概要
作者は迷い猫オーバーラン!でデビューした松智洋。イラストはなかじまゆか(Pixiv)。
2012年1月から3月までテレビアニメがTOKYOMX、テレビ埼玉、千葉テレビ、テレビ神奈川、AT-XおよびBS11などで放送された。feel.がアニメーション制作を手掛けている。
当初のキャッチコピーは「普通の大学生が、いきなり血のつながらない3姉妹を引き取ることに!?ハイテンション同居系アットホームラブコメ!!6歳差の恋は、実る以前に始まるのか!?」。
ごく普通の大学1年生である主人公の瀬川祐太がいきなり6畳一間で姉の娘達3人(空・美羽・ひな)との生活を強いられ、アクの強い路上観察研究会のメンバーに振り回されるなど様々な難題に立ち向かい、3人を見守っていく物語として描かれている。
版元の集英社は2014年9月刊行分をもってスーパーダッシュ文庫を事実上廃止、それに伴い続行予定だった作品に関しては、基本的には事実上の後継レーベル・ダッシュエックス文庫に移行させたものの、本作に関してはすでに完結スケジュールが決まっていたことや、作者の松がダッシュエックス文庫で新規シリーズ「はてなイリュージョン!」を立ち上げることになった(しかも創刊ラインナップのひとつでもあった)事もあってか、あえてスーパーダッシュ文庫から刊行させた。そして、2015年3月にリリースされた本作の最終巻限りで、スーパーダッシュ文庫は消滅した。
小説以外にもジャンプスクエア・週刊ヤングジャンプ他、集英社各誌に漫画化連載、(先述の)テレビアニメ放送、WEBラジオ、スマートフォン用アプリ、PSP用ゲーム、カードゲームなど多岐にわたっている。
あらすじ
*****「ある日突然、可愛い三姉妹と一緒に暮すことになったら?」*****
主人公の瀬川祐太は、この春から大学生。
幼い頃に両親を亡くし、姉と二人で生きてきた――
ということ以外は、なんの変哲もない、ごくごく平凡な青年だ。
新生活。憧れの一人暮らし。
入学早々に友人もでき、憧れの先輩なんかもいたりして
これから始まる大学生活に期待を膨らませている。
だが、そんな平凡を絵に描いたような祐太の生活は、夏休みを境に一変する。
ある日、姉夫婦が搭乗した飛行機が行方不明となり、3姉妹を誰かが引き取らなくてはいけない。
「離れたくない」
そんな3姉妹の想いを叶えるため、祐太は3人の娘を引き取ることに。
愛と感動のドタバタアットホームラブコメで、真冬に最高のハートウォーミングをお届けします!!
※公式サイトより抜粋+一部要約。
登場人物
瀬川家
本作の主人公。大学の新1年生。
小学生の頃に両親を亡くし、以後は姉の祐理に育てられたため、シスコンの気がある。
性格は温厚。ただ、姉に関わることとなるとつい無茶をすることも多い。
こうと決めたら絶対に曲げない頑固さは姉とそっくりだったりするので、芯は強い。
外面だけでなく、きちんと人を見る目を持った女性には、異性として慕われている。
#外面で選ぶ女性は、仁村に行く。
旧姓:瀬川祐理。祐太の姉で、空、美羽の継母。ひなの実母。
高校生の頃から、たったひとりで祐太の面倒を見てきたパワフルな人。
結婚して、可愛い3人の娘も出来て(仲も良かった)幸せに暮らしていたが……。
祐太と祐理の伯母(父親の姉)。小柄ではあるが背筋の伸びた立ち振る舞いの未亡人。
三姉妹にとっては大伯母にあたり、彼女たちからは「よし子おばさん」と呼ばれている。
息子と娘がいるが、どちらもすでに自立して働いており、現在は一人暮らし。
厳しくも優しい、祐太や三姉妹が頼れる保護者の立場である。
真面目かつ腕利きの保険外交員らしく、祐太が三姉妹を引き取ってからは家計や家族扶養上の手続き、
