不遇皇子は天才錬金術師
ふぐうおうじはてんさいれんきんじゅつし
🏰概要
「不遇皇子は天才錬金術師~皇帝なんて柄じゃないので弟妹を可愛がりたい~」とは小説家になろうにて連載中の異世界転生ファンタジー小説。作者:うめー
現代の男性が異世界転生、大陸を治める帝国の第一皇子(歳3)として覚醒するが、その皇子は継承権の問題から宮殿の端へと追いやられた存在だったところから始まる。
[[小説家になろう「不遇皇子は天才錬金術師~皇帝なんて柄じゃないので弟妹を可愛がりたい~」> https://ncode.syosetu.com/n1454hs/]
🏰書籍化
『不遇皇子は天才錬金術師1』 TOブックスより発売。
2023年6月10日(土)発売。
また2024年1月24日から
『不遇皇子は天才錬金術師3~皇帝なんて柄じゃないので弟妹を可愛がりたい~』が発売予定。
イラストレーター:かわく
🏰あらすじ
恵まれた生まれながら家族仲のよろしくなかった男が生まれ変わったのは、帝国が大陸全土を掌中に収めた魔法のある異世界。転生して皇帝の長男アーシャになったが、血筋のせいで嫡男ではない。だったらいっそ嫡男の弟に任せつつ、前世ではありえなかった仲良し家族を目指そう。
宮殿の端に追いやられつつ、誰も目を向けずにいる錬金術を趣味にして好き勝手。さらに科学ではありえない知性体を生み出し、セフィラと名付けた。知性体を育てつつ、アーシャはのびのび自由を謳歌……したかったのだが、皇帝長男の動向に貴族たちは疑心暗鬼でちょっかいをかけて来る。子供のふりで逃げたり、時にはやり返したりしながら、アーシャは宮殿の端で忘れ去られた錬金術の可能性を広げていく。
※主人公は皇帝には成り上がりません。弟に譲る気でいます。
※報復はしますが、直接死人が出るような報復はしません。
🏰作品紹介
不遇とは言うものの皇帝の長男として見ればであり、皇子の中身は現代人の大人なため、あまり皇子視点ではおつらい感じではないです。気楽に読めます。
逆に本編5話ごとに差し挟まれている他視点になる閑話ではその異様さも不遇加減も見えやすくなるので、タイトルを裏切ってる感じもないです。読み易い。
🏰登場人物紹介
※帝国では本名とは別の愛称で呼び合う文化なため、そちらで紹介していきます。
🏰第一皇子陣営
第一皇子 アーシャ
本作の主人公。転生者。幼少期は灰色の髪に青の目だったが、歳を得るにつれ銀髪に金の目になっていった。前世は良いところの出だったが家族関係はあまりよろしくなかった一人っ子。そのため家族団欒に人一倍憧れている。
今世は父が低い継承権から成り上がってしまったのもあり、アーシャにもその危惧があるとして皇妃を出した公爵家から警戒されており、中々厳しい立場にある生まれの低い第一皇子である。
目立たず、無害な、弟の邪魔にならない良い兄でいようとしている。
乳母 ハーティ
アーシャの母の妹。つまり叔母。アーシャが3歳の時に20歳。長い紺色の髪の女性。
未亡人で娘が1人いるが、出戻った子爵の実家は既に兄が引き継いでおり援助は貰えなかったため姉と相談、アーシャの乳母についてもらった。
亡き姉の一人息子であるアーシャの現状を口惜しく思うも覆すだけの伝手もない。
獣人の学者 ウェアレル
家庭教師役の魔法使い。エルフと獣人のハーフ。緑色の毛で三角耳と尻尾がある長身の男性。とある学園を好成績で卒業、「緑尾の賢人」と呼ばれていた。元は父の生家の伯爵家の雇われ魔法使いだったが、父が皇帝になる際に第一皇子の家庭教師として雇い直した。
錬金術に興味を持った皇子ためにとその学園の伝手で錬金術の機材を融通してもらった。
退役軍人の獣人 ヘルコフ
アーシャの父ケーテルの従軍時代の友人。見た目は服を着た赤毛の熊。生粋の獣人。嫁と死に別れたことを切っ掛けに退役、ケーテルから頼まれアーシャに付いた。立場は家庭教師でありアーシャの剣術指南。第一皇子の傍にいる大人の中では1番歳上。
剣術指南ではあるがまだ幼いアーシャ殿下には教えれないため、もっぱら力仕事や護衛の役割を一部担う。
帝国が覇権を取って長く、戦争など小規模で少ないが、その中で「血染め」の異名持ち。
一代貴族の狩人 イクト
