プロフィール
名前 | 中世古香織 |
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誕生日 | 9月3日 |
身長 | 166cm |
星座 | 乙女座 |
血液型 | A型 |
担当楽器 | トランペット |
好きな色 | 白 |
趣味 | お菓子作り、あすかとカフェ巡り |
特技 | 茶道と華道を小さい頃から習っている |
好きなもの | スイーツ |
嫌いなもの | 虫、人混み |
CV | 茅原実里 |
概要
北宇治高校の3年生で、吹奏楽部に所属。トランペットを担当し、同パートのリーダーと会計係を務める。
原作小説での人物紹介は「みんなの憧れの先輩」、TVアニメ版では「吹奏楽部のマドンナ」。
作品内では原作小説、コミカライズ版、TVアニメ版と特に改変が多かったキャラクターでもある。
整った容姿に加え、優しい性格、練習にも真面目な姿勢など内も外も綺麗な先輩。
「みんなの憧れの先輩」というキャラクター紹介は伊達ではなく、信者を自称する吉川優子をはじめ、香織先輩みたいになりたいという思いがある加藤葉月、鎧塚みぞれの他、塚本秀一、川島緑輝など描写されているものだけでも部員からの評価は軒並み高い。
しかしながら部内では体制の変化により悲しい境遇に立たされることもあり、時に涙を見せることもある。
人物
容姿
原作小説においては艶やかな黒髪で、庇護欲をかき立てるような儚げな印象の美少女と描写され、副部長の田中あすかと並んで吹奏楽部の男子からは告白するのもはばかられるほどの美人とされている。
また、コミカライズ版ではウェーブがかったロングヘア、TVアニメ版ではショートヘアに泣きぼくろと、それぞれ特徴が大きく異なっている。
スタイルも良く、170を超えるあすかほどではないが背が高い。
また、水着姿であすかと対をなして並ぶとひとつの芸術作品みたいと久美子は評している。(原作2巻、138ページ)
TVアニメ版では、トランペットパートの女子たちの中で最も背が高い。
性格
優しい性格で、部活動にも真面目かつ熱心に取り組んでおり、天才肌の田中あすかに憧れつつも彼女とは対照的に地道に努力を積み重ねる芯が強いタイプ。(TVアニメ版1期オフィシャルファンブック、43ページ)
そして、何よりも物語の1年前に起こった当時の1年生(現在の2年生)の大量退部事件により危機的状態に陥った吹奏楽部を支えてきた最大の功労者の一人でもある。
そのため、現在の部において久美子が『「香織先輩」その名を聞いて、異を唱えられる人間などこの部にいるはずがない』(原作3巻、180ページ)と述べるほどの影響力を有しており、またTVアニメ版1期4話でもパートリーダー会議の動向を気にかける上級生の部員たちも香織の発言に注目している事などから、その影響力の存在をうかがい知ることができる。
もっとも香織自身はその影響力を積極的に行使しようとせず、むしろ他人の自身に対する評価に関しては無頓着な所がある。
例えば、TVアニメ版1期7話において小笠原晴香の家に上がって嬉々として焼き芋を食べている場面では、晴香がそんな香織の姿を見て「一応、吹奏楽部のマドンナなんだよ」と呆れたことに対し、香織は意に介さず「マドンナだって、芋が好きなの」と答えている。
また、北宇治高校の文化祭では香織は自身のクラスの出し物の宣伝をうさぎの着ぐるみを着て張り切って行っているが、その様子を見ていた久美子は(香織の容姿を考えたならば)「どちらかというと、着ぐるみを着ないまま宣伝したほうが人が集まりそうだけれど」という感想を述べているほか(原作短編189ページ)、久美子からその時の香織の様子を聞いた塚本秀一も「香織先輩って、たまにちょっと変わってんなあ」と述べている(原作短編196ページ)。なお、TVアニメ版2期6話の方では着ぐるみを着た香織の様子について久美子は「ノリノリだなぁ」と感想を漏らしている。
実力
トランペットの腕前は中々のもので、高校生にして”プロ級”とも噂される1年生の高坂麗奈には及ばないものの、原作小説におけるソロパートの再オーディションでの演奏シーンでは「欠点が見当たらないキラキラと眩い完璧な演奏」と表現されるなど、高校生としては充分に上手い。
