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ダンまちの登場モンスター一覧

だんまちのとうじょうもんすたーいちらん

ライトノベル『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』及び外伝シリーズの登場モンスター一覧記事
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本記事は『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の本編、及び外伝『ソード・オラトリア』、『クロニクルシリーズ』、『メモリア・フレーゼ』等の登場モンスター達をまとめた記事です。

元ネタとなるモンスターの詳細はリンク先を参照してください。


原作のネタバレを含んでいるので、閲覧する際は注意してください。



概要編集

本作で、主に冒険者達を中心に人類と激戦を繰り広げるモンスター達。


モンスター達はオラリオに存在する迷宮(ダンジョン)の壁の中から卵の殻を破るかのように這い出て生まれてくる。

作中では割と無双できているので勘違いされがちだが、それは超越存在(デウスデア)によって与えられた恩恵(ファルナ)の影響によって可能になった為で、恩恵無しの生身の人間では、基本的に歯が立たない存在である。

階層毎に生まれるモンスターの種類は決まっているが、下層である程より強力で特殊な個性を持ったモンスターが生まれてくる事になり、冒険者も顔負けな白兵戦、状態異常や毒針を使った搦め手などで人間を追い詰めている。

また、生まれたモンスター達は生まれた階層より上下の階層へ移動し、基本的にはせいぜい2階層ぐらいまでとの事であるが(ワーム・ウェールの様に、稀に例外のモンスターも存在する)、自分達を狩ろうと躍起になる冒険者達にしつこく追い回される事になれば、当然逃げ切る為にそれ以上の階層移動もする事もあり、最悪の場合は地上へと出てしまう事になる。


モンスターの大体の共通で、致命傷となるダメージを与える事で体内の核である「魔石(ませき)」を残す形で消滅する事になる。体内の魔石を破壊すれば、一撃でモンスターを倒す事も可能だが、これを行えば魔石の回収も出来なくなる。

また、モンスターを倒す事で、稀にその肉体の一部が残り回収する事が可能となっており、これは「ドロップアイテム」と呼ばれ、武具の素材や薬品の材料等に利用出来る事から高値で取引されている。


ダンジョンの特定の階層には、「階層主(正式名称は『迷宮の孤王(モンスター・レックス)』)」と呼称される特殊な個体も存在し、所謂ボスモンスターとして排出される。

大規模なファミリアならば総出で、少数のファミリアならば他のファミリアとの暫定的同盟によって撃破するしか方法は無いが、第一級冒険者クラスの実力者ならば、同格か自身より推定Lvの低い階層主を単独で打ち破る事も可能だが、それほどの力を持つ人間は限られている上に危険な行為なのは変わりない為、行おうとするものは少ない。現在の所、唯一格上の階層主をほぼ単独で打ち破ったのはアイズ・ヴァレンシュタインのみとなっている。

ただし、ダンジョンの階層やモンスターの種類により次産間隔(インターバル)があり、殲滅後一定時間はモンスターが産まれない様に、階層主級もまた、数週間から数か月生まれない次産間隔がある。ただし、ダンジョン自体の受けたダメージが深刻な場合だと、その次産間隔を無視する形で階層主が新たに生み出されてしまう可能性がある為、油断は出来ない。


更に、モンスターの中には狡猾な知性を持ち、他のモンスター達の魔石を食らって自身を強化する「強化種(きょうかしゅ)」と呼ばれるモンスターも存在する。

強化種となるモンスターは限定されていないが、魔石によって強化されている分、並の冒険者達では太刀打ち出来ない相手となっており、下層であればある程、強化種の誕生する確率も高くなり、強化されていく度にその姿はよりおぞましい物となっていく。

強化種となったモンスターは、魔石摂取の影響による全能感に溺れて凶暴化する傾向があり、また魔石を摂取する事で自身を更に強化出来る事を本能的に理解している結果、モンスターを積極的に狩っている冒険者はおろか、強化種になる以前は格上と言えたモンスターにさえ恐れずに仕掛けて魔石を得ようとする。更にそれだけでは満足出来なくなれば、より上質な魔石を得る為に積極的な階層移動までも行おうとしている。


なお、モンスター達にも一応寿命はあり、モンスターの生まれる巣窟が神々により迷宮に変わる以前となる古代の時代にて地上へ進出をしたモンスター達は、といったごく普通の動物と同じく同種族で生殖行為を行う事で繁殖を繰り返す形で世代を経ている。

しかし、世代を経たモンスター達の場合は、親に当たるモンスターから魔石を削り分け与えられる形で生まれて来た為に、母体となるダンジョンから直接生まれて来たモンスター達(所謂「第一世代」)に比べると、力に関しては著しく低いとの事だが、それでも神の恩恵を受けていない人々にとっては十分過ぎる程の脅威となっている。

事実、オラリオの外側にある港町であるメレンでは、オラリオの迷宮で生まれていない海洋類型のモンスターによる被害(【ニョルズ・ファミリア】等に所属する漁師達が襲われるだけでなく、食糧となる魚介類等も食い荒らされている)に苛まれており、海上で自警団的な活動を行う【ポセイドン・ファミリア】の尽力があっても一向に解決していない。


また特殊個体として「黒い」モンスターが存在する。同種でも黒いモンスターは本来の同種以上の戦闘力を誇る。古代の時代から目撃例があるが何故黒いのか、なぜ同種より強いのか不明。


これらからも、モンスター達は世界における「絶対悪」と言える存在となっていたのだが、近年においてダンジョンで生まれてくるモンスター達の中に、人類と同じく高度な知性や会話能力、そして感情を持ったモンスターである異端児(ゼノス)が生まれるようになり、それまでの人類とモンスターの間にあった勧善懲悪的な関係が揺らぎ始めようとしている。

また、オラリオの破壊を目論むテロリスト集団である『闇派閥(イヴィルス)』も、極彩色のモンスターや精霊の分身(デミ・スピリット)といった特殊なモンスターを生み出し、それを戦力として利用しようとしている。


迷宮(ダンジョン)のモンスター編集

上層編集

小鬼の姿をしたモンスター。

迷宮に出没するモンスターの中でも最弱とされており、これを倒せなければ冒険者になるなど無謀としか言いようが無い程弱い存在で、やろうと思えば新米冒険者どころか神の恩恵を受けていないただの人間でも倒す事は可能とされている。その為、主人公・ベル・クラネルがゴブリン一匹だけを倒して喜んで帰って来たのを見たヘスティアを、内心呆れさせていた。

ドロップアイテムは『ゴブリンの牙』。

異端児の一体であるレットの種族である。


小柄な人狼の様な姿をしたモンスター。

迷宮に出没するモンスターの中では、ゴブリンに次いで弱いが、獰猛さに鋭い牙や爪等による攻撃は、初心者の冒険者に十分脅威と言える存在で、油断してあっけなく命を落とした者も少なくないとされている。

なお、オラリオの外にあるアマゾネスの国であるテルスキュラでは、物心のついたばかりであるアマゾネス達の対戦相手として利用されている模様。

ドロップアイテムは『コボルトの爪』。


  • フロッグ・シューター

大きな単眼のの姿をしたモンスター。

近距離では体当たり、遠距離では長い舌を打ち出して攻撃を行う。Lv.3以上の冒険者なら大した事の無い相手であるが、長い舌に絡め取られたり飲み込まれてしまう結果、体液によって身体中をベトベトにされてしまうといった弊害も少なからずある。

『ソード・オラトリア』では、フィルヴィス・シャリアレフィーヤ・ウィリディスに課した特訓として、大量のフロッグ・シューターと戦わせている。


  • ダンジョン・リザード

ざらついた茶色の皮膚に横に裂けた舌を持ったヤモリの姿をしたモンスター。

四肢の先に付いている吸盤を利用し、音を立てずに天井や壁を縦横無尽に這いずり回る形で移動し、冒険者にとって予想外の方向からの奇襲戦法を得意とする。


  • パープル・モス

紫色の四枚の翅を持つ蛾の姿をしたモンスター。

毒の鱗粉を撒き散らすのが特徴で、即効性こそ無いが複数回浴びると状態異常『毒』になる。それ以外に特筆すべき能力は無い為に、単体での戦闘力は高く無いのだが、集団規模で襲い掛かって来ると必然的に大量の鱗粉を浴びて毒状態になる確率も高くなる為、命の危険性は高まる事になる。

外見的特徴や能力からも、希少種となるブルー・パピリオはパープル・モスの上位種と言える。


  • ウォーシャドウ

全身が影の様に真っ黒である人型のモンスター。新米冒険者にとっては、命を落とす危険の確立が非常に高い存在である事から、「新米殺し」の異名を持つ。

身の丈は160cと並の人間並みの大きさをしており、それ故に冒険者達の中には同業者の影と誤認してしまい、油断して奇襲を受けてしまうケースも少なくない。上層の前半に登場するモンスターの中では非常に強力で、異様に長い両腕の指先はナイフの様に鋭利となっており、まともに食らうと第二級冒険者あたりでも致命傷になり兼ねない程。

