プロフィール
生年月日 | 2131年5月7日 |
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年齢 | 15歳(1期)→17歳?(劇場版)→20歳?(2期) |
星座 | 牡牛座 |
血液型 | A型 |
身長 | 172cm |
体重 | 64kg |
好きな物 | 犬、釣り、友達 |
搭乗機 | ノートゥング・モデル「マークフィアー」→エインヘリアル・モデル・マークフィアー改「アバドン」 |
概要
真壁一騎、皆城総士、遠見真矢、羽佐間翔子らの幼馴染にして友人で、穏やかで心優しい少年。
争いを好まない、仲間思いの温和な性格で、気配りが上手く、周囲からも人格者として認識されている。喧嘩の際には仲裁役になることが多く、彼が仲裁するといつも自然に場が収まったとのこと。
特に総士と疎遠になっていた当時の一騎にとっては、総士を除けば最も仲の良い男友達で、本人達同士に自覚は無かったものの、互いに相手が完全に孤立する事を防ぎ合っていた仲だった。
一方でなかなか自己主張が出来ず、嫌なことがあっても誰にも告げずに抱え込んでしまうという損な質でもある。
幼馴染の翔子に想いをよせているが、本人には気付かれていない上に、彼女は一騎に想いを寄せている。
作中では翔子が見つけた子犬のプクを引き取ってショコラに改名し、密かに飼っていた。
実は翔子と同じくアルベリヒド機関の保管遺伝子から生まれた子供で、両親との血縁関係はない。
しかし、育ての親から本当の娘として愛情を受けて育った彼女とは違って、両親からは自分達の地位を向上させる為の「道具」としか認識されておらず、全く愛情を受けずに育った。
その為に、他人から不要だと拒絶される事を恐れており、他人に愛されたいという強い願望を持っている。常に笑顔を絶やさないようにしているのはこのため。
また、フェストゥムとの戦いに不安を感じて一人怯えるなど、繊細な一面も見受けられる。
ちなみに小説版やその設定を取り入れた漫画版によると、両親の何気ない会話から自分が養子である事は翔子同様に察していた。そして彼と仲の良かった一騎も彼の言動からその事を薄々勘付いていた模様。
想い人の翔子に対しては、彼女が一騎に恋をしていると知っており、そのせいで自分の気持ちを告げかねていた。そればかりか基本的にお人好しなので、2人の橋渡し役になろうとしていた。
ところが翔子は一騎のためにマークゼクスで出撃し、フェストゥムもろとも自爆して亡くなってしまう。
この件で彼は一騎を激しく責め、親しかった2人は疎遠となってしまった。
天才症候群としては「絶対的な記憶力」を持ち、例えば本を流し読みするだけで一字一句間違えずに覚える事ができる。
しかし、この能力のせいで他人の些細な言動・悪意なども忘れる事ができず、他人の感情に敏感になってしまい、元来の他人に気を遣う性格もあって人間関係で苦悩していた。
また、劣悪な家庭環境もあって心の底では周囲に対して疑心暗鬼になってしまっている。普段はそのような感情は抑えていたが、翔子の死をきっかけに一騎や総士に対して、その感情を溢れさせる事となる。
初期の頃はあくまで主要人物の中の1人といった程度の立ち位置だったが、物語を経る毎に主人公である一騎、総士の2人に並ぶ主人公級になっていった人物である。
作中での活躍
1期
本編第1話から登場し、同級生たちと共に島の真実を知る。
その後は、パイロット候補としてアルヴィスに出入りするようになるが、技術的に真壁一騎ほどの素養は無い為に、内心では劣等感を抱いたりもしていた。
家庭環境や届かぬ翔子への想いなど苦悩の種は尽きなかったものの、仲間達と共に島の為に働くことを考え始めるようになっていたが、翔子の戦死を境に、一騎や指揮官の皆城総士に対して「戦う術を持っていたのに彼女を見殺しにした」と逆恨みにも近い感情で憤りをぶつけるようになってしまう。
そんな中で一騎のマークエルフを相手にした模擬戦でマークフィアーに初搭乗する。
模擬戦では一騎に完膚無きまでに叩きのめされたが、マークエルフの右足にペイント弾を一発だけ当てていた。
一騎や真矢ほどではないが、彼にも高い素質があった事が窺える。
また、ファフナー搭乗時には、変性意識の影響で普段とは逆に本音が強く前面に出る性格に変わり、特に一騎に対しての辛辣な言動がさらに顕著になった。
