もしかして → デジモンテイマーズ
概要
遊戯王OCGのモンスターカードの一つ。
カードテキスト
効果モンスター
リバース:相手フィールド上に表側表示で存在する
悪魔族モンスター1体のコントロールをエンドフェイズまで得る。
性能
サーチ・リクルート・サルベージしやすい種族とステータス、そして絵描き受け確定のイラストが特徴の下級モンスター。
強豪揃いの悪魔族に対するコントロール奪取効果はDNA改造手術と併用すればより強力になる。エンドフェイズ前にフィールドから離してしまえば戻ることもない。
特に溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムとの相性は最適で、初期の【ゴーレム】では洗脳解除や所有者の刻印が追い付かない際の保険として積極的に採用された。
相手の攻撃でリバースしてしまっては意味無く死んでしまうので、太陽の書などでサポートして差し上げるのが紳士の役目というものである。
悪魔族は今も公式からやたら優遇される事の多いメジャー種族であり、適当なモンスターが居ればとりあえず悪魔族に設定されるのは今も昔も変わらない。
よって現環境では多くのデッキにメタとして刺さるモンスターとして、そのデザイン共々高い評価を得ている――
――わけねえじゃん?
確かに悪魔族には昔から強力なモンスターが多い(その所為か種族サポートは他より劣るが)。
三邪神、幻魔王、ユベル、アプ、偽骸神など、原作・アニメに登場する「曰く付きのカード」には必ずと言って良いほど採用される種族ではある。
だがぶっちゃけ、全種族中第三位の365種という大所帯の割にどこのデッキにでも採用される悪魔族モンスターというものはあまりいない。居たとしてクリッター、ゴーズ、リゾネーター各種程度のものではないかと加筆者は思う(それらですら採用率はあまり高くないだろうが)。
となるとこのカードが活躍できる機械はほぼDNA改造手術の発動下に限られてくる訳だが、このカードは事も有ろうにサーチ手段の乏しい永続罠である。
となれば採用先は「能動的に相手フィールド上へ自分のモンスターを出す行為」を軸とするデッキに限られてくる。主に挙げると【ゴーレム】【サクリファイス】【ユベル】【Bloo-D】辺りだろうか。
しかしながら上に上げたデッキでも【ゴーレム】以外でのコントロール奪取は「あったら助かるかもしれない」ぐらいの認識である。よって採用される事はほぼ無いと考えるのが妥当だろう。
奇しくも【ゴーレム】というデッキタイプが確立された(厳密にはキーカードである「洗脳解除」が登場した)のは、幸運にも彼女の登場した翌年2002年であった。
だが、ここでコナミは思わぬ刺客を送り込んでくる。
《X・E・N・O(ゼノ)》
効果モンスター
星2/水属性/悪魔族/攻 200/守 100
リバース:相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、
エンドフェイズ時までコントロールを得る。
この効果でコントロールを得たモンスターは、
このターン相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
種族的なアドバンテージこそデーモン・テイマーに劣るが、事も有ろうに直接攻撃付与のオマケ付きである。これではプラマイゼロどころか寧ろマイナスである。
しかも水属性なので《サルベージ》で一気に二匹or他の水属性モンスターと同時に手札へ加えることができてしまう。しかし種族の差もあり、まだ差別化は可能であった……が、彼女に対するコナミの非情な仕打ちはまだ終わっていなかった。
事の起こりはデーモン・テイマー登場から五年が過ぎた2006年の秋(厳密には11月16日)。
主に某クラゲの使用したカードを収録したパック「STRIKE OF NEOS」が発売された。
このパックの主な特徴を列挙すると
・【六武衆】の登場
・通常モンスターの革命児とされる《ジェネティック・ワーウルフ》と《フロストザウルス》が登場(どちらもデメリット無しにレベル不相応の打点を誇る)。
・《N・グラン・モール》・《D.D.クロウ》・《高等儀式術》・《転生の予言》など、現環境でも充分強力と言えるカードが登場。
となる。特に全盛期に於ける六武衆の暴虐ぶりは閲覧者諸君もよくご存じかと思う。
そしてこのパックに、コナミの許しを得た一匹の虫がひっそりと紛れ込む。
その虫こそ……
《傀儡虫》
効果モンスター
星3/闇属性/昆虫族/攻1000/守1000
このカードを手札から墓地へ捨てて発動できる。
相手フィールド上の悪魔族・アンデット族モンスター1体を選択し、
エンドフェイズ時までコントロールを得る。
デーモン・テイマー完敗の瞬間である。
レベルこそ同じだが、種族は「今一弱い癖にどっからでも湧いて出る」がコンセプトの昆虫族で、属性は「遊戯王という作品のテーマがヒトの闇である為優遇されやすい」とされる闇属性。(このため《ダーク・バースト》での使い回しが可能となる。そう1ターンに複数回効果を発動できるのだ)。溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムを二体奪い直接攻撃を決めれば次のターンには(あくまで理論上だが)ワンキルが完成する。
更に対応種族はアンデット族である為、態々サーチがし辛く発動も遅いDNA改造手術など使わずとも《アンデットワールド》を発動するだけで無差別コントロール奪取が可能となる。
……この時点で明らかに負けたような気がするが、最大の特徴は効果の発動方法である。
「手札から墓地へ捨てる」為、召喚権を消費せず即効性があり、直接墓地に行くため様々なカードのコストにできて無駄がない。墓地に闇属性が居るという時点で《ダーク・クリエイター》や《ダーク・アームド・ドラゴン》に繋がるし、昆虫族である為《ライヤー・ワイヤー》のコストになる他、《デビルドーザー》やその下位種たる《ジャイアントワーム》を召喚できる。これら二種類のムカデは手札にあれば大抵すぐ出るため、様々な使い方(前者は単純に戦闘能力が高い。後者はレベルが4なのでシンクロやエクシーズに使いやすい)ができるだろう。
……とまぁ、こんな具合に実戦では散々なモンスターであるが、何も完全に使えないわけではない。
確かにデッキには入らないが、そのデザインからか絵描きに大変ウケが良いためよく絵の題材にされるのだ。
とはいえ近頃は、絵描き受けする上に実戦レベルの性能を持つカードも多い為、結局は絵描き受けという方面でも負けっ放しなのだが。