概要
主演メル・ギブソン、監督ジョージ・ミラーによる、オーストラリアのバイオレンス・アクション映画シリーズ。当時演劇学校の学生だったギブソンにとっての出世作となった。
「2」における「モヒカン頭やホッケーマスクの凶悪な悪党共が跳梁跋扈し、水や資源を巡って殺し合う荒廃した未来世界」という作品イメージは文明崩壊後の世界を舞台とした『ポストアポカリプス』と呼ばれるジャンルに画期的なイメージをもたらし、日本でも『北斗の拳』をはじめとして後続の多くの作品の世界観に大きな影響を与えている。
作品
マッドマックス(1979年)
近未来のオーストラリアの片田舎の街。トーカッター率いる暴走族グループが無法の限りを尽くしていた。警官マックスは暴走族の男を追跡するが、運転を誤った男は事故死。トーカッターは報復としてマックスの同僚警官や、妻子までをも殺害してしまう。
怒りを爆発させたマックスは、特殊パトカー「V8インターセプター」を持ち出して、トーカッターに復讐を挑む。
マッドマックス2(1981年)
前作より数年後、東西大国間による世界大戦が勃発。石油資源の枯渇により文明社会は消滅し、残されたわずかな石油を巡って争いが繰り広げられる荒廃した姿に、世界は変わり果てていた。
そんな中をあてどもなく放浪するマックスは、ふとした出来事から出会った石油精製所の人々を守り、精製所を狙うヒューマンガス一味と死闘を繰り広げることになる。
マッドマックス / サンダードーム(1985年)
シリーズ完結編。
物々交換で全てが成り立つ町・バータータウンにたどりついたマックスは、町の女支配者エンティティにより、球状の檻「サンダードーム」でのデスマッチを強いられる。
敗れて砂漠に放り出されたマックスは、子供達に救われ、彼らの住む村に運ばれる。子供だけが暮らす村で、理想の世界を築こうとする純真な彼らの姿にマックスは徐々に人間性を取り戻してゆくが……
マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年)
シリーズ最新作。
世紀末の荒野を流離うマックスはウェイストランドに君臨する暴君イモータン・ジョー率いる武装軍団「ウォーボーイズ」に拉致されてしまう。医療用の輸血人間にされたマックスだが、時を同じくしてジョーの配下から脱走を企てた大隊長フェリオサと共闘することになった。
かくしてマックスとジョーそしてフェリオサの三つ巴の戦いが始まった。
余談
- 「2」でのヒューマンガス一味のサブリーダーで、凶暴なモヒカン頭のウェズを演じたのは、「コマンドー」のベネット役で知られるヴァーノン・ウェルズ。
- 監督のジョージ・ミラーは2003年頃、既に「マッドマックス4」の脚本ができており、制作に着手したい旨を発表していたが、イラク戦争による世界情勢の悪化や経済的事情により、撮影は延期に次ぐ延期を強いられる。ようやく完成した第4作は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の邦題で、2015年春(6月)に公開された。