食事や掃除などの家庭生活で祐太たちに忠言(お小言ともいう)をすることもしばしば。
犬が大の苦手で、ジュウベエに擦り寄られたときはコチコチに硬直することも。
ただ、苦手ではあっても嫌ったりはしておらず、何とか近づけるよう努力したり、
高齢であるジュウベエの健康を気遣ったりもしている。
また、家族に見せるそうした姿の裏返しというか、負けず嫌いなところも持ち合わせている。
三姉妹と栞に、バレンタインチョコの作り方を教えていたこともあったが、その際は
教えを請われてから手ほどきに入るまでの間に、教本と練習用チョコを買い込んで予習してから
望むという気合の入れようだった。
小鳥遊家
小鳥遊家長女。14歳の中学2年生(物語開始時点)。
小鳥遊信吾(父)と前々妻・渚の間にできた子どもで、美羽、ひなとは母親が違う。
成績優秀で部活動にも積極的に取り組んでいた。
真面目すぎるくらいに真面目で努力家。
祐太とは、叔父と姪の関係に当たるが血の繋がりはない。
祐太に対しても最初は警戒心もあらわに接しているように見えるが
初めて出会った時にあった小さな小さな事件がきっかけで
本当は祐太に憧れている。
小鳥遊家次女。10歳の小学生(物語開始時点)。
街を歩けば必ずと言っていいほどスカウトに声をかけられるアイドル系の可憐な美少女。
おませで賢く、自分が可愛いことをきちんと理解しており、それを武器にする術も心得ている。
4巻において、実の母であるサーシャと再会した。
この際に、空、ひなとは両親共に異なることが判明した。
このため、祐太だけではなく、空やひなとも血の繋がりはない。
が、家族の絆は、今まで過ごしてきた中で強く結ばれている。
4巻ラストで、姉の空に対して『ライバル宣言』をした。
小鳥遊家三女。無垢で無邪気な三歳児。
そして小鳥遊家のアイドル的存在。
祐太の姉である祐理の実娘で、祐理によく似た美幼女。祐太とは唯一血が繋がった姪っ子。
天真爛漫でいつも明るく元気。
小鳥遊家家の家長であり、三姉妹の父親に当たる。
娘の父親としては往々にしてあるように、娘たちや、妻を大切に思っている。
- サーシャ・イリイーニチナ・ガガーリナ
美羽の実母で、小鳥遊家の二番目の母親(祐理の前妻)だった。元は日本の芸能界でモデルをしていたが、美羽の出生や家族にまつわる紆余曲折を経て、現在は祖国でデザイナーとして働いている。
日本を離れていたブランクもあって発音は微妙なところもあるが、日本語自体は堪能。
莱香にも劣らぬ美貌とスタイルを誇るロシア系の美女で、現在はまだ20代。
祐理とは昔も、現在も親友の間柄。
祐太が5巻で佐古先輩から斡旋されたバイトをきっかけに、小鳥遊家で飼うことになったコーギー犬。少なく見積もっても二十歳を超えているすごい高齢ではあるがボケや病気の罹患などはなく、その年の功ゆえか人の(特にひなの)気持ちに聡く、賢い。好物はメロンパン。
名前の由来は、褐色である顔の毛並に、柳生十兵衛の眼帯のような白い毛のラインがあることから。
彼が小鳥遊家に来たとき一番喜んでいたのはひなであり、彼自身も飼い主一家の中ではひなのことが一番好き。
学校関係
祐太の1つ年上の先輩。
長身、抜群のスタイル、さらに奇跡的なまでに整った顔立ち。
すれ違えば誰もが振り返らざるをえない美女。
ただし変人で、クール。
ほとんど感情を表すことがない彼女だが、祐太や姪っ子たちには非常に興味があるらしく
時折、顔を赤らめたり興奮した様子を見せることがある。
可愛いものが好きで、3姉妹のことも大好きと公言しており、特にひなにゾッコン。