TVアニメ版2期1話における顧問の滝昇と松本美知恵の話し合いの中でも、香織の実力は「田中あすかと共に強豪校の生徒たちにも引けを取らない」という高い評価が出されている。
トランペットに対する愛情は強く、TVアニメ版1期11話における吉川優子の回想シーン(物語の1年前の物である可能性が高い)では、香織の演奏を聴いた優子が「先輩はトランペットが上手なんですね」と語りかけたところ、香織は微笑みながら「上手じゃなくて、好きなの」と返している。
彼女の使用するトランペットはマイ楽器(私物)であり、自身の祖母から受け継いだものである。(『響け!ユーフォニアム』DVD&BD7巻ブックレットのパート紹介より)
モデルとなった楽器は、YAMAHA YTR-850。様々な音楽ジャンルの奏者から高い評価を得ている高品質なカスタムモデルである。
(※『「響け!ユーフォニアム」北宇治高校吹奏楽部 体験ブック』 株式会社ヤマハミュージックメディア 2016年7月10日発行 8ページ)
部内での活動
物語の1年前
滝昇が顧問になる前の部が腐敗していた時期から熱心に努力を続けていた部員の1人。
しかし、当時の顧問はだらけた下手な部員でもコンクールは3年生が優先という方針をとっていたために香織の努力が報われることはなく、A編成のメンバーに選ばれる事はなかった。(※なお、サックスパートの小笠原晴香も彼女と同じような境遇にあった)
この様な努力や実力が評価されない部の現状に、やる気のある当時の1年生の傘木希美や吉川優子らは強く反発し、その事が大量退部事件の原因のひとつとなった。
なお、この1年生の大量退部事件が起こった際、香織は斎藤葵らと共に部内の環境調整に奔走している。
現在の活動(TVアニメ版1期)
トランペットパートのパートリーダーを担当するほか、吹奏楽部の会計係も受け持ち、更に部長の小笠原晴香の相談役に回ったりするなどして部活を陰ながらに支えている。
滝昇が顧問として関わる前のパート練習のシーンでは、ホルンパートやトロンボーンパートが練習中にふざけ合っている中、トランペットパートはしっかりパート練習を行っているなど、パートリーダーとして率先して頑張っている描写がなされている(TVアニメ版1期1話)。
TVアニメ版1期3話では新入部員に対する腹式呼吸の指導も担当し、特に吹奏楽部初心者の加藤葉月に対しては吹き戻しを使った練習方法を教えるなどしている。
TVアニメ版1期5話のサンライズフェスティバルでは立華高校のパフォーマンスの凄さに吉川優子が動揺した際、香織は動揺した素振りを全く見せる事なく優子の肩に手を触れて「深呼吸して」と気遣い、頼れる先輩としての一面も見せている。また、1期10話では同じパートの同級生である笠野沙菜から演奏に関する相談を受けている。
その他、アニメ化はされなかったが、原作小説の短編集(「科学準備室の京子さん」)ではサンライズフェスティバルの衣装選定に携わっている場面がある。
現在の活動(TVアニメ版2期)
関西大会の前日、晴香と下校している香織は晴香とともに校門前で学校の方向に向かって一礼をしている。
そして、吹奏楽コンクール関西大会(支部大会)の本番直前、同大会を自身にとっての最後のステージとして位置づけていた香織は、後輩の吉川優子に対して「これからも部の事、よろしくね」と自身が引退した後の吹奏楽部を託し、続けてトランペットパートのメンバーに対しても「みんなも今までこんな私についてきてくれて……」と感謝の意を表そうとするが、そんな香織の姿を見た優子は彼女の言葉を遮って「香織先輩、違います! ここで終わりじゃありません。私たちが目指しているのは全国です。私たちは香織先輩と一緒に全国に行くんです」と語り、右手の人差し指を高らかに挙げた。
すると、香織の周りにいたトランペットのメンバーも優子にならって右手の人差し指を高らかに挙げ、少し離れた場所いた黄前久美子や高坂麗奈、低音パートの後藤卓也らも続くようにして同じポーズを取った。(※川島緑輝は両手の人差し指を挙げている)
そして、香織は笠野沙菜に促されると、自身も右手の人指し指を高らかに挙げて、「行きましょう、みんなで全国へ!」と言葉を発し、傍らにいた優子は微笑みながら眼に涙を浮かべた。(TVアニメ版2期5話)
