ノラ(うちのタマ知りませんか?)
のら
フレンズの中では唯一飼い主がいない野良猫で、空き地に住んでいる男の子。鍵尻尾に左目の周りにあるブチがトレードマーク。一人称は第1期では「オレ」、第2期では「ぼく」。キャラクターカラーは青。
過去に悲しい出来事がある。
クールな性格で、厳しい野良猫の世界で生き残っていたことから人間界の知識にも詳しい。様々な経験も身に着けているため、ネコたちの中では一番頼りにされることも多く、ゴンと並んでフレンズのリーダー的な存在。
とはいえ、ゴンと比べると自分から他人の世話を焼くことはなく、なるだけ自力で解決させるために助言に留めたりなど、参謀的な役を果たすことが多い。
その一方で、大好きで頼れる飼い主がいるフレンズたちとは、どこか距離を感じている節もあるようで、野良である自分と比較して「うらやましい」とつぶやくこともしばしば。
冷静な姿に違わず、感情をむき出しにすることはほとんどなく、腕っぷしの強さにもかかわらずケンカなどは一切好まない。だが、昼寝の途中に起こされるのだけは大嫌いで、とくに負けん気の強いトラにうたた寝を邪魔されて取っ組み合いを始めてしまったときは、他のフレンズが総出で止めようとしても抑えられないほど。
かつて子猫だった頃に、一度だけ飼い猫だった時期がある。
だが、その飼い主の女性は体が弱かったらしく、ノラを飼い始めてから間もなくして病気で弱り始めてしまう。女性はそれでもノラへ愛情を注ぎ続けたが、やがて祭り囃子の聞こえる中、縁側に腰掛けたまま亡くなった。
そのときのノラは、まだ小さかったために人の「死」というものを理解できないためどうすることもできず、生きるためにその場を去って再び野良猫へ戻るしかなかった。
このことはノラの生きる道を大きく決定づけることになり、「弱いものへ手を差し伸べられるやさしさ」がノラを形作る大きなピースの一つとなる。
そして、紆余曲折ありながらも3丁目のフレンズと出会ってからしばらくして、かつてのような祭り囃子の気配を感じさせる真夏の日。寒さに凍える捨てられた子猫を見つける。フレンズが助けを呼んでくるあいだ、珍しく自分から暖める役を買って出るものの、間に合うことはなかった。
このとき、彼はようやく「死」を理解し、飼い主だった女性を想って涙を流すことができた。
この出来事がきっかけになり、それから哀しいものを背負っている相手に、ことさら助力しようとする姿勢が強くなる。
自分と同じように主人を喪い、廃墟となった邸宅へ一緒に住んでくれる猫たちを集めていたオランウータンと出会ったときは、3丁目の居場所をかなぐり捨ててまで寄り添おうとした。