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イオク・クジャン

いおくくじゃん

イオク・クジャンとは、TVアニメ「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」の登場人物である。
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CV:島﨑信長


人物像

ギャラルホルンを束ねるセブンスターズの一角たるクジャン家の若き当主で初代当主のエンブリラ・クジャンの子孫。

同じくセブンスターズの一人であるラスタル・エリオンの率いる月外縁軌道統合艦隊アリアンロッドに属し、一部隊の指揮権を預かる。後見人であるラスタルを慕い彼の采配に対して全幅の信頼を置く。


真面目で血気盛ん、クジャン家当主としての誇りを持ち、部下を想い彼等の上に立つ者としての責任と挟持を意識しており、その人柄の良さに加え、部下達からの信望は篤い。

ラスタルからも軍人としての戦闘能力よりもイオクの為に義務を超えて死をも厭わない部下が現れる様な人を惹き付ける一面を評価され、其の面を将器に昇華させる様にと期待されている。

これは彼本人だけでなく過去のクジャン家の歴史の中で育まれた人脈もあっての事で、特に先代の当主たる亡き父が名君として高く評価されていた事にもよると思われる。


一方で非常に思い込みが激しく頭に血が上り易いという欠点があり、一度思い込むと若さも手伝って自分の正義を疑わず暴走し、他者の忠告も都合良く解釈したり全く聞き入れない状態になってしまう。

また、自分と同じくラスタルを慕うジュリエッタ・ジュリスとは反りが合わず、「猿」と見下している一方で彼自身も彼女から邪険にされている。

だが後に、対革命軍戦においてジュリエッタの奮闘に対し感銘を受けた様な素振り(ある意味器が大きいと言えるかもしれない)も見せており、罵倒されつつも彼女に命を救って貰った事は幾度もある。


モビルスーツパイロットとして自ら戦場に出る事もあり、専用にカスタマイズされたレギンレイズを乗機とする。

如何なる敵も正面から迎え撃つクジャン家の教えを尊重する一方で、セブンスターズの当主が最前線に出る事を望まない者も多く、その為に彼の機体は部下や整備班達の意向の元、主に長距離レールガンを装備した支援機として調整され、後方からの狙撃支援と部隊指揮を担う事が望まれている。

しかし、彼自身のパイロットとしての腕前はお世辞にも良いとは言えない上に、当の本人には何故かその自覚が無い。

射撃の腕も三日月・オーガスから「避けた方が当たりそう」と評される程低い為、レールガンも無用の長物となる事が多く、積極的に前に出ようとする悪癖も重なり、作戦中はジュリエッタから邪険に扱われる他、彼を抑える為に人員が割かれる事が多い。

イオクを守ろうとする部下達に対して、彼も「部下思いの上官」であろうとする気は強いのだが、ズレていたり空回りする事の方が多い。


セブンスターズの当主の座にありながら、何故かギャラルホルンの歴史等の知識に疎く、厄祭戦の引き金となったとされるモビルアーマーに関する知識も全くと言って良い程持ち合わせていなかった。

鉄華団が管理する火星のハーフメタルプラントから出土したハシュマルの視察に赴いたマクギリス・ファリドに謀反の疑いを掛けて拘束しようと出動した際、レギンレイズに乗ったままハシュマルに近付き、再起動という最悪の事態を招いてしまう。

イオクの部隊は自身を残して全滅、その後も部下達の仇を討つためハシュマルに度々攻撃を仕掛けるのだが、意図せず鉄華団の作戦を妨害する結果となり、本来なら出る筈の無かった犠牲を出す事に繋がった。

尚、モビルアーマーの危険性を良く知るマクギリスは制止しようとしたが、両者が政敵同士だったという事もあり、イオクには信じて貰えなかった。


鉄華団によってハシュマルが撃破された後、火星での行動が他のセブンスターズの知るところとなった。

目的だったマクギリスの謀反の証拠は手に入れられず、逆にモビルアーマー討伐の手柄を取られた挙句、地球でのセブンスターズの会議にてマクギリスに非難されてしまう。イオクも反論するが、現場に混乱を齎した事で被害を重く見たラスタルの叱責を買う。


それ以降はラスタルから見放される恐怖に取り憑かれ、マクギリスと結託していると思しき鉄華団を敵視するジャスレイ・ドノミコルスと共謀。

ジャスレイに唆される形で鉄華団の兄貴分であるタービンズを罠に嵌めるべく、条約で使用が禁止されている「ダインスレイヴ」をタービンズが輸送していた様に見せかけ、彼等を摘発する口実を作り上げた上で艦隊を率いてタービンズの拠点を強襲。名瀬・タービンはMSで反撃しながらではあるが停戦・降伏の意思を見せたものの、この作戦の成功が信頼の回復に繋がると信じてこれらを黙殺、母艦「ハンマーヘッド」から逃げる非戦闘員をダインスレイヴで攻撃し殲滅を図った。