文化祭後に田中あすかの退部騒動が勃発すると、あすかの事を心配するとともに騒動を機に部長としてあすかから自立しようとする晴香を支援している。(TVアニメ版2期7話)
その後、滝があすかの代理として夏紀の全国大会出場の可能性を部員に明らかにすると、香織は中川夏紀らとともにあすかの母を懐柔し、あすかの部活復帰を実現させようとする「あすか先輩を取り戻すぞ大作戦」(作戦名の命名は香織による)に関与している。(※なお、当該作戦の主導者については原作でもアニメでも触れられていない為、不明である。TVアニメ2期9話、原作3巻)
なお、経緯等の詳細は田中あすかの記事を参照。
また、あすか不在の吹奏楽部の運営上の問題について香織は久美子とともに自宅に帰るあすかと一緒に歩きながら相談している。(TVアニメ版2期9話)
あすかが部活に復帰した際には嬉し涙を浮かべてあすかを眺めている。(TVアニメ版2期10話)
なお、原作では復帰したあすかに香織が抱きつき、あすかはその背を優しく撫でている。(原作3巻282-283ページ)
TVアニメ版2期12話の全国大会での香織については後述。
自由曲のソロパート(原作1巻及びTVアニメ版1期)
北宇治高校吹奏楽部のコンクール自由曲には、トランペット(原作ではコルネット)のソロという大きな見せ場が存在する。
これを吹くことを希望する3年生の香織と1年生の麗奈だが、オーディションの結果ソロパートは麗奈が担当することが決まり、それに2年生の優子が不満を表したことが発端となって部内に不和が生じた。
この問題の推移は原作小説とTVアニメ版とで多くの部分が異なっている。
原作小説版
ソロがある自由曲は「イーストコーストの風景」第2楽章
❶上級生の不満
多くの部員の前で優子は不満を露わにし「なんでアンタがソロなの」と麗奈に問うが
「なんでって、わかりきってますよね。香織先輩よりアタシの方が上手いから、だからアタシがソロなんです。簡単でしょ?」
と麗奈は切り捨てる。
この言葉に、優子を止めようとしていた香織の大きな瞳に水面が張り、なお喧嘩を止めようと麗奈に謝罪し私は気にしていないからと笑顔を作ろうとするも、とうとう堪え切れなくなり涙が溢れてしまう。
周囲の上級生から麗奈の不遜な態度に不満が囁かれだすと、
「ケチつけるならアタシより上手くなってからにして下さい」と麗奈は吐き捨て、上級生と麗奈の間に亀裂が入る。
❷上級生と下級生の亀裂
麗奈を擁護する下級生と、麗奈に不信感をつのらせ香織に同情する上級生とで対立が深まっていた。
だがコンクールという共通目的があるため、練習が出来なくなるなどの大きな問題は発生していない。
しかしコンクール後、部はどうなってしまうのか……と久美子は心配する。
❸田中あすかの解釈
黄前久美子は偶然、香織が隠れてソロパートの練習をしているのを見つけ、その場にいたあすかが香織について語る。
「香織だって判ってるって、高坂さんの方が上手いってことくらい。
周りの奴らはなんか勘違いしてるけど、香織は別に同情されたいわけでもないし、駄々をこねてソロになりたいわけでもない。ただ、あの子は納得したいだけ」
❹再オーディション
コンクール前日の練習開始時というタイミングで、香織自ら再オーディションを顧問の滝昇にお願いする。
滝は少し考えた後に、即その場で香織と麗奈にソロ部分のみを演奏させる。
(香織の演奏描写の抜粋)
♪
香織の繊細で柔らかな音色が、ホールいっぱいに広がった。
高音部分も、滑らかに吹くのが難しい音と音とのつなぎ目部分も、すべてが完璧な演奏だった。
欠点が何ひとつ見当たらない。キラキラとまばゆい彼女の音色。それに浸るように、久美子は目を閉じる。
香織の演奏は格段に上手くなっていた。血のにじむような努力の跡が、その演奏からはうかがい知れた。
♪
(原作1巻、295ページ)
滝は上達に驚いて賞賛し、部員たちからは拍手が巻き起こり、香織の強張った表情も華やいだものになる。
しかし、その直後の麗奈の演奏は香織をなお遥かに上回るものであった。
滝は「あなたがソロを吹きますか?」と問い、それを香織は涙を零しながら否定した。
