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カスタム・チャイルド-罪と罰-の編集履歴

2014-03-16 18:05:03 バージョン

カスタム・チャイルド-罪と罰-

かすたむちゃいるどつみとばつ

メディアワークス文庫刊行のライトノベル。作者は壁井ユカコ。

概要

壁井ユカコ作のライトノベル。2009年12月25日にメディアワークス文庫から刊行された。

電撃文庫刊行の『カスタム・チャイルド』と同一世界観の作品。ストーリー自体は前作と繋がりは無く単作として読めるが、『カスタム・チャイルド』に出る舞台(ハンダ通り、〈閂亭〉等)やキャラクターが登場している。

前作のボーイミーツガールの作風とは一線を異にしており、遺伝子工学によって生まれた負の側面を強調したディストピア色が強い小説になっている。


ストーリー

至高の外見を持ちながら四歳で母親に遺棄された春野。ジーンプア(遺伝子貧乏)として差別される人生を送ってきた清田。父が偏愛するキャラクターの実体化として生まれた冬上。

遺伝子工学の最高権威への近道になるSスクール入学を目指す予備校で出会った三人の、歪んだ青春劇。


世界観

1970年代に遺伝子学と技術が異常発展し、生まれる子供の遺伝子を自由に操作できる遺伝子産業革命が起こったその後の仮想現代。

出生前の子供の性別や髪や瞳の色といった容姿、性格の傾向を自由に選ぶことができる生殖ビジネスが台頭し、生まれた子供はトランスジェニック・チャイルドと呼ばれている。新企業として急激な成長を遂げている半面、子供の親からは「会社で見たカタログと子供が違う性格/容姿だ」とクレームを付けられることもあり、会社によっては“返品”された子供が育てられる施設がある。

またトランスジェニック・チャイルドとして生まれていない少数派の人間はジーン・プア(遺伝子貧乏)と呼ばれ、先天的遺伝子異常者とはまた異なる、公然とした差別がまかり通っている。


登場人物

主人公

春野 倫太郎(はるの りんたろう)

16歳。金髪にアッシュグリーンの瞳を持つカタログ・トランスジェニック・チャイルド。

動き方や言葉遣いが何もかも軽く、飄々とした性格で本心を見せない腹黒。何事にも真っ直ぐな清田を鬱陶しがって日々悪口を言い合っているが、心の底では清田の綺麗な性分を眩しいと思っている。

一般的なトランスジェニック・チャイルドよりも優れた美貌を持ちながら、四歳で母親にトランクに詰められて“返品”された過去を持つ。境遇を見かねて引き取った知佳には性格と教育方針もあってか頭が上がらない。


清田 寿人(きよた ひさひと)

16歳。親の意向でジーン・プアとして生まれた、今では珍しい日本人らしい日本人。

ジーン・プアと差別してくる人間にも真っ向から挑み、気が強くて若干短気な性格。両親の教育の反動でトランスジェニックを憎んでいるが、反面に容姿・頭脳・運動能力が何もかも上回る彼らに強いコンプレックスと羨望を抱いている。

春野とは第一印象から犬猿の仲で会うたび喧嘩していたが、次第に気心が知れた友人だと認める。レイに好意を寄せている。


冬上 レイ(ふゆがみ-)

16歳。先天的なアルビノとしてカスタマイズされた、オーダーメイドのトランスジェニック・チャイルド。

父親が溺愛する某キャラクターと瓜二つの容姿で生まれ、そのキャラクターの分身となるよう徹底的に躾けられている。その影響で歳を取るという自然の摂理に怯えており、父のためなら何を犠牲にしてもいいという歪んだ価値観(春野曰く「奴隷根性」)を持っている。

何事にも無反応で淡白。存在感が極端に薄く、常に眼帯や包帯をしている。


主人公達の関係者

春野 知佳(はるの ちか)

36歳。ダーウィンズ・ヒルで働く派遣社員。

吉一に返品された四歳の春野を勢いで引き取り、独り身で子育て経験が無いながらも養母として春野を育てていく。

何事にも豪胆で男勝り。教育に関しては若干放任だが、春野は自分の宝物であると大切に思っている。


牧原(まきはら)

47歳。ダーウィンズ・ヒルの社員。

春野や知佳からは「部長」(以前は「主任」)と呼ばれており、春野からは密かに理想の中年だと尊敬されている。春野を引き取った知佳に好意を抱いてプロポーズするが、春野が成人するまで待てと言われてしまい十年以上片思い中。


清田の父

反トランスジェニック派の宗教に属していた。小さなタイル工場の社長。

学が無いためトランスジェニックに対して強い偏見を抱いている。清田の母が亡くなってからは酒に溺れるようになった。


冬上 ヒデミ(ふゆがみ-)

41歳。レイの父親。

太った外見、粘つくような言動、小物染みた人への対応と何もかもが醜悪な人間で、春野と清田からは良く思われていない。レイを自分が望むキャラクターへと近付けさせるために虐待同然の教育を行ってきた。


吉一 あきこ(よしかず-)

春野の実母。四歳の春野を正規の手続きを行わずに“返品”してきたクレーマー。

自分がカスタムしたトランスジェニック・チャイルドは全て自分の理想通りに成長すると妄信しており、子供の失敗には過敏に反応してヒステリックな躾を強いていた。


吉一 るうたろう(よしかず-)

15歳。あきこの息子で春野の実弟。

春野とそっくりな外見を持ち、無自覚に人をイラつかせる性格をしている。春野については両親から「神隠しに遭った」と教えられて再会を願っていたが……。


ネジ

スラム街で権力を持つ一人。常人の何倍もの速さで老化する病を持つ先天的遺伝子異常者。

遺伝子異常と引き換えにずば抜けた頭脳を持ち、スラムに居る遺伝子中毒者などを相手に商売を行っている。ダーウィンズ・ヒル及びトランスジェニック・チャイルドの暗部を把握している。


関連タグ

壁井ユカコ メディアワークス文庫 ライトノベル

ディストピア

カスタム・チャイルド


外部リンク

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