本編にて、酔っていたベート・ローガに散々馬鹿にされた事で半ば自暴自棄になったベルが迷宮内で大量のウォーシャドウと交戦しており、ボロボロになりながらも何とか倒している模様。

ドロップアイテムは『ウォーシャドウの指刃』。

異端児の一体であるオードの種族である。


  • ニードルラビット

巨大な一本角の生えた兎の姿をしているモンスター。

パワーはそれほど強力では無い反面、跳躍力を生かしたスピードは侮れない上に集団で行動している事が多く、その鋭利な角を生かした奇襲を受けてしまえば、上級冒険者でも致命傷になり得る。


  • バットバット

蝙蝠型のモンスター。

普段はダンジョンの天井に生息し、単体での戦闘力は皆無に等しいが、獲物が来れば怪音波を発して敵の動きを一時的に封じ、獲物に喰らいついて吸血行動に移る。また、パープル・モス等と同様に群れを成している状態だと一気に脅威度は増してしまう事になり、数百単位の個体が一斉に怪音波を発する事で迷宮(ダンジョン)内で大規模な崩落を発生させるという意外なまでの危険性も発揮する。

基本的に上層に出現するが、中層にも出現し、19巻で一度に数百匹という大量に同時出現するというイレギュラーを起こしている。


緑色の肌を持った豚頭人身の姿をしたモンスター。

動きは非常に鈍重であるが、丸太を難無く引っこ抜いて天然武器(ネイチャー・ウェポン)として軽々と振り回すその怪力は、駆け出しの冒険者に致命傷を与えるのは必須となっている。また、贅肉に覆われた身体のタフさも侮れず、体内の魔石を集中攻撃するのが最も無難な撃破法と言える。更には意外にも同種や他の種も交えた集団で行動する傾向もある為、単体で姿を見せても油断は出来ず、上級冒険者でも単独で挑むのは危険といえる。


瘦せ細った犬頭人身の姿をしたモンスター。

小柄な上に少しでも相手が強いと怯んでしまう臆病な性質を持っているが、ゴブリンよりも悪知恵が働く分、小賢しさも目立っており、相手の攻撃を避け易いよう身を屈めて奇襲する戦法を得意とする。臆病故に基本的に集団で行動する傾向がある為、包囲される形で集中攻撃を受ければ、上級冒険者でも危険は免れない。更に同種のみだけで無く、オークを始めとするより強力な個体のモンスターと連携をとる事もある。


  • ハードアーマード

アルマジロトカゲを合わせたような姿をしたモンスター。

通常時の動きは遅いが、身を丸めて回転しながらの突進力は強力であり、背中を覆っている頑丈な鱗の存在も合わさって、生半可な物理攻撃で挑んでも返り討ちで吹っ飛ばされてしまう可能性が高い為、メンバーに魔法攻撃を扱える者がいるなら、それで対処するのが安全である。稀に群れを形成する事もある様で、その場合だと密集する事で巨大な壁を形成し、並の物理攻撃はおろか魔法攻撃も利きにくいという鉄壁ぶりも発揮する。


  • キラーアント

赤黒い蟻の姿をしているモンスター。ウォーシャドウと同様に「新米殺し」の異名を持つ。

単体での戦闘力は決して高くないのだが、外殻が固さから物理攻撃で倒すのは難しく、更には同種を呼び出す特性や『怪物の宴(モンスター・パーティー)』によって大量出現する可能性が非常に高いモンスターである為、数の暴力にモノを言わせたその戦法は、小規模のパーティーは勿論、状況によっては中堅のファミリアでさえも全滅に追い込まれる危険性がある。その為か、モンスターを他者に押し付ける『怪物進呈(パスパレード)』に利用されてしまう事も多い。

作中では、【ソーマ・ファミリア】の仲間に裏切られたリリルカ・アーデが怪物進呈される形で襲撃されたが、ベルが駆け付けた事によって事無きを得ている。


  • 野猿(シルバーバック)

上層の11階層あたりに出現する、銀色の毛をしたゴリラの様なモンスター。

巨大な体躯を生かした怪力によるパワー戦法を得意としており、ミノタウロスと同様に駆け出しの冒険者では太刀打ち出来ない相手となっている。

作中では【ガネーシャ・ファミリア】が中心になって開催された『怪物祭(モンスター・フィリア)』にて、一匹のシルバーバックが出される予定になっていたが、フレイヤの暗躍によってダイダロス通り付近を暴れ回り、《神様の刃(ヘスティア・ナイフ)》を初めて手にしたベルによって倒されている。

異端児の一体であるシルバの種族である。


中層編集

中層の15階層あたりに出現する牛頭人身の姿をしているモンスター。

全身の発達した筋肉を生かした怪力や頭部の一対の角を生かしたパワー戦法を得意としており、大戦斧の様な天然武器を使用する個体もいる。また、耐久力もかなり高く、ある程度の魔法による攻撃でも臆する事無く耐え凌ぎながら突っ込んでくる。更には強制停止(リストレイト)を引き起こす咆哮(ハウル)を放ち、Lv.1の冒険者がこれを食らえば餌食となるのは避けられない。おまけに複数で行動する可能性も高い為、以上からも上層のモンスターしか戦ってこなかった冒険者にとっては、中層以降のモンスターの凶悪さを理解させるに十分過ぎる力を持った存在である。ドロップアイテムは『ミノタウロスの角』。


作中では、物語冒頭にて【ロキ・ファミリア】がミノタウロスの集団を追い詰めた事で、恐怖のあまり暴走しまったミノタウロスの一体が上層へ上り、新米冒険者だった頃のベルに襲い掛かる事態となるが、そこに駆け付けたアイズによって撃破される。この時の騒動が切っ掛けでベルとアイズは出会う事になる。更にその後、フレイヤの命を受けたオッタルによって鍛えられた「片角のミノタウロス」が試練の相手としてベルに襲い掛かるが、壮絶な一騎打ちの末、恐怖を乗り越えたベルによって撃破される。この戦いでベルは殻を破り、真の意味で『冒険者』になったとも言える。その後もベルとミノタウロスの因縁は続き、この時戦った「片角のミノタウロス」は『異端児』アステリオスとして生まれ変わり、好敵手として再度ベルに戦いを挑む事になる。


このようにベルと強い因縁を持ち、彼の成長に大きく関わっている事から、本作を象徴するモンスターと言える。ちなみに作者によると、ダンまちは主人公とミノタウロスの戦いを書きたいと思ったのがきっかけで生まれた作品との事。


13、14階層に出現するとされる仔牛程の大きさをした黒い犬の姿のモンスター。「放火魔(バスカビル)」の異名を持つ。

大きさに反して俊敏な動きと跳躍力を発揮し、一度目を付けられてしまうと逃げ切るのは難しい。しかし、それ以上に凶悪なのは口から放つ強力な火炎放射であり、これによる集団での波状攻撃は、13、14階層でパーティーが全滅した大抵の原因とまでされている。

劇中では、【タケミカヅチ・ファミリア】の面々がヘルハウンドの集団から逃げ切る為に、ベル、リリ、ヴェルフのに怪物進呈を仕掛けている。その後も、中層までの攻略を行う事の多い【ヘスティア・ファミリア】は、何度もこのモンスターと遭遇し交戦している模様。

異端児の一体であるヘルガの種族である。


二足歩行の赤目の白い兎のモンスター。

ニードルラビットと同様、基本的に一本角を持っているのだが、書籍やメディアによっては角を持っていない場合もある。愛くるしい見た目とは裏腹に好戦的で、天然武器として石の斧を持ち、集団で襲い掛かる。

なお、見た目がベルと似ている箇所(白髪頭、赤目など)が多いせいで、よくベルがアルミラージに例えられる形でからかわれたりもする。

ドロップアイテムは『アルミラージの角』。

異端児の一体であるアルルの種族である。


  • ライガーファング

15階層に出現するとされるライオンの様なを持っている白いの姿をしたモンスター。

同じ四足歩行のモンスターであるヘルハウンドよりもやや大型であるが、パワー・スピードの双方において大きく凌駕しており、最大の特徴である二本の大きく鋭い牙と爪による強襲は、上級冒険者でも致命傷を受けかねない。また、鬣を含む全身の剛毛は、中途半端な刃は通さない程強靭となっている。更に咆哮(ハウル)によってヘルハウンドやアルミラージを呼び出す厄介な特性も持っている。

ドロップアイテムは『ライガーファングの牙』。ヴェルフはこの牙や27階層で取れた黒銀鋼を混ぜ合わせた複合金属で、ヤマト・命の武器である長刀「虎鉄」を製作している。

下記の「ライガーファングの強化種」も参照。


  • ダーク・ファンガス

植物系で茸の姿をしたモンスター。昆虫系モンスターと並んで『大樹の迷宮』の代表格とされる。

迷宮(ダンジョン)の森林地帯となっている階層にて巨大茸に擬態する形で獲物を集団で待ち構え、大型のモンスターですら行動不能にする毒胞子を飛ばすのが特徴。それ故に、接近戦で挑むのは至近距離で胞子を受けかねないリスクが高まる為に危険だが、弓や魔法、魔剣による砲撃での攻撃なら無難に対処可能である。