魔物狩りの腕で叙爵された海人。青みのある肌と珊瑚のような橙色の髪が特徴。ヘルコフから父に紹介があった縁で第一皇子の警護係に任命された。所属は宮中警護なためストラテーグ侯爵が上司。
普段はもの静かでおとなしい物腰。ただ宮中警護に所属したばかりの頃、新参の成り上がり者として虐めの対象となったがその実行犯全員を稽古と称して叩きのめし、ついには宮中警護の座から追い出したという剛腕な実力者でもある。
謎の知性体 セフィラ・セフィロト
アーシャが錬金術における基本、要素を分けるという実験のため空気を分けた先にあった謎のもや。様々な実験的アプローチを仕掛けた結果、急に頭の中に直接話しかけてきた。錬金術の書籍には該当物無し。
密閉したフラスコの中から出られないこの存在は、まずはセフィラと名付けられた。記憶能力が高く、知的好奇心が強い。
1年ほどでフラスコから出れるようになり宮殿内を飛び回っては情報を集めるようになった。会話能力も高くなり、宮中で知った情報をアーシャに教えてくれている。
一部情報処理に難を見た第一皇子が二進法を提案、いくつかの改造を経て電子演算機並みの計算能力を得る。改造の結果、球体が幾つも繋がったような姿になったためこの名前になった。
アーシャに付き従い彼に貢献をすることと、錬金術の発展を望んでいる。
🏰イスカリオン皇帝一家
力無き皇帝 ケーテル
アーシャの父。元は伯爵家三男。先代皇帝の隠し子。黒髪に金の目、アーシャ3歳の時に歳は30程の男性。
自身が皇帝の血筋なのは知っていたものの継承権の低さから皇帝になることはないし周りもそう思っていた。成人して子爵家の令嬢と結婚。アーシャが生まれた。
ところが他の継承権持ちが次々と継承出来なくなり、先代も病床。自分の子どもが継承することにこだわった先代のわがままの末、ケーテルにその席が転がり込んできた。
宮殿での伝手は皇妃の実家の公爵家のみ。生まれの低さもあって王侯貴族社会ではなめられがち。
アーシャへ定期的に会いに来るが、その器用さに騙されアーシャの待遇を何も知らないまま。皇帝としての地盤固めに奔走中。
皇妃 ラミニア
ルカイオス公爵の孫娘。アーシャの一応立場上の継母であり弟たちの実母。しかしアーシャが会ったことはない。
ケーテルとの仲は良好のようだが、アーシャとは会おうとしないし、子どもたちも会わせようとはしない。
第二皇子 テリー
皇帝ケーテルと皇妃ラミニアの第一子。アーシャの弟。皇位継承権第一位。
宮中の庭園にて乳母と護衛から離れて迷子になった際アーシャと偶然出会う。
🏰帝国貴族
皇妃の祖父 ルカイオス公爵
皇帝の最大与党ルカイオス公爵家当主。皇妃ラミニアの祖父。帝国の二大勢力の一。血族には優しいがそれ以外には合理的で冷徹らしい。
アーシャの存在を警戒しており、出来るなら宮殿から排除したい様子。
父の敵対派閥 ユーラシオン公爵
帝国二大勢力の一。アーシャの父ケーテルの出現の結果皇帝の座を逃した、と言える程度に皇位継承権が上の人。皇帝およびルカイオス公爵家の敵対派閥。ケーテルとその子どもたちを消せれば彼に継承の機会が回る。
とはいえ、あまりに強引な方法を取るとそのあと継承した自分に反動が返ってくるため、皇帝の権威や権限を侵さない方法を選ぶ。
アーシャと同い年の自慢の息子がいる。
中立な第3派閥 ストラテーグ侯爵
二大勢力に次ぐ宮中派閥。宮中警護らの上司。ルカイオス公爵派閥ともユーラシオン公爵派閥とも関係があるが、基本的には中立。自家の職分や権利を侵されるのを嫌っていることで有名。
ユーラシオン公爵からの働きかけで第一皇子を探ろうと腹心の部下レーヴァンを差し向けるが、結果アーシャに良いように借りを作らされた。そこから彼とアーシャとの因縁が始まる。
学術国家ルキウサリアの出身。ルキウサリア国王が従兄弟。
無礼な宮中警護 レーヴァン
ストラテーグ侯爵の腹心。表向きはアーシャが第二皇子に出会ってしまった後に付けられた追加の警護。つまり見張り役。ユーラシオン公爵からの依頼で第一皇子に探りを入れるよう頼まれたストラテーグ侯爵からの回し者。