タービンズの母艦「ハンマーヘッド」による特攻を受けて戦艦一隻を失いながらもタービンズの討伐に成功。情報提供を行ったジャスレイに直筆の謝状を送り、彼との協力体制を築くものの、ラスタルによって謹慎処分を言い渡された為、肝心のジャスレイと鉄華団との戦闘に参戦する事が叶わずジャスレイは戦死。

更に謹慎から間を置かずにマクギリスによってダインスレイヴの無断使用及び非戦闘員への攻撃の証拠を掴まれ、マクギリスを信奉するライザ・エンザの演説によってそれ等を白日の下に晒された。


その後は暫く蟄居の身となり写経等をしながら過ごしていたが、多くの部下がラスタルに彼の戦線への復帰を嘆願。結果、マクギリス革命軍との戦闘時は形としては復帰したもののラスタルの横で見学する形のみでの参加となった。

包囲網を掻い潜って鉄華団及びマクギリスが火星に降りた後、ラスタルに「ギャラルホルンの未来を背負う身として一連を見届けたい」と進言。結果、謹慎処分が解けた事で再びラスタルの下で戦場に身を投じる。但し指揮権は与えられずグレイズに乗る一兵士としての参加であった。

鉄華団包囲中、正当防衛である事をマスコミを通じて世界に印象付ける為に囮のマクギリスが攻撃をするまで、手を出せないという状況を認めていたが、その為に部下や僚機が命を落とす事を良しとせず、マスコミには相手をただ制止する為で攻撃の意図は無いと示す為に武装を全て棄てて単機で自らが攻撃を受ける事で開戦の口火を切ろうとマクギリスに決死の突貫を行う。

結果、バエルソードでコックピットを貫かれるもギリギリで回避しており、これを皮切りとしてマクギリスへの攻撃が始まった。もっとも、この行動自体は相手に先に撃たせるラスタルの思惑を促進させたものの待機の命に反し、若さと生真面目さ故とはいえ一介の兵士ならまだしもセブンスターズの当主としては一概に肯定しかねる行動でもあった。


最終決戦では、負傷の身でありながら通常のグレイズで出撃。

暴れ回るバルバトスとグシオンを目の前にして尻込みする部下を見て、部下達の制止を振り切り最前線に向かい、ダインスレイヴの攻撃で大破した昭弘・アルトランド駆るガンダムグシオンリベイクフルシティに挑む。

味方が怯えて出てこない中一人で突撃、グシオンのアームをナイトブレードで斬り落とす。

トドメの前に「このイオク・クジャンの裁きを受けろ!」と名乗りを上げたが、タービンズ壊滅の原因とも言えるその名を聞いて激昂した昭弘が最期の力を振り絞りシザーシールドで捉えてイオク機を引き倒し、コクピットを潰しに掛かった。部下が急いで救出に向かうも間に合わず、そのまま潰され無惨な最期を遂げる。


この時、2機のガンダム・フレーム機がダインスレイヴを受けて尚健在であり、ギャラルホルンの勝利は確定しているにも拘らず最後の一遍まで命を懸けて暴れ続け、このままでは戦線崩壊も免れない様な状況であった。

その為誰かがガンダムを撃破しない限り戦いは終わらず、ガンダムに挑むのは誰かがやらなければならない事でもあった。セブンスターズたるイオクが前線に出る事で士気を高揚させる事自体は戦略的に意味のある行動ではあったのだがイオクの思惑通りには進まず、悔やみながら死を迎えることになってしまった。

尚、この時本来であればイオクの救出も行わなければならなかった筈のジュリエッタは、致命傷を負いながら尚も勢いが衰えない三日月が繰るバルバトスを相手に苦戦しており、更にもう一機を相手取る事は出来なかった。寧ろイオクがグシオンの前に立ち塞がったお陰でジュリエッタは助かったとも言える。


歳の若さ故か後継者を用意しないままの死であったようで、クジャン家は断絶。

セブンスターズを担っていた三家の断絶によって、ラスタル・エリオンはセブンスターズによる合議制を廃止した為、イオクの死も戦後ギャラルホルンの民主化を進めるきっかけとなったのは皮肉である。


キャラクター造形について

2017年4月2日に中野サンプラザホールで開催された「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ THE LAST FLAG」のイベント記念パンフレットにてシリーズ構成の岡田麿里氏が「イオクさんに関しては、元々はハシュマル戦の時に「ヘイトを溜められる役」で出したいと監督が言っていたキャラクターだったんですね(笑)」とインタビューで語っている。

もっとも、このキャラクターを造形するに当たって、「何故この様な無能な男が、周囲を引っ掻き回せる様な立場につき、認められるにまで至ったのか?」といった疑問が浮かぶ様になったらしく、これが上述した様な「やる気だけは一人前の男」という塩梅に繋がったとの事。