祐太と同じ文学部の1年生(物語開始時点)。サラサラの無造作ヘアに甘いマスクのイケメン。
「大学には女の子といっぱい遊ぶためにきた」と言ってはばからない。
そのくせ、なにかにつけて祐太の部屋に入り浸って朝までゲームをしていったりする。
自他共に認める「色男」タイプであり、女の子の機微にも気が回り気遣える優しさもあるが、
体育会系部活動の女の子やヤクザがらみの女の子に手を出したりしたために
強面の男たちに追い回されたりと、学内外問わず女性関係もユカイなことになっている模様。
バレンタイン前は、軽いデスマーチを敢行したようだが……。
家事全般が得意できれい好きであり、料理の腕が玄人並。
上記のセリフからは想像できないが、義理堅く几帳面。
祐太の家に来て、祐太や3姉妹のために料理を作ることもしばしばある。
実家は仙台にある老舗の味噌づくりの大店であり、両親のほかには姉二人と妹一人がいる。
ちなみに仁村自身は女性には親切なプレイボーイを地で行く性格だが、末っ子である妹の聡美については
人並みに兄として心配しており、妹の粗相や勘違いの際には甘い顔ばかりせずキチンと怒り、
聡美の家出・婚約者騒動で喧嘩した際には思い切り落ち込んだりもしていた。
路上観察研究会――通称“ロ研”の会長にして創始者。自称3年生。
莱香が入学した当時から3年生だったり、あらゆるサークルの代表や、学外でも妙なところに顔が利いたりと謎の多い人物。
その人脈の広さから、祐太には好条件のバイトを多数斡旋したり、3姉妹のためにいろいろと手を尽くして助け舟を出すこともしばしばだが、それをダシに祐太に
ちょっと困る頼み事をすることも多い。
菅谷ミキが所属するテニスサークルの女部長とは気心の知れた幼馴染同士であり、
彼女はよし子伯母さんと並ぶ佐古先輩の天敵である。
さらに、12歳以上は「おばさん」と言ってしまう程、真性のロリコン。
ただ、自分が触れると天使にも等しい存在が穢れるとして
決して自ら触れることも、一定距離以上近づくことはしない。
Yes.ロリータ! No.タッチを地でいく変態。
行動が突拍子もないし、前述のとおり間違いなく変態ではあるが、まぎれもなく善人。
上述の言動に則ってか、小鳥遊家では美羽とひなを特に気に入って「美羽様」「ひな様」と呼んで天使のように崇めている。こういう人柄ゆえか、ロ研が絡む小鳥遊家のホームパーティやイベントでは専らカメラ撮影役を買って出る。
また、彼の幼女への愛とそこからくる観察力と行動力は並々ならぬものがあり、
小鳥遊家がスケートリンクへ遊びに行った際、美羽とひな用のフィギュアスケート衣装を
実測したわけでもないのにぴったりのサイズで仕上げて献上し、
その完成度は一流の服飾デザイナーであるサーシャをも唸らせている。
祐太と同じ文学部の1年生(物語開始時点)。人文学科。
ふわっとカールした髪に幼さの残る顔立ちの美女。
頼まれると断れない性格だが、時として熱い一面を見せることも。
テニスサークルに所属していて、合コンが元で祐太と知り合う(彼女自身はもっと前にも会っているが、祐太は覚えていない)。
初めて出会ったときの出来事から、祐太に興味を持ち、好きになる。合コン後はノートを貸すなど祐太の助けになっている。
ご近所さん
小鳥遊家のお向かいさんに住む16歳の女子高生(物語開始時点)。
『黒いストレートロングヘアを、片方だけリボンで結んでいる』と
公式のキャラ紹介に書かれているのにもかかわらずピンク髪である。どういうことなの。
初登場時は、祐太を不審人物と思い込み「鬼畜討つべし!」と心に決めていたが、
現在は誤解が解けたことと祐太の姪たちへの献身ぶりを知り、祐太に恋心を抱くひとりとなっている。