  • ガン・リベルラ

巨大な蜻蛉の姿をしたモンスター。

四枚の翅で空中を高速で自由自在に飛び回る機動力は、基本的に地上で戦うしかない冒険者達を容赦無く翻弄する。それ以上に厄介と言えるのは、体内で金属質の射撃弾を生成し宛ら狙撃銃の如く単発で獲物に発射するという砲撃で、盾の無い状態でまともに喰らえば重傷は免れられない為、驚異的な制空能力を備える事になっている。

対処するには弓や魔法、魔剣等による長距離砲撃しかなく、近接戦闘での撃破は第二級冒険者以上でなければ難しいと言わざるを得ない。


  • バグ・ベアー

体長三M位の巨体な熊の姿をしたモンスター。

「素早いミノタウロス」とも言える個体で、力と耐久はミノタウロスに劣っている反面、スピードはその比では無く、死角からの奇襲攻撃は上級冒険者でも十分に致命傷となり得る。また、人間の冒険者と比べれば、体格や力もモンスターの中では十分に強力である為、迂闊に正面から挑むのも危険と言える。


  • バトルボア

体長約ニMとなる猪の姿をした大型級モンスター。

基本的に二本の角を生かした体当たりによる攻撃がメインであるが、自分の身を省みない性質から【ファイア・ボルト】の影響によって出来た炎の壁も突破する突進力を誇る。小型トラックがフルスピードで突っ込んで来る様な物なので、まともに受ければ上級冒険者でも致命傷は免れられず、盾を用いた防御でも軽く吹っ飛ばされるか壁に叩きつけられる可能性が高い為、基本的には体当たりを回避しつつ側面からの攻撃による撃破が有効となる。


  • デッドリー・ホーネット

22~24階層に出現するの姿をしたモンスター。

全長は成人の人間程で、黒い硬殻を纏っており、顔面には鋏を有する大顎、体の先端から毒針が突き出でるように伸びている。第三、第二級冒険者の下層進出を阻むモンスターの一匹で、毒針はレベル2の冒険者を一撃で即死させてしまうまさにキラー・アントの上位互換。その為、彼の虫の『新米殺し』を引き継いだ『上級殺し(ハイ・キラービー)』の渾名を持つ。制空権を確保した状態で陸地の獲物に強襲を仕掛ける一撃離脱の戦闘を得意とし、強固な硬殻を生かした体当たり攻撃も駆使する。

単体でも厄介な存在であるが、デッドリー・ホーネットと共生関係にある蜂の巣型の希少種ブラッディー・ハイヴと連携をとった状態だと、同型のデッドリー・ホーネットを迷宮(ダンジョン)よりも格段に速い次産間隔(インターバル)で大量に生み出されて物量戦を仕掛けられるという悪夢の様な事態となり、中堅どころか上位ファミリアでも危機に陥る。

ドロップアイテムは『デッドリー・ホーネットの強殻』。


  • マッドビートル

22~24階層に出現するクワガタカマキリを合わせた様な緑色の昆虫型のモンスター。

かなりの巨体で中層後半期に出現するモンスターだけあって戦闘力もそれなりに高いが、緑色の体色は森林地帯において保護色となっている上に、昆虫型故の複眼により高い視力も備えている為、その巨体に反して高い奇襲能力を備えている。また、翅を用いた飛行も可能で、空中から獲物を掻っ攫うかの様に襲撃し、巨大な二本角で捕らえられれば、そこから逃げるのは非常に困難となる。


22~24階層に出現する赤い鱗と2本の角を持った二足歩行で歩くドラゴンに近いトカゲの姿をしたモンスター。

天然武器の剣と盾を持ち、さながら戦士の様に戦うのが特徴。敵の攻撃を盾で防ぎつつ俊敏な動きで敵に対して剣撃を繰り出すその戦闘スタイルは、Lv.2~3の冒険者であっても苦戦を強いられる。複数での包囲戦を仕掛けられると命取りにもなり兼ねない為、遠距離からの魔法や魔剣等による砲撃か、1対1での戦いに持ち込むのが倒しやすい。

異端児の一体であるリドの種族である。また、リドの場合は魔石を捕食してLv.5の強化種となっている影響なのか、通常のリザードマンと異なって口から火炎放射を放つ事が出来る。


  • マンモス・フール

21階層に出現する全身に臙脂色の剛毛を生やし、湾曲した巨大な槍の様な2本の大きな牙が特徴のマンモスの姿をしたモンスター。

昆虫系等が多い『大樹の迷宮』には珍しい純粋なパワータイプであり、個体差はあれど肩高6~7Mという中層に出現する通常種の中では最も大きい体躯を持つ。中層の中盤に出没するバトルボアの上位種・強化型と例えるのが分かり易く、重戦車の勢いで獲物に突進する形で攻撃し、重戦士タイプが盾を構えた状態でも軽く吹っ飛ばしてしまう破壊力を秘めており、踏み潰されても致命傷は確実な為、Lv.3~4以上でもない限り並の冒険者が単独で挑むのは危険な相手である。


  • ソード・スタッグ

雄鹿のモンスター。

「ソード」の名称からも分かる通り、剣の如き鋭い角が特徴。


  • クリスタル・マンティス

体の組成が水晶で構成されているカマキリの姿をしたモンスター。


  • グリーン・ドラゴン

宝石樹のトレジャー・キーパー。ドラゴン種であるが、大樹に擬態出来る特異な能力が特徴的で、この事から「木竜(もくりゅう)」の異名を持つ。

異端児の一体であるグリューの種族で、その能力を生かす形で20階層に存在する隠れ里の番人的な役割を担っている。


  • メタル・ラビット

24階層に出現する兎の姿をしたモンスター。


人の形をした幻影の姿をしたモンスター。

頭部に当たる位置に備わっている赤く光る単眼と不気味な笑みを浮かべているような口が特徴。全体的に見ても、上層に出現するウォーシャドウの強化版と言える存在で、両腕部に当たる部分に備えている鋭利な鉤爪を用いて、暗殺者の如く迫って奇襲する戦法を得意とする厄介な存在。


下層編集

  • 毒妖蛆(ポイズン・ウェルミス)

一対の触角を持ち、不気味な色彩をしている芋虫の様な姿をしたモンスターで、「毒の墓場」の異名を持つ。

毒の異常攻撃を行うモンスターの中でも最大級の危険度を誇るとされており、上級冒険者の耐異常のアビリティをも貫通させてしまう程の致死率の高い毒液を放つ。解毒は解毒魔法でも非常に困難とされており、専用の特効薬か【ディアンケヒト・ファミリア】のアミッド・テアサナーレが扱える高位治療魔法でも無ければ完治出来ない。

作中では、59階層までの遠征を達成させた【ロキ・ファミリア】を中心とする遠征隊が地上に向かって帰還する途中にて、『怪物の宴(モンスター・パーティー)』と言う最悪な形で遭遇。疲弊しきっていた事もあってか、【ロキ・ファミリア】の第二級冒険者以下の団員多くが毒液の餌食になってしまい、同行していた【ヘファイストス・ファミリア】の上級鍛冶師達も、第一級冒険者である椿・コルブランドを除いて毒に苦しめられる事になっている。

ドロップアイテムは『ポイズン・ウェルミスの体液』。ポイズン・ウェルミスの毒の治療に必須となる特効薬の製造に必要不可欠な原料とされているが、このアイテムの入手自体が困難である為に、特効薬もまた貴重な物とされている。

かつて殺し屋として名を馳せていた黒猫ことクロエ・ロロは、この毒液を自らの得物に塗布して使用していた。


  • ブルークラブ

『水の迷都』の存在する25~27階層に出現するの姿をしたモンスター。シオマネキの様に左右どちらか片方のハサミが異常発達しており、発達した鋏を鉄槌の様に利用した打撃は、岩を容易に砕く程強力である。身体を覆っている鋼殻も非常に強固であるのだが、鋼殻の継ぎ目が太い事からそこを狙えば刀剣で容易に切り裂く事も可能となっている。

なお、蟹の姿をしていながらも、横歩きでは無く前進という形で移動し、遭遇すれば奇異な光景を目にする事になり、実際それを目の当たりにした【ミアハ・ファミリア】のダフネ・ラウロスも驚きを隠せない様子を見せていた。

ドロップアイテムは『ブルークラブの鋼殻』。


薄緑の鱗と蛇の頭を持つ大型級水棲モンスター。水面に潜み獲物に襲いかかる。体長は最大で10Mにも及び、口部に二本生やした鋭い牙や大きな鰓を頭部に生やしたその姿はドラゴンも想起させる。このモンスターを始め純粋な水棲モンスターは、水流内の水晶壁や水底を割って生れ落ち、獲物が近くにいれば平気で水中を飛び出す為、近くの水中に潜んでいても陸にいれば安全とは言えない。