香織は麗奈に向き「ソロはあなたが吹くべきだと思う」と部員の前で敗北を認める。
その視線の力強さに麗奈は珍しくたじろぐと以前の発言を謝罪し、香織も「いいの、事実だから」と真剣に返した。
ここで黄前久美子は、あすかの言葉である「あの子は納得したいだけ」を思い出し、香織が負けるために、心を折ってもらうために本番を迎えることのないソロパートを練習していたことを初めて理解している。
TVアニメ版
ソロがある自由曲は「三日月の舞」
ソロパートの発表
オーディションの結果、自由曲のソロパートは1年生の高坂麗奈が担当することが決定した。
この結果に部内は騒然となり、結果を決める過程で何があったのかと部員たちはそれぞれ陰で探りを巡らせる。
そんな中、2年生の後輩である吉川優子は顧問の滝昇と麗奈が知り合いであったという話を偶然耳にし、香織にその旨を話した。
贔屓があったと主張する優子であったが、自分と麗奈の実力差を分かっている香織は
「私はもう納得してるから。
先生は、私より高坂さんの方がソロに相応しいと判断した。それがオーディションでしょ」
と、下された結果を不満を持つことなく受け止めていた。
それでもなお、そのオーディション自体に問題があると主張する優子に、香織は「これからは、全員で金賞を目指して頑張ろう」と諭し、この話を口外しないように伝えた。
部内の対立と再オーディションへの志願
オーディションの結果発表から数日後、吉川優子は顧問の滝昇に対し、高坂麗奈と知り合いだったこと、それによって麗奈を贔屓した可能性を問い詰めた。
このことが怒りに触れた麗奈は「先生を侮辱するのはやめて下さい」と声を荒げるとさらに言い放つ。
「なぜ私が選ばれたか、そんなの分かってるでしょ?
香織先輩より、私の方が上手いからです!」
この一言が引き金になり、激昂した優子は麗奈のもとに詰め寄った。
中川夏紀の制止もものともせず、なおも麗奈に怒りの矛先を向ける優子に、香織は「やめて!」と叫びを上げた。
肩を震わせ、涙を流しながら「やめて…」と願う香織の声で優子は矛を収め、麗奈もまた部室を出た。
この一件の後、吹奏楽部は3年生の香織を支持するか、今のまま1年生の麗奈にソロを吹かせるべきかで大きく分かれ、クラリネットパートやホルンパートにおいては練習の継続が不可能な状態にまで陥ってしまう。
そんな状態の部活の中、香織は一人自由曲のソロの練習を続けていた。
既に結果が決まっているにも関わらず練習をするのには、単にオーディションの結果に不満があったからなどではなく、
一人のトランペット吹きとして自らに対して納得がいくまで練習し、自分自身に満足したいという理由があった。
そんなある日、顧問の滝昇から部に対して再オーディションの提案が持ち掛けられる。
顧問と副顧問の2名ではなく、部員の全員で聴いて決定するという方法により、以降の部内の後腐れを完全に断つのが狙いであった。
香織は滝の申し出を受け、決然と手を挙げてそれに応えた。
再オーディション、そして…
滝昇の提案から一週間後、コンサートホールでの練習において再オーディションは実施された。
舞台上に立つ香織と麗奈に対して滝昇から説明が下され、香織から先にソロが演奏される。
演奏後「ありがとうございました」と一礼し、香織はホールの彼方を見つめる。
吉川優子をはじめ、何人もの部員が香織に対して賞賛の拍手を送り、彼女はほっと息をついた。
それからしばらく間を置き、次いで現在のソロパート担当である高坂麗奈がソロを奏でた。
演奏が終わってもなお、聞き入っていた部員たちは静まり返っていた。(※)
(※言うなれば、香織は型”通り”《=マニュアルに倣った》の演奏、麗奈は型”破り”《=独自性を確立した》の演奏であり、そこで差がついたものと思われる)
そして静寂を破る滝昇の一声でそれぞれの演奏に対する評価が下され、香織には吉川優子と小笠原晴香が、麗奈には黄前久美子と加藤葉月がそれぞれ拍手という形で票を入れる。
2対2という同率の結果を鑑みた滝昇は、「中世古さん、あなたがソロを吹きますか?」と香織を見つめながら問いかけた。
久美子たちははっと息を呑んで滝昇を見やり、舞台上に立つ麗奈はゆるりと目を伏せた。
「吹かないです。……吹けないです」
