「モモ!ありがとう」
概要
漫画「ダンダダン」に登場する美少女の宇宙人。団地の幽霊として怪獣スーツを着用して登場し金の玉を取ろうとモモ達を襲って来る。
その後撃破されると、オカルンこと高倉健が自分を倒したと誤解し、オカルンにキスをし求婚を迫るようになる。
地球の言葉を使用することが出来ないため、コミュニケーションを円滑に行うには翻訳機が必要であるが、彼女の母語は宇宙人のシャコが使う翻訳機でも聞き取れる言葉が少ないため、かなり遠い星からやってきたと思われる。
人物
見た目は、金髪のショートヘアの美少女。ただし、ピンク色の触覚がある。
初登場時は暴れていたものの、倒されてからはすっかり大人しくなり、以降は桃の家で生活するようになる。
上記の通り言葉が分からない為、当初はコミュニケーションが難しく、お互い意図を勘違いする事も多かった。しかし、彼女なりに言葉を覚えようとしているようで、「タコヤキ」「言ってみホイ」「ヤバカタワ!」等、徐々に会話が出来るようになっていく。素直かつ感情表現や表情も豊かであり、少しずつ周りに馴染んでいく。
一見無害だが…… ある時だけ桃の顔を意味深に見つめていた。
やがて桃達一同は、彼女の目的や過去を知る事になる。
怪獣スーツ
地球外のテクノロジーが詰まった高性能スーツ。
その姿はとある惑星の人々が神として崇める怪獣のような見た目をしている。
どんな攻撃からも装着者を保護する頑強さを誇る上に、サイズや形状も変幻自在で、50m近いまさに怪獣サイズまで巨大化したり、頭部だけパーカーフードっぽく残して首から下は学生服に擬態したり出来る。
体表に周囲の風景を投影して姿を隠蔽する機能も搭載しており、ロボットSFに詳しい金太の『3方向以上からの複数同時視認なら風景とのズレを見破れる』という攻略アドバイスがなければ桃達には完全な透明にしか見えなかった程。因みに彼女はこれを「ドキドキ隠れるモード」と呼んでいる。
セルポ星人らも使用する無人の亜空間『虚空』を展開出来たりととにかく多機能。
主な攻撃手段はパンチとキック、そして尻尾による薙ぎ払い。シンプルだが先述の頑強さに加え、スーツ自体が運動性能を補助してくれるので非常に強力。
巨大化機能の1つに『大虐殺モード』があり、発動すると元の可愛げのある姿から、禍々しく凶暴な怪獣へと変貌する。
また、スーツには金の玉をセットする部分があるがこれは元から着いていたようで、金太曰く「もしこれが外付けの金の玉ならどうしてそれをはめる部分があるんだ」との事でオカルンの金玉とは全く別物。
だがターボババアは「汚ねえもの」「人の“業”のようなものが見える」と徹底的に唾棄しているが…
本編での動向
ミーコ達が提供した「団地に浮かぶ金の玉」の情報を元に団地に訪れたモモとオカルンの前に透明な状態で出現し、2人と交戦。透明化を駆使して追い詰めるもこっそり着いてきた金太に弱点を見破られ視認、オカルンの攻撃で蹴っ飛ばされ透明化も解除される。
しかしその直後50m級に巨大化、逃げるモモ達を追いかけアイラとジジも巻き込み潰そうと襲いかかる。
しかしオカルンが以前ルドリスが持ってきてくれたナノスキンで家を変形させ怪獣を倒すという奇策を思い付き、妄想力の高い金太がこれを敢行…したはいいが、モモが「大きいもの」と聞いて大仏を連想したため珍妙な姿になってしまい、さらに動かし方も分からない為一方的に嬲られてしまうが、コツを掴んだ金太によって形勢が逆転し反撃を食らう。たまらず再び透明化を使い追い詰めようとするも搭乗していたモモとアイラの能力で捕まえられ、パワーボムを決められ撃沈。大きさも元のサイズに戻った。
そしてオカルン達に綾瀬家に運び込まれ、スーツを脱がされバモラ本体が現れ、目を覚ますや否やいきなりオカルンにキスしだし、モモにドロップキックを決められた。
その後、シャコの翻訳機に断片ながら「強い人と結婚する」と発言。どうやらオカルンが自分を倒したと思い込んでいる模様であった。
その後は星子の振る舞うたこ焼きを美味しそうに食べたりスーツを変形させ留学生として学校に通うようになったりモモと一緒にカシマレイコを(一時的にだが)撃退したりとなんだかんだ仲良くなっていった。
しかしジジが勝手にスーツを着た際に外宇宙から来た残虐な侵略者集団「深淵の者」がその位置情報を特定し、オカルンやモモ達の前に集団で現れ皆が重傷を負ってしまう。
さらにディスマンが「これも全て、バモラのおかげ」「彼女は我々の先発隊のようなもの」と衝撃の事実を暴露。更にオカルンが唯一倒したドローン型の深淵の者のスーツからバモラのスーツと同様の玉が着いていたのも発覚しモモは「バモラは自分達を殺す為に送られてきたスパイだったのではないか」と思うようになり、瀕死のオカルンを心配そうに見つめていたバモラを突き飛ばし彼女を追い出してしまう。スーツを完全に着ていたため表情はうかがえなかったが、その後ろ姿はどこか寂しそうに見えた。
そして深淵の者との戦いが激化する中で苦戦するモモの前に駆けつけタ・コシン・ジョーを粉砕するが直後に電流を浴びせられスーツから引き剥がされてしまう。