ドロップアイテムは『アクア・サーペントの鰭』。


  • レイダーフィッシュ

肉食魚類であるピラニアの様な姿をした鋭い牙を持つ水棲型モンスター。ただし、全長は160C(1.6M)とかなりの大きさをしている。基本的に水中で活動するのだが、獲物を見つければ恐れる事無く水中から勢いよく飛び出して、喰らい付こうとする獰猛さを発揮する。

ドロップアイテムは『レイダーフィッシュの牙』。


  • クリスタル・タートル

突起状の水晶を生やすの姿をしたモンスター。水晶が大量に存在する『巨蒼の滝(グレート・フォール)』に出現する為、水晶に紛れて「擬態」するという厄介な特性を持っており、ただの水晶として迂闊に近寄った獲物に襲い掛かる事も多い。その為、クリスタル・タートルが擬態している様に見える場所では、魔法や矢を撃ったりしてみる事で確認する事もある。また、個体によって大きさも異なるらしく、大型級と呼ばれるタイプも存在する。


  • 巨大蛸(ドラッグ・オクトパス)

巨大なタコの姿をしたモンスター。大量の吸盤の備わった8本の脚で獲物に絡みつき、水中に引き込む形で襲おうとする。


  • クリスタロス・アーチン

水晶状の鋭い長針が生えたハリネズミの様な姿をしたモンスター。ハード・アーマードの様に球状に高速回転しながら突進する特性を持っているのだが、水晶状の長針が生えている上にハード・アーマードを上回る巨体である為に、その破壊力はより凄まじい物となっている。味方のモンスターも平然と巻き添えにした突進攻撃は、並の冒険者では強固な盾を装備していようとも、粉砕されてしまう危険度を誇る。


  • 巨大蚊(デヴィル・モスキート)

冒険者の血を吸うのモンスター。


26階層から出現する黄色の双眼を持ち全身を青い鱗で包まれた二足歩行で歩く半魚人のモンスター。『水の迷都』に出没するモンスターの中でも強敵の部類に入っており、鰭の張った両腕で天然武器である水晶の鎚矛(メイス)を器用に使用する形で獲物に襲い掛かる事から「水中のリザードマン」とも形容出来る。また、リザードマンに比べると単独行動は少なく常に群れで行動しており、連携戦闘に優れる。特に指揮官的役割を持つマーマン・リーダーが指揮を執る事で、その恐るべき真価を発揮し、相当な規模のパーティーで挑まないと対処は難しい。


    • マーマン・リーダー

マーマンの中でも特殊な個体。通常のマーマン達を指揮する役割を持っており、自身はその中心で率いているマーマン達に守られている。このモンスターに率いられているマーマン達は恐るべき連携戦闘を発揮する反面、何らかの理由で失われると、指揮下にあったマーマン達の統制は一気に失われてしまう事になる。


  • ライト・クオーツ

空中に浮遊する紫色の結晶体の姿をした無機物型のモンスター。大きさは円盾(バックラー)程で、近接戦闘の攻撃手段の類は一切持たない反面、中心に備わっている単眼の様な淡黄色の器官から熱線レーザー)を発射する形で攻撃を行う。この熱線は並の盾では防ぎきれない程の凶悪さを誇るのだが、一度放射すると次の放射をするまでに畜力(チャージ)の為の時間が掛かるという欠点があり、遭遇した際は熱線の攻撃を物陰などに隠れて防ぎ、畜力時間の隙を突いて撃破するのがセオリーとなっている。


  • 閃燕(イグアス)

『水の迷都』に出現する緋燕(つばめ)の姿をしたモンスター。『巨蒼の滝(グレート・フォール)』の裏側を根城にしている。小型だが、下層に出現するモンスターの中でも最速の存在とされており、「閃光」、「不可視のモンスター」と呼ばれる程の驚異的な速度で空を縦横無尽に飛び、弾丸の様な速さと共に鋭い嘴で敵に突撃する形で攻撃する。反面、自らの危険を全く顧みようとせず、盾を持った相手や群晶(クラスター)の背後に隠れた相手に対しても、まるで特攻兵の如く突っ込んでは自滅に近い形で自らを潰死させる事もあるが、その死を恐れない特攻が大量で行われる様は、仕掛けられる冒険者達を戦慄させる。

劇中では、強化種の苔の巨人(モス・ヒュージ)によって27階層にまで落とされたベルが集団による襲撃を受ける事になるが、ベルは特攻を仕掛ける大量のイグアス達を全て切り払う形で迎撃するという正気の沙汰では無い手段(ベルは、アイズならこうやって迎撃すると考えていた)で迎え撃ち、全て撃退する事に成功させている。皮肉にも、この「冒険」を通り越して「無謀」とも言える行動が、ランクアップさせたばかりの時に生じてしまう「『器(身体)』の激変により感覚が追い付かない状態」を修正させる事になった。

ドロップアイテムは『イグアスの羽根』。

元ネタは恐らく南米にある世界最大の滝である『イグアスの滝』とそこに生息する『オオムジアマツバメ』と言う種だろう。


女面鳥体のモンスター。人間の女性を想起させる上半身に臙脂色の羽毛を生やした両腕の翼と猛禽類に似た下半身が特徴。その顔は深い皺と溝が刻まれた老婆よりも醜い相貌をしており、糞尿の様な体臭を放つ。ほぼ同型と言えるセイレーンとは行動を共にする事が多い。

飛翔能力に優れており、セイレーンが遠距離戦闘を得意とするのに対し、空中から急降下して鋭い鉤爪による近接戦闘で獲物へ襲い掛かる。この為、セイレーンとは互いの欠点を補い合っていると言える。

劇中では、迷宮の『水の迷都』の他に、地上のベオル山地で生息しているハーピィが登場しているが、迷宮に生息するハーピィの方が遥かに素早い。

異端児の一体であるフィアの種族である。ただし、こちらの方は非常に美しい容姿を持つ。


ハーピィと同じ女面鳥体のモンスター。外見もハーピィと同じく女性の上半身にきつい黄色の羽毛を生やした両腕の翼と猛禽類に似た下半身をしているが、足に関しては鉤爪を持ちながらハーピィよりも人間に近い。顔もハーピィと同じく醜悪で、同じく糞尿の様な異臭を放っている。ほぼ同型と言えるハーピィとは行動を共にする事が多い。

飛行能力はハーピィにやや劣るものの、口からは『怪音波』を発する機能を持っており、ハーピィが近接戦闘を得意とするのに対し、遠距離戦を得意としている。この為、ハーピィとは互いの欠点を補い合っていると言える。

異端児の一体であるレイの種族である。ただし、こちらの方は非常に美しい容姿を持つ。


27階層に出現する蒼の毛並みと鬣を持つ馬のモンスター。鰭を備えており水の中でも陸地のように駆ける事ができる。強さは水の都でも最上位。


上半身が人間の女性、下半身が蛇という半人半蛇の姿をしたモンスター。ただし、人間の部分は全身に鱗の備わった青い肌で両腕は獣のように鋭い爪が備わっている等、かなり異形かつ醜悪な姿となっている。かなりの巨体であるが、驚異的なスピードを兼ね揃えており、宛ら暗殺者の如く音を立てずに獲物に近づいて仕掛ける奇襲攻撃は、第一級冒険者であってもまともに受ければ非常に危険となる。

外見的特徴や能力からも、希少種となるヴィーヴルはラミアの上位種と言える。

異端児の一体であるラウラの種族である。ただし、こちらの方は非常に美しい容姿を持つ。



  • ドドラ

  • ブラッド・サウルス

30階層に出現するとされる恐竜のモンスター。潜在能力(ポテンシャル)が非常に高く、Lv.2程度の冒険者では全く太刀打ち出来ない程の戦闘力を誇る。

地上にもかつて地上に進出した個体の子孫がいるが、迷宮のと比べてかなり弱体化しており、Lv.2でも倒せるほど弱くなっている。



深層編集

  • スカル・シープ

37階層に多く出現する羊型のモンスター。体表に覆った皮でカモフラージュする事から『死の隠者』とも呼ばれている。


  • リザードマン・エリート

リザードマンの上位種。白兵戦に特化しており通常種とは比肩できない程の強さを誇る。鱗も赤から青に変化している。


  • ルー・ガルー

狼の頭部を持つ中型級のモンスター。地上に進出したモンスター達の中でもルー・ガルーによってもたらされる被害が多く悪名は広まっている。狼人からは蛇蝎の如く嫌われている。


骸骨系のモンスター。骨の武器を持って出現し希少種を除く戦士系モンスターの中では随一の白兵戦能力を誇る。


  • オブシディアン・ソルジャー

黒曜石の体を持つ岩石系のモンスター。魔力を減殺させる特性を持つ体は防具素材として高額で取り引きされる。作中では【ファイア・ボルト】を弱体化させた。ドロップアイテムである『オブシディアン・ソルジャーの体石』は人造迷宮クノッソスの壁にも使われている。