数秒の沈黙の後、香織は答える。
「ソロは、高坂さんが吹くべきだと思います」
こうして香織自ら麗奈を認め、再オーディションは終わった。
全国大会(TVアニメ版2期12話)
全国大会の本番を終えると、表彰式までの空いている時間、香織は晴香とともにはしゃいでいるあすかに肩を組まれながら、喫茶店に向かっている。
表彰式での指揮者賞授与の際に麗奈が突発的に立ち上がり「先生!好きです!」と壇上に向かって大声で告白の言葉を叫んだが、この時の麗奈の言葉を滝への声援と受け取った香織は優子の「高坂!マジファインプレー!」という言葉に続けて「ありがとう!助かった」と麗奈に礼を述べている。
全国大会での結果が銅賞で終わり、トランペットパートが集まっている中、麗奈が「すみませんでした、先輩」と香織に謝罪すると、香織は「高坂さんが謝る事じゃない。これが私達の実力だったんだよ」と答えている。
その後、顧問の滝がトランペットパートが集まっている所に来て、麗奈に指揮者賞授与の際の声掛けに関して礼を述べると、麗奈は改めて「私、本当に先生の事が好きなんです!」と滝に告白を行い、香織は優子と笠野沙菜とともに驚いている。
だが、折角の告白も滝に告白として受け取られず、がっかりして肩を落とす麗奈に香織は拳を握りしめて「頑張ろっ」と声を掛けている。
全国大会後(TVアニメ版2期13話)
在校生部員主催の卒部式では夏の合宿時の部屋着姿の優子がスクリーンに映し出されると、恥ずかしがる優子にその眼を覆われている。
その後、3年生部員による演奏に参加し、続く在校生部員による「三日月の舞」の演奏が終わると、眼に涙を浮かべながら拍手をしている。
卒業式の時には香織の制服のスカーフを手にして香織に抱き着き、その胸に顔を埋める優子の頭を優しく撫でながら「部長でしょ。しっかりしなきゃ…」と優子に語りかけている。一方、優子の方は香織の言葉に反応する事無く無言で香織に抱き着いたまま微動だにせず、その別れを惜しんでいる。
主要キャラクターとの関係
田中あすか
概要
香織とあすかは長身の美女コンビであり、「あの2人が並ぶと凄いね」「芸術作品のよう」などと感嘆される並ぶと絵になるペア。共に男子生徒からは告白する事が憚れる存在とみなされている。
香織とあすかの関係性については、あがた祭の日にはあすかが「香織とデート」と応えるなど、プライベートでも遊ぶ間柄(TVアニメ版1期7話では小笠原晴香も一緒ということに変更されている)であり、TVアニメ版2期2話では色違いの水着を着て2人でプールへ遊びに出かけたりもしている。
周りからは謎が多い先輩とされる田中あすかだが、香織とはお互いの家を知っており、香織はあすかの母親の好物まで知っているなど、近しい関係が伺える。(TVアニメ2期9話、原作3巻181-182ページ)
更に香織があすかの誕生日プレゼントとしてあすかに贈った猫が描かれたペアグラスが香織の家にもあり、あすか曰く、「まあ、おそろいというやつ」(原作3巻220ページ)。TVアニメ2期9話でもこのグラスは登場するが、アニメでは香織の家にもあるかどうかについては触れていない。
原作の方では、2人のやり取りは、そばに居合わせた久美子が「甘ったるい会話」「みてはいけないものを見てしまった」と感じ取るほどの、どこか意味深な空気を明確に漂わせているが、TVアニメの方では抑え気味ではあるものの、原作でも登場する香織が跪いてあすかのスニーカーの靴紐を直す一連の場面についてあすかの表情は口元以外は映さない一方で、傍らの久美子が眼を見開いてその様子を眺めている場面が映されており、意味深な様子に演出されている。(TVアニメ2期9話)
ただ、香織とあすかの関係の詳細は作中においてほとんど説明されない。
久美子も香織とあすかの関係性について探る事は危険な一線を越えそうであるとして探らない様にしていると述べている(原作ガイドブック54ページ)。
ちなみに香織の中の人は、TVアニメのWebラジオ(「響け!ユーフォラジオ2」第13回2016年12月12日配信分)においてあすかと香織の関係は男と女の関係という解釈を明かしている。
他の仲が良い組み合わせは、基本的に馴れ初めなどがきちんと描写されていることからも、逆に香織とあすかの関係は作中でも特殊といえる。
