CV:八嶋智人
概要
冲方丁のSF小説『マルドゥック・スクランブル』シリーズの主人公の一人であり、人語を解する金色のネズミ。
『ウフコック』は「煮え切らない卵」の意で、所謂半熟卵のこと。
人物
戦前に宇宙戦略研究所で人工衛星を四基建造・打ち上げることができる程の予算をかけて開発された、様々な武器・道具に変身（ターン）できる金色のネズミ型万能兵器（ユニバーサルウェポン）。人間並みの知能を持ち、人語で会話することができる。
また、体臭で感情を判断するというネズミの習性を応用し、匂いを元に人間の感情を読み取る能力を持たされており、嘘発見器的に相手の内心を測ったり、敵の気配を感じ取ることができる。
好物はピスタチオ。
かつてはディムズデイル・ボイルドのパートナーであり、戦後に創設された人命保護のために禁じられた科学技術を行使する独立法執行機関『マルドゥック・スクランブル-09』にボイルドやドクター・イースターを始めとする仲間達と共に参加、自分達の有用性を証明するためにマルドゥック市で保護証人の生命保全プログラムに従事して、様々な事件を解決していた。
しかし、マルドゥック市におけるオクトーバー一族の権力闘争で引き起こされたネイルズ・ファミリー及びカトル・カールとの抗争の中でチーム09はメンバーの殆どを喪い、さらにこれに関連して発生したある麻薬事件でボイルドがウフコックを「濫用」し、殺戮の限りを尽くしたことで、ウフコックはボイルドと訣別することになった。
法の改正でチーム09消滅後はイースターと共に委任事件担当捜査官のライセンスを取得し、引き続き09法による生命保全プログラムに従事。
そんな中、オクトーバー社と繋がりのあるショーギャンブラー、シェル・セプティノスをマークしていた際に彼が自らの情婦であるルーン・バロットを殺害しようとする現場に出くわし、彼女を救出した。
バロットが保護証人として09法の履行で治療され力を与えられた後は、彼女を守るための銃及び戦闘服となり、共にシェルとオクトーバー社の犯罪を立証すべく、事件を追う。
性格は誠実で思慮深く、他者を思いやる気持ちを忘れない優しさを持つ。だがそれ故に物事を深く真面目に考えこんでしまう癖があり、名前にちなんで「煮え切らない」と揶揄されることもしばしば。
初めて出逢った時は虚無的で心閉ざしていたバロットに対しても優しく接し、これがそれまで心から他人に大切にされたことのなかった彼女の心を癒やすことになった。事件を追う中で時には力を行使することの快楽に呑まれかけたバロットに濫用されることもあったが、彼女の良心を信じて力を持つことに伴うルールと責任を教え、助け合い、やがてお互いにかけがえの無い最高のパートナーとして絆と愛情を育てていく。
変身（ターンオーバー）
肉体が多次元構造になっており、亜空間に貯蔵している物質を使い、様々な武器や道具に変身（ターンオーバー）させることができるウフコックの能力。
予め記憶させておいた物や初見でも構造が単純な物には一瞬で変身できるが、構造が複雑な物や技術的に可能でも未知の領域の物、自動車のようにある程度の大きさがある物などに変身するためには時間がかかる。作り出した物は途中で変形やギミックの追加、デザインの変更もでき、ウフコック自体も自由に出入りすることもできる。
最強の白兵戦兵器を豪語するが、彼自身の意志を無視して適正な範囲を越えて無理やり彼を「濫用」するとセイフティが発動し拒絶反応が発生、彼の心身に多大なダメージを与えてしまうことになる。
肉体が複数の次元に分割されていることでほぼ半不死とも言える頑強さも持ちあわせるが、ネズミは生きている間は永遠に肥大化して質量が増えていくため、時期は不明だがいずれは支えきれなくなった自重に圧し潰されて死んでしまうことが予見されている。ウフコックはこれを自分の寿命として捉えており、この事実を知ったことが彼が道具存在としての自分の存在意義、生きていることの意義を模索するようになった切掛となっている。
ウフコックが変身した銃は内部に彼が入り込んでいる限り、銃弾は無尽蔵に装填されるためリロードする必要が無く、照準補正も行ってくれる。そのため、バロットとコンビを組んだ際は彼女の電子撹拌能力（スナーク）による空間スキャンと合わさることで、百発百中となる。
また、バロットのために彼が変身した戦闘服は見た目こそタイトなボディスーツだが、耐熱耐寒耐圧耐衝撃性能に加え、卵の殻に似たシールドを展開する機能も持つ特別製。当初は黒いウェットスーツのようなデザインだったものの、それに不満だったバロットが後に自分でデザインをアレンジしている。
関連イラスト