背に猛毒を含んだ無数の針を生やし獲物を仕留める竜種のモンスター。上級冒険者の耐異常を容易く貫通し、掠っただけでも喀血し治療には上位の解毒魔法か解毒剤が必要。


37階層付近から出現する戦士系の大型級。黒の体皮に赤の体毛、ねじれ曲がった二本の角が特徴。

本編では遠征より前にベルが孤児院の地下で遭遇しており、後に【イケロス・ファミリア】の元から逃げ出した異端児だと判明する。


  • フレイムロック

44階層に出現する岩石のゴーレムのようなモンスター。

ドロップアイテムの『火炎石』は強い発火性と爆発性を持ち、『闇派閥(イヴィルス)』は発火装置と組み合わせて自爆する死兵を生み出していた。


山羊の頭を持つ蛮族のモンスター。

異端児の一体であるフォーの種族である。


  • ブラックライノス

二足歩行の型のモンスター。

異端児のアステリオスは、このモンスターの亜種ではないかと作中で考察されていた。


  • デフォルメス・スパイダー

赤と紫の混色の巨大な蜘蛛のモンスター。


58階層(通称『竜の壺』)に生息する10Mほどの竜種のモンスター。

58階層よりも上の階層に向かって天井を突き破る形での砲撃を行う「階層無視」という名の凶悪な火炎攻撃を吐き、上層にいる冒険者が一切の対処を出来ずに狙撃されてしまう可能性のある竜種の中でも特に脅威的な存在。


ヴァルガング・ドラゴンと並んで竜の壺の由来となっている紫紺の飛竜。


  • 死体の王花(タイタン・アルム)

巨大植物のモンスター。同胞も冒険者も見境なく捕食する。


  • ヴェノム・スコーピオン

  • サンダ・スネイク

  • シルバー・ワーム

稀少種編集

  • ブルー・パピリオ

透き通った青い四枚の羽を持つ。モンスターでありながら見惚れる程に美しい。

ドロップアイテムは『ブルー・パピリオの翅』。


  • インファント・ドラゴン

上層に出現するオレンジ色の竜種の稀少種。モンスターの中でも強力な部類に入る竜種である為に、高い戦闘力を誇り、実質的に上層のモンスターの中でも最強の存在となっている。また、インプやオークなどのモンスターを呼び寄せて物量で戦うこともしている。

過去に『ギルド』の受付嬢のエイナ・チュールが初めて担当した冒険者マリス・ハッカードのパーティが遭遇して全滅している。

劇中でも、単体の下級冒険者パーティでは太刀打ち出来ず、その場にいた全下級冒険者が一丸となって戦おうとした程の脅威となっていたが、レアスキルである【英雄願望(アルゴノゥト)】を発動させたベルの【ファイアボルト】の攻撃には耐えられず、一撃で撃破されている。

19巻でも登場し、ドロップアイテムが『学区』の【バルドル・クラス】の課題の一つであり、『第三小隊』が遭遇して交戦するが、連携の無さから苦戦して倒せずにいた。だが、ラピ(変装したベル)の作戦で連携したことで難なく撃破している。

ドロップアイテムは『小竜の牙』。


  • ファイアーバード

中層の19階層に出現する炎の様な紅蓮の羽毛を持つ鳥の姿をした稀少種。名前の通り強力な火炎放射を放つ事が出来、《火精霊の護衣(サラマンダー・ウール)》を身に纏っていない状態で受けてしまうと命に関わる程の危険度を誇る。ただし、戦闘能力自体に関しては、第二級冒険者であっても対処出来るレベルなのだが、出現する19階層が森林地帯となっている為に、一度出現するだけで多くの冒険者が巻き込まれかねない大火災となってしまい、その上の18階層にあるリヴィラにも被害がもたらされる可能性も高くなっている。この為、リヴィラでは発見次第に討伐する事が決まっており、報酬の前払い分として《火精霊の護衣》が無料提供される程。

作中では、ラキア王国との戦争終結後、稀少種でありながら19階層で大量発生する悪夢の様な異常事態(イレギュラー)となり、偶然居合わせたベル達【ヘスティア・ファミリア】の面々も討伐に参加する事になっているのだが、その事が【イケロス・ファミリア】に追われていたウィーネとベルが出会う事にも繋がっている。


中層に出現するラミアに似た竜種の稀少種。上半身は人間の女性の姿をしているが、背中にはドラゴンの様な翼が生えており、下半身はラミアと同じく蛇の様になった風貌をしている。中層では上位に当たる程の強さを持ち、両腕に備わった鋭い爪が武器となっている。

ドロップアイテムは、『ヴィーヴルの涙』と呼ばれる額に埋め込まれた紅石。巨万の富を約束される『幸福の石』とも言われ、『カーバンクルの秘晶』に並ぶ程の高値で取引されており、多くの冒険者が紅石を求めてヴィーヴル討伐を目論んだが、紅石を抜かれるとヴィーヴルは凶暴化して手に負えなくなる為に、相当数の冒険者が犠牲になっている。また、紅石を抜かずに倒すと必ず紅石は砕けるため、手に入れるには必ず凶暴化したヴィーヴルと戦わなければならなくなる。

異端児の一体であるウィーネの種族であり、ベルが最初に出会った異端児である(厳密にいえば二番目)。ただし、普段は見た目は少女で下半身は人間と同じ二足歩行など、一般的なヴィーヴルとは容姿がかなり異なる。ただし、額の『ヴィーヴルの涙』を引き抜かれてしまうと、本来のヴィーヴルの姿になって狂暴化してしまう。


  • ブラッディー・ハイブ

中層の最終階層である24階層『大樹の迷宮』に出没する、松毬(まつかさ)型の蜂巣(コロニー)の形状をしたモンスター。大きさは7M程であるのだが、通常の蜂巣と違ってその色は黒紫に染まっており、醜悪な果実を想起させる外見となっている。

蜂型モンスターであるデッドリー・ホーネットが無数に取りつく形で共生関係にあるトラップ型のモンスターで、普段はデッドリー・ホーネットが通り抜けられる程度の樹洞の内部に潜む形で「擬態」しているのだが、獲物が付近を通りかかった瞬間、樹皮となっている迷宮の壁を吹き飛ばす形で姿を現し、獲物に対する攻撃行動に出る。

本体に殺傷能力のある攻撃手段は持たないものの、粘着性に優れた赤黄色の粘液を放出し、これによって動きを封じた獲物をデッドリー・ホーネット達に攻撃させる。最も厄介と言えるのは、デッドリー・ホーネットの大量生産能力であり、迷宮と直接繋がっているが、その生産速度に関しては迷宮を大きく上回り、まさに「デッドリー・ホーネット達の城塞」と言っても過言ではない。

このモンスターと遭遇してしまうと、大量のデッドリー・ホーネットとの戦闘も避けられない為に逃走も難しく、圧倒的な物量戦を仕掛けられると、中堅どころか上位のファミリアであっても全滅しかねない程の危機に陥る。長期戦になればデッドリー・ホーネットを生産し続けるモンスター側の方が有利になるだけなので、無数に展開されるデッドリー・ホーネットよりもこのモンスターを優先的に撃破する方が、安全策と言える。


  • 苔の巨人(モス・ヒュージ)

中層の最終階層である24階層に出現する苔で覆われた植物の人形の様なモンスター。

モンスターの中でも高い知性を持ち、直接的な戦闘をするよりも擬態や待ち伏せ、逃走といった搦め手を駆使しようとする傾向が強い。全身から植物の種を機関銃の様にあらゆる角度へと放ち、至近距離から撃たれると回避するのは殆ど不可能で、盾等を用いて防ぐしか対処法が無くなる。また、この種の弾丸は獲物に取り付くと蔓が生えて根を張る形で「寄生」。蔓から獲物の栄養を吸収していく形で種は成長し、治療魔法やポーション、解毒薬を用いても無意味な為、寄生された者にとっては命取りとなる。更にこの種は、持ち主が寄生された者の位置も特定させてしまう発信機の様な機能も持ち合わせている。この種の寄生から解放されるには、種を発射した本体を倒すしか方法が無い。

最大の特徴は、身体の一部を切断されたりすると魔石を持たない分身体を生み出すという特異な能力で、戦った冒険者の話では、分身を間違えて倒し本体に逃げられたケースが多いとされている。

作中では強化種として登場。

下記の「苔の巨人(モス・ヒュージ)の強化種」も参照。


  • カーバンクル

26階層に出現する獣種の稀少種。

猫ほどの体軀でフワフワでモフモフの緑玉色(エメラルド)の毛並みを持つ四足獣のモンスター。モンスターの中でも図抜けた『魔力』を持っており、額の秘晶を媒介にして円蓋(ドーム)型の『魔力壁』を操る。その強度は上位魔導士の『結界』と同等以上で、晶黽(ヴァルグ)の大群による毒液の豪雨をも防ぐ。この圧倒的な防御力を誇る『魔力壁』と俊敏な潜在能力(ポテンシャル)に加えて絶対数の少なさから、他のモンスターと比べて撃破数が圧倒的に少ない故に『秘獣』と呼ばれている。

