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ナガスクジラ

ながすくじら

クジラ目ヒゲクジラ亜目ナガスクジラ科ナガスクジラ属に属するヒゲクジラの一種。

概要

英名は『Fin Whale』で、別名『レザーバック』だが、こちらはオサガメの英語名とは違って、「剃刀のような背中」を意味するのでスペルも違う。

漢字では『長須鯨』または『長鬚鯨』と表記する。現生動物では近縁種のシロナガスクジラに次ぐ大きさを誇り、体長20-27m、体重30-80t程になる。体はスマートで細長く、体色と背面は濃いグレー、あるいは茶系の黒で腹部は白色。腹部から続く白色の模様が顎の右側まで回り込んでおり、色分けは左右非対称である。プランクトンなどの影響で、身体が茶黄や黄土などになることも。 また鯨髭も右側前方のみ白色部がある。吻端から噴気孔にかけて隆起線が走るが、ごく僅かであるがニタリクジラの様に更に二本の副隆起線を持つものも存在する。背中にも背びれから尾びれにかけて隆起部が存在する。背びれの形態は小さく鎌状。一般には先端が尖るが変異も多く、丸い個体も存在する。


厳密な寿命は不明だが、近年ヨーロッパに座礁した個体は140歳程度あったため、条件さえ揃っていれば更に長生きすると思わしい(基本的に哺乳類は大型であるほど長命である)。


他のナガスクジラ類の例に漏れず、南半球の個体の方が北半球よりも大型であり、近年は少なくとも3亜種に分類されている。ピグミーナガスクジラも新たに発見された(ツノシマクジラがピグミーナガスクジラとされる事もあるが別種)。遺伝子的にはザトウクジラと近縁。


極地などを除く世界中の海に生息するが、熱帯海域では多くは見られない。そのため南半球の個体群と北太平洋、北大西洋の個体群は地理的に隔絶されている。主に外洋性であるとされていたが、深さのある海域では沿岸部に寄る事もあるだけでなく、日常的に大河や運河、水路や海岸線に近寄るケースが報告され始めている。単独または数頭~数十頭の群をつくり、他の鯨種との混合群も良く見られる(故にハイブリッドも生まれる)。他のヒゲクジラと同様に、1年の3分の1の期間のみ、極地で餌を捕食して繁殖のために温帯へ回遊している。


また、ヒゲクジラ類では珍しく、とくに付属海(極め付きは温帯での定住個体群)への定住個体群を形成することで有名であり、コルテス海、地中海(大西洋とは別系統)、カーボ・ベルデ諸島(存在を信じられていなかったが、近年発見された)、日本海(絶滅危惧)、黄海東シナ海(絶滅寸前)、南北海道~三陸沖(絶滅した可能性大)などが知られている。とくに、日本列島の周辺には定住個体群を含めると4~5グループ以上が存在したかもしれないという類を見ない状況だった。瀬戸内海にも昔は回遊していた。


長らく、日本やアジアではウォッチングどころか確認すら難しかったが、最近になって北海道とくに知床網走、次点で釧路沖に再定着が始まっている。現代の本州以南では、仙台湾や対馬、佐渡島、若狭湾などが数は少ないが比較的に良く確認されている(あくまで比較的にだが)。知床と網走では、セミクジラやコククジラ、ザトウクジラなどが激減する江戸から明治時代以前の状況は不明だが、少なくとも昭和まではナガスクジラが(4年で操業断念するほど減ったが)捕殺の主対象だった。


イワシクジラミンククジラなど同じナガスクジラ属に属する種と誤認しやすい。また、稀にシロナガスクジラやザトウクジラとの交雑個体も存在する。

南極海の個体はかつては40万頭生息していたが、他の大型のクジラのように20世紀の近代型捕鯨による乱獲で絶滅の危機に瀕しているとされており、1976年から北太平洋と南半球で、1986年から全世界で捕獲が禁止されている。前述したシロナガスクジラとの交雑個体が調査捕鯨で獲らえられ、その肉が大阪で販売された時にシロナガスクジラの遺伝子が確認されたことで、国際学会が騒然となったこともある。


ザトウクジラ、イワシクジラ、シロナガスクジラ、ミンククジラ、セミクジラなどと一緒にいることがあり、近年でもシロナガスクジラ&ナガスクジラ&イワシクジラが一つのグループを形成しているのが数回確認されている。


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クジラ ナガスクジラ属 シロナガスクジラ ミンククジラ ザトウクジラ

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