但し、DVDに収録された第36話のオーディオコメンタリーにて、小川Pが「無能ではないんです。ただMSの操縦が苦手なだけで」と語っており、キャラクター造形において製作陣内で齟齬が生じていた事も窺える。

更に同コメンタリーにて、イオクが視聴者に嫌われ過ぎた為に彼の最後は改変する予定である事が語られた。つまり本編における彼の最期は元々用意されたものではないと予想される。


劇中では散々な扱いをされた憎まれ役のイオクであるが、父親を早くに亡くして、孤児になった後、ラスタルやクジャン家家臣達から先代当主の代用品とされた上、中途半端な対応で成長出来ず、ハシュマル戦での行動から同じセブンスターズだったカルタ・イシューが考察されて、彼女が株が上がったり、「イオクは他のアリアンロッド陣営へのヘイトを遠ざけるスケープゴート」という考察から同情される意見も多い。ある意味、イオクも大人に振り回されたオルフェンズの1人であった


ラスタルも家臣もイオクへの愛情はあり、イオクも彼らの事を好いているので互いにきちんと向き合っていれば改善できた事は作中でも描写されていたがそれでも互いに甘さが抜け切れなかったのも悲劇であった。

また、メタ的な視点で言えば「一握りの英雄の存在に依存しきった組織の危険性」、転じて「三日月やオルガがいなくなり、彼等の影響力のみが残ってしまった場合の鉄華団のifの姿」を描いている人物という側面もある。

組織自体が個人の手腕に依存し過ぎている以上、鉄華団の次代を担う立場だったライド達も己の気付かぬ間にイオクのようになってしまう可能性はあった、という訳である。


余談

イオクを演じた島﨑信長氏は、最終回放映後にTwitterで、「イオク・クジャンという人間を演じさせていただけて、役者として本当に幸せです。正直、すっごく楽しかった…!!「「すっきりした!!とかも含めて、最終回までのイオクの生き様で、どんな形でも心を動かしてもらえていたら、本当に役者冥利に尽きます…!とイオク・クジャンというキャラクターを演じられたことに感謝の言葉を残している。


ただ、そのあまりにものヤバさには島崎氏も思うところがあったようで、37話の後で、イオクさま、うるさい!と語っている。

特にやらかす回のオルフェンズ収録現場では、島﨑氏が共演者に話し掛けたところ「君とは今話したくない」と言われてしまう程嫌われたエピソードがあるという。


だが、この事態はそれほどまでに島﨑氏の演技が卓越していた証であり、視聴者だけでなく素の自分を知っている筈の共演者さえも、そのように錯覚させてしまう程に見事な演技力を持っている点は、俳優としては非常に名誉ある事態である。


言うまでもないが、あくまでも悪行を重ねたのは『イオク・クジャン』なる架空のキャラクターであり、それらの悪行もあくまで「演技」で、演じた島﨑氏自身は元から何も悪くなく、微塵の非もない。


イオク様に関する関連項目

日曜日のたわけ イオク様 イオク・ペシャン公


関連項目

機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ

レギンレイズ グレイズ

ギャラルホルン 月外縁軌道統合艦隊アリアンロッド


ラスタル・エリオン ジュリエッタ・ジュリス

ヴィダール

ジャスレイ・ドノミコルス


ユウナ・ロマ・セイラン:ガンダムシリーズにおける先輩。イオク同様由緒ある家系の生まれで当初こそ真っ当に見えたが、性格上の欠点が顕になって以降は失策を繰り返し犯す様になり、最期はモビルスーツに潰されて圧死と、共通点が多い(家系も壊滅)。一方、彼は臆病な一面があり、パイロットではなく後方で指揮するタイプの人間で、人望がない点がイオクと異なる。


ルクスン・北条:制作会社が同じ作品のキャラクターで名門出ながらも能力が付いていっていない事も同じ。もっとも、あちらは置かれた環境から特別扱いが許されなかった為に成長していった。


ラディゲバスコ・タ・ジョロキア:こちらは特撮ではあるが、劇中の行動で演者が嫌われた者繋がり。イオク(の中の人)の場合は共演者に嫌われると言ったエピソードのみであるが、この2人(勿論中の人)の場合は子供に泣かれる、罵倒される。酷い時には石を投げられると言った事をされていた。


柴崎愛蔵:演者が島﨑信長氏繋がりのキャラクター。イオクと同じく、大人に振り回された人物だったり頭に血が昇りやすいという繋がりがある。ただパイロットとしての腕前が良いとは言えないイオクと違い愛蔵の場合は自らの鍛えた戦闘力を器用に活用しているという違いがある(愛蔵の世界はオルフェンズと世界観が違いすぎるので比較できるものでもないが)。一部からは「力のなかった世界線の愛蔵」と言われてたり。

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