美しい紅の光を放つ額から伸びる一角はそれ自体が宝石であり、『カーバンクルの秘晶』というドロップアイテムとして超超超超高額で取引されている。『ヴィーヴルの涙』に並ぶ非常に高価な物であるらしく、ベル達【ヘスティア・ファミリア】を中心とする遠征隊が下層に向けての初遠征を行った際は、強制任務(ミッション)達成の条件として一つ手に入れる事が提示されていた。

異端児の一体であるカールの種族である。


  • ヴォルティメリア

27階層のみに出現する魚の化石の様な姿をしたモンスターで、冒険者がつけた渾名は『飛行する化石』。水棲種でありながら空中に浮かび身体は黒紫色の石でできている。潜在能力はケルピーと並んで『水の都』トップクラス。


下層に出現する半人半魚の水棲モンスター。くすんだ緑髪に真っ白な眼球と血の気の無い青白い肌を持つ醜悪な外見をしている。

直接的な戦闘能力はほぼ皆無だが、歌声と共に異常効果の中でも特殊となる『魅了(チャーム)』を使用し、歌声に惑わした冒険者を水中に誘い込んだり錯乱させて同士討ちをさせる。精神攻撃の為、『耐異常(アビリティ)』でも防げない厄介さを持つ。ただし、耳を塞ぐか強靭な精神力で自我を保てれば、防ぐ事は可能となっている。また、水生生物型のモンスターの中でも『水の中の鳥』と比喩される程までに泳ぎを得意としており、その水中速度や旋回能力は、ドロップアイテムを目当てに血眼になって探し回る冒険者を容易く翻弄してしまう。

劇中では苔の巨人(モス・ヒュージ)によって27階層にまで落とされたベルの前に2匹が現れ、『魅了』によってベルを惑わそうとしたのだが、スキル【憧憬一途】を持ったベルには効果が無く、状況がよく分からないまま【ファイアボルト】でベルが反撃した結果、怯えて逃げている。

ドロップアイテムは『マーメイドの生き血』。効果は状態異常も疲れも怪我も含めて全回復、ユニコーンの角に並ぶ稀少アイテムとなっている。

異端児の一体であるマリィの種族である。ただし、こちらの方は非常に美しい容姿を持っており、ベルの予想だと泳ぎの水中速度や旋回能力は通常のマーメイドをも上回っているとされている。


下層に出現する10Mほどの細長い長軀の竜種。蒼と白の鱗を持ち、空中を泳ぐように飛んで漂っている。尻尾から魔力が垂れ流しており、それが下層の群晶から発する水晶光を反射してオーロラを発生させているため、「極光竜」という渾名を持つ。

普段は穏やかに飛んでいるが、獲物を見つけると円らで透いた瞳が鋭い真っ赤な攻撃色へと変貌して襲い掛かる。ブルードラゴンが吐くブレスは、毒や麻痺など『状態異常』のかたまりで、水晶を腐食させるほどの『光蝕』の性質も持つ。高度から一方的にブレスを吐くため遠距離攻撃でしか攻撃が届かない上に、ハーピィやセイレーンよりも動きが素早く攻撃を回避されやすい。また、非常に執念深くどこまでも追い掛けて来る上に細い胴体のため狭い道でも入ってくるなど非常に厄介なため、発見されたらこの場で討伐するのが最善とされている。


  • 大蛇の井戸(ワーム・ウェール)

深層の37階層に生息している全高5M、全長10Mという並のドラゴンをも遥かに上回る体躯をした巨大蛇の稀少種。『凶兆(ラムトン)』の異名を持つ。深層より出現する稀少種故に単純な戦闘能力に関しては下層のモンスターの大半はおろか一部の深層のモンスターも上回るLv.4相当の強さを誇る。その巨体そのものが敵を容赦無く押し潰す凶器になると言え、口からは並の生物はおろか希少金属でさえも容赦無く溶解させる強酸性の毒液まで放つ。また、口上の左右に9つずつ備わった孔(ビット)は熱感知の器官となっており、これによって自分よりもはるかに小さい獲物を正確に狙う事が出来る上に、魔石の反応からモンスターを区別し、魔法や魔剣の反応も感知出来るという非情に厄介な物となっている。

しかし、基本戦闘能力以上に恐ろしいのは、深層に出現するモンスターでありながらも、「地中を自由自在に潜航し、これによって階層間を移動して上部の階層に出現する」という習性にあり(分かりやすく言えば、自力で階層越えを行った上での直接攻撃)、稀に下層に現れては上級冒険者の数多くを餌食にしていた。

作中では、稀少種でありながらも【イケロス・ファミリア】が深層で捕獲していた二匹もの個体が登場。異端児を巡る騒動後、第二次クノッソス攻略戦のどさくさに紛れる形で【ルドラ・ファミリア】の元団員で闇派閥に所属していた猫人の調教師であるジュラ・ハルマーが二匹共持ち出し、発見した冒険者達を片っ端から飲み込み、更にはジュラが大量の魔石を摂取させた事で強化種へと至っている。その内の一匹はジュラ本人、もう一匹は彼と結託していた狼人の小悪党であるタークが、闇派閥が開発した調教師専用の特殊な魔道具を用いて使役しており、それ故に通常のセオリーをも無視する形での階層越えを可能としていた。持ち出した後は『水の迷都』の水流の中に隠されていたが、タークの使役する個体は【ヘスティア・ファミリア】を中心とする遠征隊を攻撃するも、猛反撃を受け、アイシャの放った【ヘル・カイオス】に輪切りにされる形で撃破される。ジュラの使役する個体は、復讐の対象であるリュー・リオンと事件の真相に気付いたベルの二人に襲い掛かり、彼女達の連携の前に撃破されるも、この時はまだ完全に死んではおらず、ジャガーノートにあっけなく殺されたジュラが最後に下した命令の影響を受けた結果、二人をも飲み込んで潜航。最終的に内側から必死に抵抗したベルにより倒される末路を迎えたが、深層に向かって潜航していた結果、ベルとリューの二人は深層で地獄を経験する事になった。

ドロップアイテムは『ワーム・ウェールの鋭牙』と『ワーム・ウェールの頭殻』。

元ネタは十中八九『ランプトンの竜物語』に登場するラムトンのワーム(ただし、こちらは竜)だろう。


51階層にある『カドモスの泉』に生息する、竜種のレアモンスター。

力だけなら階層主たるウダイオスより上と称される程の強竜。

ドロップアイテムは『カドモスの皮膜』。


出現する階層は不明。全身の真っ白な身体に蒼い鬣を生やし、額に大きな一本角を生やした馬の姿をしたレアモンスター。

馬に近い姿をしているだけあって、その速力は非常に俊敏であり、額の角で獲物を突き刺したり、後ろ足で思いっきり蹴り飛ばす等、希少種の中でもかなり高い戦闘力を秘めている。

モンスターでありながらも神秘的な美しさと雰囲気を兼ね揃えた奇異な存在で、地上に存在する個体の方は、無暗に危害を加えない限りは比較的大人しいとされている。中にはエルフ達によって育てられた個体もいるらしく、エルフの森で暮らしていた時期のリヴェリアも、ユニコーンと心を通わせ飼っていたとされている。

ドロップアイテムは『ユニコーンの角』。解毒剤の素材として価値を秘めたアイテムの中でも最上位の物となっているらしく、『マーメイドの生き血』に並ぶ希少アイテムとして医療を専門とする【ディアンケヒト・ファミリア】等では高値で取引されている。

異端児の一体であるユーノの種族である。異端児達が地上に進出してしまった際、人間を極力傷付けない為に彼(彼女)は自らの角を切り落としてもらい、それを受け取ったヴェルフは後にその角を加工して生み出した贅沢な逸品であるナイフ「白幻」を生み出した。ユニコーンの角としての効力もそのまま残っており、傷口に刃を突き刺すという荒っぽい方法であるものの、ペルーダの猛毒を受けたベルはこれによって解毒に成功している。


強化種編集

通常のモンスターと異なって、知性を持った武装するモンスター達。

彼等は人間のみだけでなく、同じモンスター達からも文字通り「異端の存在」と認識され命を狙われる身となっており、彼等は迷宮内で生き延びる為にモンスター達と戦い、撃破して入手した魔石を体内に摂取して強化種となっている。


  • 血濡れのトロール

かつて存在していたとされるトロールの強化種。

50人以上の上級冒険者を血祭りに挙げた凶悪なモンスターで、あまりにも手が付けられなかった結果、『ギルド』に泣きつかれたフレイヤからの命令を受けた【フレイヤ・ファミリア】によって討伐される末路を迎えている。Lv.5相当の力だったらしい。


  • 苔の巨人(モス・ヒュージ)の強化種

モス・ヒュージの強化種。魔石を取り込んだ結果、体格がゴーレムの様な大柄となって、全身に木の根が骨格のように張り巡らされており、魔石の取り込みによる細胞の増殖によって、高い再生能力も獲得している。また、天然武器として水晶の鎚矛(メイス)を扱い、迷宮の壁を容易に破壊してしまう程の怪力まで身に着けており、本来の苔の巨人を図鑑で見ていたベルも分からなかった程、外見が変貌している。更に、本来備えていた高い知性に狡猾さまでもが加わり、強化種として多くの魔石を取り込んだ影響なのか、搦め手を駆使して戦う本来の苔の巨人に比べ、非常に好戦的で残忍な性質となっている等、厄介極まりない存在となっている。

