必殺口上
のさばる悪をなんとする
天の裁きは待ってはおれぬ
この世の正義もあてにはならぬ
闇に裁いて仕置する
南無阿弥陀仏…
中村主水の初登場作品
本作は、前作の「必殺仕掛人」とは打って変わる「原作を持たないオリジナル時代劇」であると同時に、後に必殺シリーズの立役者となる中村主水の記念すべき初登場作である。
奉行所の腐敗に失望するあまり昼行燈となり、妻や姑にもいびられていた冴えない役人が『ある事件』をきっかけに再び正義に目覚め、かつての知り合いだった元罪人達と徒党を組んでは法では裁けない悪人を「仕置」する『仕置人』して活躍する物語。
そして中村主水を演じた藤田まこと氏は、当時コメディアンとしてのイメージが強かっただけにこの作品はまさに新境地だった。
仕置人メンバー
主人公。かつて不義を働いて佐渡に島送りとなった前科を持つ、元住職にして酒好き・女好きの接骨医。
ひょんなことから主水と再会し、『仕置人』となる。
仕置方法は整体を生かした「骨外し」
本作ではもう一人の主人公。
奉行所の腐敗を嘆くあまり昼行燈となった小役人であるが、かつて佐渡金山に同心見習いとして働いていた時に知り合った鉄や錠と再会したことで正義の心が再び目覚めて『仕置人』となる。
仕置方法は刀を駆使した「剣術」。
棺桶の錠(演:沖雅也)
『仕置人』メンバーの最年少。その名の通り普段は棺桶を作っている。
無口だが、正義感が最も強い。やはり事を起こして佐渡に島送りとなった前科がある。
仕置方法はアタッチメントタイプの「手槍」。
鉄砲玉のおきん(演:野川由美子)
『仕置人』メンバーの紅一点。
主に3人のサポートを行う。
おひろめの半次(演:津坂匡章)
『仕置人』メンバーのサポート担当の一人で、普段は瓦版屋で働いている。
演じた津坂氏は後の秋野太作氏である。
仕置方法
従来の必殺シリーズ同様に被害者からの依頼金で悪人を暗殺するのが主であると思われがちだが、劇中では「死すら生ぬるい悪人」も存在しており、その者に対しては以下の仕置きを行っている。
- 悪徳豪商と結託して罪もない百姓に無実の罪を着せたある悪徳役人に対して、拉致して骨外しで喋れなくした後、身投げして死亡していた町娘の遺体を利用する形で心中の生き残りに仕立て、晒しものにして人々に石を投げさせる(第1話)。
- 江戸時代では、心中で生き残った者は晒しものに処する法律が実際にあった。
- 豆を買い占めては自身を恨む女性を罪人に貶めた悪徳豪商を拉致し、3日間飲まず食わずの状態にして洗い浚い白状させることで、最終的に罪人として磔の刑に追いやる(第2話)。
- 前述の悪徳豪商とグルで私利私欲のために罪のない村娘をさらっては嬲り者にし、あまつさえ逃亡しようとした娘を保身のために殺害した一味を拉致し、徹底的に拷問。さらに彼らによって失明させられた依頼人である被害者男性に報復させて視力を奪わせた後、言葉も喋れなくしてお面をかぶせ、葵紋の褌一丁で裸踊りさせた挙句に川に飛び込ませる(第3話)。
関連タグ
怨み屋本舗 - ある意味『必殺仕置人』の現代版。