ジェイソン・ボーヒーズ
じぇいそんぼーひーず
精神異常(ソシオパス)を抱えた凶悪な連続殺人鬼(サイコキラー)。
主にニュージャージー州のブレアーズタウンに存在するクリスタルレイクのキャンプ場周辺で活動し、キャンプ等に訪れた若者達や監視員達を手当たり次第に殺害している。
『Part1』にて発生した母・パメラ・ボーヒーズによる連続殺人とその死を皮切りとする形で、殺人に手を染める様になった。
ジェイソンに殺害された被害者の数は200人近くに上り、ホラー映画内での殺人鬼としては、圧倒的な殺害数を誇る。
トレードマークとなっているホッケーマスクは当初は被っておらず、元々は下記のイラストのように麻袋に片目分の穴をあけて顔を隠していた。
ホッケーマスクは三作目において悪戯好きの少年であるシェリーを殺害して奪い取り、それ以降着けるようになった。
現在知られているホラー映画のキャラクターの中でも最も知名度の高い殺人鬼であり、題材とした映画も10作以上も渡って製作され、更にはジェイソンをモデルにしたパロディ的なキャラクターも多数存在する。
誕生日は1946年の6月13日だがその日は金曜日ではなく木曜日である。
ボーヒーズ家の長男として生を受けたが、先天性の病気で奇形児として生まれてしまい、これが後に殺人鬼と化す最大の要因となっている。
幼少期はどちらかと言えばガリガリにやせ細った少年であったが、現在は2m近くの巨体に100㎏以上の体重を持った巨漢となっている。
ただし、内臓に関しては脳が異常に小さいのに反し、通常の2倍の大きさの心臓となっており、この事が胴体を鉈で切り裂かれたり、頭部を斧で叩きつけられても、ある程度の時間が経てば蘇生してしまう異常なまでの生命力の所以となっている。また、長時間水中にいても平然としている事から、肺活量に関しても凄まじい事がうかがわれる。
ただし、肉体の頑丈さは異常ながらも、人並みの恐怖心や痛覚等は持ち合わせており、被害者からの反撃に怯むだけでなく、ナイフで刺された際は呻き声をあげながらもがき苦しみ、スコップや箱型テレビで頭を叩きつけられた際は短時間ながらも気絶している。
殺人の際には、ピッチフォークや鉈、ナイフ、斧等、様々な凶器を用いているが、筋肉に関しても異常発達している事から化け物染みた怪力も落ち合わせ、鉈で大柄の男性の上半身と下半身を真っ二つにしたり、両手で男性の頭蓋骨を握りつぶすといった芸当もやってのける。動きに関しても非常に機敏かつ俊敏であり、『Part3』では鉈を振りかざしてきた相手の攻撃を簡単にかわして、即座にパイプレンチで反撃している。
また、「脳が異常に小さい」という点から低能と思われがちだが、実際はむしろかなりの知性を持っていると言え、暗殺者の如く気配を消して標的の人間に近づいたり、外部との連絡を遮断する為に配電盤を破壊する、水中銃といった特殊な武器も難無く使いこなしている。
『Part4』となる『完結編』のラストで、一度は人間としての死を迎える事となるが、『Part6』で復活して以降のジェイソンは、実質ゾンビとして蘇った為、これまではただ異常に頑丈な人間だったのに対し、以降は文字通り不死身の存在となっている。
動きは生前に比べるとやや鈍くなっているが、一度死んだ事で痛覚が無くなった為なのか、並大抵の攻撃は殆ど通用しなくなっている。また、怪力に関してはむしろ生前よりも大幅に増しており、男性を逆エビに折る、パンチ一発で相手の首を吹っ飛ばす、ベッドごと折り曲げる等といった凄まじい力業による殺人がかなり増えている。
8作目の『PART8:ジェイソンN.Y.へ』では瞬間移動(?)を体得し、10作目の 『ジェイソンX』では400年後の未来で金属細胞と融合した「メタルジェイソン」と化し、宇宙船内で殺戮を行っている。
生い立ち
11歳の時、地元のクリスタルレイクで行われたキャンプに参加したが、その異形な顔立ちから同じキャンプに参加していた子供達からは酷い虐めを受けた末、頭に麻袋を被せられた上でクリスタルレイクに落とされてしまう
この時、肝心のキャンプ指導員達は性行為に夢中になっていて、監視が疎かな状態となっていた(これがなければ、ジェイソンが後に最恐最悪の殺人鬼と化す事はなかったのかもしれない)。
結局子供達は最後までジェイソンの身に起きた真実を隠し通し、有耶無耶のまま、ジェイソンは事故で溺死した事にされてしまうのだった。
