概要
名称はラテン語で「マムシ」を意味する語「ヴィペラ」からの転化。
当初は蛇の胴体とコウモリの翼を持つ爬虫類タイプのドラゴンとして伝承されていた。
最大の特徴は女性しか存在しない事、
宝石(柘榴石やダイヤモンド等)で出来た、取り外し可能な眼球を持っている事。
眼球について、ヴィーヴルは川で水を飲む時、眼球が流されない様に外して地面に置くと言われていた。これを奪えば巨万の富が約束されるが、ヴィーヴルは自分の眼球を奪おうとする者は決して許さなかった為、眼球を奪ったとい
言う伝承は殆ど存在しない。
但し、眼球の強奪方法の伝承は散見されており、それによるとこう言うものらしい。
1:ヴィーブルは水を飲む際に眼球を外す為、そのタイミングを狙って奪う
2:眼球を奪った後、事前に用意した9つの藁山に身を隠す。
3:奪われた眼球を取り戻そうと、死に物狂いになったヴィーブルが藁山を貪る
4:胃袋の許容量を超えてヴィーブルが死亡する
正直、恐ろしく運頼み(藁山に隠れる前に捕まる、藁山に隠れても直後に隠れた藁山から食われる等)過ぎて、机上の空論でしかない。
後世になると伝承が変わり、上半身が女性、下半身が竜(ハーピィの鳥部分をドラゴンに置き換えた感じ)の精霊とされる様になった。
先の伝承では眼窩に存在していた宝石は「額に裂け目があり、そこに柘榴石が埋まっている」と言う形になって残された(額の裂け目は、女性器の隠喩と言う説もある)。
額の柘榴石はヴィーヴルの力の源であり、取り外し可能らしい。
それを手に入れた者は、願いを叶える事が出来ると言う。
亜種
尚、ヴィーヴルに近いドラゴンに「ギーブル」と言う種類がある。此方も(古いタイプのヴィーヴルと同じく)蛇の体にコウモリの翼を持つドラゴンであり、頭に王冠を抱いているのが特徴。有毒の息で草木を枯らし、人間を捕食する凶暴なドラゴンだったが、フランス貴族・ヴィスコンティ家の始祖ウベルティに退治され、それを記念した紋章が作られた(余談だが、イタリア車アルファロメオのエンブレムは、このギーブルの紋章を左右反転させたデザイン)。
一説には男性の全裸を苦手とし、それを見ると悲鳴をあげて逃げると言われる。
関連タグ
ワイバーン:ヴィーヴル伝説がイギリスに伝わって誕生したと言う説がある。