そして竜宮島と同様に「アーカディアン・プロジェクト」によって造られた第二アルヴィス「蓬莱島」が発見された際には、その調査の護衛としてマークエルフと共に戦線に投入されるが、マスター型・フェストゥムであるイドゥンが目覚めたことによってフェストゥムが大量発生する。
一騎が敵を引き付ける囮になっている間に、遠見真矢と溝口恭介の乗る脱出艇の回収任務に向かうが、フェストゥムから脱出艇を庇って機体を半同化されてまう。
一騎と共に出撃した際に言った「俺は絶対に、仲間を見捨てるようなことはしないからな」という言葉通り、なんとか脱出艇を渡すものの、マークエルフが掴んだマークフィアーの腕をフェストゥムに切断され、 機体と共に海中に沈む。
直後に駆け付けた要咲良によって、なんとかコックピットブロックのみを摘出され、島に戻るが、中枢神経のみを同化されてしまった事で脳死に近い状態となってしまい、自我を失ったままアルヴィス内の研究施設に保管される事となった。
ちなみに両親の正体は新国連のスパイであり、次の子供を得るために研究施設で眠っていた甲洋を殺そうとしていたが、その時点で自分達の素性がアルヴィス側にバレていた上に真壁史彦から「お前達に人の親になる資格はないッ!」と非難された末に島から追放された。
以降は昏睡状態のままカプセルで眠り続けていたが、やがてフェストゥムの側に存在が寄っていき、とうとう島にコアギュラ型を呼び寄せてしまう。
已む無く凍結封印される事になるが、それを察知した皆城乙姫によって、盆踊りの夜に人知れず解放されて脱け出す。
その後は、心神喪失状態で翔子の面影を追うように、自身に縁のある場所を彷徨っているところを大人達に始末されそうになるも、一騎達によって匿われる。
皆との対話で一時は人間としての自我を取り戻しかけて、咲良や一騎達に感謝の言葉も示したが、やはり完全には元に戻れず、遂に従来のフェストゥムと同様に「あなたはそこにいますか?」という問いかけを、その場に現れた羽佐間家に身を寄せるカノン・メンフィスに対して行って同化しようとしてしまう。
だがその時、翔子の服を着たカノンの姿と「前はいたが、今はもういない」という彼女の回答を受けた事で、「翔子はもういない」という事実を再認識し、その深い喪失感と悲しみによって「個」としての自我を取り戻した。
同時に同化能力を自ら放棄したスレイヴ型・フェストゥムとして覚醒する。
コア型ともまた異なる人間とフェストゥムの中間的な存在となり、翔子を喪った悲しみに改めて一騎達と共に涙を流し、彼らに寄り添われながら再び眠りについた。
この様子を見た真壁史彦は「フェストゥムは泣かない」と、彼がまだ人として存在している事を認めて、フェストゥムとして始末するのを中止する。同時にこれが彼らが目指す「人間とフェストゥムの共存」の新たな一歩になった。
なお、その後は不安定だった彼の形質は安定し、それをモデルケースにすることでファフナーパイロット達の同化や染色体変化の抑制にある程度成功し、なんとか島を守る戦いを継続する事が出来るようになった。
そして、もう1人のマスター型・フェストゥムであるミョルニアが島を訪れた際に、再度覚醒する。
一騎達が離れる間の竜宮島を守る為に、一騎達に別れを告げると、自ら人の姿を捨てて、フェストゥムとしてミョルニアと共に島の防衛にあたった。
フェストゥムとしての彼の姿
そして第一次蒼穹作戦では、イドゥンによって同化され、フェストゥムの「無」に呑み込まれかけていた一騎と総士を救い出し、2人を「存在」へと導いて、マークザインと共に復活させた。
フェストゥムの姿になっても仲間を見捨てないという彼の思いは変わらなかったのである。
劇場版『HEAVEN AND EARTH』
物語中盤で、大量のフェストゥムにおされて竜宮島のファフナー部隊が全滅の危機に瀕した時に、自身をマークフィアーのコアとする事で、機体を再構築して海中から帰還する。
敵に同化されかけていた暉と咲良の窮地を救った。
彼自身はコアのみの存在となっている為、人間の姿は登場しないし台詞もないが、機体から春日井甲洋の名前で島にコンタクトをするなど、確かにそこに彼の意思は存在していた。