迷宮から生まれ落ちたばかりの時は非常に弱い存在であったが、他の個体に比べて知性が高かった結果、同族を囮にしたり分身を生み出す能力を駆使して逃走を繰り返していた。そんな中で同族と諍いになり、死を恐れて必死に噛みついて抵抗した結果、相手の魔石を喰らう形で倒し、強化種への進化を果たしたとされている。その結果、全能感と快感に溺れる様になった事で、魔石の力を求めて自ら「同族殺し」を積極的に繰り返していく事になり、やがて一方的に虐殺した冒険者が魔石を大量に貯めている事実に気付いた結果、同族よりも冒険者を標的として狙うようになっている。

本来は24階層のみに出現するモンスターであったのだが、より上質な魔石を求めて自力で25階層にまで降りて来ており、遠征隊に遭遇する前に、多くの冒険者達が餌食になっている。そんな中で、初の遠征任務に出た【ヘスティア・ファミリア】と【タケミカヅチ・ファミリア】を中心とした遠征隊と遭遇。強大な戦闘力を発揮するだけでなく高度な知性を生かす形で、ヒタチ・千草に植え付けた種子の反応を辿った待ち伏せの奇襲、冒険者の身体に自分の苔を貼り付けて命の【八咫黒烏(やたのくろがらす)】による探知を欺く、最も危険と見なしたベルを遠征隊から引き離す、遠征隊に『怪物進呈』を仕掛けて消耗戦を強いた上で彼等によって撃破されたモンスター達の魔石を摂取し自身の身体を更に強化させる、冒険者から奪った《水精霊の護布(ウンディーネ・クロス)》を纏って火炎の攻撃を軽減するといった、それまでのモンスター達が行使しなかった悪辣な戦略を次々と発揮し、遠征隊の裏を悉く搔いている。

しかし、最後は遠征隊に再び合流したベルの放った必殺技である【聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)】によって上半身を吹き飛ばされる形で撃破された。ちなみに、死に際にもし生まれ変わったら、決して白い『兎』に近寄らないようにすると心に誓っていた。


  • ライガーファングの強化種

ライガーファングの強化種。通常のライガーファングに比べると、総毛は逆立ち病に侵されたかの様に双眼が血走っている等、狂暴化している様子を見せ、スピードや咬合力が増している。

レフィーヤ率いる『学区』の『第七小隊』が15階層での崩落事件に巻き込まれた後、レフィーヤ、ルークの二人と逸れてしまったナノ、コール、ミリーリアの三人が遭遇しており、連戦に次ぐ連戦で疲弊してしまった三人が、「僅かに残った魔物の死骸から魔石の処理を怠ってしまった」のが原因で、それを喰らったライガーファングの一体が強化種と化してしまった。

必死に逃げ回っていた三人の内の一人であるコールに追いつき窮地に陥れるものの、強化種となって間もない事が幸いしてか、ミリーリアによってこめかみに向けて矢を撃ち込まれ、更にそこへナノが杖による強打を行った事により、何とか撃破されている。


極彩色のモンスター編集

『ソード・オラトリア』を中心に登場する闇派閥が戦力として利用しているモンスター。名称通り全身が極彩色になっているのが特徴で、他のモンスターと違って、魔石の色も独特な物となっている。並の迷宮のモンスターを遥かに凌駕する規格外な戦闘力を誇る為、油断していれば第一級冒険者であっても命の危険は免れない。

一方、魔石や魔力を持った者を優先的に狙うという特性も持っており、それ故に人間だけでなくモンスターをも捕食するという凶悪な特性も持つが、それを逆手にとって魔石等を囮にする形で誘き寄せられてしまう事も少なくない。


  • 巨蟲(ヴィルガ)

『ソード・オラトリア』の冒頭で現れた新種で、二本の触手の様な腕を持った芋虫型のモンスター。

動きは鈍重だが、深層種のブラックライノスを容易に捕食してしまう程の巨体さと強さを兼ね揃え、しかも『怪物の宴』並みの大量で行動している等、規格外の特性を持っており、更に口からは【ゴブニュ・ファミリア】がアダマンタイト用いて製作したティオナ・ヒリュテの《大双刃(ウルガ)》を簡単に溶かしてしまう程の強力な溶解液を吐き出す。

体表は柔らかいが、迂闊に刃物等による近接戦闘を仕掛けてしまうと、傷からも溶解液を出し、破裂しても周辺に溶解液を撒き散らす等、逆に致命傷を負わされ兼ねない爆弾みたいな危険性を備えている。この為、上級魔法や魔剣等による遠距離攻撃でしか、安全に倒す事が出来ない。

下層に出現する毒妖蛆と特性がかなり似ている。


巨大な花の様な姿をしたモンスター。

第一級冒険者でも無ければ単独でまともに戦うのは危険な程の戦闘力を備えており、目と鼻の無い頭部に二重に備えられた数本の鋭い牙と歯が主な武器で、猛スピードで獲物に突進して容赦無く嚙み砕く。

また、側面には手の様な2本の触手の様な蔓も備えており、獲物を突き刺す事にも利用している。耐久力に関しても並のモンスターを凌駕しており、近接戦闘を得意とする第一級冒険者で無ければ、打撃で倒すのは不可能で、基本的に剣等による斬撃か口部内に備わった魔石の破壊によって倒すのが有効と言える。

一応、魔法や魔剣で倒すのも可能だが、魔法の場合だと詠唱に時間が掛かってしまう上に、魔石や魔力に引き寄せられてしまう事から、発動前に攻撃を受けてしまう危険性もある。更には、集団で攻撃を仕掛けてくるという非情に厄介な特性も持ち、中堅ファミリアどころか上位ファミリアでさえも全滅に追い込まれる危険性がある。

『ソード・オラトリア』の序盤より登場し、特に迷宮の24階層に存在する食糧庫では、生み出す母体である巨大花がモンスターの食糧源である巨大な石英に寄生していた事で数百単位と言う悪夢の様な規模が生み出され、密集して一体の巨大な食人花となった襲い掛かる行動も見せており、その光景は、熟練の冒険者で構成されたファミリアである【ヘルメス・ファミリア】の面々の心を圧し折る程の脅威となった。


  • 巨大花(ヴィスクム)

食人花の母体かつ上位版と言える植物型のモンスター。

東洋のや巨大な蛇を想起させる巨体を誇り、その巨体その物が凶器となる形で獲物を容赦無く押し潰す。本体の攻撃の手数は少ないが、自らが殆ど無尽蔵に生み出す食人花達を手足の様に利用する為、十分過ぎる脅威である事実に変わりはない。

『ソード・オラトリア』にて、24階層の食糧庫(パントリー)に存在するモンスターの食糧源である巨大な石英に寄生。その恩恵を受ける形で数百単位もの食人花を生み出していた。


  • 巨靫蔓(ヴェネンテス)

人間型の上半身に巨大な一つ目となっているのが特徴の植物型のモンスター。

逆さ吊りになっている形で潜んでおり、直接的な攻撃手段は両腕に1本ずつ付いている巨大な蔓のみであるが、ムチの様に振るうその打撃力は盾で防いでも吹き飛ばされてしまう程の威力を持ち、獲物に絡みついて壁等に叩き付けるといった戦法も可能。また、目の部分からは怪音波を放つ事で獲物の平衡感覚を狂わせて動きを封じる事が可能で、更に潜んでいる場所では床が溶解液で満たされており、巨蟲程の物では無いが、長時間留まっていれば危険は免れない。

18階層の『安全階層(セーフティポイント)』にて、闇派閥が拠点としている人造迷宮クノッソスへの出入り口前と思われる場所の地底で、トラップ的な役割をする形で潜んでいた。そこへ、闇派閥の構成員を偶然目撃し、後を追っていたベルとレフィーヤの二人が落ちてきて、追い詰める事になるのだが、既に犠牲となっていた冒険者達の遺品である武器を使ったベルに反撃を受け、最終的にはベルの【英雄願望】でチャージした【ファイアボルト】とレフィーヤの【アルクス・レイ】の同時攻撃によって倒された。


  • 晶黽(ヴァルグ)

一つ目の蜘蛛の様な外見をした新種のモンスター。

単体での戦闘力は高いとは言えないが、怪物の宴並の集団による襲撃は侮れず、また小型であるが故に、他の大型の極彩色のモンスターと違って狭い通路等でも容易に侵入が可能となっている。また、特殊な紅いクリスタルを持っており、これをアクセサリーに加工して所有している者に対しては、「仲間」と認識して襲い掛からないという特性がある。ちなみに巨蟲(ヴィルガ)と同じような溶解液を放つこともできる。

