概要
本名および旧名義は「尾本 達紀(おもと たつき)」。
かつてヤオヨロズ所属、現在はフリーのアニメーターであり、同人自主制作アニメーションサークル「irodori」の代表。
来歴
帰国後に京都の美術大に進学し、サンライズでCGアニメを担当。これを機にアニメの自主制作に対する関心を深めていき、大学の同期であった伊佐佳久、白水優子らと共に自主制作アニメーションサークル「irodori」を立ち上げる。2008年9月20日からニコニコ動画にて「irodori」名義のアカウントで自主制作アニメを投稿。アカウント開設以来月1ペースで作品の投稿を続け、累計投稿数は100を超える(現在は不定期)。
サンライズを離れフリーとなった頃に参加した2012年冬のコミックマーケットにて、上述の投稿作品に興味を持ったアニメプロディーサーの福原慶匡に声をかけられる。さらに放送作家の石ダテコー太郎を加えた3人で2013年8月にアニメ制作会社「ヤオヨロズ」を立ち上げた。
彼らの出会いのきっかけと思しきやりとりが、今もTwitter上で確認できる。
同年秋の石ダテコー太郎を監督にしたてさぐれ!部活ものの制作に参加し、1期から2015年発表の3期を通じてアニメーション監督を務めた。
2017年1月より放送開始されたTVアニメ『けものフレンズ』にて初めて商業作品の監督を務め、総監督およびプロジェクトのコンセプトデザイナーである吉崎観音とともに大ヒットへと導いた。また、同時期に自身のtwitterアカウントにて「#傾福さん」とハッシュタグが添えられたオリジナル短編アニメを公開し話題を呼び、ファンの間では様々な考察が展開されている。
後述する騒動の発端となった降板ツイートから長らく沈黙が続いていたが、同年10月9日にツイートし復帰。10月23日には「傾福さん」の第2作目を公開。28日には背景美術のスタッフを一般公募する。
その後、2017年12月に開催されたコミックマーケットに参加した「irodori」ブースにて、TVアニメ「ケムリクサ」の主人公の一人であるりんの後ろ姿が描かれたモノクロアートのチラシを配布、2018年2月11日、イベントにて正式にテレビアニメ化を発表。そして2019年1月から、地方ローカル局およびBSフジ等で放送。
2020年1月より監督を務めるテレビアニメ「へんたつ」が放送。2021年大みそかに「へんたつ」特別編、2022年大みそかに「へんたつ」特技編、2023年大みそかには「いきぬきホロライブ!~holoX 2024年のやぼー編~」がそれぞれ放送された。
また、20年の4月20日にアプリサービス「もるにあ」アルファテストを行っているが、これは未だに正式なリリースはされていない。
人物像
ケニアで過ごした幼少期の経験から動物好きで、加えて写真撮影やCG制作を趣味としている。CGに関しては「週に5日は仕事でCGを制作し、残り2日は趣味でCGを制作する」ほどらしい。CGモデルや監督以外にも脚本、演出といったアニメーションにおける大多数の役職を兼任することも比較的多い。
けものフレンズのアニメ放送終了後も、独自に『けものフレンズ 12.1話』を自主制作して投稿したり自身のtwitterにてCGモデルを用いたイラストを公開するなど、氏の作品への愛着が強く感じられる。
賛否点
自作品にはポストアポカリプス要素など神秘的かつ美しい世界観を描く事が多く、また過酷な場面を人々との協力で解決するなど触れ合いや暖かみを感じさせるキャラクター描写などに定評がある。
一方で、スケジュール管理などに関しては疑問視する意見も見られている。
実際に2020年に放送されたTV版へんたつの最終話にて新作の制作が告知され、2021年大晦日のへんたつに2023年に映画として公開予定である事が明かされた。
ところが、その後はいつまで経っても続報が無く2022年の大晦日へんたつにて「Aさんとの会話でテレビシリーズも作れば良いじゃないと言われたので、先にテレビシリーズから作る事になった」と告知。
そして2023年には短編アニメの「いきぬきホロライブ!」が公開されるも、本来公開予定だった新作についての続報は一切無かった。
この事から「計画性が無さすぎる」という批判も見られるようになっている。
また、監督が好きすぎるあまり他作品と比較してたつき作品を持ち上げ他作品を貶すなど過激なファンも多く、その事で近寄りがたい印象を持つ人も少なくない。
代表作品(商業)
- てさぐれ!部活ものシリーズ(2013~、アニメーション監督として)
- けものフレンズ(2017、監督・シリーズ構成・脚本・演出…他多数)
- ケムリクサ(2019、原作※・監督・シリーズ構成・脚本・美術デザイン)
- へんたつ(2020~2022年 監督とか)
- いきぬきホロライブ!~holoX 2024年のやぼー編~(2023年、監督とか)
※同人での活動については「irodori」を参照。
余談
ヘラジカ監督
本項のメイン画像となっているのは件のアニメに登場するキャラクターのヘラジカである。
経緯としてはアニメのオープニング(第7話以降)にて、スタッフロールの「監督 たつき」のテロップが表示されるタイミングに堂々と腕組みをした威厳溢れるヘラジカの姿が重なることから、それが“それっぽい”などの理由でファンの間では「たつき監督=ヘラジカ」として扱われることが多い。Pixivにおいても、本項のタグが使用されるイラストは概ねヘラジカがメインとなっている。
因みに、アニメ放送当時の本人のtwitterアイコンはアニメ版主人公のかばんちゃんであった。
降板騒動
初監督を務めたアニメ『けものフレンズ』は、その反響から放送終了から間もなく第2期の制作が決定。たつき自身も制作に強い意欲をみせ、各社とのコラボ企画による短編アニメーションやドラマCDの発表などを展開し、視聴者からの期待も一層高まりをみせていた。
ところが2017年9月25日、たつき本人のツイートで第2期の製作から外されたことが表明される。この突然の発表は「たつき制作のけもフレ2期」を期待していたファンの間で大きな波紋を呼び、プロジェクトの出資元のひとつであるKADOKAWAをはじめ、コラボ各社まで巻き込む一大騒動に発展してしまった。
詳細はたつきショックを参照。
日清コラボ
日清食品とはカップヌードル用CMアニメ『FREEDOM-PROJECT』に一アニメーターとして参加していた頃からの付き合いで、けものフレンズ(アニメ1期)、ケムリクサと二作品続けてのコラボが行われるなど何かと縁が深い。