しかし、ジェイソンは死なず生還しており、その後は獣を獲ったり作物を盗む形で生きるなど、野生児に近い生活を送る事になる。
何故、パメラの元へ戻らなかったのかは不明であるが、一説では事故のショックで記憶喪失になっていたのではないかとされている。
殺人鬼への変貌
シリーズ一作目ではジェイソンの母親であるパメラ・ボーヒーズによる殺人が繰り返され、ジェイソン自身は一人も殺していない。
一作目のラストでパメラは主人公であるアリス・ハーディに鉈で首を切断され死亡したが、この時、母親が殺される光景をジェイソン本人が目撃している(前述の「記憶喪失説」が事実だとすると、この時にジェイソンは母親の記憶を取り戻した可能性が高い)。
二作目の冒頭となる前作より数ヶ月経った日、母親を殺されたジェイソンがその仇討ちとして、アリスの自宅に乗り込んで彼女を惨殺し、遺体をクリスタルレイクにまで持ち帰る。
最初に使った凶器はアリス宅にあったアイスピックであり、また殺されたアリスの死体は、二年後には白骨化した状態でジェイソンの自宅に放置されている。
アリスへの復讐を機にジェイソンは殺戮を始めていく事になった。
1週間に渡る連続殺人
二作目冒頭でアリスを殺害してから5年後、ジェイソンはクリスタルレイクのキャンプ場に訪れた若者や周辺にいる人間達を対象として、約1週間に渡った連続殺人を実行する事になる。
この連続殺人が展開されるのは第二作~四作までとなっており、映画の製作・公開自体に間はあるものの、ストーリーの時系列的には、それ程の間が無い。
1日目(二作目)、キャンプに訪れた若者達を監視していた「予言者」を自称する狂人・ラルフを絞殺する。
2日目(二作目)、最初の連続殺人を実行。キャンプ場周辺を警邏し自らの自宅である掘っ立て小屋まで追跡してきた警察官を殺害し、その夜にキャンプ場に訪れていた若者達も次々と殺害する。
最終的には被害者の一人であるジニーによって鉈で胴体を切り裂かれるが、死亡までには至らず、後に麻袋を外した状態で報復している。
3日目(二作目、三作目)、ジニーは救出されるものの、彼女と共に生存したはずのポールは行方不明になっており、おそらくはジェイソンに殺害されてしまった可能性が高い。
三作目の冒頭は、二作目のラストからその日の夜となり、森林地区でダイナーを営む夫妻の自宅に侵入し、衣服を盗んだジェイソンは、その直後に夫妻双方も殺害する。
4日目(三作目)、自身が潜んでいた納屋のあるキャンプ場に、高校生のグループやバイカー達が現れた事で、二度目の連続殺人を実行。彼等を次々と殺害していき、被害者の一人であるシェリーを襲った際は、彼の所有物であったホッケーマスクを奪い、以降はそれを被っている。
ラストで被害者の一人であるクリスに頭に斧を叩き込まれ、それでもクリスに襲い掛かろうとするも、力尽きて倒れる。
5日目(三作目、四作目『完結編』)、唯一生存したクリスは駆け付けた警察に保護されるが、ゾンビ化したパメラに襲われる悪夢を見たクリスは完全に発狂してしまう。その夜にて、連続殺人の犠牲者達と共に死体安置所へ運ばれたのだが、ほぼ直後に蘇生。検視医や看護婦を殺害して姿を消す。
6日目(四作目『完結編』)、クリスタルレイクへと戻る道中にてヒッチハイカーを殺害する。
そして7日目(四作目『完結編』)、戻ったクリスタルレイクの前作とは異なるキャンプ場で、三度目の連続殺人を実行。そこへ訪れた若者達を次々と殺害していく。
そして、以前殺した被害者の遺族であるロブやキャンプ場付近の小屋で暮らしていたジャービス一家も襲い、ロブとジャービス夫人の二人は殺害されてしまうが、被害者の一人であるトミー・ジャーヴィスが自分の頭を坊主頭にして現れ、それを見たジェイソンはかつての自分自身と面影を重ねて錯乱。最後は鉈を側頭部に叩き込まれ、前のめりに倒れて鉈が小さな脳を貫通した結果、遂に絶命した。
かくして、ジェイソンの一週間に渡る連続殺人は終わりを迎え、三度目の連続殺人から生き延びたトミーとその姉であるトリッシュは、無事に警察に保護されて、病院へ搬送される事になった。
その後、ジェイソンの遺体は棺桶に入れられる形で埋葬される。享年40歳。
復活
ジェイソンの死から十数年後、殺した張本人であるトミーがジェイソンへの恐怖によるトラウマを克服するために墓からジェイソンの遺体を掘り返して火葬しようとするが、腐乱したジェイソンを見た瞬間にトラウマが再来してジェイソンの遺体に折れた鉄柵を何度も突き刺す。
