星雲仮面マシンマンは宇宙からやってきた宇宙人の若者が子供たちをいじめる悪に立ち向かうために変身した等身大のヒーローである。
概要
石ノ森章太郎作品の一つ。
1984年1月から9月までの間、日本テレビほかにて放送された。制作は東映。
そもそもの企画経緯はバンダイでマシンロボシリーズの実写化企画から始まる。タカラのTFシリーズに対抗して始まったマシンロボシリーズを実写特撮にするべく企画が進行していたが形にすることができずに企画が頓挫、放送時間枠だけが確保されている状態になってしまい、東映が石ノ森章太郎に企画原作を依頼したことにより誕生した作品である。
タイトルの【マシンマン】のネーミングや、作中登場すスーパーマシンのマシンドルフィンの玩具がロボット形状に変形可能な点などに初期企画のイメージが垣間見える。
当時はスーパー戦隊シリーズや宇宙刑事シリーズなどが好調な状態であり、スポンサーのバンダイは『東映にもう1本、TV特撮を作ってもらいたい』と言う意図があり企画がスタートしたと言う。
コンセプト&余談
スタート経緯こそ混乱したものの、石ノ森章太郎を原作に招聘して再スタートを切ってからは好調な流れとなった。特にスタッフ面では上原正三、高久進と言ったベテラン脚本家や、音楽担当の大野雄二と言った実力派のスタッフが結集しておりそのクオリティは非常に高い。
予算こそ少なかったもののそれを逆手にとって『人間ドラマを中心に据えた等身大のヒーロー』を描くことに成功することになる。
特に『敵を殺さないヒーロー』と言う面が顕著であり、それは当時『必殺技の盲点』とまで言われた、殺さない必殺技『カタルシスウェーブ』にあらわれている。
地球に来た理由が『大学の卒業論文制作のため』であったり、主人公がアイビー星の大学の大学生であったりと意表を突きつつも視聴者をすんなりと納得させてくれる設定の妙もあり、終始高い人気をキープし続けた。
第2クールでは予算面が更に厳しくなり苦戦することになったが、戦う相手をロボットではなく『悪意を持った人間』にすることで人対人のドラマをより掘り下げることに成功する。
名優天本英世がマッドサイエンティスト役で登場することも話題となった。ただ天本は半年後にスペイン旅行に出ることが決まっており、それまでという約束での出演だった。第1クールラストでマシンマンに鉄人モンスを倒された事でプロフェッサーKが失意のままスペインに旅立つと言う流れは、リアルに天本の事情が反映されていた。
悪条件に見舞われる事が多く、特撮が非常に少ない日本テレビの番組であったからか埋もれていた本作品だが、『事件を解決することに主眼をおいた正義の味方』を描くことに成功しており、その良心的な作品姿勢は今なお評価されている。
余談だが、作品の他の世界観と一味違う世界観や主人公である高瀬健の特撮ヒーローとしては珍しい眼鏡(伊達だが)をかけたルックスや当時のシリアス重視のヒーローでは無く普段は二枚目半だが決める時は決めるキャラクターの魅力もあってか、この当時から女性ファンが少なからずいた模様。
自身もウルトラマンシリーズで特撮出演を果たしマイナー特撮好きで知られる上坂すみれもこの作品のファンである事がアニメージュ+のインタビューで明らかになっている。
あらすじ
他の惑星のレポートを書く目的で地球にやってきた宇宙の大学生であるアイビー星人・ニックは、子供たちをいじめる犯罪組織・テンタクルの存在を知り、
彼らの悪行を打ち砕くために正義のヒーロー・マシンマンに変身する。
マシンマン
アイビー星人・ニック(高瀬健)が変身するヒーロー。
未知の惑星の環境や特殊な状況に対応する為の戦士服『ウォーリアスーツ』を纏い、背中には透明のマントがある。
マントは初期に戦闘の邪魔になるのか排された。
このマントはジャンプ時の姿勢制御と空気からエネルギーを吸収する事で多大なエネルギーを消費する必殺技『マシンサンダー』の際に使用する。
そのためか、排された後も初期のバンクを使う形で表れている。
頭部の目の部分とされるところが明らかにおかしな部分にあることで知られる。
走力は時速80キロ。ジャンプ力は60階建ての高層ビルを一っ飛びする程。
ジャンプ力に関しては規格外の一部の例外を除けばトップクラスのスペックを誇っている。
武器・必殺技
- ワープスロットル
健がマシンドルフィンを呼ぶ際に使用する通信機。
スロットルガンと言う光線銃形態に変形し、普通のレーザービームは勿論トラクタービームを発射して敵を持ち上げたり牽引する事も可能。
- イクシードパンチ
ジャンプしながら右ひざを上げて両手を手裏剣を投げるような構えから放つ光線技。
- ファイティングボール
相棒のボールボーイを投げつけて体当たりさせる攻撃。
ボールボーイは『やいやいやい!』と叫びながら敵に体当たりする。
そこから更に追加攻撃を加えようとするが、大抵は自分が叩きつけられて『いてぇ~』と泣き顔になる。
- レーザーサーベル
マシンマンの主要武器。 後述の通り必殺技の際に使用するが、通常戦闘の際もサーベルでの攻撃、柄での打撃、近くの人間をバリアで守りつつ避難させる等様々な用途で使われる。
- マシンサンダー
レーザーサーベルを使った必殺技で、主にアンドロイド兵士に対して使う。
その際ゴーグルの部分から両目が光る。
- カタルシスウェーブ
テンタクルに協力した犯罪者らに対し使う光線で、その前に予め悪人をレーザーサーベルでMの字に斬りつけて気絶させる。カタルシスウェーブを浴びた者は悪の心を善の心に変えられて改心させられる。
関連タグ
佐久田脩:主演
曽我町子:主人公のパートナー、ボールボーイの声担当
仮面ライダーバース:造形繋がり
ウルトラマンコスモス:こちらも敵を浄化した倒す事があるヒーロー、またプロフェッサーK役の天本英世が最後に出演した特撮作品となった。
ひみつ戦隊メタモルV:悪人を改心させる(一部例外あり)必殺技を使う作品繋がり
関連イラスト