解説
時雨沢恵一とは電撃文庫で活躍する作家である。1972年生まれの神奈川県出身。
代表作はキノの旅。
「時雨沢恵一」はペンネームで、「時雨沢(しぐさわ)」は銃器ブランド「SIG SAUER(シグ・ザウアー[1])」から、「恵一」はとある漫画のキャラクター名の漢字違い。
2000年、第6回電撃ゲーム小説大賞(現・電撃小説大賞)で『キノの旅』が最終候補作品に選出される。受賞は逃したものの、同年3月にメディアワークスのライトノベル誌『電撃hp』(現在は休刊して『電撃文庫MAGAZINE』に移行)に掲載され、小説家デビューを果たす。その後「キノの旅」の人気が出てシリーズ化、電撃文庫を代表する看板作家に。2006年からは電撃小説大賞の審査員を務めている。
バイク好き・ガンマニア・軍事マニア。アメリカ留学経験もあり、拳銃を実際に所有していた。カラオケで歌うのはアニメソング中心というほどのアニメや漫画、ゲーム好きで、本人曰く、「最も長い趣味」
本人曰く、「"〆切"なんてこの世からなくなってしまえば良い」と思っている。
デビュー作や雑誌に掲載する短編では現代社会を風刺するかのような寓話的な作品を多く発表する一方、少年と少女の飛行機物語といった古典的な冒険ものも得意とする。時雨沢曰く、「読者層は小学生から高校生辺りが主である為、難しい表現はなるべく避けている」という。
執筆した作品について、3部作形式(もしくは「3の倍数」)で括るというこだわりを持っている。
また、自身の作品の銃器が出てくるシーンのイラストでは、自身が実弾入りの拳銃を暴発させてしまった経験から、発砲するシーンをのぞいて引き金に手をかけた絵を描かないように要望・指導している(これは自身の作品のアニメでも同じ)。
毎回あとがきに凝りまくることであとがき作家としても有名である。
サイン会でファンから一番多く言われたことは「あとがき頑張ってください」だったほど。
そのあとがきはまさに神出鬼没。文庫本という限られた体裁の中で、限りないあとがきのバリエーションを生み出している。もし一見普通のあとがきが最後についているように見えても決して油断してはならない。
(事例)
- あとがきなのに本の最初や中盤に記載されている
- あとがきが複数ある
- 表紙の裏に記載されている
- 全部ひらがな
- 別な作家の作品のあとがきを書いちゃた
- あとがきをスゴロクにしてみた
なおあとがきから先に読む読者のために、あとがきには一切ネタバレを書かないことを信条とする。
おそらく後書きをボツにされた経験を持つ唯一の作家。あとがきのアニメ化を目論む作家もこの人ぐらいであろう。
『電撃hp』における誤植によって生まれた「雨沢恵一」(本人曰くツンデレ美少女)
時雨沢恵一とはまったくの赤の他人。現在は主に『学園キノ』のあとがきに登場し、時雨沢恵一に冷たくツッコミをいれることが多い。
「あとがき頑張って下さい。」
主な作品
電撃文庫
メディアワークス文庫
- お茶が運ばれてくるまでに~A Book At Cafe~
- 夜が運ばれてくるまでに~A Book in A Bed~
- 答えが運ばれてくるまでに~A Book without Answers~