しかし直後、ジェイソンの遺体に刺さった鉄柵に雷が落ちてジェイソンは復活し、トミーが火葬のために用意したホッケーマスクを被ったジェイソンは、殺人鬼として完全復活する。
ジェイソンVSレザーフェイス
アメコミのオリジナル展開で、「悪魔のいけにえ」シリーズに登場する殺人鬼・レザーフェイスとの対決が描かれる展開。本作では言葉を喋り、1人称は「俺」である。
レザーフェイスとは不幸な出会いとささいな誤解のせいで殺し合いになるものの、その不死身っぷりもあってか、圧勝する。
戦闘中での会話から、彼にも愛する家族がいる事、自らと同じく決して幸せな人生を歩んで来た訳ではない事を知る。戦闘中に互いのマスクが取れるに到るが、これが原因で町の酒場の連中はレザーフェイスの素顔を見た際に酷い暴言を投げかけたと同時にジェイソンの過去のトラウマを掘り返してしまう。
「バケモノ同士もっと殺し合え」「お前らバケモノはそうして殺し合っているのがお似合いだ」
それが原因でジェイソンの怒りの矛先は自分達が本当に怒りを向けるべき相手として酒場の連中へ怒りを向ける。
彼なりのけじめとして素顔を見て罵った酒場の連中を1人残らず皆殺しにした。
自業自得である。
全てが終わった際にはレザーフェイスを手に掛ける事はなく、背中越しにただ一言だけ声を掛けて去って行った。
「俺達が戦っても他の連中を喜ばせるだけ、家族を大切にしろ」
この事から見るに情けが全く無い非情な殺人鬼ではなく、彼独自の価値観に従っているのが解る。
かなりシニカルな性格で家族を大切にする者にはそれなりに敬意を払う一面もあるようだ。
なお。本作は当然ながら物凄いプレミア価格が付いておりファンのあいだではコレクターアイテムとして知られている。
殺人に使うのは鉈のマチェーテや手斧のハチェット(長い斧を使うことともある)がほとんどで、他にはアイスピックに弓矢や農具、ナイフ、鉄パイプなどがあるが、チェーンソーを使った事は一度もなく逆にチェーンソーで反撃された事なら二度ある。
似た武器を上げるなら回転鋸式の芝刈り機がある。
かなりジェイソン=チェーンソーのイメージが広がっているが、これは『悪魔のいけにえ』及び『テキサス・チェーンソー』のレザーフェイスや『志村けんのバカ殿様』内でのコント、チェーンソー絡みのCMやバラエティでの名称などによるものだと思われる。
因みに、『13日の金曜日』シリーズとは別に、『ジェイソン』という映画が存在し、トレードマークのホッケーマスクを被った殺人鬼が登場していたが、シリーズとの関連性は全くない。
今でこそ完全に独立したキャラクターであるジェイソンだが、実はモデルになった人物が存在している。
ジェイソンのモデルとなったのは、第二次世界大戦終結直後となる1946年の2月~5月の間にアメリカのテキサス州・テキサカーナで起こった連続殺人事件の犯人「ムーンライト・マーダー(通称)」であり、「『穴の開いた小麦袋』を被って犯行を行った」という点はジェイソンと共通しているが、殺人に使用した凶器は32口径リボルバーの拳銃である。
しかもこの犯人、警察によって一切捕まる事は無く、事件も「未解決事件」という形で終結を迎えてしまっているのである。
この殺人鬼に襲われた対象の人間達はいずれも若いカップルであり、最初の犯行では失敗に終わっているが(一説では、自分の印象を世間に知らしめる為、わざと殺さなかったともされている)、二度目の犯行以降は男女共に拳銃で殺害されていく事になり、女性に至っては性的暴行まで受けた痕跡も確認される等、非常に残忍な手口となっている。
また、この殺人鬼の犯行は必ず「満月の夜」に行われていたいた事から「ムーンライト・マーダー」の通称で呼ばれる要因となっている。
約4か月の間に犯行が続く中、最後は犯人と思われる人物が電車に轢かれた死体で発見される事になっているが、警察側の調査によって遺体の人物は電車に轢かれる前に死亡していた事実が判明しており、真犯人では無く身代わりにされた人物として扱われている。
以降、このムーンライト・マーダーによる殺人事件は一切起こる事無く、「未解決事件」という形で終息を迎える事になったとされている。
なお、この「ムーンライト・マーダーによる連続殺人事件」自体も、映画化されている。