その為、竜宮島の誰もが彼の事をフェストゥムやただの機体としては扱わず、あくまでかつての彼の名とコールサインで呼び続けていた。
戦闘ではようやく本編で初めてメデューサを装備して出撃する。
第二次蒼穹作戦では来主操のマークニヒトを食い止めるべく組み付いて同化を図るが、機体をワームスフィアによってバラバラにされてしまい退場した。コアはワームスフィアに飲まれる寸前に空間転移で脱出している。
しかし、彼の同化によるダメージのおかげで、ニヒトに同化されていた一騎とザインは解放され、戦況を一気に好転させる結果となった。
ちなみにニヒトに対して同化能力を使った事からも分かる通り、同化能力を取り戻しており、少なくともこの時点でもう1期の頃のスレイブ型ではなくなっていた模様。
『EXODUS』
第2クールEDでマークフィアーのエインヘリアル・モデルが登場し、彼の帰還が示唆されていた。
第三次蒼穹作戦において、敵のコアの抽出を行っていた鏑木彗の搭乗するマークゼクス改「アマテラス」にアザゼル型・ウォーカーが襲いかかり、アマテラスは同化されていく。
御門零央、立上芹の救援も届かず、最早これまでかと思われたその時、海中から一つの影が、さらにウルドの泉に一つのコアが出現する。
海中の影は空間転移してきたコアによってファフナーとなり、手にしたアマテラスのガンドレイクからワームウェッジを発射し、ウォーカーからアマテラスを引き剥がした。
仲間達の前に現れたその姿は、紛れも無い「マークフィアー」そのものだった。
そして…そのコックピットに、「彼」はいた。
「確かに助けたぞ…一騎。」
かつての想い人の機体を遂に助け、三度、春日井甲洋は島への帰還を果たしたのである。
当初の未来では甲洋は帰還しなかったらしいが、カノンがSDPで未来を掴みとった為に戻ってこれた。
奇しくも三度とも蒼穹作戦時に帰還し、また翔子とカノンの羽佐間姉妹に導かれたことになる。
今回は人間としての肉体も再構成されており、一騎達同期と同様に成長した姿となっている。
甲洋としての人格や記憶も完全に戻っているが、2016年2月号のオトメディアによると、感情はまだ取り戻す過程にある。
その為か、当初は感情表現が乏しく口数も少なく、操に対して心を読んで会話をしようとするなどフェストゥム的な行動もしていたが、次第に顔をしかめる等の表情が増えていき、口数も増えていく。
また、戦闘後にワープで突如現れるなどの行動で、島のメカニック達を動揺させたが、仲間達に匿われた時以来の再会となったショコラが変わらず彼に懐く姿に、間違いなく甲洋本人が戻ったと安堵された。
そして同期達と共に島で正式に成人式も迎えている。
島と仲間達を守る為に戦線に加わり、新たに得たSDP(超次元現象)の力もあって戦闘でも主力の一角を担う。
その後は総士とも再会し、改めて島の防衛を任された。
なお、2代目の来主操には、過去の因縁から自宅の楽園で「君はあまり好きじゃない。他の場所へ行きなよ」と言われて、お返しに彼の苦手な犬のショコラをけしかける一幕もあった。
しかし、戦闘では操とコンビを組んで戦うような形になっていき、はしゃぎやすい彼のフォローをしたり、たしなめたりする場面も見せている。
第四次蒼穹作戦では、一騎や総士と共に最前線でアザゼル型や新たなザルヴァートル・モデルのマークレゾンと戦う。
そして、プロメテウスの少年によって、再び「無」に飲まれた一騎を操と共に「存在」へと再び連れ戻し、逆に「存在と無の地平線」を超える総士を彼らと共に見送った。
戦闘終了後は現実世界に帰還し、一騎や操と共にニヒトのコックピットの中にいた転生した総士と対面する。
公式サイトには融合独立個体と記載されており、コア型に近い存在になっているようである。
彼の発現したSDP(超次元現象)は「毒」。ワームスフィア系の攻撃を自在に変形させ、それにフェストゥムを弱らせる毒性を付加する事ができる。
これにより、並みのフェストゥムならば当たりさえすれば勝手に倒れていき、アザゼル型ですらかなり消耗させる事ができるという非常に強力な能力である。
THE BEYOND
人とフェストゥムの狭間にいる存在・エレメントのひとり。マークフィアー改 《アバドン》に搭乗し、戦い続けると存在そのものがあらゆる生命にとっての毒となるため、それを和らげる眠りを必要とする。全てが終わった後、一騎とともに世界を見る為に竜宮島を離れる。
