「───────君は想定していたよりも、シンプルな精神構造をしている。」
概要
CV:松風雅也
武力組織ギャラルホルン統制局直轄の宇宙艦隊、月外縁軌道統合艦隊アリアンロッドに所属している素性不明の兵士。
フルフェイスマスクによって素顔を隠しており、まさしく鉄仮面の如き異様な外見は勿論、堂々として常に静寂な佇まいは兵士の中でも異彩を放っている。
艦隊司令であるラスタル・エリオンの協力者・側近としてその手元に置かれ、艦内では唯一、彼と対等に接する事の出来る人物。
セブンスターズの一角たる「ファリド家」の当主として地球外縁軌道統制統合艦隊司令に就任したマクギリス・ファリド准将と、テイワズ直属の傭兵会社鉄華団に関して浅からぬ因縁を持っているらしく、特にマクギリスについてはその行動に深く精通している節がある。
それ故に的確な助言をラスタルへ与える事もしばしばで、彼がマクギリスの策を読み先手を打つ為の方針を決定する一助となっている。
ガンダム・フレームの一機であるガンダム・ヴィダールを乗機とするモビルスーツパイロットであり、作中しばらくはシステム周りの調整に手こずってはいたものの、無事ロールアウトし、コロニーにおける独立運動鎮圧作戦に参加。初陣にして優れた機体性能と高い操縦技術を発揮してみせた。
ちなみに、彼の名であり乗機の識別名でもある「ヴィダール」とは、北欧神話にてフェンリルを討ち倒し、ラグナロクを生き延びた神「ヴィーザル」の別名である。
人物
普段からあまり喋る方ではない為、本人の気質や思考を推し測る事は難しい。
その正体を知る者はほとんどおらず、ラスタルの部下であるジュリエッタ・ジュリスやセブンスターズの一角たる「クジャン家」の当主イオク・クジャンらからは素性の知れない人物として不審がられている。
その一方で、自らに不信を抱く者に対しても邪険にする事無く柔かに対応する社交性を持ち合わせており、作中においては特にジュリエッタとの交流がしばしば描かれる。
戦場に身を置かんとする目的を「復讐」と明言しながらも、乗機のモビルスーツへまるで親友であるかのように語りかける一面や、ジュリエッタをして「強く、とても美しい」と言わしめる流麗な駆動で敵を圧倒する操縦技術は、とても復讐心から来るものとは思えないほどに洗練されており、総じて仮面の下には穏やかな気質が伺える。
正体
「今こそ戻ろう。───────在るべき姿に!」
その正体は、エドモントンの戦いでマクギリスに殺害された筈の男────『ガエリオ・ボードウィン』その人である。
かつて公には、『戦死した』とされた彼は、負傷しながらも生き永らえていた。
セブンスターズの一角であるラスタル・エリオンによって命を救われ、以降はその庇護の下、アリアンロッドのモビルスーツパイロットとして活動していた。
かつての素性を捨て去り、仮面を被り“復讐”を掲げた彼は、アインの遺された脳を基盤とした補助システムを搭載した機体ガンダムヴィダールを駆り、ギャラルホルンの改革を進めるマクギリスの真意を確かめる為に暗躍する。
「全てを背負い、この場で。 ───────仮面を外したお前を全否定してみせる」
そして、マクギリスのクーデターに際してヴィーンゴールヴ地下へ突入し、そこで彼の本質が「本来尊ぶべき感情の疎外、“力”への執着」であると確信すると共に、かつて親友と思っていた男を全否定し、「逆賊として討つ」と宣言。己の成すべき運命を見出す。
ギャラルホルンの通信に割り込んだ上でその素顔を晒し、自らの本当の名を告げ、「ガエリオ」として再び表舞台に舞い戻った。
アリアンロッド艦隊に合流した後は改めてラスタルへの協力を申し出、乗機ヴィダールの偽装解除を要請。
ジュリエッタには戦いの姿勢や覚悟、人を想う事の正しさを説いた。
革命軍との決戦においてはガンダムヴィダールの真の姿であるガンダム・キマリスヴィダールを駆り、戦線に参列。マクギリスへと単騎にて接敵し、激闘を繰り広げる。
ちなみにフルフェイスマスクは、乗機であるガンダム・ヴィダールの疑似阿頼耶識システムを扱う為のインターフェースでもあり、バイザー部は任意に着脱が可能。システム使用時には後頭部に接続用のケーブルが接続される。
また拳銃弾程度なら近距離からの銃撃でも弾く高い強度を持っており、ガエリオはマクギリスとの生身での決着時に被ることで頭を狙ってきたマクギリスの銃撃から身を守った。
関連イラスト
その他
・仮面の男「ヴィダール」の正体については視聴者の間でも色々と推測が為されたものの、かねてから噂されていたミスター・キシドーの話や、アニメ本編でのマクギリスとの因縁という設定、何よりも声優といった要素から多くの方があたりをつけていた事もあり、pixiv内では彼を「誰リオさん」、「誰リオ・某ドウィン」などのように控えめに呼んでいた作品も散見される。
また、ユーモアな推測の結果としてこちらのようなイラストも描かれた。