作中で度々流れる「キ、キ、キ、キ…」「マ、マ、マ、マ…」というSEは「kill」「mum」の意味である(因みに両方合わせると、「Kill mum」直訳で「殺してママ」となる)。
なお、現在でこそスプラッター系ホラー映画の看板的存在となっているジェイソンだが、実はジェイソンが直接登場して殺人を行う『PART2』の製作段階の時期では、『PART1』の制作に携わった脚本や特殊メイク、監督といった主要制作陣達から、「前作で死亡したパメラに代わってジェイソンが連続殺人を行う」という設定を猛反対されていた(アイデアを出したのは、あくまでも映画製作会社側)。
特に、特殊メイク担当のトム・サヴィーニは、「クリスタルレイクで溺れて生きていたジェイソンが、母親のパメラに会いに行かないまま27年もの間、湖付近で独り隠れ住んでいたなんて有り得ない!」と批判していたらしく、監督のショーン・S・カニンガムもまた「馬鹿げたアイデアだと思った」とインタビューで答えていたという。
この結果、彼等は全員『PART2』の制作を自主的に降板してしまったらしく、彼等の主張も決して間違ってたはと言えなかったかもしれないが、その「馬鹿げたアイデア」によって「殺人鬼ジェイソンの活躍する13日の金曜日シリーズ」が確立されてしまったのだから、世の中何が起こるか分からない物である。
おそらく、視聴者の中にも「生きていたジェイソンが何故パメラに会いに行かなかったのか」という疑問を抱いていた者は少なくなかったと思われ、その疑問を解消・補完する為に、前述の「ジェイソン記憶喪失説」が生まれるに至ったのかもしれない(真実か否かは別として)。
2015年4月15日に発売された『モータルコンバットX』に追加キャラとして登場した。
3種の戦闘スタイルを持ち、それぞれ
「SLASHER(スラッシャー):メイン武器が鉈」
「UNSTOPPABLE(アンストッパブル):一度KOされても最大体力の約2割で復活」
「RELENTLESS(リレントレス):霧に紛れて後ろに回り込む」
と原作を忠実に再現している。勿論FATALITYもある。
殺人鬼 不死身 怪力 息子 鉈 手斧 ホッケーマスク 奇形児 風紀委員 マザコン 哀しき悪役
ジェイソンマスク:ジェイソンが被っているホッケーマスクの通称。ジェイソンのキャラクターを象徴するアイテム。
ジェイソン:登録タグとしてはこちらのほうが多い。
クリスタルレイク:ジェイソンの活動拠点。
偽ジェイソン:文字通りジェイソンの偽者。
パメラ・ボーヒーズ:彼を世界で唯一愛してくれた存在。
KM:シリーズにおいて一度はジェイソンを無傷で倒した数少ないキャラ。
関連キャラ・作品
貞子:生い立ちや人を殺すようになった経緯が似ており、度々二人のカップリング絵が描かれる(J貞)。
金田一少年の事件簿:作中の事件の一つである「悲恋湖伝説殺人事件」にて、犯人がジェイソンに扮して殺人を行っている。
朝倉義景:戦国時代の武将。セガのATCG戦国大戦で、ジェイソンを髣髴とさせる風貌のイラストで描かれている。
フレディVSジェイソン:二人が本気の殺し合いをしたスピンオフ作品。ジェイソンが鉈でフレディを刺した後湖に落下、ヒロインのローリーがフレディの首を吹っ飛ばしたが、どちらも生きていた。
フレディ・クルーガー:エルム街の悪夢シリーズに登場する、人の夢の中で殺人を繰り返す殺人鬼。こちらはジェイソンと違って非常にコミカル。上記で夢の対決に至る。
fridaythe13thgame:13日の金曜日シリーズを題材としたホラーゲーム。
スプラッターハウス:ナムコのアクションゲーム。初代アーケード版で主人公リックがジェイソンにそっくりな外見をしている。みんなのトラウマ。
アレッサ・ギレスピー:生い立ちがジェイソンと似ているホラー映画のキャラ。
M3GAN:こちらも鉈を使うホラー映画のキャラ。
13日の怪人:ジェイソンをモチーフにした特撮怪人。
仮面ライダーマルス ゴールデンアームズ:兜がジェイソンのホッケーマスクを意識している。
秘密結社ヤルミナティー:主人公の一人タブーのキャラはジェイソンを意識して作られている。
ナショナル・ランプーン/クリスマス・バケーション:チェーンソーを持ったジェイソン風のキャラが登場するコメディ映画。
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