なお、TVアニメの公式設定においても香織のあすかへの想いは友情以上のものがあるとされている。(『響け!ユーフォニアム』DVD&BD7巻ブックレット、4ページ)
晴香に語ったあすかへの想い
TVアニメ版1期7話では、小笠原晴香の家を訪れた香織が晴香に「演奏者として、あそこまで切り捨てて演奏に集中できたらって思っちゃう」と、ストイックなあすかの姿をカッコイイと語る場面が登場している。
その後に行われたコンクール自由曲のトランペットソロの再オーディションの当日、小笠原晴香にどうしてあすかに拘るの?と問われた際には、
「よく分からないけど、なんか、見透かされてるような気がするんだよね。私が思ってること、何でも。
だから、あすかを驚かせたい。あすかが思ってる私の一歩先を、本物の私が行きたい」
と香織はその胸の内を語っている。(TVアニメ1期11話)
あすかが語る香織像
原作やTVアニメでは香織についてのあすかの考えや思いが断片的にその口から語られている。
- あすかのスニーカーの靴紐を結び直し、その場を立ち去った香織についてあすかは久美子に「可愛いでしょ、香織って」と語っているが、久美子はあすかのその言葉の意味を理解できずにいる。(TVアニメ2期9話、原作3巻218ページ)
- 久美子にユーフォニアムの演奏を聞かせるべく二人で川原に訪れたあすかは夏場のトビケラや蚊の心配をする久美子に対して自身は血がまずいから蚊に咬まれる心配は無いとしながら、続けて「香織とか刺されそうだけど。だって、香織の血とかおいしそうじゃない。がぶっと咬みつきたくなるというか」と語っている。(TVアニメ2期9話、原作3巻241ページ)
- 立華高校との合同演奏会に向けてあすかが久美子にマンツーマンのユーフォニアムの指導を行っていた所、同じく合同演奏会の練習の為に学校に来ていた香織があすかを昼食に誘いに来ると、あすかは久美子に「了解了解。もう、ごめんな久美子ちゃん。可愛い彼女がせっつきに来ちゃった」と茶化す様に述べている(公式ガイドブック168ページ)。
- 吉川優子が部長に就任してから行われた立華高校との合同演奏会の当日、香織はあすかや晴香とともにその会場に姿を現したが、香織を見て優子が黄色い悲鳴を挙げた際にあすかは傍らにいる香織の肩に手をかけながら、「お、まーたやってんの?香織が可愛いなんて当たり前やない?」と優子に語りかけている(公式ガイドブック177ページ)。
吉川優子
トランペットパートの後輩の2年生。香織のことが大好き。
優子は香織を「香織先輩」と呼び、香織は優子を「優子ちゃん」と呼んでいる。
優子が1年生の時、当時のやる気のない3年生とやる気のある1年生のグループが衝突を起こし、結果として1年生が無視されるなどの部内いじめも起きるほどの惨状となり、多くの1年生が吹奏楽部に見限りをつけて退部していった。
優子も退部しようと迷っていた1年生のひとりであったが、その時に部活を続けようよと応援してくれたのが当時2年生であった香織である。それ以降、優子は香織を慕うようになった。
また、TVアニメ版では再オーディションで麗奈にわざと負けるようにお願いするという、大胆すぎる行動を起こしている。(※原作ではそこまではしていない)
小笠原晴香
北宇治高校吹奏楽部の部長。
TVアニメでは学外でもあがた祭りにてあすかも交えて3人一緒だったり、互いに胸の内を語り合うなど親しい間柄。
しかし原作小説中の描写では両者の関わりはほとんど見られず、香織と晴香は会話すらしていない。(※原作1、2巻)
一緒にあがた祭りに行ったり、相手の家にお邪魔した描写もなく、二人の仲についてはアニメオリジナルとなっている。(※原作では香織はあすかと二人であがた祭りに行っている)
もっとも原作小説(本編)の描写は主人公である黄前久美子自身の見聞や伝聞がベースにあるため(※その結果、その事は久美子の関知しない事実については原作本編での描写がない事を意味し、同時に直ちに香織と晴香が没交渉であることを意味する訳ではないため)、原作の世界における両者の実際の仲の程度は不明である。(※原作3巻では言葉を交わしていると見られる場面がある)
