演者
概要
本名友里アンヌ。エリート部隊「ウルトラ警備隊」の紅一点で、メディカルセンターで勤務している。宇宙人であっても、怪我をした者には見捨ててはおけない優しい人物。ああ、メイツ星人も彼女のような人間と出会っていれば…。
特徴
前作『ウルトラマン』の主人公であるハヤタ・シンは地球人で、何でもできる完璧超人であり、思い悩むシーンなどはあまり描かれてこなかった。しかし、本作の主人公のモロボシ・ダンは人間ではなく、巨大で表情もない宇宙人、ウルトラセブンであった。
ダンは自分が地球生まれではないことを他の宇宙人たちからもたびたび指摘され、核開発を止められなかったことを悔やんだり、地球人が先住種族を迫害していた事実を知って苦しんだりしていた。
そんな彼の最大の苦しみが、アンヌ隊員を愛してしまったことだろう。
10万年以上の悠久の時を生きる不死身のウルトラ戦士にとって、地球人の命はセミか蛍のように儚い。にもかかわらず、ダンは、いやウルトラセブンは、地球を愛し、人間を愛し、一人の女性であるアンヌのことを愛した。
ゴース星人の侵略を食い止めるべく、ダンは脈拍360、血圧400、熱が90度近くもある状況で最後の戦いへと挑む。アンヌは「貴方が戦う必要はない」と止めようとするが、そこでダンは自らの正体を告げた。
ダン「アンヌ…僕は、僕はね、人間じゃないんだよ。M78星雲から来た、ウルトラセブンなんだ!」
突然の告白に、息をのむアンヌ。「びっくりしただろう…」とダンは問いかけるが、アンヌは少しだけ迷って、こう答えた。
「人間だろうと宇宙人だろうと、ダンはダンに変わりないじゃないの!! たとえウルトラセブンだろうと!!」
思いが通じたことを知ったダンは、アンヌの制止を振り切ってウルトラセブンに変身し、最後の大怪獣改造パンドンへと戦いを挑む。
アンヌからウルトラセブンの正体を聞いたフルハシとソガ、そしてキリヤマ隊長は、仲間を救うために改造パンドンへ決死の攻撃を仕掛ける。援護を受けたウルトラセブンは、ボロボロの体を引きずってアイスラッガーを放つ。しかし、パンドンはその手でアイスラッガーを掴みとってしまう。パンドンは咆哮と共にアイスラッガーをセブンに投げつけるが、セブンは最後の力を振り絞ってウルトラ念力を発動させる。アイスラッガーは方向転換してパンドンを真っ二つに切り裂き、ウルトラセブンは勝利をおさめた。
戦いは終わり、夜のとばりは朝日と共に消えていく。
西の空に明けの明星が輝いた時、一つの光が大空へ向かって飛び立っていった。
それが、地球を愛し、人類を愛した一人の宇宙人と、地球人・友里アンヌの別れだった。
再会
平成ウルトラセブン第1作「ウルトラセブン 太陽エネルギー作戦」では、久しぶりに地球にやってきたウルトラセブンがアンヌ隊員と再会する。アンヌは自分の息子(いつ結婚したんだろう)にダンと名付けていたことがわかる。
「セブン」終了後から遥かに時が流れた「大怪獣バトル」の世界では、ウルトラセブンの息子・ウルトラマンゼロが登場するが、母親は明記されていない。果たして…。
余談
西の空には明けの明星は輝きません。