搭乗機
ファフナー・ノートゥング・モデル「マークフィアー」
甲洋の搭乗機で、中距離支援型の4番機。近藤剣司の搭乗する8番機のマークアハトは同型機である。
肩にハードポイントが増設され、より複数の武器を装備する事が可能。TV版OPでは大型のレーザー砲「メデューサ」を搭載しているシーンがあるが、1期本編ではハードポイントやメデューサが使用される事はなかった。
序盤で海中に没した後に、新国連に回収され、コアはザルヴァートル・モデルのマークニヒトに移植された。
劇場版では、ボディを再構成すると共に甲洋自身のコアを機体のコアに代用する形で登場する。なので外観こそ同じだが以前とはまた別の機体である。
武装としてはTV版本編では使われなかったメデューサをフル活用している。
フェストゥムの大群を相手に最前線で戦い、仲間達を助け、最終的にマークニヒトとの戦いでニヒトを同化能力で追い詰めるもワームスフィアーの乱射攻撃を受け、ほぼ完全消滅する。
しかし、コアは直前に空間転移で脱出していた。
EXODUSでは、またしてもボディを再構成して再登場する。
初登場時にアマテラスのガンドレイクを拝借し、甲洋自身の覚醒したSDPである「毒」の効果を付与した変形ワームソードを刀身に纏わせて斬撃や射撃を放っている。
SDPの効果もあってその戦闘力は凄まじく、アザゼル型のウォーカーを単独で足止め・撃退した他、大量のフェストゥムを一撃で薙ぎ払ったり、ニヒトが苦戦していたアザゼル型クロウラーを圧倒して総士を助けている。
また、単独での飛行(というより浮遊)能力も得ており、空中戦も可能。これはフェストゥム達の浮遊能力と同じ力である。
ファフナー・エインヘリアル・モデル・マークフィアー改「アバドン」
第四次蒼穹作戦に向けマークフィアーを竜宮島の最新モデルであるエインヘリアル・モデルへと改修した姿。
他の機体同様にカノン式アクセラレーターの追加などを行っており、SDPの効力と同化抑制が強まっている。ガンドレイクが標準装備となっており、一応は中距離支援型であることは変わっていないのだが、ガンドレイクにワームソードを展開しての近接戦闘やメデューサからのワームスフィア砲撃などをメインに前衛で戦う。
その戦闘力はさらに向上しており、作中では人類軍が「悪魔」と呼んで恐れていたディアブロ型を難なくあしらって倒したり、総士や操とクロウラーを反撃すらさせずほぼ一方的に倒したり、ザインとニヒトが力を合わせなければ破壊できなかったレゾンのシールドを、ワームと「毒」で浸食したり(レゾンの反撃で妨害されたが)等、事実上ザルヴァートル・モデルに匹敵する程の力を発揮している。
小説
小説版によると、相手に好ましさを感じさせる顔立ちや表情、同学年の男子で1番の成績を誇る頭脳(実はノーベル賞級)、しかも気遣いのできる性格から学校中の女生徒の人気を博し、またそれを鼻に掛けない嫌みのない人柄故に、男子の友達も多い。
多くの女子から幾度も告白されているが、翔子に想いを寄せているため、すべて断っていた。
更に親友にして幼馴染という一騎との関係が掘り下げられており、昔、真壁父子が甲洋の実家である喫茶「楽園」に食事に来ていた事がきっかけで2人は出会って仲良くなった。また、内心では一騎をずっと羨んでいた事も打ち明けている。
そして翔子がパイロットとして選出されると、彼女とツインドッグを組む一騎に「俺には無理でも、お前なら、守ってやれる」と託していた。
以上の経緯から一騎との確執はより深刻になっており、翔子の死後に自身もパイロットとなった甲洋はかつての優しさを捨て、同化された味方を容赦なく始末する、原作にはない「味方殺し」の異名を持つようになった。
月刊シリウスで掲載されていた漫画版では、これらの小説版の背景設定を取り入れながらも基本的には原作アニメのキャラクター通りに描かれている。
余談
名字の由来は、人や物を「繋ぎとめる」事を意味する「鎹(かすがい)」から。
小説版の女子にモテるという描写は特に原作のアニメ本編にはないのだが、アニメ1期でも「竜宮島バレンタイン・チャンピオン」だった事が、2019年のバレンタインデーにて判明した。
ファンの間ではその仲間を絶対に助けるという姿勢から「仲間絶対助けるマン」や「甲洋マン」という愛称で呼ばれる事もある。