概要
ハシュマルとの戦闘で大破したガンダム・バルバトルルプスを、テイワズの技術部門が改修したモビルスーツ。
機体名の「レクス」とはラテン語で「王」の意。オルガ・イツカは、火星の王を目指す自身の右腕である三日月・オーガスの振るう力としてこの名前に運命的な物を感じているが、その一方で「長い」と苦言も呈している。
阿頼耶識システムによる機体との一体化の一途を辿る三日月の戦闘データを元に、機体の反応速度を理論値の限界にまで高めており、ガンダム・フレームの各関節の挙動もパイロットの肌感覚に一致させる等の繊細な調整が行われた。
外装は、三日月の戦闘スタイルをより直感的に実現させる事を目的に一新。近接戦闘に特化した機体構成に見直された結果、腕部はバルバトスルプスよりも大型化され、更に装備の一部には撃破したハシュマルのパーツも活用されており、背部テイルブレードにその名残を見て取る事が出来る。
また、肘部には大型化したマニピュレータの運用を補助する為のサブアームが内蔵されている。
なお、三日月が右半身不随となったため、搭乗させやすいようにコックピットハッチは胸部前面を開放する方式に改められ、バルバトスルプスでは肩部に描かれていた鉄華団のエンブレムはコックピットハッチ上面の首元に移された。
単なるハイスペック機体というだけでなく、三日月の戦闘スタイルも相まって対戦相手に恐怖すら呼び起こさせる挙動は「心理的なプレッシャーを与える」という副次効果もあり、アリアンロッドのMSパイロットですら「悪魔」と恐れ怯える者が出るほどだった。
機体データ
形式番号 | ASW-G-08 |
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全高 | 19.0m |
本体重量 | 32.1t |
動力源 | エイハブ・リアクター×2 |
使用フレーム | ガンダム・フレーム |
武装 |
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パイロット | 三日月・オーガス |
武装
超大型メイス
対艦戦闘も視野に入れてテイワズ技術部門が開発したバルバトスルプスレクスの主兵装。
ガンダム・バルバトスが第1~第5形態まで使用していたメイスと似た形状を持つが、サイズはそれよりも2倍近くに巨大化している。
先端部と柄の底部にパイルバンカーを備えており、柄の部分は状況に応じて伸縮が可能。
非使用時は腰部にマウント可能。
両腕レクスネイル
改修に際して、フレーム構造の見直しを行った結果大型化したマニピュレータ。
より先鋭化した指先のカバーはヴァルキュリアブレードと同じ黄金の希少超硬合金製となり、大質量の腕自体が敵を貫く武器として使用される。
超硬合金製のネイルカバーは爪先にも装備。
腕部200mm砲
手首部分に内蔵されている射撃兵装。
バルバトスルプスの射撃兵装が外装式オプションだったのに対してこちらは埋め込み式のバルカンのような完全な固定武装となっている。
ヒールバンカー
踵部に増設された小型のパイルバンカー。
レクスネイル同様に武器を内蔵した事で三日月の直感的な戦闘を支えている。
テイルブレード
ハシュマルの超硬ワイヤーブレードを転用した特殊兵装。
阿頼耶識システムで特殊粘性合金製のワイヤーを操作する事によって、変幻自在な攻撃が可能。
ブレード自体は超硬合金製のため、重MSの装甲をも容易に突破する。
三日月の感覚通りに動く武器の為使い勝手が良く、使った本人も「今まで自分に尻尾がなかったのが不思議なくらい」と述べている。
外部作品への出演
ガンダムVSガンダムシリーズ
アーケード版のONでこそルプス止まりであったものの、エクストリームバーサス2にて堂々の参戦。稼動前から実装が発表されており特に注目度の高い機体でもあった。
勘違いされやすいがいわゆる格闘機ではなく、近接寄り万能機に近いカテゴリなのでそこその射撃武装を装備している。また、原作最終決戦で三日月と共に戦場に残った昭弘の搭乗機も呼び出し可能。コストは3000。
やはり今回も特殊移動武装+ピョン格闘は健在。バルバトス系統機の集大成ということもあって、レバー入力なしでバルバトスと同じ直進移動、レバー前でルプス同様の飛び上がり前進、レバー左右で斜め、レバー後で真後ろへ、さらに射撃派生で4本のメイス投擲を行う。
また、ハシュマルから転用したテイルブレードは格闘SC・射撃SCのそれぞれで性質の違う武装(ただし同時使用は不可)
格闘SCは一種の時限強化武装、発動時間中はテイルブレードを待機させ、敵に接近すると自動で攻撃する。
射撃SCの方は射出して突き刺すオールレンジ兵器寄り武装。また、格闘や他の武装のモーションをキャンセルすると自由落下するので降りテクとしても使用可能という何処ぞの超AIモビルスーツのような使い方も可能、先の特殊移動中に行えば慣性の乗った高速降りテクも可能。
さすがにわからん殺しすぎてしまい後にアップデートで追従性能を落とされてしまうものの、まだまだ降りテク用武装としてはまだまだ有用。
ピョン格、特殊移動、それに射CSを使った降りテクを加えた3点セットを組み立てるアドリブ性を使い手に求められるが、いざ使いこなせれば目まぐるしく暴れ続ける全機体屈指の高速戦闘機体となる。
なお、覚醒中は格闘CSの自動追尾テイルブレードが自動発動するので本体とシッポ両方で暴れまわることが可能。ただし、前述の射撃SCを使った降りテクは使用不可となるのでご注意を。
余談
なお、「ルプスレクス」は「狼の王」と意訳でき、つまりは北欧神話に登場する史上最強の狼であるフェンリルを想起させる事も可能で、アリアンロッドの保有する、フェンリルを倒した神の名をもつガンダム・ヴィダールとは対を成す機体と言えるかもしれない。
また、マクギリスを養ったファリド家の紋章も、フェンリルである。
50話でバルバドスルプスレクスの首が掲げられるシーンの原画は大張正巳が本作への思い入れ故に「いちアニメーターとして誰にも渡したくなかった」との強い意向で担当している。参照
ガンプラのMSオプションセット9やガンダムトライエイジのカードにて第1形態の腕を換装した形態が公開(設定資料に関しては放送終了後に発売された設定資料集に掲載)されたが、終盤のシナリオ内容の変更によって使われる事無く没案となった。