左近の桜
さこんのさくら
左近の桜とは、長野まゆみ作の小説である。
概要
毎回不思議な化生と関わりを持ってしまう桜蔵の日常を書いたファンタジー小説。
著者のデビュー二十年を記念する新シリーズ第一作でもある。
夢と現(うつつ)が交錯する世界を上手く表現している。
角川書店から本作と第2巻である「咲くや、この花」、今年7月には文庫化もしている。
あらすじ
武蔵野にたたずむ隠れ宿「左近」。その長男の桜蔵にはその気もないが、
あやかしの者たちが現れては交わりを求めてくる。そのたびに逃れようとする桜蔵だが…。
登場人物紹介
左近桜蔵(さこんさくら)
本作の主人公。16歳。私立高校生。性格はややぶっきらぼう。
食べ物を崩して再構築する癖がある。ジョギングが毎朝の日課。
毎回あやかしと関わりを持ってしまう。
柾は父親だが庶子。真也(まや)と言う彼女がいる。
左近千菊(さこんちあき)
桜蔵の弟。13歳。桜蔵が通う私立高校の中等部に通う。
彼とは正反対に無邪気で人懐っこい。桜蔵を「蔵兄(くらにぃ)」と呼ぶ。
母や知り合いからは「菊(あ)っちゃん」と呼ばれている。玉子料理と虫が好き。
兄と同じく庶子。
左近葉子(さこんはこ)
桜蔵と千菊の母親。「左近」の女将。柾は夫だが籍は入れていない。
千菊と同様、少しおっとりしている所がある。
柾(まさき)
桜蔵と千菊の父親。開業医。葉子以外に遠子という正妻がいる。
あやかし事に精通している所があり、息子達にソレ関係の話をよく吹き込む。
妻がいるにもかかわらず平気で男を情人にする(桜蔵談)
浜尾一史(はまおかずふみ)
「左近」の常連客。社会心理学者。柾とは学生時代からの付き合い。妻子持ち。
羽ノ浦昆(はのうらこん)
千菊のクラス担任。理系担当。生物部の顧問でもある。
ひょんな事から「左近」に居候する事になるが・・・・