概要
学名は「Lycoris radiata」(リコリス・ラジアータ)。
曼珠沙華(マンジュシャゲ)、地獄花、葬式花、死人花、ハッカケババア、葉見ず花見ず、狐花、壱師の花、痺れ花、蟑螂花、火祭など多くの別名を持つ。
近縁種は夏水仙。
生態
中国を原産とする史前帰化植物で、水辺に多く分布するのは洪水などで球根が流されてきたのではないかと推測される。
9月に花茎を地上に伸ばし、頂点に5~7個の赤い花が放射状に斜め上へ向かって咲き、炎を連想させる。
花茎が枯れた後、細長い深緑色の葉を茂らせる。他の植物が枯れた冬の間、陽光を独占して光合成で球根を太らせ、春になると葉が枯れ、秋まで休眠する。
葉見ず花見ずの別名通り、葉と花が一緒に出ない植物。決して花見ずと言ってもハナミズ(鼻水)では断じてない。
毒性
全草有毒で、ネズミやモグラなどに畦道や墓を荒されないよう植えられたと言われる。
近年は有毒成分の一つであるガランタミンがアルツハイマー病の治療薬として用いられている。
ヒガンバナの毒はアルカロイドで水溶性のため飢饉の際には球根を粉砕して長時間流水に曝して毒を流し、デンプンを食用としたとされる。
俗説
花の下に死体が埋まっているという俗説があるが、墓地に咲いている事からの発想である。
花が炎のような見た目のため、家に持ち帰ると火事になるという俗説もある。
園芸品種
日本の彼岸花は三倍体のため結実しないが、二倍体であるコヒガンバナはショウキズイセンと稔性のある雑種を作ることが出来、これを利用して様々な園芸品種が作出された。
海外でもその美しさから人気で、属名のラテン語「リコリス(Lycoris)」の名で扱われることが多い。
なお、甘味料にも使われるマメ科のスペインカンゾウもリコリスと呼ばれるが、こちらは英語名のliquoriceにちなむ別物である。
仏教伝説
「曼珠沙華」という名称は、サンスクリット語の「マンジュシャカ」から。仏教伝説の天の花で見る者の悪業を払うといわれ、天人が雨のように降らすとされる。
しかし「マンジュシャカ」は白い花である。
花言葉
・赤い彼岸花
「情熱」「独立」「再会」「あきらめ」 「悲しい思い出」「想うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」
・白い彼岸花
「また会う日を楽しみに」「想うはあなた」 など。
関連イラスト
タグに関して
カタカナのリコリスと平仮名のりこりすでは、指し示すものが違う。
そのため、タグの平仮名表記とカタカナ表記の混同にはご注意を願いたい。
関連タグ
新美南吉 ごんぎつね 彼岸花の咲く夜に 踊る彼岸花 不朽の曼珠沙華
郡千景 ヒガンバナ(花騎士) リコリス棲姫(艦隊これくしょん) リコリス(きららファンタジア) くるみ割りの魔女 炎獄ラヴァ 万珠院紅子 彼岸花(陰陽師本格幻想RPG) / 夜溟彼岸花
彼岸朱眼 (鬼滅の刃に登場する技)
楽園の彼岸花(アズールレーンの着せ替えスキン)
外部リンク
- 【毒を秘めた美しさ】彼岸花(ヒガンバナ)特集 - pixivision(2015年5月8日)
- 死者を守る花。彼岸花のイラスト特集 - pixivision(2023年1月25日)