ラスクロ
らすくろ
概要
魔法使いの約束は2人1組のペアであることが多く、ラスティカとクロエも『師弟関係』である事が事前情報で与えられている。
ラスティカの花嫁を探しており、2人で世界中を旅している。
実は称号ペアで賢者が召喚及び、賢者が召喚するまで2人で一緒にいるペアはラスティカとクロエのみである。
その仲の良さは何を言ってもネタバレになってしまう為、ネタバレしたくない人はメインストーリー及びイベントストーリーを読破及び複刻してから記事を読んで欲しい
また、寄り添って生きているように見える二人だが、魔法使いは孤独な生き物という事も理解しており、いつかは別れると明言している事も特徴である。
また注意すべきところだが、花嫁を探していることや、ラスクロが余りにもいちゃつく事からして「ラスティカの花嫁はクロエ」とおそらく大体の人が思う事だが、人によっては地雷ワードになってしまう為注意してほしい。
ラスティカとクロエは『運命』ではあるが、クロエはラスティカの花嫁ではない。その理由は後述するが、口にするときは注意してほしい。
メインストーリー
ラスクロを語る為には外せないエピソードとして名高いのが17章第5話『ラスティカの願い』である。
バルコニーからニコラスが人前で落ち、その犯人として傍にいたオーエンの名前が上がる。証拠は不十分だが、元々魔法使いに畏怖の念を抱いていた人間達にはそれだけで恐ろしいものだと思うのに十分であり、人間達は魔法使いを迫害する。
世界の為に命がけで≪大いなる厄災≫と戦っているのにもかかわらず。
クロエも仲良くなった人間に青い鳥を刺繍したスカーフを渡すが、クロエが魔法使いだったというだけで破いて返されてしまう。酷い言葉と共に。
落ち込んだクロエだったが、ラスティカはクロエの様子に気づき、破いたスカーフを見つける。
涙を流すのを我慢して、人間と仲良くなれると信じていた事をクロエは自嘲する。
クロエを育成していた人ならばこの時点で知っている事だが、クロエは人間の家族にほぼ虐待と言ってもいい状態で育てられた。
その為、嫌われる事にとても敏感であり、同時に人を恨まず、繋がろうとする優しい子である事を知っている。
クロエを育成してから読むとまた更に感情移入できる事だろう。
ラスティカは破れたスカーフに触れて、くれないかと告げる。
クロエはその事を拒否するものの、ラスティカの言葉に慰められる。この一連のシーンが以下である。
「このスカーフを僕にくれないか?」
「……そんないいものじゃないよ。ラスティカは格好良いんだから、もっと、上等なものを身に着けなよ」
「これより上等なスカーフなんてないよ。」
「……そんなことないよ。高級な布地や糸を浸かっているわけじゃないし。」
「だって、これは、世界にひとつだけしかないものじゃないか。きみにしか作れないものなんだよ。」
「…………。」
「ありふれた高級なものよりも、きみにしか作れないものの方が特別だよ。月の石よりも、どんな宝石よりも。
ほら、見て。僕の大好きなクロエ作った、世界にひとつだけのスカーフだ。
僕の好きな青い鳥も刺繍されている。
少し破けているけれど、安心して。
僕には裁縫が得意な友人がいるんだ。
あの子はきっと、上手に直してくれる。
この青い鳥は何度だって、自由に空を羽ばたいていくよ。
そうだろう、クロエ。」
「……っ、……うん……。
縫い直すよ、何度でも……。
……っ、ありがとう、ラスティカ……。」
「僕の方こそ、ありがとう。
泣かないで……。笑って、クロエ。」
「……っ、……うん……。」
「どうか、傷つかないで。
僕らは空に輝く月みたいに、近づいては押しのけられてしまうけど……。」
クロエを育成すると、この時の事がラスティカから語られる。
いつでも悲しい気持ちを隠そうとしてしまうクロエの傍にいて気づいてあげられて良かったと言っているので是非とも読んで欲しい。
ちなみにラスクロに至ってだが、二人が揃うと賢者はいないか、壁になってしまうのでラスティカとクロエの世界観は完成されすぎている。
賢者の存在を無視しているわけでも、ぞんざいに扱っているわけでもなく、二人ともとても大切にしてくれつつ、二人の世界を作るため、賢者の存在はラスクロに不必要なのでは?と想い悩んでしまう恐れがあるが、まぁ、ラスクロなので仕方ない。
二人のイチャイチャを思う存分堪能することにしよう。
泡の街・親愛ストーリー(クロエ)
ラスティカと会うまでと、会ってからのクロエが語られる。
ラスティカに会うまで両親から閉じ込められて育てられ、姉達からいじめられて育ったという事実が判明する。
毎日のように、姉から「不細工、馬鹿、卑怯者、怠け者」と言われ続けた為自分でもそう思っていた。しかし、そんな生活をしていたクロエだったが13歳の時に転機が訪れる。