また、北宇治高校文化祭後に起こった田中あすかの退部騒動に際しては晴香とともにあすかを心配するとともに晴香の部長としての自立をも支援しており、晴香が部員に自身の心情を吐露するとともに覚悟を明らかにしようとした際に口を挟んできたトロンボーンパートのリーダーである野口ヒデリに対して黙って晴香の話を聞く様に促したりしている(TVアニメ版2期7話)。
なお、3年生引退後の新体制初の定期演奏会の準備や立華高校との合同演奏会にはあすかも交えて3人で訪れ(※なお、定期演奏会の準備の手伝いの方はあすかを交えて3人で姿を現したのは一度だけだが、香織と晴香の2人ではたびたび姿を現している)、定期演奏会当日は香織と2人で訪れている。又
高坂麗奈
トランペットパートの後輩の1年生。香織は麗奈を「高坂さん」「麗奈ちゃん」と呼び、麗奈は「香織先輩」「先輩」と呼んでいる。
上述の通り、香織は麗奈と自由曲のソロパートをめぐって争ったものの、その後、両者にわだかまりは見られない。(TVアニメ版1期12話では麗奈が香織にソロパートの一件で謝るシーンが登場する)
原作小説では、後の関西大会において香織が久美子に「麗奈がソロパートを担当することが決まった時は悔しかったけれども、自分がソロの担当だったらここまで来ることはできなかったし、ここまで進出することができて嬉しい」と心情を打ち明け、「ここがきっと、私にとって最後のコンクールになる。だから、悔いのないように全力を出したい」と自身の決意を語るシーンが登場する。(原作2巻、293ページ)
なお、TVアニメ版では上記の場面の代わりに「現在の活動(TVアニメ2期)」にて記した吉川優子たちとの場面に変わっている。
更に全国大会表彰式において北宇治高校吹奏楽部の成績が銅賞だった事に涙する麗奈を香織が優しく労った所、麗奈が「すみません、先輩」と涙を流しながら謝罪した為、香織は「謝ることなんてなんもないのに。ここまで来れたんは麗奈ちゃんのおかげやわ」と麗奈に感謝の意を表している。(原作3巻360-361ページ)
TVアニメ版2期12話でも類似の場面が出てくるが、アニメでは麗奈は涙を見せておらず、香織の「高坂さんが謝る事じゃない。これが私達の実力なんだよ」という言葉に続いて優子が麗奈に向けた「高坂、来年、金を取るよ」という言葉が続き、それに対して麗奈は「はい!」と返事している。
3年生部員の卒部式において在校生部員がコンクール曲の「三日月の舞」を演奏した際に麗奈はトランペットソロの折に香織の方に視線を送っており、香織の方も笑みを浮かべながらトランペットソロを聞きつつ机上にて軽く運指を行っており、ソロが終わると麗奈の方を見ながら、微かに瞳を揺らしている。(TVアニメ2期13話)
なお、北宇治高校の文化祭ではうさぎの着ぐるみを着たまま麗奈に声をかけ、香織のクラスの出し物を見に来た麗奈を困惑させている。
黄前久美子
低音パートに所属している吹奏楽部の後輩の1年生。
所属パートが異なるため、香織との直接的な絡みはあまり多くは無いが、久美子があすかの直属の後輩であるため、あすか関連で絡むことが多い。
また、原作小説での関西大会では自身の心情と決意を久美子に打ち明けるとともに大会本番に向けての凛とした姿を見せ、久美子はその姿の美しさに息を呑んでいる。(原作2巻、293~294ページ)
その一方で北宇治高校の文化祭ではうさぎの着ぐるみを着て張り切って自身のクラスの出し物の宣伝をしている香織を見て、麗奈同様、困惑している。
トランペットパートのメンバー一覧
関連イラスト
冬制服
夏制服
パレード衣装(サンライズフェスティバル)
白ビキニ
着ぐるみ(北宇治高校文化祭)
関連タグ
吉川優子 - 同じトランペットパートの2年生。かなり好かれている。
加部友恵 - 同じトランペットパートの2年生。コンクールのオーディションには落選する。
高坂麗奈 - 新しくトランペットパートに加わった1年生。
吉沢秋子 - 新しくトランペットパートに加わった1年生。コンクールのオーディションには落選する。
小笠原晴香 - サックスパートに所属する3年生。北宇治高校吹奏楽部の部長。
田中あすか - ユーフォニアムを担当する3年生。低音パートのリーダーで吹奏楽部の副部長。