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エイン(ダンまち)

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えいん

エイン(ダンまち)とは、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア』の登場人物である。

概要

紫紺の外套を身に纏い、両手にメタルグローブをはめて仮面を被った謎の『怪人(クリーチャー)』。

闇派閥(イヴィルス)』の残党に力を貸している『都市の破壊者(エニュオ)』の腹心で、人前に姿を現さない彼の連絡係も務めている。

24階層の食料庫(パントリー)における騒動の調査に来ていたアイズレフィーヤ達の前に、レヴィスとオリヴァス・アクトと共に現れる。レヴィスがアイズに深手を負わされて不利になったことで、宝玉を持って撤退する。

その後は【ロキ・ファミリア】の遠征にて、53階層で『巨蟲(ヴィルガ)』の群れを率いて立ちふさがる。だが、戦いの最中に何かを探して気を取られてしまい、リヴェリアの魔法にやられそうになるが、突然消えたように回避して逃走する。

その後、18階層でレフィーヤとベル・クラネルに見つかった上に極彩色のモンスター『巨靫蔓(ヴェネンテス)』を倒される失態を犯した『闇派閥』の残党を始末している。

【ロキ・ファミリア】が『人造迷宮クノッソス』に初めて侵入した際、罠に掛かって各班が分断された時に、レフィーヤとフィルヴィスに姿を見られてしまい、それに気付かずに迷宮の門まで導いてしまうというミスを犯している。

第一次クノッソス攻略戦では、ディオニュソスが強制送還されたことで【ディオニュソス・ファミリア】の眷族達の『神の恩恵(ファルナ)』が封印されてしまい、自棄になって襲い掛かって来たフィルヴィスを首の骨を折って殺害し、亡骸を無残にも食人花(ヴィオラス)に喰わせたことで、レフィーヤの精神を破綻させて抜け殻状態にさせた。

スキル

  • 人怪融合(モンストルム・ユニオン)

詳細は不明。だが異種混成(ハイブリッド)、超越界律(ネオ・イレギュラー)、神理崩壊(ステイタス・バグ)、穢霊侵食(アニマーイロージョン)と記されているとおり、下界の規則から逸した未知のスキルと想像するしかない。

  • 黒呪汚染(ダークライト)

任意発動。魔力光および、魔力波長変化。魔法に回復効果に対する拒絶性を付与。

魔法

  • エインセル

詠唱式:【終わる幻想、還る魂ーー引き裂けぬ貴方(きずな)

彼女という存在を肯定する分身魔法。

装備

  • 穢れ隠しの天衣

主神が完全主導で作成した法衣。防御力、耐久力は度外視。顔から下の肌の露出が抑えられており、神々に『怪人』の存在を見透かされないよう、怪物素材や魔力偽造など徹底的な細工を施されている。

ネタバレ

以下、外伝12巻に関する重要なネタバレ

第二次クノッソス攻略戦で、立ち直ったレフィーヤとベート達の部隊の前に現れ、『ダイダロス・オーブ』を使って開いた床から自分共々レフィーヤとベートを含む【ロキ・ファミリア】の団員達をクノッソス12階層まで落として部隊を分断する。そして、12階層で対面したレフィーヤからエインに対し、ロキの言葉を受けて今まで無意識に抱いていた『違和感』があり、それを繋ぎ合わせるとある『確信』が出来たことを語られる。

最初の『違和感』は24階層で追跡してくる誰かの気配(魔力)を感じたこと、次に最初のクノッソス戦でエインがタイミングよく姿を見せて出口の門に導いたこと、そして最後にフィルヴィスを殺したのに自分が助かったこと。

そして、その『違和感』を繋げて判明したのは「エインはレフィーヤを守っていた」ことであった。

その言葉にエインやベート達も言葉を失い、さらにレフィーヤはエインに対してある人物の名前を口にする……

「そうなんでしょう――フィルヴィスさん

それを受けてエインは仮面を外した……

「……いつから気付いていた?」

エインの正体は、なんと殺されたはずのフィルヴィス・シャリアであり、第一次クノッソス攻略戦で死んだのは秘匿していた分身魔法で作った分身体であった。

実は、かつての『27階層の悪夢』にて、フィルヴィスは致命傷を負って人としての死を迎えた後に『穢れた精霊』の化身に魔石を埋め込まれ、『怪人』となっていた。

穢れた自分に絶望し、幾度も死のうとしたが、魔石によって死ぬことが出来ず、周りが死んで自分だけが生き残るという『死妖精(ヴァンシー)』の由来のもととなった。

しかし、怪人となったフィルヴィスの存在を知った『都市の破壊者(エニュオ)』ことディオニュソスは、その穢れた姿を受け入れ、それを機にフィルヴィスは彼に崇拝するようになるのだが、分身魔法の副産物なのか、彼女の身体には『本来のフィルヴィス』としての人格と、ディオニュソスを狂信的に崇拝する『怪人のエイン』としての二つの人格が出来てしまっていた。

ちなみに『27階層の悪夢』の時、【ロキ・ファミリア】の団長であるフィン・ディムナは、フィルヴィスの所属していたファミリアが既に迷宮で壊滅したと早々に判断して切り捨てる選択を選んでおり、【ガネーシャ・ファミリア】や【フレイヤ・ファミリア】と共に『闇派閥』の神々や眷族達の討伐を優先している。

エインの正体がフィルヴィスであったことを突き止められると、フィルヴィスは仮面を捨てて正体と分身魔法のことを明かした(53階層でリヴェリアの魔法を回避出来たのも、これのおかげ。ちなみに、探していたのはレフィーヤと思われる)。

今日までにおいて狂気に苦しみながら主命を達成しようと分身を解き、完全体となりレフィーヤ達と最後の戦いに挑む。分身魔法で本来の力を半減していたため、一つになると胸には極彩色の魔石が剥き出しになり、身体から赤と紫の茨のような物で覆われた怪人の姿となり、Lv.6のベートですら一方的に圧倒するほどのLv.7級の力を見せる(本人曰くレヴィスより強い)。だが、今まで親身に接してくれたレフィーヤだけは殺したくないと思っており、分身を目の前で殺して精神崩壊させてまで戦いから離そうとしていた。主命と友を天秤に掛け葛藤して情緒不安定となり、一時レフィーヤにも魔石を埋め込んで一緒に怪人にすればいいのではと、おぞましい考えにまで至っている。

アスフィアイシャリューらの援軍が到着し、さらに春姫の【ウチデノコヅチ】でベートらがランクアップするもそれでも圧倒していたが、突如鳴り響いたベルの【英雄願望(アルゴノゥト)】の大鐘楼の音に動揺し、それとともに瀕死だった彼らが次々と立ち上がり戦いを挑んで来ることに戦慄する。最期はレフィーヤに魔石を砕かれ、消滅する間際に再び分身して片方(エインの人格)はディオニュソスの下へ向かい、ディオニュソスに抱かれながら消滅。もう片方(フィルヴィスの人格)はレフィーヤに抱かれ、感謝の言葉を残して笑顔を浮かべながら消滅し、生涯に幕を閉じた。

その後、彼女の亡骸となった遺灰は、一応は一連の事件の被害者であるが、オラリオ壊滅を目論む手先として動いていた加害者でもあったため、多くの冒険者が眠る『第一墓地』に埋葬するわけにはいかず、エルフの霊峰である『アルヴ山脈』の山頂でレフィーヤによって風に乗せて撒かれて弔われる。

彼女の遺品となった短杖と短剣はレフィーヤに受け継がれるが、彼女の喪失がレフィーヤを自分を見失わせることとなる……。

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