クロエの実家の仕立て屋に寝癖の気になる素敵な紳士がやってきた。
クロエはその紳士を裁縫部屋から眺めていたのだが、素敵な紳士は急にきょろきょろとしだして、「ここに魔法使いがいるだろう。魔法使いを隠してないかい」とクロエの両親に尋ねた。
両親が止めるのも聞かずに、紳士は迷わず裁縫部屋までつかつかと入ってきた。
これがラスティカとクロエの出会いである。
そして――――――
「こんなに裁縫がうまいなんて、僕の花嫁に違いない」と言ってクロエを鳥にして鳥籠へと入れてしまう。
すぐにラスティカはクロエが人違いだったと気づき、家に帰してあげると言う。
しかし、クロエは咄嗟に「帰りたくない。一緒に連れてって」と告げた。
一見笑い話ではあるが、初めて会って、自分を突然攫った魔法使いにでもいいから縋り付いてしまったクロエの心情を考えると辛い物がある。
クロエの育成ストーリー『泡の街』を先に読んでいると解ることだが、泡の街には人さらいがおり、子供を人身売買するような人間がいる。
また、祝祭では魔法使いを奴隷にするような貴族すらいる。
そんな中、ラスティカという存在に出会えたクロエは本当に幸運だったとも言える。
もしも、クロエが他の人間に縋っていたら、クロエはすでにこの世にいなかったかもしれないし、仕立て屋にいるよりも酷い扱いを受けていたかもしれない。
この事は泡の街第6話でクロエ自身が「あんたに会えて、良かったよ。俺はすごく運がいい子供だったんだ。」と告げている。
クロエは自身の過去を語るとき、痛々しい笑顔を浮かべていた瞳だったが、ラスティカと出会ってからの事は生き生きとした、喜びをきらめかせて語る。
ラスティカと出会ってからクロエは徐々に自分を好きになり、認識が変化していった事が解る。
まだ読んでいない人は是非ともクロエにグラタンを作ってあげて開放してほしい。
ちなみにクロエの魔法具である裁縫箱は家からラスティカが持ってきてくれた事や、クロエのミシンは欲しいと思っていたがすでに売り切れだったのだが、ラスティカが買っており、クロエにプレゼントしたものであること、ラスティカから見てクロエを動物に例えると子犬である事が判明する。
親愛ストーリー(ラスティカ)
花嫁の話をラスティカから聞くが、最後の最後に爆弾が落とされる。
クロエから、花嫁の話を聞いてラスティカが取り乱さなかったか賢者に尋ねる。
クロエは語る。
ラスティカの花嫁はおそらくもう亡くなっていること。彼が探しているのは結ばれなかった思い出の花嫁であること。
本当の事をラスティカのために教えた方がいいと解りながらもラスティカがいなくなってしまいそうで怖くて言えない事。
また、ラスティカがクロエと出会った時に花嫁はクロエではない事が判明している。
この事からラスクロを語る時に安易に「クロエはラスティカの花嫁」と言ってはいけない。
二人は恋人や夫婦に今後なる可能性があるかもしれないが、けしてラスティカの『花嫁』ではないのだ、と理解して貰いたい。
人によってはちゃんと物語を読んでいないのだな、と思われる場合もあるため注意しよう。
ラスティカの花嫁エピソードは非常に謎が多く、「小鳥の姿から鳥籠の外へ出て行ってしまった事」「花嫁の顔も家族の顔も思い出せない」、クロエに会うまでの記憶が朧気(語られない)、時間感覚がガバガバであるといった事が多い。
ラスティカは400歳で、「年齢のせい」と思う人も多いが、ラスティカよりも年上のメンバーの記憶はしっかりしている。
このことから、ラスティカの過去については考察でも主に取り上げられる事が多い。
そもそも、ラスティカの親愛ストーリー自体が他のメンバーの親愛ストーリーとは違っている。
他のメンバーは親愛ストーリーにて匂わされる部分はあるものの、より深く魔法使いを知る内容になっている。
だが、ラスティカに至っては「親愛ストーリーを読む事で更に謎が深まる」構図になっている。
花嫁に関しては親愛ストーリー実装前にはっきりと2D.spoonで楽しみにしてほしいと制作者側が言っていたが、このストーリーの事なのか、今後実装されるストーリーの事なのかは謎である。
楽しみに答え合わせを待つ事にしよう。
また、この物語が読むまでは「どこにいるか解らない花嫁を探すラスティカとクロエ」という師弟関係だったが、実際は「どこにいるのか解らない花嫁を探しているラスティカと、その花嫁がすでに亡くなっている事を知りながらも付き合うクロエ」という構図であることが判明する。
余談だが、ラスティカの一番得意な家事は「愛情と感謝を込めて労うこと」である。
これは家事が苦手なラスティカを見かねて、クロエが「余計なことは、しないで。その代わり、全部終わった後に、感謝と愛情をたっぷり込めて褒めてね」と言った為である。
その為、ラスティカは天使の贈り物を受け取ったように、クロエに感謝と愛情を返しているらしい。