着任当日、勝手に動き指示も聞かないのに加えて無礼な言動を続けたことで第一皇子に遠慮なく嵌められ警護としての責任を問われる事態に。ストラテーグ侯爵が頭を下げることで首の皮一枚が繋がったが警護からは外された。
しかしディオラ姫との文通をするに当たってその配達係をすることになる。無礼な言動は治らなかったが勝手には動かなくなった。
情無き後見人 ニフタス伯爵
皇帝ケーテルと第一皇子アーシャの実家の当主。アーシャの何もしない後見人。
伯爵夫人が産んだ皇帝の血筋ケーテルを実子として育てた人。ただ、情のある振る舞いでは無かった。
ケーテルにアーシャを頼まれ、意外にも任せろと返したが実際には公爵家に忖度、後見人としてやるべき衣服や家庭教師の手配等する事も無く、アーシャにまるで手を出さなかった。
🏰学術国家ルキウサリア王家
第一王女 ディオラ
才媛と名高いルキウサリアの姫君。一家で帝国を訪れた際に庭園でアーシャと出会った。植物の話で意気投合、そのまま庭園をエスコートされた彼女はアーシャに惚れ込み、帝国へ第一皇子との婚約の打診を送る。
婚約は保留になったもののアーシャとの文通を開始、続ける関係。
ストラテーグ侯爵の親類。
🏰各国とその情勢
🏰大陸の覇者 イスカリオン帝国
主人公アーシャの住む物語の舞台。人間、獣人、エルフ、ドワーフ、海人、竜人がそれぞれ国を起こした大陸で覇権を取った。
🔎魔法の常識を覆した人間の国
一種族につき魔法は一種、そのはずだった魔法の常識を覆して、全種の魔法を人間だけが使い、力の引き出し方も体系化した。その戦力差により他国を制圧、戦争を終わらせた。
🔎人種の坩堝にして傘下の国々のまとめ役
宮殿の内部は人間が多いが、別の国の貴族位を持っていたり実はとある王族の血筋だったり政略結婚で繋がっていたりと国家を跨いだ複雑な思惑が飛び交う。帝国傘下の国々では未だに領土の取り合いなどもあり、その上で最大戦力を抱える帝国との付き合いの深さや帝国での扱いがいいと他国への牽制になるため、他国から帝国へ要人が訪れては様々な政略の場になっている。
市井では様々な人種が溢れておりハーフなども見えるようだ。他国家から来た種族は文化の違いで困るため、一度軍属になることで帝国の生活様式を学ぶことがある。そのためか軍には相応に多種族が混ざる。
🔎魔法の隆盛と錬金術の衰退
開拓時代では錬金術が使われており、土地開発や水源確保、土壌改善など幅広く使われていた。しかし戦争での魔法利用とその開発に当たって、恣意的に錬金術を悪様に書かれる論文が多くなり、現在では魔法の劣化技術、手順が多く効果の薄いものと認知されている。過去の記録も伝説のような扱いで眉唾物。また貴族間では金拝主義の技術として忌避されており、市井では錬金術師は話の通じない思想家のような扱いである。
どうやら秘密主義の結果、錬金術師たちが残した書物を読み解けるものが居なくなり、ほとんどの技術が途絶えているらしい。帝国内では未だに錬金術を使った施設が稼働中だが、それらが錬金術を使われてることも知られておらず、もはや整備出来る人材もいないとのこと。
🏰学術国家 ルキウサリア王国
🔎学問を特産とした帝国傘下でも変わり種の国家
ルキウサリアでは他国からの王侯貴族の子弟を受け入れ、知識と教養を育んでもらう学園を経営。その性質上どの国家相手でも中立を保つよう動いている。
🏰暴君統治 ハドリアーヌ王国
🔎当たり屋で国を大きくした、暴君率いる帝国傘下の問題児。
小国に喧嘩を売っては買われた即座に侵攻、準備の出来てない相手国を制圧するという当たり屋のやり方で小国を次々と吸収して国を広げた暴君オクトヴァス国王の国。帝国にも喧嘩を売る厄介者。
現在、国王が病床にあり、次期国王とされる継嗣も身体が弱く、強引なやり方で大きくした国内は問題の種だらけ。将来的な不安が非常に大きい。
🏰海運の強者 トライアン王国
🔎落ち目の独立国
元は海運を牛耳った帝国傘下の国だったが、その優位性を持って独立。しかし、独立後に帝国のインフラを取り上げられた結果、海運に力を注ぎ過ぎて国内が自力で回らない状態だったことが判明。国力を落とし、王侯貴族間での発言権を弱めた。
🏰レクサンデル大公国
帝国内貴族のレクサンデル侯爵が大公となっている国家。