【ロキ・ファミリア】が闇派閥の潜伏しているクノッソスに初めて侵入した際、ヴァレッタ・グレーデによって分断された各メンバー達にけしかけられる事になり、自爆兵や闇派閥に雇われた【セクメト・ファミリア】の暗殺者達との連携によって追い詰める。しかし、ヴァレッタがフィンにトドメを刺すべく襲撃した際は、ラウル・ノールドの機転により、魔石の粉の混じった粉末を使った結果、「魔石を狙う習性」を逆手に取られてしまい、クリスタルの特性も利かなくなり狂暴化。アナキティ・オータム達が『怪物進呈』で引き連れた大量の個体も含め、粉末をかけられたヴァレッタや暗殺者達に襲い掛かる事態となっている。

侵入者の痕跡を消すように設定(インプット)されており、『異端児からの手紙』ではクノッソスに単独侵入してきたリューが迷わないように壁面に残していた目印を噛り付いて潰していた。



  • 怪人(クリーチャー)

レヴィスエインなどが該当する存在。エインは後天的に怪人となった元人間。

厳密にはモンスターなのかどうかは不明だがモンスター同様、体には核となる魔石が存在し他の魔石を吸収することで成長することが可能。


赤熱の鱗を持つ竜。正邪決戦にて投入されていた個体の一つ。


階層主編集

中層の17階層に出現する巨人の姿をしたモンスター。身長7M。推定能力はLv.4に相当。迷宮の18階層であるリヴィラに辿り着くまでに出現するモンスターの中では間違いなく最強の存在であり、単独や小規模のパーティを組んだ冒険者が戦いを挑むのは自殺行為で、中堅ファミリアであっても犠牲を覚悟で挑まなければならない凶悪さを誇る。

作中では、【ヘスティア・ファミリア】のメンバーを探しに、ヘスティアとヘルメスの二人が禁を破って迷宮に侵入する無謀な行動に出た結果、ヘスティアの神威を受けた迷宮によってインターバルを無視する『異常事態(イレギュラー)』という形でゴライアスの強化版(Lv.5相当の強さ)と言える「漆黒のゴライアス」が生み出される。漆黒のゴライアスは、リヴィラの街を襲撃し壊滅寸前にまで追い込むのだが、街を守るべく立ち上がった冒険者達の猛反撃を受け、最後は【英雄願望】の力を最大限にまで高めたベルの一撃によって倒される末路を迎えた。

ドロップアイテムは『ゴライアスの硬皮』。作中では強化版である漆黒のゴライアスの硬皮を【ヘスティア・ファミリア】のメンバーは入手しており、リリとヴェルフの二人が正式に『改宗(コンバージョン)』した後、これを加工する形で『ゴライアス・ローブ』と『ゴライアス・マフラー』の二つが製作され、ローブはリリ、マフラーはベルが装備する事になり、特にマフラーの方はベルが深層での激戦を生き残る大きな要となっている。


下層の27階層に出現する白亜の竜鱗を全身に纏った双頭の竜の姿をしたモンスター。身長20M。推定能力はLv.5に相当。ゴライアスの2倍以上となるその巨体に任せた高い戦闘力に加え、巨蒼の滝(グレート・フォール)を利用する形で昇って27階層から25階層まで移動が出来る等、機動力も高い。また、体内の竜胆で生成される焼夷体液(ガソリン)と混ぜ合わせる形で放たれる蒼い炎の息吹は白剛石の盾を容赦無く融解させ、水上でも容赦無く燃え上がる程の火力を発揮し魔力ではなく純粋に体内器官から発生させているため魔力暴発(イグニ・ファトゥス)させる事さえ不可能になっている。更には魔法を拡散させ威力を落としてしまう「紅霧」という息吹も吐き出す。これらから、魔導士による遠距離戦は殆ど通用せず、接近戦で無ければ倒す事はほぼ不可能となっている。

過去にアイシャ・ベルカの所属していた【イシュタル・ファミリア】が撃破に成功させているのだが、それは20人以上に及ぶLv.3以上の戦闘娼婦(バーベラ)達との連携、特に第一級冒険者でLv.5のフリュネ・ジャミールの存在がいなければ成り立たなかった事で、中堅ファミリア程度では全滅必須となる程の脅威である。

作中では、異常事態という形で、【ヘスティア・ファミリア】、【タケミカヅチ・ファミリア】、【ミアハ・ファミリア】、【ヘルメス・ファミリア】からアイシャも加わっていた遠征同盟軍の前に現れ、その圧倒的過ぎる力を前に彼等を追い詰めていく。しかも、「この時はワーム・ウェールに飲まれる形で、同盟軍の最大戦力であるベルが消息不明になってしまっていた」という極めて危機的な状況であったのだが、退路を断たれて覚悟を決めた彼等の猛反撃を受け、命の発動させた【フツノミタマ】によって動きを封じられるが、アクア・サーペントやハーピィといった仲間のモンスターを呼び寄せて抵抗。しかし、それでも諦めない彼等の更なる反撃を受け、最後はカシマ・桜花が大戦斧である《皇剛(こうごう)》を用いた必殺技【虎喰】によって片方の首を切断され、更にはサンジョウノ・春姫の【ウチデノコヅチ】による強化を受けたアイシャの放った【ヘル・カイオス】の一撃によって、遂に倒された。この戦いは、ベル不在の状態で塞ぎ込む周囲を立ち直らせたヴェルフの「発破」と、以前に戦ったアイシャの「経験」が無ければ全滅必須の戦いであったと言える。

ドロップアイテムは『アンフィス・バエナの竜胆』。後にこの竜胆の焼夷体液を利用する形で、ヴェルフは完全オリジナルの魔剣である《始高・煌月》を迷宮内で完成させるまでに至った。

かつて、フィルヴィスの身に起きた悲劇である「27階層の悪夢」にて、闇派閥は階層主も『怪物進呈』によって誘き寄せられたという話からも、このモンスターの襲撃も受けていた事がうかがわれる。


深層の37階層に出現する巨大な漆黒の骸骨の様な姿をしたモンスター。身長10M。推定能力はLv.6に相当。深層に出現する上に階層主でもある為に、当然並の冒険者では太刀打ち出来ない。また、地中からは大量の杭を弾丸の様に放ち、更に骸骨兵士のモンスターを大量に生み出して使役する物量攻撃も可能としており、この骸骨兵士もLv.4に相当する戦闘能力を持っている為、たとえ第一級冒険者の所属ファミリアであっても、全滅し兼ねない程の凶悪な存在である。

しかし、第一級冒険者の中でも抜きん出た実力者であるアイズが単独で深層に乗り込んで戦いを挑んだ(リヴェリア・リヨン・アールヴの監督はあったが)結果、撃破する事に成功。それまでLv.5であったアイズは、Lv.6へのランクアップを果たす事に成功した。

ドロップアイテムは『ウダイオスの黒剣』。1対1で戦い抜いた者しか得られないというドロップアイテムの中でも稀少中の稀少で、これを成し遂げたのはアイズとオッタルの二人のみ。


深層の49階層に出現する竜と巨人を合わせたような一つ目のモンスター。

一つ目から強力な紅い閃光を発して敵を消し飛ばすほどの威力を持つ。

ナイツ・オブ・フィアナ」では古代の時代に『単眼の王』の異名を持つ圧倒的な戦力を誇る黒いバロールが登場。



その他編集


三大冒険者依頼のモンスター編集

「陸の王者」と称される巨大なモンスター。【ゼウス・ファミリア】のザルドにとどめを刺されたが、どこかのファミリアが弱体化した個体を復活させてしまった。

「海の覇王」と称されるモンスター。


地上のモンスター編集

三大冒険者依頼のモンスター達が進出する以前に地上を震撼させていた邪竜。現代ではニーズホッグに関する文献が失伝しており、【ギルド】や【ロキ・ファミリア】も詳細を掴めなかったが、ベルはかつて祖父に聞かされていたお伽噺を知っており、六体の大精霊の秘術『精霊の六円環』によって滅ぼされたことが明らかとなる。

『メモリア・フレーゼ』のイベント『剣姫エンゲージ』では、再現されたニーズホッグが登場。そのイベント内の台詞によると、アルゴノゥト達よりもさらに前の時代の化け物であり、当時の英雄達ではついぞ討てなかった英雄殺しとの事。


劇場版『オリオンの矢』に登場。地上で活動する、黒いサソリの姿をしたモンスター。アルテミスを取り込み、神の力を得ており、世界を滅ぼしかねない強力な力を持つ。


  • アイレン

大型級さえ超える体躯に蛞蝓のような腹足を持つ醜悪なモンスター。塊の上にはかろうじで女体とみて取れる部位が乗っているなど、巨人の臓器から産まれたようだと形容される。

本編より古代であるナイツ・オブ・フィアナにも登場しそちらの個体は催眠の叫喚と言う凶悪な能力を有していた。


  • 沼の王

ベルテーンを苦しめていたモンスター。地上のモンスターに関わらず、高い再生力を持ちLv.5の冒険者でも討伐は困難。漫画版によると元はウォーシャドウだったらしい。



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