スパイだと思っていたモモはバモラが自分たちを助け、仲間であるはずの深淵の者に攻撃される姿を見て混乱するが、バモラは笑顔のままモモに「ありがとう」と伝えハスターによって腹部を貫かれ致命傷を負ってしまう。
あまりの事態にモモは駆け寄るが息がない。モモは彼女を救おうと奮闘するがそこで彼女の過去を、通信機越しに深淵の者と戦っている仲間たち、そして決意を滾らせている者と共に知る事になる。
正体
原作ネタバレ注意
その正体はシュメール人という宇宙人の一族。その最後の子供。
彼女は幼い頃親と生き別れ、深淵の者達による破壊活動に遭っていたところをバンガというお婆さんに拾われて育った。
バンガは彼女にとって「お母さん」であり、「バンガさんと呼べ」と嫌がられても、頑なに呼び続けていた。
シュメール人のレジスタンスは中年女性だらけの中、彼女の存在はバンガ達のチームにとって癒しにもなっていた。
だが深淵の者の罠によりレジスタンスは壊滅的なダメージを負い、洞穴で残っていたのはバモラ、バンガ、そしてバンガの仲間であるトメ、アジャのたった4人のみとなり、希望が打ち砕かれ絶望。
トメとアジャが海を見るために洞穴から飛び出し、残るはバモラとバンガのたった2人。
全てに絶望したバモラは「死ぬのならお母さんの下で死にます」と自らバンガに殺されることを望む。
その時バンガは、自分が元は宮廷の料理人であったこと、この手は銃を持つためにあるのではないと怒りと悔しさを滲ませ涙ながらに発露。その直後、バンガは「シュメール人はイデアと呼ばれる第2の故郷があった」事を思い出し、先に出て行ったトメ、アジャらを連れそのイデアへ行くワープゲートのあるピラミッドに赴く。
その後、ピラミッドにて捕虜にされていた男を開放するも、その男が逃げ出した事で深淵の者達に存在を気付かれ、バンガは重傷を負うが仲間達はバモラだけでも先に行かせようとする。しかし目の前にはビッグママという深淵の者達のスーツを作る巨大な化け物が。絶対絶命の状況の中でバンガが怪獣スーツを奪取しビッグママをぶっ飛ばす。
このスーツはシュメールに伝わる守り神を模したもので、バモラの故郷を侵略した深淵の者のビッグママがシュメール人を養分にして作ったもの(ドローン型の深淵の者から出てきた玉とバモラのスーツの玉が同じなのもそのはずであり、そもそも生産元が同じだったのだ)。養分にされたシュメール人の怨念が具現化したと言っても過言ではない(ターボババアの言っていた「人の業」というのも恐らくこれのことを指していると思われる)。
そしてバンガは怪獣スーツを神と崇めるだけの男達に「アタシはテメェらを救う気はねェ」「家族や惑星を奪った奴らに、もっと怒りやがれ!!!」と発破をかけ遂に反乱が勃発。
その隙にバモラはピラミッド内に辿り着き、同じく辿り着いたバンガに怪獣スーツを押し付けられ1人ワープゲートに突き飛ばされる。ワープゲートで転送できるのはたった1人のみであったからだ。
当然バモラはバンガと共に行こうとするも彼女はシュメールの血を後世に託す為にバモラを送り出すことを決断したのであった。
こうしてバモラは、バンガやトメ、アジャらの手によって深淵の者の攻撃から逃れ、遠い宇宙へ彷徨うことになる。
モモ達を襲ったのも、自らを倒したと勘違いしたオカルンに突然求婚を迫ったのも、「強い男と結婚して子孫を残して生き延びろ」、とバンガに助言されてのことであった。
(いきなりキスをしたのは、前にカップルがしているのを見て、「あれで子供が出来るのかな?」と思ったからである。つまり性の知識は全くない)。
その後はゆく先々で「強い男」を探す為にスーツのまま喧嘩をふっかけ、野草を食べる毎日を送っていた(なお、喧嘩を吹っ掛けた相手の中にあろう事かクマがいた)。
そして上述の来歴に繋がるが、実は巨大化したのは攻撃を受けてスーツが勝手に起動しただけであってバモラ本人の意思ではなかった。
つまりバモラはモモ達を殺すために送り込まれたスパイなどでは全くなく、むしろ故郷を奪われ逃げ延びた被害者だったのだ。
これを知ったモモは涙を流しつつ身勝手かつ残虐な深淵の者達に強い怒りを示しており、「決定したのは、テメェがたこ焼きになることだぜ」と言い放つ程であった。
なお、バモラ自身は6郎がモモ用に取っておいた回復薬で蘇生。
その後再びスーツを着て力を使い果たしたモモとオカルンを援護するが、自身のスーツを破壊されたハスターによって再びスーツから引きずり出され、落とされてしまうが、駆け付けた金太に助けられ彼の駆る巨大ロボット「グレートキンタ」に搭乗。金太と共にハスターを撃破した。
深淵の者達が居なくなった後は、バモラの過去を知ったモモ達と仲直りし、同じ学校に(表向きは)留学生として通っている。
日本語にも大分慣れ、オカルンの影響からか、一人称は「自分」で口調は「~です」と敬語寄りの口調で喋るようになるが、金太は後で矯正しようとしている(なおターボババアからも口癖のクソだらあを教えられており、「存分に使え」と奨励されていた)。
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