収入としては過去最高であった『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』の4億3,600円を上回るスタートであった。最終的な興行成績は28.6億円と発表されており、2010年以降の松竹邦画では1位となった。
- 2015年初冬の5thワンマンライブではさいたまスーパーアリーナのスタジアムモードで2日間に渡って開催して延べ7万人以上の観客を動員するに至った他、第66回NHK紅白歌合戦に出場を果たした。
- 平昌オリンピックの女子カーリング準決勝の選手紹介において、日本代表の吉田知那美が「にっこにっこにー」のポーズを決め、話題となった。そのほか、Kis-My-Ft2の宮田俊哉、モデルの市川紗椰、フリーアナウンサーの松澤千晶、ロンドンブーツ1号2号の田村淳、俳優の神木隆之介などが本シリーズのファンを公言している。
- 一方で、あまりの人気から一部のファンによる、公共の場で騒いだり、出演者に付きまとったりなどの迷惑行為が頻発しており、作品側が複数回注意喚起を行なう事態となっている。中でも聖地巡礼によって引き起こされる迷惑行為が社会問題となった。
- 赤塚不二夫生誕80年記念として制作された公式スピンオフアニメで、『おそ松くん』を原作としている。
- 第1期第1話はパロディと下ネタが満載だったのにもかかわらず、放送されると六つ子に「萌える」女性が続出し、Twitterやpixivには本作のイラストが多数投稿された。
- おそ松さんの放送期間中にあたる2015年11月末からアニメイト池袋本店で行われた企画展「おそ松さんミュージアム」は、開店前から2000人ほどの行列ができるほどの大盛況をおさめた。
- 『おそ松さん』の大判ポスターを付録とした月刊アニメ雑誌「PASH!」の2016年1月号は大きな反響を呼び、発売の5日後には発行部数の6万部を完売したため緊急重版が実施された。その後、「PASH!」の2016年2月号においては発売前から重版が決定するなど異例の事態となっている。また、本作を表紙として特集を行った「アニメージュ」の2016年2月号においても売り切れ店舗が続出し、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の「マチルダ・アジャン」が表紙を飾った1980年3月号以来、約36年ぶりに重版が行われた。
- 『おそ松さん』の人気により、原作『おそ松くん』にも若い層が興味を持つという現象も発生しており、eBookJapanでの電子書籍版の売上は前年(2014年1月 - 12月)対比で80倍にものぼった。
- 後に、テレビ東京系列全局で放送された『チャージ730!』によると約70億円の経済効果があった事が明かされている。
- 2016年の新語・流行語大賞のノミネート語50語にも選出された。
- フレンズと呼ばれる主に動物を美少女擬人化させたキャラクターを用いたメディアミックス作品。
- けものフレンズプロジェクトから始まり2017年にたつき監督が務めるアニメ1期が放送されたが、最初は簡素な3DCGアニメということもあり視聴者の受けも悪く、決して良い滑り出しでは無かった。しかし話数を重ねるうちに評価されていき、ほのぼのとした作風から一転した第11話はその展開に衝撃を受けた人もおりアニメは大盛況で幕を下ろした。
- ニコニコ動画にも配信され、再生回数は第1話のみで1200万回超えという異例の数字を記録した。
- この勢いは様々な界隈にも広がりシンガーソングライターである星野源はOPである「ようこそジャパリパークへ」を絶賛したり、アニメ終了後にはコメントを残した。またロックバンドであるGLAYのギタリスト、HISASHI氏は第11話を視聴後に「ようこそジャパリパークへ」のギターアレンジを動画投稿した。
- 本作の大ヒットを受け、「FNS歌謡祭」や「ミュージックステーション(Mステ)」「Mステ ウルトラFES2017」「Mステスーパーライブ2017」にどうぶつビスケッツ×PPPが出演したり、NHK総合の「ダーウィンが来た!」ではサーバルキャットにスポットを当てた回「サバンナの猫 強烈パンチ」の再放送が行われたり、各地の動物園や水族館に足を運ぶ人が増えたりして様々な社会現象を起こし、それに伴い数々の賞を受賞した。
- 2017年の新語・流行語大賞のノミネート語30語にも選出された。
- しかしたつき監督降板騒動以降、不穏な空気が漂い始め、アニメ2期が始まると否定派と擁護派の対立が先鋭化。
- ゲーム「3」が4年を越えて、表面的には鎮静化したものの、腫物に触るような扱いで、かつてのブームには程遠い。
- 不良要素にタイムリープ要素を取り入れた作品。
- TwitterよりもTikTokを中心にバズった経緯があり、令和時代のヒット漫画の象徴とも言える存在。
- 美少女に擬人化した実在の競走馬のレースを描く、メディアミックス作品。
- 史実の競走馬の活躍をアレンジした物語が展開された。
- 1期も好評だったものの、アプリ配信直前に放送された2期は放送直後に配信されたのも相まって、エヴァンゲリオン・ラブライブ!2期を上回るほどのアニメ史に残るDVD・Blu-rayの売り上げを記録した。
- 主人公が前世の記憶を持ったまま、推していたアイドルの子に生まれ変わるという、ライトノベルで良く使われる転生ものを採用した漫画を原作としたアニメ作品。それだけでなく、殺人サスペンスや芸能界の闇を描いたシリアスな作品となっている。
- 芸能界の華やかさとシビアな部分を両方描いた本作は、斬新な設定や先の読めない展開もあって話題を呼んでいる。
- 主題歌になったYOASOBIのアイドルはビルボードジャパンで21週連続1位、累計再生回数5億回を達成し、ビルボードグローバル200でも日本のアーティストとして最高位となる7位それを除いたGlobal Excl. U.S.チャートではJ-POP初となる1位を獲得している。